-
スロバキア 2ユーロ「大陸初の鉱山用排水蒸気機関300周年」
大陸初のの鉱山排水用蒸気機関が建造されてから300周年を迎えるにあたり、2022年にスロバキアで発行されました。 大陸初の鉱山排水用蒸気機関は、英国のアイザック・ポッターにより建造されました。ポッターの父はニューコメン機関として知られる鉱山用蒸気機関を発明したトーマス・ニューコメンと交流をもち、ポッターもその流れを汲むことになります。ポッターはカール6世の許しを得て、1721年8月21日に、ノヴァー・バニャのアルタンデル立坑で鉱山排水用蒸気機関を建造するための契約に署名しました。翌年に完成した蒸気機関は大陸(欧州)初の鉱山排水用蒸気機関となり、鉱山作業環境を劇的に改善しました。その偉業は、現在もスロバキアで語り継がれています。 貨幣のデザイン面には、ポッターが建造した蒸気機関とその署名が刻まれています。通常版995,000枚のほか、コインカード入りが4,000枚発行されました。
銅・亜鉛・ニッケル スロバキア 995,000枚Hokutosei
-
スロバキア 2ユーロ「ウィーン・ブラチスラヴァ郵便馬車急行便200周年」
ウィーン(オーストリア)・ブラチスラヴァ(スロバキア)間に郵便馬車急行便が開設されてから200周年を迎えることを記念して、2023年10月11日にスロバキアで発行されました。 1861年にオーストリアで発行された「帝国地理学会会報」によると、1823年5月3日にウィーン・ブルノ(チェコ)間で運行開始した郵便馬車急行便は、7月29日にウィーン・プラハ(チェコ)間に拡大し、10月1日にはついにウィーン・ブラチスラヴァ間に開設されました。当時まだ紙は高価なものでしたが、19世紀のハプスブルク家は郵便馬車を積極的に利用していたようです。道路網が発達していたにも拘らず郵便馬車はまだ遅かったため、ハプスブルク家は私的に郵送馬車の速達化に取り組みました。主に4〜6頭の馬によって牽かれた当時の郵便馬車急行便は、時速12kmもの速度を達成しています。これにより、現在も続く郵便輸送の礎が築き上げられました。また、郵便馬車の到着を知らせたポストホルンは、郵便馬車が多く運行されていた欧州各国で後に郵便局のシンボルとなっていきます。 デザイン面は馬引く郵便馬車をスピード感溢れる表現で描き、馬車の到着を知らせるポストホルンもデザインに採り入れられました。ウィーン・ブラチスラヴァ郵便馬車急行便が開設された10月に発行されており、まさに郵便制度の節目にふさわしい貨幣となっています。
銅・亜鉛・ニッケル スロバキア 995,000枚Hokutosei
-
エストニア 2ユーロ「ウクライナと自由」
ロシアによる侵攻を受けているウクライナを支援するため、2022年7月8日にエストニアで発行されました。貨幣はスロバキアのクレムニツァ造幣局で、コインカード本体はポーランドのゲルマニア・ミントで製造されています。売上はウクライナ中央銀行に寄附されます。 1日も早くウクライナを支援するため、特別デザイン版2ユーロの構想から発行まで18か月かかる行程を、わずか4か月にまで短縮して発行されました。また、なるべく早く販売開始するため、最初にコインカード1万枚を発行し、追ってコインカードと通常形態のものが発行される予定となっています。両形態を合わせ、この2ユーロ貨幣は200万枚が発行される計画です。 貨幣のデザインは、ウクライナ・ハルキウ出身で、エストニア芸術アカデミーにて学んだDaria Titova(ダリア・ティトワ)氏によるものです。優しさの象徴として少女の姿を配し、手に鳥を保護する様が表現されています。ウクライナで盛んに生産される小麦の穂もデザイン面で際立っています。さらに、コインには、ウクライナの独立と抵抗を象徴するスローガン Слава Україні をラテン文字に転記した Slava Ukraini が刻まれており、同国のユーロ硬貨では初めて、外国語が使われることになりました。
銅・亜鉛・ニッケル エストニア 未確定Hokutosei