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クロアチア 4ユーロ「クロアチアの革新者シリーズ」発明家 ファウスト・ヴランチッチ
2023年よりクロアチアで発行される、同国の知性と発明を讃える「クロアチアの革新者シリーズ」の1枚です。同年にユーロを導入したクロアチアでは2番目に発行された銀貨にあたります。自然科学や技術の分野で多大なる貢献を果たしたクロアチアの人物にスポットを当てており、記念すべき第一貨は、パラシュートを実用化した偉人として知られるファウスト・ヴランチッチが取り上げられました。 今日のパラシュートの原形は、イタリアで発明されました。ヴランチッチはその図面を研究し、今日のパラシュートの原形となる図面を、著書 Machinae Novae に残しています。この図面に従ってパラシュートを作成し、初めて実験を成功させました。 貨幣のデザインは、38番目の図「空飛ぶ人」と、13番目の図「丸い塔の工場」を図案化したものです。それぞれ初めて実用化に漕ぎつけたパラシュートの図案、風力タービンを備えた屋根の図案で、今日に繋がるヴランチッチの偉業を讃えるにふさわしいデザインに仕上がっています。デザインは同時に発行された100ユーロ金貨と同じです。銀の品位は999パーミルです。
銀 クロアチア 15,000枚Hokutosei
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ネパール 25ルピー銀貨「WWF」ニジキジ
世界野生生物基金(World Wildlife Fund, 現在の世界自然保護基金)とのコラボレーション貨幣が、ネパールを含む24か国で発行されました(全て当時の英国王立造幣局で製造)。この貨幣はそのうちネパール発行分にあたります。ネパールでは、同国に生息する野生動物を数種類取り上げており、この貨幣はニジキジがモチーフとなっています。 ニジキジは、高山帯に生息する大型のキジです。オスはその名の通り色彩豊かな羽をもち、ネパールの国鳥となっています。ニジキジは地面や雪をかき分け、小さな虫や草の実を探して食べます。この貨幣のデザインは、ニジキジはもちろん、その生息域をも表現しています。 銀品位は925パーミルで、詳しい組成は不明です。
銀 ネパール 11,000枚Hokutosei
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英国「女王エリザベス2世」 5ポンド白銅貨 2022年
2022年に女王エリザベス2世が惜しまれつつ息を引きとられたことを受け、同年にイギリスで発行されました。女王の治世と遺産を讃える3つのコインプログラムの一環で、女王の歩みを表現するものです。同デザインでプラチナ貨、金貨、銀貨を含む計5種の貨幣が発行されています。 特筆すべきは、この3つのコインプログラムで新国王チャールズ3世の肖像が初めて刻まれたことでしょう。通常貨や2022年の他のコインプログラムに先立ち、採用されました。 表面のデザインは、彫刻家マーティン・ジェニングスがデザインを担当した新国王チャールズ3世の肖像です。肖像それ自体や配置、文字の字体にまで考えぬかれたデザインとなっています。裏面では、女王の若き日と近年の肖像を左右に、ロイヤル・サイファと聖エドワード王冠を上下に配し女王の歩みが表現されています。 5ポンド白銅貨は女王陛下の肖像がプリントされた特製ブックレットに収められる形態で販売されています。
銅・ニッケル 英国 未確定Hokutosei
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マルタ 10ユーロ銀貨「英国女王御在位70周年」
英国女王の在位70周年を記念して、マルタ共和国で発行されました。同国が英連邦加盟国でユーロ採用国でもあるため、ユーロ圏では珍しい英国女王関係の記念貨幣となりました。同じテーマで2.5ユーロ白銅貨も発行されています。素材はスターリングシルバー(Silver925)ですが、詳しい組成は不明です。 片側にあるプラチナジュビリー・エンブレムのデザインは、ヴィクトリア&アルバート博物館と英国王室の共催によるコンペを経て、リーズ大学の学生エドワード・ロバーツのイラストが採用されたものです。聖エドワード王冠をプラチナカラーの一本線で描くことで、英国女王の権威を表現しています。デザインには女王の在位期間70が組み込まれ、書体は女王の戴冠式で使用されたものが踏襲されています。更に、この10ユーロ銀貨ではエンブレムにカラーリングが施され、色は戴冠式で女王が着用したローブとガウンに合わせたパントン3515Cが採用されました。 10ユーロ銀貨の方は僅か2,000枚しか発行されていません(もっとも、マルタのコレクター向け貨幣は総じて発行枚数が少なく、この銀貨並みかそれ以上に発行枚数が少ないものも複数ある)。
プルーフライク 不明 マルタHokutosei