文久永宝 真文 細字垂足寳

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文久3(1863)年より鋳造された、江戸時代末の銭貨です。寛永通宝の当四銭と同様の背11波があります。不評を買った寛永通宝鉄四文銭の後継とされましたが、銅不足により量目を削減して鋳造されました。明治期に廃止された天保銭や寛永通宝鉄銭と異なり、文久永宝は昭和28(1953)年に廃止されるまで法的に有効でした。

書手が3種類に大別されます。銀座監督のもと江戸深川千田新田で鋳造され、若年寄・小笠原長行の書手による真文、金座監督のもと浅草橋場(小菅)で鋳造され、老中・板倉勝静の書手による草文、同じく草書体で「寳」の字が「宝」となっているものが政事総裁職・松平慶永(松平春嶽)の書手によるもので玉宝(略宝)です。

写真は真文にあたります。

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