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Peter “Sleezy” Christopherson “Live At L' Etrange Festival 2004 - The Art Of Mirrors (Homage To Derek Jarman)”
皆さんはPeter Chrstophersonはご存知ですよね?愛称Sleezy。かのインダストリアル・ミュージックの創始グループThrobbing Gristle (TG)で、テープ操作などを担当、その後、Psychic TVに参加するも、直ぐにJohn Balanceと共にCoilを結成。とまあ、地下音楽の王道を歩んできたアーティストです。そうそう、TG参加前には、ジャケなどのデザインを担当していたHipgnosis (ヒプノシス)の創設メンバーでもありました。残念ながら、彼は2010年11月25日に、タイで55歳と言う若さで他界しています。今回は、タイトル通り、Derek Jerman監督の映画”Art of the Mirror”の映画音楽についての彼のライブ音源の録音作品をご紹介します。ライブ自体は、2004年9月13日に仏で開催されたL'Étrange Festivalでの録音となります。その前に、様々な分野で活動してきたSleezyについてのバイオグラフィーを簡単にご紹介しておきます。彼の父親は大学工学部の教授で、彼自身も英国の大学で修士を取得した後に、渡米し、NYCのBuffalo大学で、コンピュータ・プログラミング/劇場デザイン/ビデオ芸術について学んでいます。しかし、当時、彼はRobert MapplethorpeやArthur Tressのパフォーマンスに興味を持っていました。帰国して、TGの創設者として名を連ね、1981年の解散までメンバーとして活躍しています。一方で、先述のように彼はジャケ・デザインを担当する集団Hipgnosisの創設者でもあり、Pink FloydやPeter Gabrielのジャケや1976年のSex Pistolsのプロモーション用写真やパンク・ショップSEXの店内デザインなどもやっています。TG時代には、SleezyはChris Carterが特注で作った自家製のテープ・マシンを操作していますが、後に、彼はFairlight CMIよりも早くデジタル・サンプラーをライブで使ったと評されています。TG解散後、Sleezyは、P-OrridgeらとPsychic TVを結成し、多数のライブを行っていますが、Balanceと一緒になり、2人はパートナーともなります。その後、Psychic TVで2枚のアルバムに参加後、2人は脱退して、Coilを結成します。Coilでは、Balanceが歌詞を書き、Chapman Stickやキーボードを演奏、Steven E. Throwerは時にベースやドラムで参加していました。一方で、Sleezyは、Rage Against the Machine, The The, Van Halenなどのミュージック・ビデオを40作以上作製していたりもします。20年以上に渡り、Coilは他のアーティストとのコラボや自分達のアルバムを多数リリースしてきました。また、Sleezyは長い音楽家としてのキャリアがあるにも関わらず、本人名義の曲は2曲しかありません。その内の1曲は、Balanceのアルコール依存症からのリハビリに対するコンピ”Foxtrot”に収められています。Balanceの死後、2005年に、Sleezyはタイのバンコクへ移住し、ソロ・プロジェクトThe Threshold HouseBoys Choirを始め、また、Coilの遺作を自身のレーベルThreshold Houseからリリースしたりしています。2005年にはTGのリユニオンがあり、Sleezyも参加していますが、P-Orridgeの死によって、TGは幕を完全に閉じます。一方、Sleezyは、2007年にThe Threshold HouseBoys Choirのファースト・アルバム”Form Grows Rampant”をリリース、翌年には、Sleezyは、CoHことIvan Pavlovと新プロジェクトSoisongを開始、そのプレミアは同年3月9日に東京で行われています。Soisongは、伊のRoberetoでDerek Jarman作”Blue”のライブ・サントラを行なっています。同年4月にも、伊のTurinで、SleezyとPavlovは、David Tibet, Othon Mataragas, Ernesto Tomasiniと共に、同監督作”The Angelic Conversation”のライブ・サントラもやっています。その後、2010年には、Sleezyは、Harley PhoenixとBryin Dallと共に、e-mailを介した新コラボ・プロジェクトHirsute Pursuitを始め、2曲が完成しますが、Sleezyは、2010年11月25日に55歳の若さで他界し、それらの曲は彼の死後にリリースされています。ちょっと、書ききれないので、ここら辺にしておきます。 バイオグラフィーからも分かるように、Sleezyは、ライブで、映画のサウンドトラックを演奏すると言うスタイルを演っていましたが、本作品もそのパフォーマンスの記録と言うことになります。本作品は2枚組ですが、1枚は両面、もう1枚は片面のみ収録されています。また、片面がほぼほぼ24分位になっていますが、特に曲名の記載などはありません。ドローンのような音から、タイでのフィールド・レコーディングされた音(雑踏や民族音楽など)、フィードバック音、ルーフする電子音などがゆっくりと流れていくように配置されています。大きなな盛り上がりなどは特にありませんが、その淡々とした音が想起する風景が、ロング・ショットの映画の場面のように目の前を過ぎていくような音楽です。何故、Sleezyがタイを最後の居住地に選んだのか?は定かではありませんが、恐らく、今まで行ったことも住んだことも無い場所を敢えて選んだのか?それとも単なる欧米人のアジアへの憧れとか興味なのか?よくは分かりませんが、本作品にはそんな異国情緒とも取れる音が散りばめられていると思います。今まで、単独名では2曲しかなかったSleezyの音響テクニックをまざまざと見せつけられた気分です。凄く繊細なアーティストだと確信しました。TGとかでは何をしていたのか良く分からないメンバーとは思っていましたが、その認識は間違いでした。音を視覚的に捉える一種の「共感覚」のような作品です。マストですね❗️ https://youtu.be/qIYickFOnFw #PeterSleezyChristopherson #LiveAtL'EtrangeFestival2004 #TheArtOfMirrors #HomageToDerekJarman #BlackMassRising #Experimental #Sampler #Computer #LiveSoundtrack #ThrobbingGristle #PsychicTV #Coil #ThresholdHouseBoysChoir #Soisong #HirsutePursuit #Hipgnosis
Experimental Black Mass Rising 4037円Dr K2
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Shock Headed Peters “Not Born Beautiful”
以前にLemon Kittensを紹介した時にちょっと書いた、片割れのKarl Blakeが結成したのが、このShock Headed Petersです。ちょっと変わったグループ名ですが、これは19世紀に書かれたHeinrich Hoffmann作の子供向けの本”Der Struwwelpeter”から取られているそうです。少しバイオグラフィーを書いておきますね。Lemon Kittensが分裂して、Danielle Daxはソロ活動をしますが、Karl Blakeは、1982年にAshley Walesと共にShock Heated Petersを結成します。そこに、David Knightが加わります、更にはMark RowlattやClive Gloverも加わります。1984-1986年の間は、カナダのThe Dave Howard Singersと一緒にツアーをしています。それで、1987年10月にバンドは一度解散しますが、1990年にはバンドの創設メンバーであるKarl BlakeとDavid Knightでリユニオンします。その時にはドラムはGuapoに居たDave Smithが担当するようになったようです。バンドとしては、1995年にリリースされたDanielle Daxのアルバム”Comatose Non-Reaction: The Thwarted Pop Career of Danielle Dax”の中の曲”Hate On Sight”でコラボしています。その翌年にはバンドは解散してしまいます。とまあ、この位の情報しかないので、勘弁してください。 内容の方ですが、いわゆる普通のロックバンドと違って、ゲストヴォーカルに歌わせてみたり、トロンボーンやサックス、ヴァイオリンなとも加えた幽玄な曲をやつています。曲の振り幅も激しいです。でも、この作品は、ファースト・アルバムなんですよねー。こう言うゲストを招くのは珍しいのでは? 曲も、楽器の音がちゃんと聴こえるように、キチンと録音とマスタリングしたおり、録音技術は格段に上がっています。バンドとしては納得のいく仕上がりだったのでは?と思いますし、結構ハードな曲が多いので、Lemon Kittensからは想像できない音楽です。オルタナかポストパンク的ですね。多分、好きな人は好きな音楽でしょう。皆さんもちょっと聴いてみて下さい。ジャケ画も皮肉たっぷりですね。 https://youtu.be/wAzacaA2pjI #ShockHeadedPeters #NotBornBeautiful #Él(Benelux) #ex-LemonKittens #KarlBlake #AshleyWales #MarkRowlatt #Clive Glover #DavidKnight #PostPunk #AlternativeRock
Avant-Rock / Post Punk LP Él (Benelux)Dr K2
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Organum “In Extremis”
漸く出ましたねぇ。Organumの登場です❗️今まで,The New Blockaders (TNB)との共作などで、知られていましたが、実は、それ以前から活動しています。と言っても、OrganumはDavid Jackman本人のことなので、Davidが作製した作品は皆んなOrganumになると言う訳です。実は、Cherry Red Recordsのコンピにも音源を残しているんですが、本格的に、「ノイズやるぞ!」としての単独のファーストアルバムが,この”In Extremis”になります。ただ,ごく初期にはカセット等でのリリースやコラボ作もあるようです。一時期、少数限定多作で、リスナーにダメージを与えたDavidですが、最近はOrganum Electronicsとして活動を再開しています。なので、Organumと言った場合は、イコールDavid Jackmanと覚えておいて下さい。それで、彼が、元々実験音楽界に現れたのは、1969-1972年間のCornelius CardewによるScratch Orchestraへの参加がキッカケでしたが、後に彼は参加して良かったと言ってます。それで,彼は1979年にはMonoplaneのレーベル名でカセットカルチャーに入り、ごく少数のカセットの売買や交換を始めています。ここら辺はまだ謎が多いですね。1983年からOrganumを名乗り、欧州の中心に各国のレーベルから片面シングルやEPを出していきます。何故かと言うと,彼は長い曲に興味がないからで、「70分もCDに入れるのは,古臭いダブルLPみたいで冗長なだけで、好きではない」と明言していました。また、ライブも殆どやらず、インタビューにも殆ど応じなかったので、益々,彼の神話化が進みました。ただし、Nurse with Woundの Steven StapletonやChristoph Heemann, Robert Hampson, Jim O'Rourke, MorphogenesisのMichael Prime, AMMのEddie Prévost及びAndrew Chalk等とのコラボ作品は多数出しています。後、アートワークにも凝っていて、中世の解剖学などの線描絵画をコラージュ的に使うことが多いのも特徴的ですね。 それで、本作品についてですが、A面に2曲、B面に1曲が収録されていますが、後者は盟友TNBが参加しているとのことです。しかしながら、両面ともシンバルやメタル・ジャンクの弓弾きと思われる金属質な持続音からなり、さながら金属持続音の鳴り響く迷宮に迷い込んだ感じを創起させますね。よく聴いてみると、B面の方が,音の分離が良く、モーターの使用やメタル・ジャンクの摩擦音も聴き取れるように思います。メタル・ジャンク好きには堪らないですね。どうですか、入手は困難ですが、是非聴いてみてください。因みに、本作品のリリース元はベルギーのL.A.Y.L.A.H. Antirecordsですが、他にもCurrent 93, CoilやRobert Haighなどもリリースしています。 “In Extremis part 1” (A-1) https://youtu.be/KD-0xzAAsPw “Valley of Worms” (B-1) https://youtu.be/N8Z_c3c-vmg #Organum #InExtremis #L.A.Y.L.A.H.Antirecords #MetalJunk #Experimental #Noise #TNB
Noise Experimental L.A.Y.L.A.H. Antirecords 不明Dr K2