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Reifenstahl “Die Wunderwaffe”
強烈なジャケ写で登場したのは、1980年代初頭の独DüsseldorfのデュオReifenstahl (ライフェンシュタール)で、本作品は彼等のファースト・アルバムでもあります。先ず、バンド名からしてふざけています。ナチのベルリン・オリンピック記録映画「民族の祭典」を撮影した女性映画監督Leni Riefenstahl (レニ・リーフェンシュタール)を文字って「熟した鋼」としたところは得点高いですね。 それで、彼等のバイオグラフィーを少し調べてみました。DüsseldorfでPAレンタルをしていたGerd Gaida (CrooxのGでもある)と、彼の同級生Mathias Rappの2人によって、1979年に結成されています。その後、同郷の自主制作レーベルInk Recordsから、1980年にデビュー・シングル”Radio Moskau”をリリースし、その翌年1981年に、本作品でもあるファースト・アルバム”Die Wunderwaffe” (WW2でナチスが命名した「秘密超兵器」のこと)をリリースしています。この時期に、英国BBCでは、DJのJohn Peelが盛んに自分の番組Radio 1で掛けており、Reifenstahlのことをダイナミック・デュオと呼んでいたそうです。実際、彼等は、GやSynth以外にも、チェーンやおもちゃの風船、エナメルのボール等を色んな風に使って出した音をミニマル・ウェーブの要素として用いていました。その後、Crooxのファーストに参加していたSax奏者Micky Reinhard ことMichael ReinhardtとInk Recordsも運営していたCrooxのギタリストMike Schmidtが加入し、4人組となりますが、一度、解散してしまいます。その後、1984年に、Geld Gaida, Michael Reinhardt, Mike Schmidtの3人で、(第2期)Reifenstahlを再開し、Ink Recordsの後継レーベルDer Produzentenklubから、1986年にセカンド・アルバム”Rex”をリリースしますが、活動休止となっています。 以上が、Reifenstahlの略歴ですが、本作品では、強烈なジャケ写で分かる通り、ホラー/サスペンスへのオマージュとして制作されているらしく、そのバックボーンには、プログレ、バッハ、レゲエ、ファンクまでの色んな音楽をごった煮にして、ホラー要素を少々振りかけたエレクトロ・ポップが詰め込まれているとのことです。なお、録音は1980年12月23日〜1981年1月11日に、DüsseldorfのInk Recordsスタジオで行われています。それでは、本作品(A面7曲/B面5曲)に収録されている各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “One Two” (2:11)は、キックと共にカウントを数える声と物音系の音、その他、BやらDrsやら何やら。全くナンセンスな曲です。 ★A2 “Die Wunderwaffe” (3:47)は、線の細いシーケンスにBの低音リフと抑制的Voから成る曲で、時にシンセ等が挿入されますが、何かサビみたいな所やその後のSaxとGによる間奏も意味不明に素晴らしい。 ★A3 “Der Wüstenfuchs” (3:41)では、上下するパルス音に、トイドラムとオペラめいたVo、そして時々電子ノイズも。何だこれ? ★A4 “Epilog” (0:28)では、トイドラム対トイサックスの試合かな? ★A5 “Space Invaders” (4:10)も、パルス音に合わせたぶっ壊れたロッケンローが素晴らしい。Bはちゃんと弾けるのかな?変調VoとかGとか、、かっこ良い! ★A6 “Zerbröckelnde Gesellschaftsstrukturen” (1:08)は、おもちゃの笛とシンセ音と反復する癇癪VoとミュートしたBの混合物ですが、全然混ざり合っていないです。 ★A7 “Bonanza” (1:25)は、割とまともな曲で、ビックリだよ!しかし、逆回転とか挟むなよぉ!と言いたくなる。 ★B1 “Intellektuell” (4:17)は、スカスカで完全にLo-Fiなロックで、潔い程、下らない、その中ではDrs(とB)が無理矢理を曲を維持している。そしてVoも! ★B2 “Reumütige Raumfahrer”(4:09)は、ぼんやりした低音Bと何とか「曲」にしようと踠いているGとかDrs等諸々の音断片達から成り、後半では曲っぽくなって巻き返しするインストです。 ★B3 “Tritt Bitte Nicht Auf Mein Glas” (1:57)では、こんな下手な演奏でも朗々と歌えるぜ的Voに思わず泣かされます。 ★B4 “Je T' Air (Ich Dich Luft)” (4:12)は、メトロノーム音に太いBがドライブする曲で、Gも割とまともだし、ユーモラスなシンセも活躍するインスト曲。途中の歪んだGもグーですね。最後テープは何? ★B5 “Ich Denke Oft An Dich (Live Version)” (2:52)では、何かネジ切れたようなGとリフを弾いているらしいBとかがカオスっていますが、段々とシンセやPercで落ち着いてきます。 しかし、これは凄いわ!内容は、もうジャケ写通りの類人猿がやっているような音楽(らしきモノ)ですよ。タガが外れていますが、時々、人類になる所もあり、カテゴライズ不可能ですね。まあ、時代が時代だったし、今はこれは出来ないでしょう。こう言うユーモア・センスが、1980年頃の独逸人っぽいなぁ。日本で言えば、ほぶらきんに相当? 下らなくて、崇高な音楽を演奏するグループですね。要チェック❗️ A7 “Bonanza” (1:25) https://youtu.be/ZDSmNjVyl90?si=MDF2EcgPU_uMlWcu [full album(曲順違い&ボートラあり)] https://youtube.com/playlist?list=PLLvdvodyj3fLUiCdewzWRA8pOL-sVXdPb&si=h_kPEj5dOo8iN43w #Reifenstahl #DieWunderwaffe #InkRecords #FirstAlbum #Düsseldorf #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ExperimentalPop#Electro #Bass #Percussions #Guitar #Synthesizers #Toys #Croox #GerdGaida #MathiasRapp
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Pop INK Records €15.00Dr K2
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Moebius & Plank “Material”
またまた、出ました!独逸を代表するエレクトロニクス・デュオClusterのMoebiusことDieter Möbiusと独逸が産んだ最高のエンジニア/プロデューサーConny Plankのコラボ作品第2弾”Material”を、やっと入手しましたので、紹介していきたいと思います。前回は、ファースト・アルバム”Rastakraut Pasta”を紹介しましたので、彼等2人のバイオグラフィーはそちらを読んでみて下さい。ここでは、このデュオのバイオグラフィーは省略しますね(省略しなくても皆んな、知ってますよ!)。本作品の内容はA面2曲/B面3曲となっていますので、各曲についてご紹介していきます。 ★A1 “Conditionierer” (8:49)は、いきなりノリの良いGとDrsのビートに、Bも加わってきて、更にはSlide-Gも、と言う意外過ぎるミニマルな曲です。一体、誰が弾いているの?と思ったら、Saxまで入ってきます。 ★A2 “Infiltration” (7:41)では、スローなリズムマシンとミニマルなリフを引き続けるシンセBで始まりますが、お気楽な電子音やラジオ音等が塗されて、テク無視のGやSaxや変調Vo(?)なんかも混ざってきで、最後は盛り上がります。 ★B1 “Tollkühn” (6:12)は、ちょこまかしたシーケンスとシンセBから成る曲で、時にシンバルやGっぽい音やSE風電子音も入ってきます。頭の中で鼠が走り回るような曲? ★B2 “Osmo-Fantor” (4:27)は、チープなリズムマシンとBとGらしき音から成る曲で、所々で、好き放題のSE電子音やGが混入してきます。 ★B3 “Nordöstliches Gefühl” (7:21)も、割とスローなリズムマシンとシンセBとエレピから成るミニマルな曲ですが、笛の音のようなシンセ音が「通奏高音」になっており、それに絡まるようにシンセのメロディが爪弾かれます。エレピが良い仕事してます。 ジャケ写のイメージから、環境問題とかのもっと重めの音楽を想像していたのですが、やはりMoebiusが関わっているので、そんなシリアスな音楽ではありませんでした(敢えて言うならB3が一番シリアスかな?)。そこら辺は裏切ってくれませんねぇ。A2なんかは、Plankの手腕が遺憾無く発揮されていると思います。そう言った意味で、エンジニアのPlankの名前も冠したのは、やはりエンジニア以上の何かをしたからでしようね。確かにコミカルとも言える曲調はMoebius的ですが、それをPlankが上手くコントロールしているのではないでしょうか?でも、そんな2人ももう他界しているんですよね。合掌!そしてLet’s Listen!l❗️ [full album on 2010 reissue/remastered version] https://youtu.be/76Pj-tijsWA?si=WR9bSRLmRJnmpPN1 #DieterMoebius #ConnyPlank #Material #SkyRecords #SecondAlbum #Collaboration #Krautrock #Experimental #Electronic #Synthesizers #HammerBeat #RhythmMachine #Guitar #Bass
Krautrock / Electronic Sky Records 5750円Dr K2
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John Cale “Honi Soit”
前々から興味のあったVelvet Undergroundですが、ちょっと横道に逸れて、創設メンバーのJohn Caleを聴いてみようと思いましたので、ヤフオクでポチりました。Lou Reedの方は名(迷)作”Metal Machine Music”や”Berlin”で少しは聴いていたのですが、John Caleに関しては全くちゃんと聴いていなかったので、今回が初めてと言うことになります。Caleのバイオグラフィーについては、簡単に書いておきます。John Cale、本名John Davies Caleは、英国ウェールズCarmarthenshireのGarnantで、炭鉱夫の父親と学校教師の母親の間に生まれました。7歳の頃、聖公会の牧師と音楽教師から性的悪戯をされていますが、その頃には、Ammanford教会でオルガンを弾いています。それで、BBCは、彼が初めて作曲したアダム・カチャトリアン風のピアノ曲トッカータを録音しています。13歳になると、彼はViolaの才能に目覚め、ウェールズ国立青年オーケストラに参加、その後、ロンドン大学Goldsmiths校で、音楽を専攻し、学士を取得しています。また、彼は、1963年7月に、あるフェスで初期のFluxusのコンサートを企画したり、短編映画”Police Car”にも携わり、1963年7月には、新しく結成された前衛集団の為、”Fluxus Preview Review”の中に2曲を提供しています。また、同年には、英国て行われたJohn Cageのピアノとオーケストラと為の最初のコンサートで指揮をしています。それで、Aaron Coplandの勧めで、彼は音楽修行の為に米国、特にTanglewoodに行くことになります。それで、NYCに到着したCaleは、1963年9月に、John Cageによって企画された、Erik Satieの”Vexations”と言う18時間40分も掛かるピアノ「マラソン」に参加しており、その様子はTV番組I’ve Got A Secretで放映されています。後に、Caleは、John Cageの落ち着いた芸術的風貌が、 Cage自身の書籍にはよく表れていると述懐しています。一方で、Caleは、La Monte Youngの永遠音楽劇場でも演奏しており、この時の影響で、ドローンをThe Velvet Underground (以下、Velvetsと表記)にも活かされていると回想しています。Caleは、前衛音楽としてロック(The Who, Kinks, Small Faces等)を聴いて親しんだきたこともあって、その年にLou Reedと彼のルームメイトAngus MacLise及び同級生のSterling Morrisonと共に、Velvetsを結成しています。その後、MacLiseが直ぐに辞めた為、Moe Tuckerを正式メンバーとします。Velvetsの話しは過去にしていますので、そちらをご参照下さい。極々簡単に言いますと、Lou ReedとJohn Caleの音楽性の溝が大きくなり、Caleは、1968年に脱退しています。ただし、1970年にVelvetsが”Ocean”と言う曲を録音している時に、Caleはオルガンで参加しており、アルバム”Loaded”にこの曲は収録されています。それで、Velvets脱退後、Caleは、プロデューサーとして活動し、The StoogesのデビューアルバムやNicoの3部作”The Marble Index“ (1968年作), Desertshore (1970年作), The End... (1974年作)等をプロデュースしています。それ以外にも、ソロアーティストとしても活動しており、1970年に、ソロとしては、ルーツ・ロックなファースト・アルバム”Vintage Violence”を出していますが、1971年2月には、より実験的なアルバム”Church Of Anthrax”をミニマル・ミュージックの開祖Terry Rileyとのコラボで出しています。また、1972年には、後に映画のサントラとなる作品”The Academy in Peril”を映画の完成前に作っており、翌年には、アルバム”Paris 1919”を出しています。Caleはこの時期に、Jennifer Warnes, Modern Lovers等のプロトパンク・バンドのプロデュースや、更にはPatti Smith, Squeeze. Sham 69のプロデュースも行ったり、Island Recordsのスカウトもやったりしています。しかし、Caleは、1974年ロンドンに戻り、ダークでおどろおどろしい曲調が多いアルバム3部作”Fear” (1974年作), “Slow Dazzle” (1975年作), “Helen of Troy” (1975年作)を僅か1年間で出しています。この時には、ライブも再開したおり、有名なElvis Presleyの"Heartbreak Hotel"の強烈に歪んだカバーもやっています。そして、Kevin Ayers, Nico, Enoと共にライブアルバム”June 1, 1974”を出しています。その後、1977年には、ノルウェーの劇作家Henrik Ibsenによる演劇”Hedda Gabler"をベースにしたEP”Animal Justice”をリリースしています。そのラウドで荒々しく迎合しないライブは当時のパンク・ロック・シーンに受け入れられていきます。時に、彼は13日の金曜日のジェイソンのような被り物でライブをやったり、鶏の首を切ったりと過激な演出もしていますが、これは彼によると、コカインの大量接種によるものとされています。その後、彼は英国パンクバンドのプロデュースをやっていますが、1979年12月には、パンクロックへのオマージュとして、”Sabotage/Live”をリリースしますが、同年CBGBで行われた3回以上のライブ音源が使われており、そのアグレッシブなVoや演奏は、このアルバムを全くの「新曲」のように聴かせています。また、同年になると、Caleは、ピアノやARPシンセを使うようになり、4枚目のアルバム”You're Never Alone with a Schizophrenic”で披露しています。この時期には、DeerfranceやIvan Král及びJudy Nylonと一緒にライブをやっており、後に(1987年)、ライブ・アルバム”Even Cowgirls Get the Blues”をリリースします。1980年に、CaleはA&M Recordsと契約し、よりコマーシャルな方へ舵を切り、本作品でもある7枚目のソロアルバム”Honi Soit”を1981年にリリースし、Mike ThorneのプロデュースやAndy Warholのカバーアート等も得ますが、この音楽性では成功せず、A&M Recordsとの関係は終わります。その為、彼は、ZE Recordsと契約し、1982年にアルバム”Music for a New Society”を出しますが、これは、彼の初期の洗練された曲調とその後のおどろおどろしい曲調が上手くブレンドした作品となり、隠れた傑作とも評されます。その後、1984年に、9枚目のスタジオ・ソロアルバム”Caribbean Sunset”をZE Recordsから出しますが、これは前作よりもずっと受け入れ易い仕上がりとなっており、音楽評論家からは悪い反応でしたが、蘭アルバムチャートにもチャートインしています。その後、ライブアルバム”John Cale Comes Alive”を出して、1985年に商業的成功を狙ったアルバム”Artificial Intelligence”をBeggars Banquet Recordsからリリースします。このアルバムはシンセやドラムマシンをふんだんに使ったポップ志向の強いもので、編集者Larry "Ratso" Slomanともコラボしましたが、全く成功しませんでした。唯一の”Satellite Walk”が若干ヒットした位です。同年、Caleは、Kurt Vonnegutのショートショート”Who Am I This Time?”のドラマ化の際に音楽を付けたりもしています。そうして、Caleは再び、プロデュース業を始め、ベルギーのポップ歌手LioやHappy Mondays, Element Of Crime等のアルバムに携わっています。この時期、彼の下の娘のこともあって、録音やライブからは離れていましたが、1989年に、Enoの協力の元に復帰し、アルバム”Words for the Dying”をリリースしています。このアルバムでは、詩人Welshman Dylan Thomasが1982年に書いたフォークランド紛争に関する詩を用い、2つのオーケストラと2つのピアノソロが収録されています。まだまだ、彼の活動は続くのですが、一旦、ここまでとして1990年以降については、またの機会に書くことにします。 それで、本作品”Honi Soit”について紹介します。先述のように、John Caleがポップ路線に舵を切ったアルバムで、Mike ThorneがPC処理とプロデュースを行い、Andy Warholがジャケのコンセプトを出した作品でしたが、商業的には成功しませんでした。そんな作品ですが、これはCaleにとって7枚目のスタジオ・ソロアルバムで、参加者はJohn Cale (Lead-Vo, G, Viola, Kbd), Sturgis Nikides (G, Back-Vo), Jim Goodwin (Kbd, Synth, Back-Vo), Peter Muny (B, Back-Vo), Robert Medici (Drs, Back-Vo), John Gatchell (Trumpet)で、A面5曲/B面4曲が収録されています。それでは、各曲について紹介してしきましょう。 ★A1 “Dead Or Alive” (3:51)は、かなりポップ色が強く、意外にもJohn Caleが朗々と歌っています。またトランペットのメロディが心に残ります。 ★A2 “Strange Times In Casablanca” (4:13)は、ややしっとり系のポップスで、若干のVelvets感がありますが、バックのシンセの低音がちょっと不気味ですね。 ★A3 “Fighter Pilot” (3:10)では、いきなり女性コーラスで、ビックリしますが、そこだけ変拍子なんですね。曲自体はポップで、CaleのVoも良く通っています。 ★A4 “Wilson Joliet” (4:23)は、ややしっとりした落ち着いたバラード調のポップスで、CaleのVoも抑揚をあり、聴かせて、最後に「狂気」を垣間見ます。 ★A5 “Streets Of Laredo” (3:34)も、一聴、変拍子?と思われる譜割で、如何にもCaleらしいですが、間奏のViolaが中々良いです。 ★B1 “Honi Soit (La Première Leçon De Français)” (3:20)は、PercとスライドGのイントロがスリリングで、途中のトランペットも効果的な「アメリカン」な曲ですね。バックのコーラスも良い塩梅です。 ★B2 “Riverbank” (6:26)は、しっとりして落ち着いたピアノ中心のバラードで、気怠いVoもマッチしていますね。ただ曲構成は当たり前過ぎて、ちょっと残念です。 ★B3 “Russian Roulette” (5:15)は、ハードボイルドなカッコ良い「アメリカン」なロックで、Gのリフや歌い方やVoに、特に「アメリカン」を感じますね。 ★B4 “Magic & Lies” (3:26)では、ピアノの弾き語りで始まり、やがて曲の盛り上がりで他の楽器も入ってきます。曲自体は良いのですが、もう少しCaleっぽさが欲しかったですね。 と言う訳で、アルバムとしては、確かにポップ・ミュージック路線ですが、決してこれが駄目とは思えなくて、程良いポップネスを感じることが出来て、良く出来た作品であると思います。A面では、このポップネスにCaleっぽさも感じられますし。多分、Mike Thorne (この人はWireの最初の3枚のアルバムをプロデュースしています)のプロデュース力もあると思います。なので、John Caleのポップな面を堪能したい方にはお勧めします❗️ A3 “Fighter Pilot” https://youtu.be/CG9ohNojpPo?si=ODc1T0SdxCV-Fi_4 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_m5W4g2nBwdxc08TCIjXMvkrFRB2xUzJ54&si=rhGcHqh_hJwNwnud #JohnCale #HoniSoit #A&MRecords #SoloAlbum #7ThStudioAlbum #ArtRock #PopRock #Commercial #SturgisNikides #JimGoodwin #PeterMuny #RobertMedici #JohnGatchell #MikeThorne #AndyWathol #TheVelvetUnderground
Art Rock / Pop Music A&M Records 1980円Dr K2
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The Modern Lovers “The Original Modern Lovers”
このThe Modern Loversも、1980年代に友達K 君に教えてもらい、当時は、ダビングしてくれたカセットを聴いていたものです。それで、1990年代に中古を購入した次第です。それでは、先ず、The Modern Loversのバイオグラフィーについて改めて調べてみました。The Modern Loversと言うバンドは、Jonathan Richmanを中心として、米国Bostonで結成されたバンドで、厳密には、活動は1970年〜1974年までとされており、この時期に2枚のスタジオ・アルバムを制作していますが、1976年と1981年までは未発表のままでした。それで、彼等は再編成して、1976年〜1988年では、Jonathan Richman & The Modern Loversと名乗って、活動しています。それで、最初に戻りますが、Jonathan Richmanは1969年に高校卒業後、NYCに移り住み、その頃にVelvetsに夢中になり、マネージャーのソファーで2〜3週間、寝起きし続けて、NYC生活を堪能しますが、その後、彼は、ネズミの巣窟たる安ホテルAlbertに住み始めます。しかし彼は「もう充分」と言う理由で、9ヶ月のNYCでの生活を辞めて、欧州やイスラエルを旅行し、最終的にBostonに帰郷します。そこで、幼少期の友達John Felice (G), 後にThe Carsに加入することになるDavid Robinson (Drs)やRolfe Anderson (B)を誘って、たった1ヶ月後の1970年9月に、The Modern Loversを名乗って、The Sidewindersのサポートでライブ・デビューしています。ただ、1971年初頭に、AndersonとFeliceが脱退し、代わりにHarvard大学の学生でもあったErnie Brooks (B)とJerry Harrison (Kbd)が加入し、所謂、The Modern Loversのオリジナル・ラインナップとなります。このメンツでのThe Modern LoversのBostonでの人気は凄く、メジャー・レーベルも興味を示し、1971年秋には、Warner Bros. RecordsのStuart Loveがコンタクトを取ってきており、多チャンネルでの録音によるデモテープ制作も行っています。また、直ぐにA&M Recordsも彼等に興味を持ったようです。翌年1972年4月に、彼等はLAに行き、そこで2本のデモテープを作っています。ひとつは、John Caleプロデュースのもので、Warner Bros.用の、もうひとつは、Allan MasonプロデュースのA&M用の2本です。それと、彼等はその時、CAのBerkeleyにあるLong Branch Saloonでライブもやっており、この音源は、後にライブ・アルバムにもなっています。1972年6月には、Kim Fowleyと出会い、彼はBostonまで来てくれて、何本かのデモテープを作っています。しかし、バンドは、Felice (G)が数ヶ月間復帰したこともあって、MAのCohassetに皆んなで移住しています。1973年初頭には、Warner Brothersと正式に契約しています。しかし、John Caleと一緒に作業する為に、LAのスタジオに行くまでは、Ernie Brooks (B)の家族が所有しているBermudaのInverurie Hotelで演奏する許可をもらっています。そこで過ごしている内に、Richmanは、昔の音楽スタイルを気にするようになり、バンド内に衝突が段々と増えていきます。それでも、Richmanは、違った方向性の音楽になることを心配していましたが、初期の曲を録音することに同意しています。彼自身は、よりメローでリリカルな音楽を録音したかったようです。他のメンバーも反対はしなかったのですが、今風に聴こえるようにはしたかったようです。1973年9月に、Caleの元でのセッションは、彼等の友人Gram Parsonsの死によって、もはや良質な録音などあり得ないと、The Modern Loversのメンバーは思ってしまい、その結果、レコード会社としては、新たにKim Fowleyのプロデュースで、セッションを仕切り直し、Gold Star Studiosで録音して、1981年になって、やっと本作品でもあるアルバム”The Original Modern Lovers”をリリースしています(因みに、この作品は2000年にCDで再発されています)。しかしながら、Warner Bros.側としては、彼等のデビュー・アルバムをリリースし損ねたと考えてしまい、The Modern Loversへのサポートをやめてしまいます。そして、Robinson (Drs)が脱退し、代わりにBob Turner (Drs)が加入しますが、Richman自身が、古い曲(“Roadrunner”等)を段々とやりたがらなくなってしまい、RichmanとHarrisonとの間での音楽の方向性の違いから、1974年2月にバンドは解散してしまいます。その後、メンバーはThe Real KidsやTalking Heads, The Carsへと加入したり、結成したりします。Richmanは、昔のVelvets風の曲調には二度と戻ることはなかったのですが、CaleとMasonがプロデュースした最初の2本のデモテープから、Beserkleyレーベル側が曲を選んで、その傘下のHome Of Hitsから「ファースト」アルバムとして、セルフタイトルで、1976年にリリースしています。しかしながら、Richman自身は、このアルバムを「ファースト」アルバムとは決して認めず、「自分のデビューアルバムは1976年リリースの”Jonathan Richman and the Modern Lovers”だ」と主張しています。ただ、前出の「ファースト」アルバムは、評論家の受けも良く、「本当に偉大なアートロックのアルバムである」とベタ褒めされ、パンクへの影響力もありました。まあ、そんなこともあって、アルバムの順番についてはややこしいのですが、Richmanは、1976年から新生バンドとして、Jonathan Richman and the Modern Loversを始め、1988年まで続けますが、このバンドについてはまたの機会に書くことにします。 それで、リリース順としては、3番目になる本作品”The Original Modern Lovers”について紹介していきます。この時のメンバーは、Jonathan Richman (Vo, G), Jerry Harrison (Piano, Organ, Back-Vo), Ernie Brooks (B, Back-Vo), David Robinson (Drs, Back-Vo)で、Mars Bonfire (G [B5])がゲスト参加しています。それで、この作品は、Kim Fowler がプロデュースして、1972年に録音された音源であり、The Modern Loversとしては、一番古いものです。内容的には、両面とも5曲ずつです。では、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Road Runner Part 1” (4:35)は、ご存知「ワン・ツー・スリー・フォー・ファイブ・シックス」で始まる曲で、Kbdが効いてますね。Voは相変わらずヘナヘナですが、それがまた良い塩梅です。 ★A2 “She Cracked” (2:40)も、ワンコードとややヘロったRichmanのVoで押し切るような曲で、カッコ良いですが、間奏はラジオ音です。 ★A3 “Astral Plain” (2:43)は、相変わらずヘロヘロのVoと跳ねるようなリズムから成る曲です。間奏のGソロもヘナチョコですが、そこがまた良いんです。 ★A4 “I'm Straight” (4:05) も、Richmanの語りから始まるスローな曲なんですが、特にバラードとかには聴こえない位、グダグダ感が強い演奏です。その中で、オルガンだけが上手くて、曲を引き締めている感じです。 ★A5 “Walk Up The Street” (3:11)は、変なGソロ(?)から始まり、RichmanのヘロヘロのVo/Gを他の3人が支えている曲ですね。 ★B1 “I Wanna Sleep In Your Arms” (2:29)は、軽快でアメリカンな曲で、RichmanのVoもそんなにヘロってはいません。コーラスもあり、良い曲で、最後には絶叫まで! ★B2 “Don't Let Our Youth Go To Waste“ (1:40)は、Richmanの鼻歌のような独唱から成る小曲で、意外な感じで、物悲しさすら漂います。 ★B3 “Dance With Me” (4:26) は、G(エレキ)の弾き語りで始まり、徐々にBやDrsが微音で入って、更にエレピも入ってくるスローな曲で、盛り上がるところは盛り上がります。RichmanのVoに涙します。 ★B4 “Girlfren” (4:00)も、Richmanの独唱がイントロで、やや明るいような悲しいような甘酸っぱい曲で、やはりRichmanのVoと間奏の下手なGが素晴らしい! ★B5 “Road Runner Part 2” (3:49)は、カウント無しで始まる名曲(A1)のヴァージョン違いで、Richmanも字余りながらしっかり歌っています。この何とも言えない疾走感は、中学生が自転車で思いっきり走っている感じですね。 と言う訳で、Richmanにとっての「ファースト」アルバムでもある本作品は、ヘロヘロのVoとしっかりしたバックの演奏で成立している訳ですが、なんかもう「青春」な感じがして、嬉し恥ずかしで、懐かしい感じですね。Kim Fowleyの「とにかくセッションの場だけは確保するから」と言ったプロデュースは良かったと思いますよ。また、そのやり方は、その後のRichard Hell 辺りには影響を与えたようです。しかし、”Roadrunner”は名曲だと思いますので、未聴の方は是非とも聴いてみて下さい❗️ クレジット曲順 A1 “Road Runner Part 1” (4:35) A2 “She Cracked” (2:40) A3 “Astral Plain” (2:43) A4 “I'm Straight” (4:05) A5 “Walk Up The Street” (3:11) B1 “I Wanna Sleep In Your Arms” (2:29) B2 “Don't Let Our Youth Go To Waste “ (1:40) B3 “Dance With Me” (4:26) B4 “Girlfren” (4:00) B5 “Road Runner Part 2” (3:49) https://youtu.be/Q3iK4JU5Q3M?si=7rV_CODMuuIHJVpw #TheModernLovers #TheOriginalModernLovers #LineRecords #MohawkRecords #ドイツ盤 #FirstAlbum #ThirdAlbum #1981年release #Producer #KimFowley #ArtRock #Garage #AmericanBand #JonathanRichman #JerryHarrison #ErnieBrooks #DavidRobinson #Guest #MarsBonfire
Art Rock / Garage Line Records / Mohawk Records 不明Dr K2
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Andy Giorbino “Lied An Die Freude”
君は、Andy Giorbinoを覚えているかい? 嘗て、1980年に独の名門レーベルZick Zackよりデビューしたトイ・ポップ職人が、Andy Giorbino (アンディ・ジョルビーノ: 本名Andreas Gerth)です。そこで、先ずは、彼のバイオグラフィーを調べてみました。独Hamburg生まれで、1976年には、Radio Moon名義で、音楽とダンスを組合せたパフォーマンスを行なっていました。1979年になると、独のNeue Deutsche Welle (German New Wave)を語る上で最重要な自主レーベルZick ZackのAlfred Hilsbergs (アルフレッド・ヒルスベルクス)にコンタクトを取り、その結果、ファースト・ソロ7㌅シングル”Kredit"を出しています。1980年には、本作でもあるファースト・ソロ・アルバム”Lied An Die Freude (リード・アン・ディー・フロイデ)を同レーベルよりリリースし、レーベルカラーの一翼を担うことにもなります。それで、1980年〜1984年では、アルバムタイトル”Lied An Die Freude”と題して、再び、音楽とダンスとを組合せたパフォーマンスをHamburg, Köln, Berlin、更には隣国まで行って開催しており、その様子をカセット作品でも出していますね。その間にも、1982年にセカンド7㌅シングル”Stolpern”を、更に同年にセカンド・アルバム”Anmut Und Würde”を共にZick Zackよりリリースしており、カセット作品”Frechheit Siegt”も出しています。また、同年には、Jäki EldoradoとNicki Eldoradoと共にFSKと言うバンド名義で、IVANHOE!ツアーを敢行しています。その後1983年〜1984年には、彼自身のHeimatforscherで、Kosmonauntentraumと一緒に独蘭2国ツアーを敢行。1984年には、また”Lied An Die Freude”で、パリ・ビエンナーレに招聘されていますが、個人的理由で、このプロジェクトは解体されています。そうして、1985年には、HamburgのバンドGeisterfahrerにギタリストとして参加、翌年、このバンドのアルバム”Fi$ch Gott”がリリースされ、また、1987年には、別のバンドKastrierten Philosophenに参加して、アルバム”Between Shootings”がリリースされ、Roskildeフェスにも出演しています。1988年には、Gaistetfahrerはアルバム”Stein & Bein”をリリースし、また、LedernackenことFolke Jensenとも共同制作しており、その結果は、1989年リリースのアルバム “The Art Of Letting Go”となります。このアルバムは、独だけでなく、英国でも同時リリースされ、更に英国ではビデオでのプロモーションもあったとか。このアルバムは蘭ではスパイアクション番組でも用いられたらしいです。また、同年には、Geisterfahrerもアルバム”The G-Far-I”をWhat's So Funny Aboutから出しています。一方で、Giorbinoは、HamburgのDocksで上映されたAndy Warholの映画にライブで音楽を付けたりしています。1993年には、ギター・オーケストラRossburger Reportにも参加しており、同年にはアルバム”Whiteouts”をCDとVinyl両形態で、Vinc Lombardy Highschool Recordsから出しています。そうして、1996年には、アルバム”Bellymen”をCDでリリース。翌年1997年には、David Meyer/Sillywalksとのコラボで、CD”Les Fleurs Du Mal”をリリース。また、2000年になると、Peter Brötzmannのコンサートで、Folke Jensenと運命的再会を果たし、Ultraschall Studioで再度、コラボを開始して、2002年に、その結果であるEP "Überall Licht”をDian Recordingsから出しています。その後も、順調に、2005年には、シングル盤”Ich Sag Hallo”とCD “Schön"をOnomato-Popから出しており、2012年にもCD “The Artstore Takes”も出しています。一方、2009年以降は、映像作品に音楽を提供することを生業として、多くの作品に曲を付けています。その中でも、Film-Atonaleでは、Andy Giorbino (G), Krischa Weber (Cello)に加えて、更にKatrin Achinger, Kastrierte Philosophen, Jim Sudmann, Eisenvaterをゲストに迎えて音楽制作も行なっています。また、2014年12月には、印のHyderabadで開催されたBangalore International Film Festivalにも招聘されています。 とまあ、Andy Giobinoの今までの活動を見るとこんな流れでしようか。それでは、彼のデビュー・アルバム”Lied An Die Freude”について紹介したいと思います。ここでは、殆どの楽器(トイ楽器も含む、割とチープな楽器等)とVoを彼が演奏しており、少数のゲストが参加しているのみです。参加者は、Andy Giorbino (Vo, Instruments, Text [A1-A4, A6-B4, B6, B7], Music, Technical Support)の他に、Hajo Bauer (Text [B5]), Ivanhoe! (作曲 [A5]), Jäki Eldorado (G [A3]), Gitta L. aus E. (Text, Vo [A5]), Rajo Crash (Vo [A9])もゲスト参加しています。内容もA面9曲/B面7曲と言うだけで満腹になりそうですが、A面はFrühsommerseite (初夏サイド)と、B面はSpätsommerseite (夏の終わりサイド)と銘打たれています。それでは、各曲について紹介していきますね。 ★A1 “Motor Im Kopf”は、リズムマシンに合わせて、Gの切れのよいリズムとKbd、それにトイピアノとが組み合わさった曲で、途中のGは何故かヘンテコです。 ★A2 “Der Kleine Koch”は、性急なテンポで、ブクブクしたシンセと忙し無い展開に、独語Voがハマりますね。 ★A3 “Ich Lieb' Sie”は、如何にも似非スパニッシュな曲で、シンセのSEがそれを裏付けます。 ★A4 “Lied An Die Freude”は、性急なDR-55のリズムとシーケンスに乗って、反復する女性Voが聴かれるタイトル曲です。調子ハズレのシンセ・ソロも良し! ★A5 “Wer Denkt Mich”も、DR-55のリズムとGとベースラインに元気一杯の女性Voが乗ります。コーラスも良い塩梅で、シンセソロも良し! ★A6 “Luft Im Kopf”も、チープなリズムに太いシーケンスと不協和音なシンセが絡むインスト曲ですが、途中のSynth-BやGのソロもグー! ★A7 “!Viva!”は、弾き語りのような雰囲気の曲ですが、そこは流石、Giorbinoらしいヘンテコなアレンジが! ★A8 “Du, Nur Du”も、パルスで始まったかと思うと、スパニッシュなGとチープなリズムとVoが出てきます、勿論、調子外れなシンセやSE的音も! ★A9 “Kornblumenblau”は、LAFMSか?と間違うような鼻歌合唱による小曲です。 ★B1 “Urwald 1”は、Gで始まりますが、B?Synth-B?が絶え間なく上下し、更にはコンガなんかも。もう何でもありですね。囁くようなVoやメチャなGソロも入ってきます。 ★B2 “Nix Zu Spät”は、シンセ持続音からチープリズムか?と思うと一旦止まって、独語の会話とリズムマシンから成る曲です。 ★B3 “Wartet Auf Mich”は、割とまともな曲ですが、全編シンセとチープリズムと如何にもな独語Voからなります。間奏にはGソロも。 ★B4 “Urwald 2”は、ディレイをかけたリズムに、スムースな音色のシンセ、それに歌い上げるVoと言う頓珍漢な曲です。最後のワウGは? ★B5 “Der Mond”は、シンセで作ったリズムに、ハワイアンなスライドG、それにVoと言う、これまた不可思議な曲で、合ってないシンセも出現! ★B6 “Träum' Von Mir”は、リズムマシンに、呼吸音?のような呻き声と調子っぱずれのシンセから成る曲。 ★B7 “Aus Lauter Liebe”は、お得意のトイピアノの弾語りですね。もうヤケ糞なんでしようか? まあ、ここに紹介した記載は其々の曲の部分的なところだけですが、一曲一曲にたんまりと面白いアイデアやアレンジが施されていて、とても書き切れるものではないです。その位、良く考えられた(?)曲が詰まった面白アルバムなので、Zick Zackや初期のNDWがどんなカラーを持っていたかを知るには格好の音源です❗️なので、そこら辺に興味がある方は是非とも聴いてみて下さい。今は、日本のSuezan Studioから、ボートラ付きCDで再発されていますので、そちらの方が入手し易いかも! side Frühsommerseite A1 “Motor Im Kopf” (2:37) A2 “Der Kleine Koch” (2:01) A3 “Ich Lieb' Sie” (1:54) A4 “Lied An Die Freude” (3:14) A5 “Wer Denkt Mich” (3:12) A6 “Luft Im Kopf” (3:18) A7 “!Viva!” (2:35) A8 “Du, Nur Du” (2:49) A9 “Kornblumenblau” (0:32) side Spätsommerseite B1 “Urwald 1” (3:22) B2 “Nix Zu Spät” (2:32) B3 “Wartet Auf Mich” (4:01) B4 “Urwald 2” (2:47) B5 “Der Mond” (2:47) B6 “Träum' Von Mir” (1:47) B7 “Aus Lauter Liebe” (2:05) https://youtu.be/Z2j281Gaxaw?si=cErsv3S3chCmjlbr #AndyGiorbino #LiedAnDerFreude #ZickZack #FirstAlbum #Original #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #SynthPop #Electro #Experimental #Guitar #Synthesizers #ToyInstruments #Guests #HajoBauer #Ivanhoe! #JäkiEldorado #GittaL.AusE. #RajoCrash
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Zick Zack 不明Dr K2
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Tom Tom Club “s/t (おしゃべり魔女)”
本家のTalking Headsではなく、今回は、そのバンドのリズム隊からスピンオフしたバンドTom Tom Club (以下、TTCと表記)をご紹介します。先ず、TTCのバイオグラフィーを紹介したいと思います。米国バンドTalking HeadsのTina Weymouth (B)とChris Frantz (Drs)の夫婦が、1981年に、サイドプロジェクトとして始めたのが、TTCです。2人は、Compass Point All StarsのメンバーやAdrian Belew (G)、それにTinaの姉妹達の比較的緩い関係で録音したり、ライブを行ったりしています。TTCと言うネーミングは、元々、1980年のTalking Headsのリハを行ったバハマのダンスホールから付けられたとのこと。そして、1980年代初頭に出したシングル”Genius Of Love”や”Woody Rappinghood”がヒットしたこともあって、ダンス・ミュージック・シーンで成功を収めます。それで、これらの曲も含んだファースト・アルバムをSire Recordsからリリースし、そこそこの成功を収めていますが、David Byrneには無視されていました。しかし、"Genius of Love"は、色々なアーティストにサンプリングされ、それはHip Hopの黎明期とも関係しています。一方、英国でもこの曲の短縮盤が、1982年に12㌅EPでIsland Recordsから配給され、英国ではThe Driftersの”Under the Boardwalk"のカバーが英国Top 40に食い込む程のヒットを記録しています。た、”Genius of Love”は、1984年に、Talking Headsのコンサート映画”Stop Making Sense”にもフィーチャーされています。しかしながら、翌年にリリースしたTTCのセカンド・アルバム”Close to the Bone”はヒットしませんでした。ただ英国盤は6種類のカラー盤でリリースされており、Treacherous Threeは、シングルカットされたTTCの"Pleasure of Love"をサンプリングしていたりもします。その後1988年に4年振りに、TTCは、サード・アルバム”Boom Boom Chi Boom Boom”をリリースしていますが、この時には、米国外のレーベルFontana/PolyGramと契約しており、内容も、もう少しエッジの効いたロック調の作品が制作されています。しかしながら、このアルバムでも商業的成功は収められず、1992年には、4枚目のアルバム”Dark Sneak Love Action”をリリースしています。このアルバムには、Hot Chocolateの”You Sexy Thing”のカバー曲も含んでおり、全体としては、よりテクノに近いた内容です。2000年には、5枚目のアルバム”The Good, the Bad, and the Funky”をリリースし、これにはDonna Summerの”Love To Love You Baby”とLee “Scratch” Perryの”Soul Fire”のカバー曲を含んでいます。2002年にはTalking Headsがロックの殿堂入りを果たしますが、その後、TTCとしてのライブも時々と言う風に少なくなっていきます。しかしながら、現在もWeymouthとFrantzはTTCを現役で活動を続けているとのことです。 と言うのが、TTCのザッとした流れです。ではTTCのファースト・アルバムで本作品でもある”おしゃべり魔女”の紹介をしていきましょう。 ★A1 “Wordy Rappinghood (おしゃべり魔女)”は、結構、Weymouthのラップ調のVoと着実でタイトなリズムとシンセやPercが初々しくも、弾けるような曲です。当時はよく流れていましたね。 ★A2 “Genius Of Love (悪魔のラブソング)”は、A1に連続して始まり、Weymouth姉妹のコーラスワークが映えるファンキーな曲です。シンセのリフが癖になります。しかし邦題は酷いんじやない? ★A3 “Tom Tom Theme (トムトムクラブのテーマ)”も、連続して始まり、Percをふんだんに使ったリズム楽器だけのインスト曲です。 ★A4 “L'Éléphant (エレファント)”は、Adrian Belewお得意の「パォーン」なGワークとダンサブルなリズムに、Weymouth姉妹の可愛らしいコーラスワークが冴えています。 ★B1 “As Above, So Below (魔法は気まぐれ)”は、DrsとPercとKbdの刻みが絶妙な曲で、やはり姉妹のコーラスが素人っぽくてキュート!間奏のシンセがピロピロしてて、グーです。 ★B2 “Lorelei (ローレライ)”は、ちょっと落ち着いた雰囲気の曲ですが、多分それはウィスパーなコーラスのせいでしょう。曲自体はダンサブルです(Aunt Sallyとは同名異曲)。しかし、結構、細かい所に凝った音作りしています。 ★B3 “On, On, On, On... (オン・オン・オン)”は、割と直線的なビートの曲で、ファンクっぽくはないです。そんなロックなビートと姉妹のVo/掛け合いが良くマッチしています。ダブ処理もあり。 ★B4 “Booming And Zooming (ブーミングとズーミング)は、フニャフニャなシンセとビートに、変調(男性)Voによる語りが乗る曲で、最初と最後だけ姉妹のコーラスが聴けます。ちょっと毛色が違う曲です。 Talking Headsより肩の力が抜けた感じで、楽しんでやっている感がひしひしと感じられます。それも、キュートかつ素人的なWeymouth姉妹のコーラスがメインVoであることによるのでしよう。また、よく聴いてみると、曲の至る所にダブ処理などちょっとだけ凝った音作りも発見できて、そこら辺の塩梅がアート臭くないポップネスになったのではないか?と思います。肩の力を抜いて聴く時に良いかも❗️またはビール片手に軽く踊る感じかな? A4 “L'Éléphant (エレファント)” https://youtu.be/pll08D09IJk?si=u6Sf-7ACBQeYhcWC [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLE2DNBZSMVztRgpDFQ8-jAaAuhjbDkWVh&si=tWL4wvmLT9yRJovC #TomTomClub #おしゃべり魔女 #SireRecords #FirstAlbum #NewWave #Funk #Rhythm #Drums #Bass #TalkingHeads #ChrisFrantz #TinaWeymouth #AdrianBelew #UziahStickyThompson #TyroneDownie #MonteBrown #LoricWeymouth #LaniWeymouth #LauraWeymouth #BenjaminArmbrister #KendalStubbs
New Wave / Funk Sire Records 不明Dr K2
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Yellow Magic Orchestra “Technodelic”
正直言って、私はYellow Magic Orchestra (以下、YMO)の熱心なファンではありませんので、このアルバムも昔、何となく買いましたが、殆ど聴いていませんでした。なので、もう一度、聴いてみようと思い立って聴きました。YMOについてのバイオグラフィーは以前に書きましたので、ここでは省略させて頂きます。彼等の6枚目のアルバム”Technodelic”。正直、このアルバム・タイトルには「やられたなぁ」と思いました。当時のレビューでは、最新のテクノロジーを使って、各々の好き勝手な実験性を取り入れた音楽を、明らかにポップ・ミュージックの世界で展開した作品と言われていたように思います。そんなことも踏まえながら、各曲を紹介していきたいと思います。 ★A1 “Pure Jam (ジャム)”は、イントロでいきなりサビのコーラスから始まり、ジャストなリズム(特にDrs)で繋いでいく曲です。バックに人声が僅かに聴き取れます。 ★A2 “Neue Tanz (新舞踏)”は、一時のCabsも想起させるようなリズムと何とも不思議なメロディで構成されていますが、既にサンプラーも使われているようです。 ★A3 “Stairs (階段)”でも、サンプラーによってリズムや生ピアノのリフが作られており、ミニマルな展開になっています。途中のピアノ・ソロは手弾きかな? ★A4 “Seoul Music (京城音楽)”は、割と初期YMO的な中華風味の曲で、メインVoは歪んだ語り調ですが、サビは高橋氏の粘着質なVoになっています。ただ、合いの手がどうしても”fuck”に聴こえますが、大丈夫でしょうか? ★A5 “Light In Darkness (灯)”は、リズムに凝りまくったミニマルなインスト曲で、DrsとBがとにかく凄いです! ★B1 “Taiso (体操)”は、割とミニマルなピアノのリフと突進力のあるDrsから成る曲で、珍しく日本語歌詞で、語りと歌との上手いコンビネーションが光ってます。 ★B2 “Gradated Grey (灰色の段階)”では、リズムにリズムマシンと生Drsを組合せており、非常に分かりにくい形でバックの演奏や歌が入っているミニマルな曲です。 ★B3 “Key (手掛かり)”は、直線的で突進力のあるリズム隊がカッコ良い曲なのです。実は前作”BGM” の”Cue”と対の曲なのかな? ★B4 “Prologue (前奏)”は、シンセで雨垂れのようなリズムを作った、アンビエント・ミニマルなインスト曲で、Human Leagueの”Toyota City”っぽいですね。 ★B5 “Epilogue (後奏)”は、B4に連続して、サンプリングした物音をリズムに、淡々と時にドラマチックなシンセによるメロディが乗るインダストリアルな曲です。 今、聴き直すと、それ程、嫌な感じはしないですね。寧ろ、ミニマルだったり、サンプリングだったりを上手く使っており、これはこれでありじゃないか?と唸ってしまいました❗️しかしながら、やはり全体的な印象は脚を一歩、実験性に踏み込んでおり、それは結構、興味深かったです。まあ、今では当たり前になったテクノロジーですが、当時としては革新的であったのでしょう。それと、アルバム全体では、口ずさめる曲がないと言うで「抽象的」な印象でしたね。 [A3 “Stairs (階段)” live version] https://youtu.be/w71iOzRFrdc?si=YYma-SMCI8Og4yxm [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLmMmr1jpPlKPQ-uGqSAN9bfv04HxvI5Dl&si=39o9cdr9Gjets4Yc #YellowMagicOrchestra #Technodelic #AlfaRecords #6ThAlbum #TechnoPop #Experimental #Synthesizers #Drums #Bass #RyuichiSakamoto #坂本龍一 #YukihiroTakahashi #高橋幸宏 #HaruomiHosono #細野晴臣
Techno Pop / Experimental Alfa records 不明Dr K2
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Purrkur Pillnikk “EhgjI En:”
これはもう完全に謎物件!先ず、文字が筆記体でまともに読めないので、グループ名すらよく分からないし、いつ買ったのかも覚えていませんでした。まともなフォントで書かれていたレーベル名でやっと見つけました。アイスランドのパンク/ニュー・ウェーブ・バンドで、バンド名はPurrkur Pillnikk (「プルクーム・ピルニック」と読むのか?)で、そのファースト・アルバム“EhgjI En: (Ekki ennとも表記)”と突き止めました。それで、先ずはPurrkur Pillnikk (意味は「眠むそうなチェスプレイヤー」らしいです)は、1981年から18ヶ月の1982年の期間、ちょうど、アイスランドでのパンク・ムーブメントの最後の世代に当たる期間に活動していたバンドで、その間に2枚のLPと1枚のライブ・アルバムそして2枚のEPを出しています。メンバーは、Ásgeir R. Bragason (Drs), Bragi Ólafsson (B), Einar Örn Benediktsson (Vo, Trumpet), Friðrik Erlingsson (G)の4人で、後者3人は、Reykjavíkで、友人達とSmekkleysa (Bad Taste)と言う自主制作レーベルを始め、1986年には、Sugarcubesのメンバーにもなっています。言わずもがな、Sugercubesは、Björk Guðmundsdóttir (Vo, Kbd), Einar Örn Benediktsson (Vo, Trumpet), Þór Eldon (G), Bragi Ólafsson (B), Margrét "Magga" Örnólfsdóttir (Kbd), Sigtryggur Baldursson (Drs)から成り、後にBjörkの世界的デビューの足掛かりになったバンドです。と言うように、アイスランドでは最重要なバンドと言う訳です(この位しか分からんかった。すまん)。 と言う訳で、Purrkur Pillnikkのファースト・アルバム”EhgjI En:”の内容について紹介していきましょう。なお、録音はLondonのSouthern Studioで行われています。アイスランド語の歌詞は良く分からないですが、小気味良い短い曲が速射砲のように収録されています。時にフリーキーなギターなんかも聴くことができるし、諸パンクと言う訳ではなく、どちらかと言うとポスト・パンクに近いようにも思えますし、ノー・ウェーブの影響もあるように思えます。ただ、演奏自体はそれ程上手くはないですし、演奏も荒削りです。また、使用言語がアイスランド語の為なのか、ヴォーカルが独特で、それはそれで面白いです。まあとにかく聴いてみて下さい❗️ 在り来たりなパンクやポスト・パンクに飽きた方にはお勧めしますよ❗️Let’s Punk! クレジットされている曲名(綴りはアイスランド語: 英訳付き) A1 “Svebnphørgør (Twixt)” A2 “Nu: (Now)” A3 “EhgjI En: (Not Yet)” A4 “GrIm:d (Rage)” A5 “Gløg:agjai:Ir (Peeper)” A6 “FløqhəhbIđ (The Flight)” A7 “Fa:derland (Vaterland)” B1 “Nabn (Holy Terror)” B2 “Khva:đ Gje:d Je:q Gjerd (What Can I Do)” B3 “U:dIlə:gađør (Outlocked)” B4 “Øndanthehgniŋg (Exceptional Product)” B5 “Vəndør Sdraugør (Anonymous)” B6 “Au:n Nabns (Prime Target)” B7 “Əv:hraiđsdla (Bad Boy)” B8 “En: Uŋgør E:n (Still Young But)” B9 “Drøi:mør (Dream)” B10 “Rə:dIđ (Knockout)” A5 “Gløg:agjai:Ir/Gluggagægir(Peeper)” [live track] https://youtu.be/CdtDiggfdwo?si=ckS8Lzkn09OBkD8t [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_muLCPD2W_INuLldUdrwCIXLH8WvrDwedo&si=W0joFvwCCP-8jsNG #PurrkurPillnikk #EhgjIEn #Gramm #Punk #PostPunk #Iceland #Sugercubes #ÁsgeirRBragason #BragiÓlafsson #EinarÖrnBenediktsson #FriðrikErlingsson
Post Punk / Punk Gramm 不明Dr K2
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V. A. “Schau Hör Main Herz Ist Rhein”
西独の1980年前後で、各地方都市でも、パンクやNeue Deutsche Welleやインダストリアルやノイズやらが勃興して、自主制作レーベルが乱立しました。その一つに、工業都市Mainzを中心とした一帯にWahrnehmungen (「ヴァールネームンゲン」と発音)と言うレーベルがありました。それが、後にSelektionとなる前身だったのです。それで、このアルバムまでは、カセット作品をリリースしてきましたが、ここで、このレーベルは、ライン川周辺の都市(Mainz, Frankfurt, Wiesbaden)の音楽を集めたコンピ・アルバムをLPとしてリリースしています。それが、本作品“Schau Hör Main Herz Ist Rhein (「シャウ・ヘール・マイン・ヘルツ・イシュト・ライン」と発音。「見て、聴いて。ライン川こそ我が心」の意らしい?)”です。参加グループは、Fröhliche Eiszeit, P16.D4, No Aid, Jean Gilbert, Toto Lottoの5組です。それぞれをご紹介していきます。 先ずは、Fröhliche Eiszeit (フレーリッヒ・アイズツァイト)です。このバンドは、Bernd Hasenfus, Carl F. Peter, Manfred Hasenfus, Stefan Winczenczから成る4人組で、1979年〜1982年にMainzで活動していました。リズムはBOSS DR-55を使って、シンセのピコってる音とサックスらしき音やフリーキーなギター/怪しいシンセ、更には音吐き捨てるようなヴォーカルが特徴な曲が特徴。宅録バンドなのかな?如何にも独らしい異形の音楽。 A1 “Realität !?!” A2 “Die Welt Ist Die Mehrheit” A3 “Mädchen In Der Eisbar” P16.D4 (ペー・ゼヒツェーン・ダー・フィアー)は、この頃は、Ewald Weber, Gerd Poppe, Ralf Wehowsky, Roger Schönauerから成る4人組になっており、Wahrnemungenの中心バンドで、1979年〜1990年でMainzで活動していました。この頃は、宅録だけじゃ無くて、ライブも積極的にやってました。この頃のノイズ/インダストリアル・グループにしては、珍しく初期から生ドラムも使用。しかしながら、同時に、物音系の音やシンセも堂々使っており、実験的アプローチが伺えますが、クラリネットなんかも使っており、この頃に既にハイブリットな音楽をやっています。 A4 “Pix” (Tapes, Feedback, Vo) A5 “Ereignisse” (B, Drs, G, Vo, Echo, Fuzz, Synth, Perc, Melodica) A6 “Chinin” (Sax, Clarinet, Echo, Loop, Vo) No Aid (ノー・エイド)は、Anne Strubel (Drs) Axel (G), Gerd Neumann (Synth), Renate von Brevern (B), Steffen Schütze (Vo)から成る5人組。どちらかと言うと実験パンクを演っているバンドですが、ギター中心のサウンドとアジるようなヴォーカルが特徴。シンセの音も隠し味ですね。 A7 “Streetface-Mindmirror” B1 “Anarchie 2017” Jean Gilbert (ジーン・ギルバート)は、人物名ではなくて、Mulk (Instruments, Tapes), Pogo (Vo), Steffen Schütze (Instruments, Tapes)の3人組グループ名で、テープ音やマシンリズム/シンセのパルス音に重ねて、Gをフリーキーに掻きむしたり、爪弾いたり、更にアジるようなヴォーカルや語るようなヴォイスを乗せたりしています。このコンピの中では、Gが前面に出ているのが特徴ですが、シーケンスも用いています。 B2 “Elektrostuhl” B3 “Fröhliches Waidwerk” B4 “Weltkrieg” Toto Lotto (トト・ロット)はi 、1979年〜1982年初期に活動していたバンドで、メンバーはBernhard Wicke (Drs), Christoph Anders (Vo, Synth, Metals, Sax), Hans-U. Dietzel (Vo, G, Perc), Rüdiger Jestel (G), Walter Kranl (B)の5年組で、B5では、生ドラムのリズムやシンセの反復音に語り口調のヴォーカル、更にはギターノイズも加えたりで、面白い。B6ではベースが効果的。 B5 “Verkauf Deine Braut !” B6 “Ohne Worte” と言う内容で、1980年前後の独で出てきたグループ、特にライン川沿いの都市から出てきた実験的ポップ/ノイズ・ミュージックに重きを置いたグループの最初期の貴重な音源を聴くことができます。この中では、P16.D4が一番活動歴が長くなっているのですが、彼等の尽力で、このコンピができたのは、非常に重要と考えられます。歴史的資料としても重要ですね。そんな重要なコンピですので、当時の独の地下音楽を知る意味でも是非聴いてみて下さい‼️面白いですよー。因みに8頁のブックレットも付いていますので、それを眺めるのも楽しいですよ❗️ YouTubeにアップしてある曲のみ貼っておきます。 A1 Fröhliche Eiszeit “Realität !?!” https://youtu.be/_iAWnnvtlFo A3 Fröhliche Eiszeit “Mädchen In Der Eisbar“ https://youtu.be/mT9tjuvkaGM A5 P16 D4 “Ereignisse“ https://youtu.be/gmH-k14qGLQ B2 Jean Gilbert “Elektrostuhl“ https://youtu.be/vUVFijpvxVA B3 Jean Gilbert “Fröhliches Waidwerk“ https://youtu.be/0X8stHvv4Bc B4 Jean Gilbert “Weltkrieg“ https://youtu.be/lkV0CS_04KQ B5 Toto Lotto “Verkauf Deine Braut !“ https://youtu.be/gzKEFxaJgQA #VariousArtists #SchauHörMainHerzIstRhein #Wahrnemungen #Mainz #Frankfurt #Wiesbaden #CompilationAlbum #TheFirstVinyl #Industrial #Experimental #Punk #Noise #Primitive #FröhlicheEiszeit #P16.D4 #NoAid #JeanGilbert #TotoLotto
Experimental / Punk / Avant-Pop Wahrnehmungen 不明Dr K2
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Monitor “s/t”
Monitor、知ってる人ってどの位いるのかなあ。と言う訳で、今回は、米国地下音楽の初期の方から活動していたMonitorを紹介します。しかしながら、Monitorは本作品であるアルバムともう1枚シングル、別名義でもう1枚シングルを出しているだけなので、情報を収集するのに苦労しました。先ず、メンバーなのですが、Keith Mitchell (Drs, Perc, Effects), Laurie O'Connell (Vo, B) Michael Uhlenkott (G, Vo), Steve Thomsen (Synth [Micromoog], Organ, Kbd [RMI])の4人です。極初期には、Jeff Rankin (Drs)が在籍していましたが、シングルを出した後に、Mitchellと交代しています。それで、元々は言うと、Thomsenを中心に、1970年代後期に、米国CAのLos Angelesで、コピー・アートやメール・アート或いは音楽の集合体としてWorld Imitation Productions (WImP)が設立され、そこで、Monitorも結成されました。MonitorはWImPの音楽部門だったんですよ。WImPは1982年まで活動していますが、その間(1981年初頭)に、Monitorの変名サーフロック・バンドThe Tikisのシングルも1枚出しています。なお、中心人物のThomsenは、WImP解散後も、コラージュ・アートによるジンを作り続けており、また、後に、Joseph HammerとRick Pottsと一緒にSolid Eyeを結成しています。あと、インダストリアル・バンドNONのJeffrey VallanceとBoyd Riceとも協力関係にあったそうです。それで、Monitorの解説の前に、WImPについて少々。Mitchell以外は元々、同じ地区で、同じ高校に通っていました。そして、Uhlenkott, Thomsen, O'Connellは、Californi州立大学Northridge校に進学し、RankinとConnorはUCLAに、Keith MitchellはLong Beach市立大学へと進学していました。その中で、Uhlenkott, O'Connell,, Thomsenは1970年代初頭よりバンドを組んでいました。この頃は、大掛かりなインスタレーションやパフォーマンスをグループでやることが流行っていましたが、多くの参加者は音楽をBGMとしてしか使ってはいませんでした。1977年秋に、集まった仲間達は、より手作業で、細かい絵やドローイング、ペインティングやプリントを集めたジン”Science Holiday”を発行し、コピーアートやメールアートの世界に入っていきます。そうして、発行元となったのが、WImPです。彼等は、様々なジンを扱っていましたが、自分達のジンは基本、手売りで売ってましたし、メールアート界に参入して、Mark Mothersbaugh (Devo)やGenesis P-Orridge (Throbbing Gristle), Daniel Millerなどと繋がっていきます。そして、1978年10月には、WImPは先進的なアートを集めたより大きな個展を開きます。その一方で、活動を音楽にも広げる為、World Imitationレーベルを設立し、第一弾として、1981年に、Meat Puppetsのシングル”In A Car”をリリース。それで、ちょっと時代が前後しますが、1978年2月に、初期のDevoのエンジニアでプロデューサーでもあったEd Bargerとのメールアートの交流があったこともあり、実際に会って、プロデュースをしてもらいます。その時は、Michael Uhlenkott (G, Vo)とSteve Thomsen (Organ, Piano)がメンバーで、それにThomsenのガールフレンドAllison Andersを加えてCañon名義でフォーク・ロックをやっていました。その頃から、Monitorが先述のメンバーて結成されることになり、最初はハリウッドのパンク・シーンで活動していましたが、より大きなLAのパンク・シーンにも参入し、よりうるさい音楽シーンにおいて、Monitorの音楽はリズムも複雑で、音量もそんなに上げないで演奏していたこともあって、過小評価されていたようです。その当時、バンドは、アフリカや東欧の音楽のリズムとマイナーコードでのメロディを上手く取り入れて、余りにもユニークな音楽をやっていた為、アート・ロックとか言われていましたが、彼等はそう言われるのを嫌ってました。そんな中で、本作品てある唯一のアルバムが作製されています。なお、このアルバムには典型的パンクバンドMeat Puppetsの演奏が1曲”Hair”だけ収録されています(何故、入っているのかは謎)。彼等は、合計3枚のレコードを出して、1982年4月10日にラスト・ライブを行い、解散します。 ちょっと長くなりましたが、Monitorの足取りは以上となります。 それで、内容なんですが、先ず、ジャケのアートワークが素晴らしいです。それと私の持っているのは独のATA TAKプレス盤なのですが、恐らくこれはメールアート繋がりによるものでしょう。それから、メンバーは先述の4人ですが、Allison & Tiffany Anders (Vo [A2,B1]), Mary Jones (Vo [B1])もゲスト参加しています。重厚なシンセの低音から始めるこのアルバムは、確かに風変わりなヴォーカルの旋律と既にポストパンク的なリズムへの萌芽が聴けます。A2 “Mokele-Mbembe”なんかは正にアフリカンです。また、グダグダのコーラスやビートを刻まないドラムなんかはLAFMSの音楽を想起させますね。また、曲の中に立ち上がるThomsenのシンセがいい味わいを出しています。またA5 “Amphibious”なんかはHenry Cowっぽいです。B1 “Pavillon”ではシーケンサーまで使っており、メロディはアフリカとか東欧ではなく、和風と言うか演歌風です。B面の方がKbdやシンセの目立つ曲が多いです。それにしても、不思議な展開の曲が多いのですが、ここからSolid Eyeのメンバーが生まれたと考えると、なんか納得してしまいます。 と言う訳で、今まで断片的にしか認識していなかったMonitorの全貌を点と点を結んで、明らかにできたのは、個人的に収穫でした。アフリカや東欧の音楽との関係はそれ程感じませんでしたが、もし、LAFMSやSolid Eyeを深掘りしたいリスナーさんにはお勧めします‼️ *全曲のYouTube動画を貼っておきます。 A1 “We Get Messages” https://youtu.be/6l7EWATfm4A A2 “Mokele-Mbembe” https://youtu.be/S9GXI0_c-Ts A3 “In Terrae Interium” https://youtu.be/zzEA9b5huPU A4 “Herb Lane Theme” https://youtu.be/U5aMJ_sfxqw A5 “Amphibious” https://youtu.be/lVgvF-H784g B1 “Pavilion” https://youtu.be/JKDHSTPqMcw B2 “Phosphorea” https://youtu.be/JNtvYqfvoNw B3 Meat Puppets “Hair” https://youtu.be/rL86Ur7fhMs B4 “I Saw Dead Jim's Shade” https://youtu.be/zfZxQAbRH10 The Tikis single “Junie” c/w “Surfadelic” https://youtu.be/r6GHUvoMoAc #Monitor #WorldImitationProductions #ATATAK #XeroxArt #Collage #Installation #MailArt #American #WestCoast #Underground #MeatPuppets #KeithMitchell #LaurieO'Connell #MichaelUhlenkott #SteveThomsen #Boydrice #TheTikis #SolidEye
Experimental rock ATA TAK (World Imitation) 不明Dr K2
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Girls At Our Best ”Pleasure”
皆さんは覚えていますか?この風変わりな名前のグループを!そうです、あのRough Tradeの名コンピ”Clear Cut”に収められていたバンドで、Girls At Our Best (以下GAOBと表記)です。私もそこに収められてた曲が気に入って、アルバムを探していたんですよ。それで多分、1980年代後半にやっと見つけて購入しました。懐かしいので、久しぶりに聴きました。その前にGAOBのバイオグラフィーを簡単に書いておきます。元々、英国Leedsで、1978年に、Judy "Jo" Evans (Vo), James "Jez" Alan (G), Gerard "Terry" Swift (B), Chris Oldroyd (Drs)で結成されたThe Butterfliesが、1979年に、改名して、Girls At Our Best (GAOB)と名乗ったのが、始まりです。このバンド名は、彼等が1980年にDIYでリリースしたデビューシングルのB面の曲”Warm Girls”と関係があるとのことですが、このシングルは、英国インディーチャートで9位まで行きます。しかし、Oldroydは、バンドMusic for Pleasure に加入する為、脱退し、代わりに、 Limmie Funk Limited, Neo, Radio Stars, the Civilians, Cowboys Internationalを渡り歩いていたPaul Simon (Drs)が加入します。1980年11月には、セカンド・シングル”Politics” c/w “It’s Fashion !”を彼等自身のRecord Recordsからリリース、これはRough Tradeが配給しています。ところが、GAOBが1981年2月のJohn Peel Session用の録音を始める前に、Simonが脱退、代わりに、the ExpelairesのDarren Carl Harperが加入し、無事、放送されました。1981年6月には、次のシングル”Go For Gold”が、Happy Birthday Recordsからリリース、インディーチャートで4位に達します。その成功もあって、1981年10月20日本盤に、デビュー・アルバム”Pleasure”をHappy Birthday Recordsからリリースしますが、ドラムのHarperが録音の最中の1981年夏の間、怪我で録音作業ができなくなり、Rod Johnson (Drs)が数曲代打として参加しています。このアルバムには、レーベルとしても初のアルバムだったので、完全版では「Pleasure Bag」のステッカーとハガキが付いていました。このアルバムは英国インディーチャートで2位に、英国アルバムチャートでは60位まで行っています。GAOBは、シングルカットされた”Fast Boyfriends” c/w “This Train”を1981年10月にリリースしますが、1982年に、バンドは分裂してしまいます。その後も、John Peel Sessionの音源などの録音音源がリリースされています、 それで、本作品の内容なんですが、先ず、参加メンバーとゲストについて紹介しておきます。正式なバンドメンバーはJudy Evans (Vo), James Alan (G, Back-Vo), Darren Carl Harper (Drs, Back-Vo), Gerald Swift (B, Back-Vo)で、ゲストとしては、先述のRod Johnson (Drs), Alan Wakeman (Clarinet), Dave Fishel (Piano, Harpsichord), そして何とThomas Dolby (Synth)も参加しています。そして、A面6曲B面5曲で、どの曲も元気いっぱいで、Evansのヴォーカルも伸び伸びとしていて、好感が持てます。ギターもベースもアレンジが最高で、ドラムも2人が別々に叩いているなんて違和感はなく、躍動感があります。また、メロディもキャッチーで、彼等のポップネスが全開ですね。Judyのヴォーカルも透明感があって、コケティッシュで可愛らしいです。個人的には、A4 “Waterbed Babies”はリズムと曲のアレンジがゴーゴーみたいで気に入ってます。B1 “Heaven”は、メロもシンセを使って、アレンジも完璧で名曲ですね。B4 “She Flipped”もコーラスワークも冴えていて、途中のシンセのソロも素晴らしく大好きな曲です。A3 “I’m Beautiful Now”なんかのメロディは如何にも彼等らしいですね。まあ、どの曲も捨て曲無しで、良いんですけどね。しかしながら、このジャケは、日本人の私からすると、ちょっとアンバランスと言うかダサいかなとは思いました。それでも、リリースして、結構売れてますので、やっぱり内容が素晴らしかったのではないでしょうか。なので、このアルバムは、英国ポストパンクから出てきたポップソングに興味が有れば、マスト・アイテムですね‼️ “Politics” (アルバム未収録曲/Single) https://youtu.be/dDjzFIf8pD8 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLzgzIQgO2GVRX32kME_-0nhF3bu2CH0uA #GirlsAtOurBest #Pleasure #HappyBirthdayRecords #FirstAlbum #PostPunk #Pop #GuitarPop #StudioAlbum #JudyEvans #JamesAlan ##DarrenCarlHarper #GeraldSwift #Guests #RodJohnson #AlanWakeman #DaveFishel #ThomasDolby
Post Punk / Guitar Pop Happy Birthday Records 不明Dr K2
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Delta 5 “See The Whirl’”
やっと発掘しました。英国のポストパンク・バンドでもひときわ異彩を放っていたDelta 5を紹介します。私が、このバンドを知ったのは、以前にも紹介したコンピ”Clear Cut 1”の1曲”You”でした。中々、元気な曲でお気に入りでした。そんなDelta 5ですが、何とアルバムは、本作品”See The Whirl’..”1枚しか出ていないんです。それで、先ず、彼等のバイオグラフィーを紹介しておきます。Delta 5は英国Leeds大学のアートスクール・シーンから出てきたバンドで、オリジナルメンバーは、Julz Sale (Vo, G) Ros Allen (B), Bethan Peters (B)で、1979年に結成、当時はOn A Larkと名乗っていましたが、直ぐにポストパンクの波がLeedsにも押し寄せ、Dead Beatsに在籍していたKelvin Knight (Drs)とAlan Riggs (G)が加入し、フェミニズムと2本のペースによるファンク・パンク・サウンドと言うスタイルで、Leedsでも有名になっていき、1979年にデビューシングル”Mind Your Own Business”をRough Tradeからリリースします。彼等にとって、Rock Against Racism運動は非常に重要であったので、右翼が手を貸している敵対勢力Rock Against Communismからは暴力行為の対象にされていました。しかしながら、セカンド・シングル”You”をリリース後、米国ツアーで成功を収めますが、その後、直ぐにRough Tradeを去り、Charisma Records傘下のPRE Recordsと契約し、デビューアルバムでもある本作品”See The Whirl”を作製しますが、かなりクリーンな出来栄えであった為か、音楽評論からも商業的にも失敗してしまいます。特に、後者の理由で、1981年に解散してしまいます。その後、PetersはFun Boy Threeのセカンド・アルバムに参加し、その後もライブ要員になりますが、その他のメンバーは音楽からは遠のきます。その一方で、少年ナイフが”You”のカバーをしたり、2006年には、Kill Rock Starsが、初期のDelta 5のトラックを集めたセルフ・コンピ・アルバム”Singles & Sessions 1979-1981”をリリースしたりしたおり、影響力はあったようです。 それで、本作品”See The Whirl’..”を紹介します。メンバーは、Bethan Peters (B, Vo), Ros Allen (B, Vo), Kelvin Knight (Drs, Perc), Alan Riggs (G, Vo), Julz Sale (Vo, G)で、その他にMichael McEvoy (Piano), Melv Jefferson (Back-Vo, Synth-Drums), B.J. Cole (Pedal Steel G)及びJohn SidwellとSteve BishopとSteve Sidwell (Horns)とがゲストで客演しています。なお、ホーンのアレンジはMichael McEvoyが担当しています。それで、内容なんですが、先ず、短い曲が多く、3分を越える曲は13曲中3曲だけです。しかし、どの曲も元気一杯で、飛び跳ねるような躍動感に満ち溢れています。また、大々的に導入されたホーン類も効果的で、より世間受けする音になっています。しかしながら、思った程、2本のペースの効果は感じられなかったです。敢えて、そうしたのか?そうなってしまったのか? そんなファンキーな曲に混じって、A2 “Final Scene”やB1 “Journey”のようなファズの効いたカッコいいギターの曲やB3 “Triangle”のようなハワイアン風或いはB6 “Different Fur”のようなチャイナ風のアレンジの曲などは少し毛色が変わっていて、飽きないですね。ただ、ヴォーカルは、全体の印象からすると、クリアー過ぎるような気もします。確かに、数人でハモるヴォーカルは力強いようにも思うのですが、説得力がやや弱いようにも感じました。しかしながら、Rough Trade時代とは違った魅力も感じられて、このまま続けていたら、どうなっていたか?妄想してしまいます。ポスト・パンクは確かに出自ですが、それを越えたポピュラリティーをビンビンに感じます。なので、ファンク調の音楽が好きな方は、一度チャレンジしてみてはいかがでしようか❗️ デビューシングル曲“Mind Your Own Business” https://youtu.be/sUzdv3S7KTY [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLMrNhCeIdhrJjrwX8V3AbZlQgoE1JLYK0 #Delta5 #SeeTheWhirl #PRERecords #CharismaRecords #PostPunk #Funk #TwoBasses #Horns #PopMusic #RockAgainstRacism #Feminism #BethanPeters #RosAllen #KelvinKnight #AlanRiggs #JulzSale #MichaelMcEvoy #MelvJefferson #B.J.Cole #JohnSidwell #SteveBishop #SteveSidwell
Post Punk / Funk Charisma Records / PRE Records 不明Dr K2
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Swell Maps “Whatever Happens Next…”
宅録バンドがパンクの勢いで世に出て、大活躍❗️それがSwell Mapsです。今回は、そんなSwell Mapsの1974年ー1980年に、ホームスタジオ(?)で、モノラル或いはステレオのカセットテープレコーダーで録音された作品でもあるサードアルバム”Whatever Happens Next…”を紹介します。まあ、1980年に解散した後には、沢山のセルフ・コンピも出ている訳ですが、正式なアルバムとしては最後の作品になります。Swell Mapsのバイオグラフィーについては、以前に書いていると思いますので、そちらを参照して下さい。この時のメンバーは、Nikki Sudden (G, Vo), その兄弟のEpic Soundtrack (Drs, Piano, Vo)とJowe Head (B, G), Biggles Books (G), Phones Sportsman (B)とからなっていますが、宅録中心であった彼等は全員が揃わなくても、曲を録音していくと言うスタイルを取っているのも、特徴的です。A8 “Whatever Happens Next…”は1980年に行われた最初で最後のイタリアツアーのライブ音源が収められており、貴重です。先述のようにカセットレコーダーで録音されている為、音質は悪いですが、その分、彼等らしい雰囲気はビシビシと伝わってきますし、D面は、BBC Radio 1 (所謂、John Peel Session)で録音された曲(特に、名曲”Midget Submarine”のA7でのデモテイクとD5のラジオテイク違いなど)も収められており、そのヴァージョン違いも興味深いです。本作品を通して聴いてみて、興味深いのが、B面とC面の曲ですね。どちらも余りノリとかと関係がない、実験的なやや長尺な曲(彼等の持ち歌、基本的に短目ですが)が配置されていることです。B面のB1 “Clearasil Record (Stuck)”のテープループ(?)を多用したような実験的な曲やB3 “Down With Tractors”の異様にスローなインスト曲やB4 “Amphibious Landing Craft”もギター2本とドラムと言う編成によ?インスト曲で、異様な雰囲気を醸し出しています。一方、C面のC1 “Paul’s Dead”のようなSoundtracksによるドラムだけのアブストラクトで実験的な曲や、C3 “Havoc All Ended”でのピアノのみの曲或いはC4 “The Himalayas”のサイケデリックな長尺の曲なんかも収録されており、ここら辺に、Swell Mapsのルーツを感じることができますね。それと、Lora Logic (Sax)も参加した、D面のBBC Radio 1での楽曲もラジオ用にアレンジされており、貴重なトラックばかりです。特に、”Midget Submarine”や”Armadillo”なんかは、A面にも収録されていますので、聴き比べてみても面白いと思いますよ。あとD2 “The Stairs Are Like An Avalanche”の重たいベースラインも、余り彼等らしくない曲ですね。A面は、有名曲のモチーフになった習作曲なので、荒い音ですが、貴重な音源だと思います。特に、A1 “Read About Seymour”, A3 “Armadillo”, A7 “Midget Submarine”なんかは貴重ですね。こんなごった煮的アルバムですが、Swell MapsのDIY精神と宅録文化が良く分かる内容になっていますので、そこら辺を掘り下げたいリスナーやファンの方は是非とも一聴することをお勧めします❗️裏ジャケの小汚いタイプライターの文字も如何にもSwell Mapsっぽいですね。 https://youtu.be/Te0Ugwrn7_E #SwellMaps #WhateverHappensNext… #RoughTrade #RatherRecords #StudyWorks #ExperimentalPop #Avant-Garde #LiveTracks #HomeRecording #NikkiSudden #EpicSoundtrack #JoweHead #BigglesBooks #PhonesSportsman
Post Punk / Experimental Pop Rough Trade (Rather Records) 不明Dr K2
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Tuxedomoon “Desire”
当時・米国、今・欧州の実験的ポップ・バンドTuxedomoonを紹介します。Tuxedomoonは、パンク・ムーブメントと共に米国サン・フランシスコから現れたバンドで、当時、私はRock Magazine別冊で、その名を知り、早く聴いてみたいと切望していたバンドの一つです。それでは先ず、彼等のバイオグラフィーを見てみましょう。1977年に、アーティストのコミューンであったThe Angel of Lightに属していたSteven Brownが、SF市立大学電子音楽科で、Blaine L. Reiningerと出会ったことから、Tuxedomoonは生まれました。それで、Brownの協力者であり、後にマネージャーになるTommy Tadlockの家で、実際の音出しをし始めます。その時、Reiningerはe-VlnとGを弾いてましたが、Tadlickは「Teatment Mountain」と呼ばれるツール(エフェクト装置)を作ったりして貢献します。それで、パンクが出てきた1970年中盤に、2人は、「他のどんなグループにも似ていないことを唯一のルールとする」との約束で活動を始め、当初は、Vln, Sax, Polymoogシンセを使っており、Voもスクリーミング・スタイルでした。ドラムはいなかったのですが、そこに、Peter Principle (B)が加わり、Gregory CruikshankやVictoria LoweがVoとして参加したりしていました。更にコンサートの為にパフォーマンス・アーティストWinston Tongと映像作家Bruce Geduldigが加わります。その為、彼等のコンサートは"theatrical electronic cabaret"とも呼ばれてました。1979年に、彼等は電子音楽屈指の名曲と言われた”No Tears” EPをリリース、その年にThe ResidentsのレーベルRalph Recordsと契約、1980年に、デビュー・アルバム”Half-Mute”を出しています。なお、Lowe (Vo)はEPの前に脱退しており、また正式なメンバーではないですが、Michael Belfer (G)とPaul Zahl (Drs)が参加しています。それで、彼等はデビューアルバムのリリースの後に欧州ツアーを敢行し、その後、NYCに引っ越します。1981年にセカンド・アルバムでもある本作品”Desire”をリリースした後に、オランダやベルギーで好評だったこともあり、Rotterdamのアーティスト・コミューンで数カ月過ごし、その後、ベルギーのBrusselsに拠点を移します。そこでは、最初、Plan Kと言うライブ・スペースに身を寄せます。彼等は、Maurice Bejartのバレー曲を書き、それを1982年に、サード・アルバム”Devine”としてリリースしますが、その前後からReiningerはソロ活動を始め、1983年に脱退します。それで、Frankie Lievaartが代わりに加入、またLuc van Lieshout (Trumpet)が加入します(その後、直ぐに、Ivan Georgievに代わります)。そんな中で、彼等は4枚目のアルバム”Holy War”を1985年にリリース、最も売れた作品になります。しかしながら、Tongが脱退し、残ったSF組のBrownとPrincipleも続けて脱退。結局はマルチ奏者のGeorgievがバンドを立て直して、1986年にアルバム”Ship of Fools”をリリースし、無事ツアーもすることが出来ましたが、その後、1990年代には約8年間、一緒に演奏することはなかったので、半ば解散状態となり、2000年に再結成され、以前の曲を演奏します。そして、2004年に新作アルバム”Cabin in the Sky”をリリース。その後も順調に活動を続け、2015年には、10枚組LPボックスの”The Box”もリリースされています。しかしながら、Bruce Geduldig (映像)が2016年3月に63歳で他界し、Peter Principle (B)も翌年7月に63歳で他界しています。以上がTuxedomoonのあらましになります。 それで、セカンド・アルバムでもある本作品を紹介します。先ず、この時の録音に関与したメンバーは、Steve Brown (Horns, Vo, Kbd), Blaine L. Reininger (Strings, G, Kbd, Vo), Peter Principle (B, Perc, G), Winston Tong (Vo, Back-Vo)4人で、ゲストにAli Robinson (Cello)とVicky Aspinall (Vln)も参加しており、クレジットにはBruce Geduldig (Lights, Film, Mise En Scène)の名前も見られます。ドラムレスの編成なので、リズムボックスを使っています。多分、このアルバムを何の情報も無しに聴けば、米国のバンドとは誰も思わないと言う位、「欧州的な」フレージングや楽器編成を体験することが出来ます。そうですねぇ、ロックと言うよりも、一種の室内楽のような印象も有ります。ベースがボトムを支え、それに効果的なMoogシンセのフレーズや、伸び伸びとして、ラウンジ風のSaxが絡んでくる曲が多く、どちらかと言うとギターは控えめです。インスト曲もありますが、Voもがなり立てる訳ではなく、やや演劇調でしようか? それにしても、当時、このようなバンドが米国SFから出てきたことに驚きますね。なので、ちょいと変わったシャレ乙な音楽を聴きたければ、このアルバムも一度は聴いてみて下さい。ハマるかも❗️ クレジット曲順 A1 “East” A2 “Jinx” A3 “• • •” A4 “Music #1” A5 “Victims Of The Dance” A6 “Incubus (Blue Suit)” B1 “Desire” B2 “Again” B3 “In The Name Of Talent (Italian Western Two)” B4 “Holiday For Plywood (Holiday For Strings)” “No Tears” https://youtu.be/1GwdHe5nQSQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLBD27CAC86FA83826 #Tuxedomoon #Desire #RalphRecords #ExperimentalRock #ChamberMusic #Electronic #Acoustic #Visual #NewWave #AmericanBand #SteveBrown #BlaineL.Reininger #PeterPrinciple #WinstonTong #Synthesizers #Sax #RhythmBox #AliRobinson #VickyAspinall #BruceGeduldig
Experimental Pop Ralph Records 不明Dr K2
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Pete Shelley “Homosapien”
えー、久しぶりに出てきました。パンクバンドBuzzcocksのリーダーにしてVo/GのPete Shelleyのソロアルバム2枚目”Homosapien”です。ソリッドかつスピーディーな演奏で知られたBuzzcocksでしたが、このアルバムでは、Shelleyのポップネスがエレ・ポップの形で、遺憾無く発揮されています。Shelleyのソロのバイオグラフィーについては前回、書きましたので、ここでは割愛させて頂きます。このセカンド・アルバムでは、A1のタイトル曲”Homosapien”に代表されるような純エレ・ポップな曲もあるのですが、B3 “Pusher Man”やB4 “Just One Of Those Affairs”或いはB5 “It’s Hard Enough Knowing”のように、それ程シンセを使っていない「通常」のポップソングも聴くことが可能です。そうなんです。ここぞと言うところでは割とギター(場合によってはアコギも)使っているんですよ。今回も、ShelleyはMartin Rushentと共同で作っているようですし、共同でプロデュースしています。そんな訳で多分、完全にエレ・ポップになる事を避けたのではないか?と推測します。また、前回も書きましたが、Shelleyの声質が、特徴的で、その歌い方とか声を聞けば、直ぐに「あっ!Pete Shelleyだ!」と分かる位です(最近、Buzzcocksの再結成した時には見る影も無かったですが)。その声質は、この手のポップには良く合いますね。それで、シングルとして先行発売されていた”Homosapien”はゲイ・セックスについて歌っていたので、英国BBCでは放送禁止になりますが、米国ダンスチャートでは14位まで上がります。しかしながら、BBCはまたもや本アルバムを放送禁止にしています。まあ、彼はバイ・セクシャルであることを公言していますからね。収録曲自体はどれも良い感じで、どの曲も捨て曲無しのポップさです。なので、Buzzcocksファンだけではなく、英国ポップス好きなリスナーさんに聴いて欲しいです❗️因みに、ジャケの白のジャケットを着ているShelleyはBuzzcocksとは違うことの表明でしょうか❓ B4 “Just One Of Those Affairs” https://youtu.be/HolGpYC_rnA [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLOGCHAoJitlZ3DyUrj6Vm2fmfMbzNYTfw #PeteShelley #Homosapien #GenericRecords #IslandRecords #SoloAlbum #ElectronicPop #Synthesizers #DrumMachine #Buzzcocks #MartinRushent
Techno Pop / New Wave Island Records (Generic Records) 不明Dr K2