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Heldon “Heldon 2 - Allez-Teia (αλετεια)”
久々に登場しました。仏のプログレ・バンドHeldonです。今回は、2枚目のアルバム”Heldon 2 - Allez-Teia (αλετεια)”を紹介します。何故、私がこのアルバムをスルーしていたかと言うと、YouTubeでちょい聴きした時に、アコースティックな印象があって、「ん〜何だか、Heldonらしくないなぁ」と感じていたからです。それは、私のHeldonの新体験がアルバム”Stand By”だからかもしれませんね。そんな訳で、今まで購入してこなかったわけです。Heldonのバイオグラフィーについては、散々書いてきましたので、ここでは省略させて頂きます。今回のメンバーは、Richard Pinhas (Mellotron, G, Tape, ARP & VCS3 Synth)とGeorges Grunblatt (G, ARP Synth, Mellotron, Rabat Louckhoum)の2人でやっています。因みに、アルバム・タイトル”Allez-Teia”とは「真・実」と和訳されるらしいですが、併記のギリシャ語も同様の意味なのでしょうか?. 知ってる方がいましたら、教えて下さい。 それで内容なのですが、今回のメンバーを見て頂けると分かるように、ベースもドラムもいません。つまり、リズム隊がいない訳です。とすると、想像出来るように、シンセなどのパルス音以外にリズムを刻む音が無く、全体としては、2台のギターとメロトロンによるインスト曲の印象が強いです。後にドラムとシーケンサーを同期させ、そこにベースやギターで躍動的で狂的なメロディを体現したHeldonを想像すると、何だか物足りない感があるかもしれません。先述のように、メロトロンとシンセをバックに、Robert Fripp的ギター(A1はタイトルがモロ”In The Wake Of King Fripp”です)を弾いており、その音の感触は、如何にもHeldon (Richard Pinhas)的ではあります。また、A4 “Moebius”とB1 “Fluence”の第二楽章(B1b) ”Disjonction Inclusive”とでシンセのパルス音が使われていますが、電子音はそれ程前面には出ておりません。そんな中で、A2 “Aphanisis”とB3 “Michel Ettori”とではアコギの二重奏です。これにはビックリしました!それから、口説いようですが、A3 “Omar Diop Blondin”は、Fripp & Enoに捧げられており、シンセ(?メロトロン?)をバックに、Pinhasがギターを弾きまくっています。良い悪いは別にして、多分、”No Pussyfooting”のような音楽をやりたかったのかなぁ?と想像しますが、それでも、ギターのトーンや弾き方はPinhas的だと分かりますね。Heldonにしては、ちょっと異色なアルバムかもしれませんが、これが、3枚目のアルバムへの足掛かりになって、最終的に名盤”Stand By” や”Interface”へと結実されるのだと思うと、一度は体験した方が良いと思います❗️ A3 “Omar Diop Blondin” https://youtu.be/OqwPF_LwEFQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kk0XnPPSQ6LtpsPAUWQdlOFp2Z4HAjfVk #Heldon #Heldon2 #Allez-Teia #αλετεια #UnusRecords #ProgressiveRock #Guitar #Mellotron #Synthesizers #RichardPinhas #GeorgesGrunblatt #Duo #Fripp&Eno #French
Progressive Rock Unus Records 3990円Dr K2
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Can “Landed (闇の舞踏会)”
Can祭りの始まりか!?と言う訳で、今回は独逸プログレ史の重鎮でもあり、現代音楽作曲家Karlheinz Stockhausenのお弟子さん達が結成したバンドCanの7枚目のアルバム”Landed (邦題「闇の舞踏会」)を紹介します。また、私よりも詳しい方はいらっしゃると思いますのが、我慢して下さい。Canのバイオグラフィーについては、以前に書いたので、ここでは割愛させて頂きます。この時期のCanにはダモ鈴木もMalcolm Moonyも在籍しておらず(つまり、Vo不在)、メンバーは、Holger Czukay (B, Vo, Recording), Michael Karoli (G, Vln, Vo), Irmin Schmidt (Kbd, Synth [Alpha 77], Vo), Jake Liebezeit (Perc, Wind Instrument)の4人で、一曲だけOlaf Kübler (Tenor-Sax [B1])が客演しています。なお、Holger CzukayとToby Robinsonがミックスダウンをやっています。変幻自在な曲調で、とにかく、飽きさせないです。個人的には、B2 “Unfinished”の混沌さが好きですが、A1 “Full Moon On The Highway”の疾走感も捨て難いですね。また、A4 “Vernal Equinox”でのスペーシーなシンセとガレージなギターもカッコいいです。ヴォーカルは誰がどの曲でやっているのかは定かではないですが、専属のVoがいないので、ヴォーカルの説得性にはやや欠ける印象はあります。しかし、それを補う程に曲は良く練られているので、聴き応えは充分です。ですので、Canの4人による魅力の詰まった、このアルバムを体験して下さい❗️ A1 “Full Moon On The Highway” https://youtu.be/4_6co9_sw9o [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lJ6OSsuGvdmmVYxqdMSCNGRGo17mjR59g #Can #Landed #闇の舞踏会 #Victor #VirginRecords #Krautrock #ProgressiveRock #StudioAlbum #HolgerCzukay #MichaelKaroli #IrminSchmidt #JakiLienrzeit #OlafKübler
Krautrock, Experimental Victor (Virgin Records) 不明Dr K2
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Amon Düül II “Lemmingmania”
独逸Munichの過激なヒッピー・コミューンより現れたAmon Düül IIが、1975年に英国UA Recordsよりリリースした曲をセルフ・コンピしたアルバムが、この ”Lemmingmania”です。Amon Düül IIの詳細なバイオグラフィーは前回も書きましたので、そちらをご覧下さい。一応、今回、関わったメンバーは、Chriss Karrer (Vln, G, Sax, Vo), John Weinzierl (G, B), F. U. Rogner (Organ, Synth, Electronics), Dave Anderson (B), Peter Leopold (Drs), Renate Knaup (Vo, Tambourine)と言うところでしょうか?あとはAndersonがHawkwindに加入する為に脱退して英国に帰ったので、Lothar Meid (B, Vo)が加入しています。また、B3 “Jail-House-Rfog”では、Peter Kramper (Synth)が参加しています。当然、録音時期もまちまたなので、メンバーは被っていたりしますが、そこら辺はご勘弁を! それで、本作品を作るにあたって、彼等は1975年に大手レーベルUnited Artists Recordsと契約しており、その為、「独逸にAmon Düül IIあり!」と言う打ち出しをしたかったのか、どの曲も割と短めの曲 (2分半〜5分位で平均3分台)が選ばれており、彼等なりの聴き易さを求めたアルバムになったように思えます(実際、半分はシングル曲から成ります)。後、彼等は1981年に一度解散するのですが、それまではUA Recordsとの契約は保持されています。それで、本作品の内容なのですが、A4 “Green Bubble Raincoated Man”とB3 “Jail-House Frog(Rfog)”が4枚目のアルバム”Wolf City”より、A5 “Tables Are Tuned”とB2 “All The Years Round”が5枚目のアルバム”Carnival In Babylon”より、A1 “Archangels Thunderbird”とB4 “Soap Shop Rock”の抜粋はファースト・シングルより、A3 “Between The Eyes”とB1 “Rattlesnakeplumcake”はセカンド・シングルより、A2 “Light”とB5 “Lemmingmania”は4枚目のシングルより選ばれております。そうですねー、1970年〜1972年辺りの曲と思って頂ければ良いでしよう。時代的に考えると、サイケの全盛期は過ぎてはいますが、音はもろサイケですね。A2でのスライド・ギターやA3でのエフェクト掛けたドラムが良いアクセントになっていたり、A4でのシンセの音やA5でのコンガなどのパーカッションが効果的で、印象に残ります。個人的には、ヴァイオリンとコーラスを大々的に用いたB3が好みです。それと、割とギターは抑え目になっているようですが、それでも、B1とかB5とかではギターを弾きまくっています。Knaup嬢のVo(発音仕方なのか、Dagmar Krauseに少し似ている)は伸び伸びと歌っており、心地良いです。あと、B4は抜粋なのですが、テンションやスピード感も個人的に好きな曲です。とまあ、中々ヴァラエティに富んだアルバムですが、それぞれがシングル等でもリリースされているので、この時期のAmon Düül IIを知るのには丁度良いのではないでしょうか?気になる方は、是非ど入手して下さい! B3 “Jail-House Frog” https://youtu.be/g-6PuzqoNYQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kEKAHXfVtC6WVMlu3a_mcFlzkLzDvij0E #AmonDüülII #Lemmingmania #UnitedArtistsRecords #Krautrock #Psychedelic #SelfCompilationAlbum #ChrissKarrer #JohnWeinzierl #F.U.Rogner #DaveAnderson #PeterLeopold #RenateKnaup #LotharMeid #WolfCity #CarnivalInBabylon #Singles
Krautrock psychedelic UNITED ARTISTS Records 不明Dr K2
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Patti Smith “Horses”
元々、NYのパンクには余り興味が無かった(“No New York”勢や西海岸ものは別として)訳ですが、勉強と思って聴かないとな!と思って買ったものの一つです。Patti Smithがパンクかと言うと、ん〜、ちょっと違うかな?とも思えるんですが、ここは一つ同時期に出てきたと言うことで、勘弁して頂きたいです。しかしながら、「パンクの女王」と言う烙印を押されていたのも事実ですね。 それでは、ちょっとだけ、バイオグラフィーを書いておきます。彼女は1967年に州立大学を卒業し、NYCのマンハッタンに引っ越してきました。友達で詩人のJanet Hamillと一緒に本屋でバイトしていましたが、その本屋で、写真家のRobert Mapplethorpeととも会っています。それで、二人は恋人になりますが、貧しかったこともあり、激しく殴り合ったこともあるような怒涛の関係でした。しかしながら、PattiはRobertを人生の中で最も重要な人と直感し、回想録”Just Kid”で 「彼は私の人生のアーティスト」と呼んでました。初期のアルバムのジャケ写はRobertよるもので、その関係は1989年にRobertが亡くなるまで続いていました。1969年にらPattiは、彼女の姉妹と仏パリを訪れますが、そこで観たパーフォーミング・アートを強く感銘を受け、マンハッタンに戻ると、直ぐにHotel Chelseaで、Robertとやり始めます。その頃になると、彼女達は、Max’s Kansas CityやCBGBに入り浸ってましたが。同年、Robertが主演のSandy Daleyの実験映画にスポークン・ワードのサントラを作る機会がありました。そうこうしている間に彼女はSt.Mark詩人プロジェクトのメンバーとなり、1970年代初期はペインティング、執筆、パフォーマンスに時間を割いていました。本当かどうかはわかりませんが、PattiはBlue Öyster CultのリードVoなんて簡単になれると思っていたようで、いくつかのパンドの歌に歌詞を書いたりしています。1974年に、Pattiはロックをやる為に、バンドメンバーを集めます。ロック活動家のLenny Kaye (G,B), Ivan Kral (G,B), Jay Dee Daugherty (Dr), Richard Sohl (Piano)です。それで、Sam Wagstaffの出資で、1974年にファースト・シングル"Hey Joe / Piss Factory"をリリースします。A面は割とスタンダードなロック・チューンに逃亡した相続人であるPatty Hearstについてのスポークン・ワードが乗るスタイルになっています。B面はPattiが工場の生産ラインで毎日働くことで、NYに逃げてきて欲する夢が段々削られていく救いの無さを歌っています。このシングルは今となってはプレミアものですね。The Patti Smith Groupは1975年にArista Recordsと契約を結びます。この時の、Patti 29歳。そして、John Caleのプロデュースで作ったのが、このアルバム”Horses”です。ジャケ写はRobert Mapplethorpeよるもので、Van Morrisonの”Gloria”のカバーも収録されており、結構、話題になりました。取り敢えず、バイオグラフィーグラフィーはここまでにしておきます。 それで、このファースト・アルバム”Horses”ですが、先述の”Gloria”のカバーはやはり秀逸ですね。「パンクの女王」とか言われてますが、個人的にはそうは思わないですね。「戦うヒッピーくずれ」と言った方がまだ近いようにも思えます。あと、彼女を言う時にスポークン・ワードがとか言うのも、いまいちピンと来ません。彼女の歌は味があると思いますし、声質もややハスキーでいいシンガーだと思いますので。それに、本アルバムでは殆どちゃんと歌っています。個人的には、歌い込んでいるA1”Gloria”は勿論のこと、ピアノと彼女のスポークン・ワードが光るB3”Land”や劇的に盛り上がるA4”Free Money”がお気に入りですね。歌詞が分からないので、音だけで判断しています。それにもまして、そんな彼女の処女作、良いですよーー❗️機会があったら聴いてみてね。 https://youtu.be/-kuyNvpWSsA #PattiSmith #Horses #AristaRecords #SpokenWords #Gloria #LennyKaye #RichardSohl #IvanKral #JayDeeDaugherty #JohnCale #RoberMapplethorpe #Poetry
NY Punk Arista 不明Dr K2
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Tangerine Dream “Ricochet”
もう、何度も紹介しているTangerine Dreamのライブ・アルバム”Ricochet(リコシェ)”です。この時期のメンバーはEdger Froese, Christopher Franke, Peter Baumannのトリオです。詳しいバイオグラフィーは既に書いていますので、そちらを参考にして下さい。このアルバムは、フランスと英国での1975年のライブ録音から成ります。もう泣ける位カッコいいシーケンスとドラムやギターとの絡みが充二分に楽しめます。この時期はまだ、半即興的に演奏していない時期ですが、ライブ感を含めて、適度な緊張感のある演奏が聴かれます。何らかの譜面らしきものはあったみたいですが、所謂、通常の「譜面」ではなかったみたいです。片面1曲ずつと言うか、長尺の曲を無理やり2つに分けたようです。しかしながら、これがロックなのか?プログレなのか?と言う命題を考えさせられます。しかしなから、振り返ってみれば、このような電子音楽は「ロック」のある一面にもありましたし、また出自がアカデミックではなく、「ロック」であれば、それはどのような形態を取っていても、「ロック」の範疇に吸収されてしまうのですね。プログレについても同様なのですが、例えば、Tangerine DreamとPink Floydとが余りに違う形態であっても、それはプログレと言う名の元に同一視されてしまうのでしょう。つまり、何が言いたいかと言うと、ロックとかプログレとかのジャンル分けは早々に無意味化し、聴き手の感性のみで判断するしかないと言うことです。だから、リスナーは音楽の形態ではなく、そのコアの部分をしっかりと把握して、聴くしかないと言うことではないでしょうか? そんなことを考えさられた作品でした。また、難しいことは別にして、本作品も聴き応えのある演奏が収録されていますので、少しでも興味のいる方は、遅くは無いので、聴いてみて下さい。 A “Ricochet (Part One)” (17:02) B “Ricochet (Part Two)” (21:13) https://youtu.be/xM1Wc6ha_ic?si=Cn5i54nfW78zC2yX #TangerineDream #Ricochet #VirginRecords #ProgressiveRock #Krautrock #Electronic #Synthesizers #LiveTracks #EdgerFroese #ChristopherFranke #PeterBaumann
Progressive, Electronic Virgin Records 不明Dr K2
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Amon Düül II “Made In Germany”
レコ棚をゴソゴソ見ていたら、何故か見つかったAmon Düül IIの9枚目のアルバムです。何故、このアルバムを購入したのかは最早よく分からないのですが、久しぶりに聴いてみようと思いましたので、少し,紹介しておきます。バイオグラフィーも少しだけ、本当に少しだけ。元々は1960年代後半に,西独逸のバイエルン州で活動していた政治的・芸術的コミューンAmon Düül(アモン・デュール)から派生したバンドです。この時期は、ドラッグできめた、長々とフリーなジャムセッションをやっていたとのこと。メンバーはコアメンバーを除いてかなり流動的でしたが、派生した時はChris Karrer (Vo, G, Banjo, Violin), Peter Leopold (Dr, Perc), Falk-U Roger (Synth, Organ), Renate Knaup (Vo), John Weinzierl (G), Dave Anderson (B; 後にHawkwindに加入)らが主要メンバーでした。それで、ミュンヘンのクラブで演奏をしていたとのこと。1969年にファーストアルバム”Phallus Dei (神の鞭)”をリリース、同年、映画”Sun Domingo”のサントラを担当、ドイツ連邦映画賞を受賞しています。1970年に名作”Yeti (地獄)”をリリース。延々と続くジャムセッションが収められています。1971年にはサードアルバム ”Tanz der Lemminge (野鼠の踊り)”を発表。ここでDaveが脱退し、Lothar MeidとKarl-Heinz Hausmann(Lotharは後にEmbryoを結成)が加入してきます。そこで,ツアー後、1972年後半に”Live In London”を発表します。 その後も割とコンスタントにアルバムをリリースしながら,活動していましたが,ドラマーのPeter Leopoldが1972年に、マルチ奏者のDaniel Fichelscherと一時的に入れ替わり、同年に”Carnival in Babylon”をリリース。その後,Peterは復帰して1979年までドラマーとして活躍していました。その後、彼は2006年11月8日に亡くなっており、ベーシストのLotharも2015年11月3日に死亡していますが、現在もバンドは継続しています。ザックリと言うとこんな感じです。 それで本作品”Made In Germany”ですが、まずメンバーと担当楽器は、Renate Knaup (Vo), Robby Heibl (Vo, B, G, Violin), Chris Karrer (Vo, G, Banjo, Violin), Peter Leopold (Dr, Perc), Falk-U Roger (Synth, Organ), Nando Tischer (Vo, G), John Weinzierl (G)で、ゲストとしてThor Baldursson (Kbd), Heinz Becker (Timpani, Gong, Perc), Lee Harper (Trumpet, Brass Section), Bobby Johns (Sax solo), Jürgen S. Korduletsch (B-Vo), Helmut Sonnleitner (First Violin, String section)が参加しています。このアルバムでは、初期のジャムセッション的なカオティックな演奏はは完全に無くなり、ピアノやプラスセクションやストリングスもたっぷりと活かしたゴージャスなポップ・ミュージックになっています。コアメンバーの約半分は入れ替わっているので,そのような音楽性になったのかもしれませんね。元々がジャーマン・サイケ志向のバンドだったので、こんな風に曲調が変化してしまうのも致し方ないのかも。それでも随所にサイケっぽい曲がありますね。なので、ちょっとリッチな気分で聴いてみてください。 https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nQLslNdrMQHNJ7IhRRRNWdlbpQFQi53-Q #AmonDüülII #MadeInGermany #Krautrock #AtranticRecords #Psychedelic #ProgressiveRock #PopMusic
Progressive Rock ATCO/Atlantic (Warner) 不明Dr K2
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Pink Floyd “Wish You Were Here (炎〜あなたがここにいてほしい)”
またまた,出ました❗️Pink Floydの8枚目のスタジオアルバムが,この”Wish You Were Here (炎〜あなたがここにいてほしい)”です。バイオグラフィーの方は、前回、みっちり書きましたので、そちらを参考にしてください。ジャケは有名ですが、今回もアート集団ヒプノシス(Hipgnosis)が担当しています。前作”The Dark Side of the Moon (狂気)”が大ヒットした後の作品なので、そのヒット作の後と言うプレッシャー、前作でやりたいことをやり切ってしまったと言う気持ち、それにメンバー個々人の問題(主に離婚問題)などが,この時期にあり、前作から2年半もかかってのリリースとなっています。リリースしたばかりの頃はセールス的に伸び悩みましたが,最終的には、全英・全米でアルバムチャート1位を獲得しています。内容的には、やはり,巧みな構成力のある組曲”Shine On You Crazy Diamond (狂ったダイアモンド)”が大きく2曲に分かれて、”Part I ~V”がA面に、”Part V~IX”がB面に収められています。その間に小曲が配置され、タイトル曲の”Wish You Were Here (あなたがここにいてほしい)”もB-2に収録されています。本作の前に、タイトル曲の他に”You've gotta be crazy”, “Raving and drooling”と言った曲も既にライブでは演奏されていましたが、海賊盤”British Winter Tour”に後者2曲は収められて、世に出てしまったので、本作品には含まれませんでした(この2曲は後のアルバム ”Animals”にタイトルを変えて収録されています。ここら辺からコンセプチュアルな仰々しい作品が多くなっていきますが、本作に含まれる”Shine On You Crazy Diamond”組曲は比較的キャッチーなフレーズもあり、懐かしいかったので、好きな曲でもあります。Pink Floydの魅力の一つとして、組曲風な構成でありながら、メインになるテーマのフレーズが覚えやすいと言う点も挙げられるでしょう(まあ、当たり前ではなりますが)。それと,興味深かったのはRichard Wrightのシンセ使いが効果的であった点です。個人的には,ブリティッシュ・プログレはなぜかそれ程「先鋭的」な感じはしないのですが、そこら辺は英国のチャートや、音楽形態そのものよりも曲として完成度はどうなのかが重んじられているからかも知れませんね。それは同時期の独逸のプログレとな決定的相違点とも思えます。それでも、本作も英国プログレの一旦に担っているアルバムですのでら未聴の方は聴いてみて下さい。 https://youtu.be/TMy_mYkwl4M #PinkFloyd #WishYouWereHere #ProgressiveRock #組曲 #ShineOnYouCrazyDiamind
Progressive Rock HARVEST 2300円位Dr K2
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Klaus Schulze “Timewind”
Tangerine Dreamが出ましたので、それに関連してこの人も紹介せざるを得ないですね。そうです、Klaus Schulze (クラウス・シュルツェと呼ぶ)です。このアーティストも70年代からずっと活動しているので、バイオグラフィーは膨大ですが、端折って紹介します。元々はTangerine Dream(1969年 - 1970年)とAsh Ra Tempel(1970年 - 1971年)にドラマーとして参加していましたが,1972年作の ”Irrlicht”でソロ・デビューしています。この時はシンセは使っていませんでした。その後、”Cyborg”でEMS VCS 3を導入し、ここら辺から彼の作風が変わり、後にアンビエントとかニューエイジとか言われる作風になっていきます。本作品”Timewind”は、この路線が決定付けられた代表作と言えましよう。と同時に所謂KlautrockからBerlin Schoolへのシフトチェンジしたとも言われています。その後、Tsutomu Yamashitaらとのコラボ・グループGoを結成して、リリースやライブも行っています。1980年代にはデジタル楽器への移行と、共に実験性は薄れて、ニューエイジ的になっていきます。そして段々と、シーケンサーを使ったオペラ・スタイルになっていきます。また、2003年には「もうライブはやらないだろう」との声明を発しており、過去作品のリイシューに力をいれていました。2005年には大病を患いましたが、奇跡的に復帰しています。まあ、ザックリ言うとこんな感じで、今では、アンビエント・ミュージックやテクノ或いはエレクトロニカの始祖的存在でもありますが、電子楽器だけで作製されたアルバムは意外と少なく、いつも打楽器や生楽器などと電子音がミックスされてた壮大な曲を作るようになってきました(ワーグナーの影響らしいです)。また、彼は、本名名義以外にもRichard Wahnfried (リヒャルト・ヴァーンフリード)名義でも、よりワーグナー的な音楽をやっています。 それで、本作品”Timewind”なのですが、全編、是ストリングス・シンセの海で、かすかにエコーのかけられたシーケンスが聴こえると言う、壮大な曲が片面づつ収録されています。丁度、時期的に、ワーグナー的かつアンビエント路線に切り替わったからでしよう。聴いてて気持ち良いんですよ(パンチは足らないのですが)。ただ,一度に何回も聴き直せるアルバムではないですゥー。そんな彼のアンビエントの「素」を聴いてみて下さい。 https://youtu.be/qBn0Jnf7_3M #KlausSchluze #TimeWind #Ambient #NewAge #Synthesizer #RichardWagner
Progressive Virgin Records 不明Dr K2
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Tangerine Dream “Rubycon”
とうとうやってきました、独逸のプログレの生き字引Tangerine Dreamです❗️今回、取り上げるのは彼等の7枚目のスタジオアルバム(サントラは除く) ”Rubycon”です。私はそんなに詳しくはないし、もっと良く知っている方も沢山いらっしゃると思いますので、ここで私が解説する必要もないかも知れませんが、好例ですので、少しだけバイオグラフィーを。Tangerine DreamはEdgar Froeseを中心に1969年に結成されたクラウトロック或いはプログレッシヴ・ロック・バンドです、Edgarはその前にThe Onesと言うバンドォ1962年からやっていましたが、スペインでシュールレアリストのSalvador Dalíに会ってから、より実験的な音楽を追求すべく、バンドを解散、新たにConrad SchnitzlerとKlaus SchulzeとのトリオでTangerine Dreamを1968年(1969年とも?)に結成し、1970年にファーストアルバム”Electronic Meditation” を発表。このアルバムは言う程、電子的にはなく、電子的処理を施されたG, Organ, Cello, Flute, Dr等によるFree musicであった。その後、ConradとKrauseは脱退。EdgarはChristopher Franke(Agitation FreeのDr)とSteve Schroyderをスカウトしましたが、Steveはその後Peter Baumannと交代。この頃から、現代音楽家のThomas Kessler の影響で、急速に電子音楽化していき、1971年の”Alpha Centauri”から1973年の”Atem”は難解な音楽ながらも、高い評価を受けています。この頃から世界的に知られるようになります。そして、1974年作”Phaedra”や1975年作”Rubycon”をリリース。最初期のポップミュージック的作品と評価されています。しかし、1976年作”Stratosphere”でリズム、ハーモニー、メロディと言う伝統的音楽に回帰した為、ファンを困惑させています。1977年に米国のWilliam Friedkin監督の「恐怖の報酬 (“Sorcerer”)」のサントラを発表、その後、1980年代は、この手の映画のサントラが多くなってきました。ライブも盛んにやっており、演奏を繰り返すことで曲を練り上げていく「半即興」と言う手法を取っています。1987年にChristopher Frankeが脱退。1990年にEdgarの息子Jerome Froeseが加入。しばらく父子で活動していましたが、その後、Jeromeも脱退。2011年に日本人ヴァイオリニストHoshiko Yamaneが加入。2015年1月20日、主宰のEdgarがウィーンにて肺塞栓症で死去。しかし,残ったメンバー(Thorsten Quaeschning, Ulrich Schnauss, Hoshiko Yamane, Paul Frick)でグループを続けていき、今でも活動しています。少々長くなってすいません。 それで本作品”Rubycon”ですが、片面1曲づつ長尺の曲が収められおり、時折出てくるシーケンスやゆったりした優しい電子音同士が絡まっていくと言う,この時期の典型的楽曲になっています。そして、電子音による半即興が組曲風に奏でられており、長尺でも飽きませんね。Tangerine Dreamに対する、私のイメージもこの頃の音楽であり、また極上のアンビエンスであると言えますね(最近のは聴いていないので、なんとも言えませんが)。これまた、仏のHeldonとかとは違った電子音に対するアプローチですね。シンセはEMSみたいですね。アルバム通して聴くと、最後にはうっとりしてしまう音楽なので、未聴の方はその極楽感も是非味わってみてください。 A “Rubycon (Part One)” (17:18) B “Rubycon (Part Two)” (17:35) https://youtu.be/jd6XL_IOS3I?si=_UHlBJaOSX5-uQP5 #TangerineDream #Rubycon #VirginRecords #EdgarFroese #PeterBaumann #ChristopherFranke #Electronic #Synthesizers #Ambient #Krautrock #ProgressiveRock
Progressive Rock / Krautrock / Electronic Virgin Records 2000円Dr K2