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Bono / Burattini “Suono In Un Tempo Trasfigurato“
これだから、通販まとめ買いは、謎物件が含まれますね。全然、購入した覚えがありません!どうも、Bono / Burattiniが、コンビ名らしいです。それでちょっと調べてみました。コンピと書きましたのは、Ofeliadorme の創設者にして、Donnacirco collective のメンバーでもあるFrancesca Bono (Vo, Synth, Knd: 因みに女性です)と伊アヴァン・ロック・グループMassimo VolumeのメンバーのVittoria Burattini (Drs, Perc)の伊人グループのことです。真新しいデュオらしく、2023年のDiscongs上、まだ、唯一作みたいです。それで、先ず、Ofeliadormeと言うバンドは、2008年に伊Bologna(ボローニャ)で、ランボーの詩にインスパイアされて、Francesca Bono (Vo, G, Synth), Michele Postpischl (Drs), Tato Izzia (Synth-B, Synth, Electronics)によって結成されたオルタナ・バンドのことで、2009年にはシングルを出して、2011年にはデビューアルバム”All Harm Ends Here”を出しています。2016年までは何らかのリリースをしていますが、それ以降には途絶えているので、恐らく解散したのではないかと思われます。一方、Massimo Volumeは、1990年代に活発に活動していたBolognaのバンドで、伊で初めてスポークン・ワードを使ったインディー・ロックを演奏しており、1970年代後半〜1980年代前半の音楽、特に、Joy Divisionや伊のパンクバンドCCCP - Fedeli Alla Lineaに影響を受けたそうです。歌詞についても、伊の詩人Emidio Clementiに多大な影響を受けていたそうで、1992年にカセット作品を出してから、2011年に、Bachi Da Pietraとのスプリット・アルバムを出すまで活動していたらしいです。その後、セルフ・コンピ・アルバム” Lungo I Bordi / Da Qui”が出ていますが、新録アルバムは出ていないので、恐らく解散したのでしよう。以上が2人のバックボーンですが、今回、ご紹介するBono / Burattiniを組んだ経過については不明です。ただ、Bono / Burattiniは、前衛映像作家Maya Derenによる3本の作品①”At Land”, ②“Ritual in Transfigured Time”, ③“Choreography for Cameraの習作”にインスパイアされて、本作品の核心部分を作り上げたと言うことです(私はこれらの映像作品は観ていないので内容は不明)。と言う経緯で2人は音楽作品を作り上げたのだと思いますが、その実際の手順としては、これらの作品の参考地点を汲み取ることで、Burattiniが、独自のDrsのパタンを作り出しますが、それは、Bonoの風変わりなメロディやコズミックなサウンドスケープまたは鼻歌やコーラスワーク等のVoスタイルに、Burattiniが合わせる形で曲を作っているとのことです。その際には、有機的な楽器(Drs)と人工的な楽器(シンセやシーケンサー)をミックスして使い、彼等は、知らない世界のグルーヴや奇妙なノリ或いはSF的なエレクトロニクスを生み出し、その為か、Can, Gruppo Di Improvvisazione Nuova Consonanza, Suzanne Ciani辺りに近い音楽を作り出しています。 以上がBono / Burattiniのバックボーンとこのプロジェクトでの音楽コンセプトなのですが、2023年に出た本作品はそれらの結果と考えられます。では、本作品についてですが、両面とも5曲ずつ収録されていますので、各曲についてご紹介していきたいと思います。 ★A1 “Trick Or Chess” (5:19)では、先ず微音のビーコンから始まり、やがてスローなDrsがビートを、そしてシンセのリフが入って、そこに捩れたGソロらしき音が凄いエコーと共に挿入されてきます。ドラマチック! ★A2 “Le Ossa” (2:08)は、逆回転のイントロからポストパンクのようなDrsとBのリフ、そして鼻歌のようなBonoのVoとコーラスから成る曲で、雰囲気が良い。 ★A3 “Sogno Nel Vigneto” (3:18)は、シーケンスと四つ打ちっぽいDrsから成る曲で、中々イカした演奏を聴かせてくれます。Drs自体は禁欲的で、寧ろシーケンスが割とパタンを変えます。 ★A4 “Dinner Illusion” (3:18)も、シーケンスとDrsから成り、Bonoの透明感のある鼻歌(?)が伸び伸びと聴かれる曲で、独特の落ち着きを提示しています。 ★A5 “Stella” (3:41)は、籠った音色のDrsに、シンセとピアノが絡んでくる曲で、ピアノはリリカルなメロを弾いており、落ち着いてはいるものの、何か危機感を煽る雰囲気を感じます。 ★B1 “The Ballroom” (3:33)は、シーケンスで始まり、自在なDrsとBonoの多層化していく呟き等が被っていく曲で、2人のコンビネーションはバッチリです。 ★B2 “La Trama Del Desiderio” (4:33)も、単純なシーケンスからDrsと言うより「太鼓」が合わせる曲ですが、後半はシンセのパルス音とDrsで盛り上げます。 ★B3 “Dancing Demons” (3:28)は、怪しいフレーズのシンセがゆったりと鳴らされ、やがてシンセのメロディやコーラスも挿入されるスロー・バラードな曲です。 ★B4 “Your House Is A Ghost” (4:39)も、高らかなシンセ音で始まり、突然、エコーの掛かったハイハットと低音シンセが絡み、やがて四つ打ちっぽいDrsと大胆なシンセ音へと変わる劇的な曲です。 ★B5 “Waves” (2:41)は、ホワホワしたシンセとタムを多用したDrsの合奏曲で、小振りながら、最後に相応しい良曲となっています。 この2人と言う制限された編成の中で、如何に彼等が無駄を省いて、剥き身の音を出しているかが、良く分かる作品だと思います。確かにシーケンサーも使っていますが、所謂、シンセウェーブとかとは異なるミニマルではない自由な演奏で、恐らく曲もその形態の為に作られたものと思います。個人的には、シンセウェーブとは真逆のプログレ(特にKrautrock)とかSkeleton Crewのような音楽だと感じました。それと、Bonoは鼻歌やコーラスは演るものの全曲ほぼインスト曲と言うのも珍しいですね。その意味では、非常に稀有な存在だと思いますので、単なるポップとかシンセウェーブとかと思っていると、とんでもないしっぺ返しを喰らいますよ❗️ [live track: A1 “Trick Or Chess”] https://youtu.be/hmHj0Z4OkOQ?si=ug5MxB3VAWwD2ks1 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_k2WDWLNlvZhtD9Q0xgqhLmi5HFJXIVIes&si=dXA_rWFUZeBbvAIF [BandcampのURLも貼っておきます] https://mapledeathrecords.bandcamp.com/album/suono-in-un-tempo-trasfigurato #Bono/Burattini #SuonoInUnTempoTrasfigurato #MapleDeathRecords #FirstAlbum #LimitedEditions #500部 #ItalianUnderground #FrancescaBono #VittoriaBurattini #NewDuo #ExperimentalRock #Krautrock #Ofeliadorme #IndieRockBand #DonnacircoCollective #MassimoVolume #AlternativeRockBand #Avant-FilmMaker #MayaDeren #AtLand #RitualInTransfiguredTime #ChoreographyForCamera習作 #FromVisialToMusic
Experimental Rock / Krautrock Maple Death Records 2420円Dr K2
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W.A.T. “World According To (Eindhoven 1983-1985)”
W.A.T.と聞いて、パッと音楽が思い出すことが出来る方は少ないと思います。今回は、蘭のポスト・パンク・バンドW.A.T. (World According To)のセルフ・コンピ・アルバム”World According To (Eindhoven 1983-1985)”を紹介します。正直、私もこのバンドのことは全然知りませんでしたので、ちょっと調べてみました。W.A.T.とは、A.M.A.H. Keultjes van MeursことAd Van Meurs (G, Vo)とF.J.G.M. van den NieuwenhofことFrank van den Nieuwenhof (B), Ankie Keultjes (Kbd, Vo)によるバンドで、1982年に蘭Eindhovenで結成されています。当時はドラムレスであったので、BOSS Dr-55リズムマシンを使っていたらしいですが、アルバムの録音では生Drsを使っているようです。またシンセはアナログのPro Oneシンセを使っており、それにアルペジオの打ち込みをしていたとのことです。翌年1983年には、6曲入りデビュー・ミニアルバム”Defreeze”を蘭のレーベルPlurex Recordsからリリースし、RotterdamのDe Dielen で行われたフェスPandora's Music Boxに出演、また仏ReimsでのフェスMusiques de Traversesにも出演しています。そして、ラジオ局VPROのニューウェーブ等を掛ける番組Spleenにも出演したりしています。その後、1985年にはセカンド・アルバム”We” (音はテクノではないです)を蘭のテクノ・レーベルPrimeからリリースし、同年には蘭のレーベルから、6曲入りサード・ミニアルバム”Thin Blue Notes”もリリースしています。その後1988年に、バンドは解散し、Ad Van MeursはThe Watchmanとして活動していくことになります。 以上がW.A.T.の略歴なのですが、この位しか分かりませんでした(すまん!)。それで、本作品は、彼等が出した3枚のアルバムから曲をセレクトして、纏めたセルフ・コンピ・アルバムと言うことになります。内容的には、A2, A4, B2, B3はファースト・アルバム”Defreeze”から、A1, A3, A6, B1, B4, B5はセカンド・アルバム”We”から、A5, B6はサード・アルバム”Thin Blue Notes”からセレクトされており、両面共6曲ずつ収録されており、ベルギーのレーベルStroomからのリリースとなっています。それでは、各曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “Love Suspect” (3:34)は、ややファンクっぽいリズム隊に、伸び伸び弾かれるGと良く通る女性Voから成るポストパンクな曲で、新鮮です。 ★A2 “Get Famous” (4:46)では、シーケンスと語るような女性Voで始まるニューウェーブっぽい曲で、その後にタイトなリズム隊と単音弾きのGで疾走しています。 ★A3 “Wax” (3:39)は、大胆なDrsと這い回るBにアルペジオGから成るポストパンクな曲で、時に入るシンセがニューウェーブっぽいかな? ★A4 “Defreeze” (4:07)は、機関車のようなリズム隊とシーケンスするシンセに、浮遊感漂う女性Voが心地良い曲で、ニューウェーブだなぁと。ミニマルなBと間奏のシンセが絶品! ★A5 “Thin Blue Notes” (4:37)は、いきなりのアコギとGで始まり、ちょいとマカロニ・ウエスタン調のアンサンブルで、洗練されていてシャレ乙。間奏のGもグー! ★A6 “The Captain” (4:24)は、やや落ち着いた曲で、シンセのメロは良いし、Bのリフはちょいファンク調。カッコ良い! ★B1 “THX” (3:42)は、蠢くようなBラインとDrsを中心に男性Voが女性コーラスと共に歌うポストパンクな曲で、間奏のGもそれっぽい。 ★B2 “Art Lovers” (4:58)は、タイトなDrsとGの刻みと躍動的なBから成る曲で、ここではメインは女性Voで、時にラップ調にもなり、スライドGも挿入され、良い塩梅です。 ★B3 “Ivanhoo” (4:27)は、やや焦燥感を感じさせる曲で、女性Voです。GとBの噛合せが絶妙で、中半〜後半のシーケンスの挿入も良い味付けです。 ★B4 “Hossa” (4:25)では、Gのアルペジオの中、コンガ等を使ったファンク調のリズム隊が始まり、重ねられたGが伸び伸びと弾いているインスト曲です。 ★B5 “Sangatte” (4:59)は、ミニマルなGのリフに囁く女性Voが中心となった落ち着いた曲です。メロも良く、中半からの盛り上がりもグー! ★B6 “Conspiracy In The Dark” (4:32)は、めっちゃカッコ良いノリの良い曲で、歪んだGが新鮮です。Voは女性で、バックの演奏には疾走感があります。 総じて、「軽いニューウェーブ」と言うよりも、ソフィストケートされたポストパンクな曲が多い印象ですが、歌詞が全部英詩で、そこがちょっと残念な所ですね。しかしながら、曲作りやアレンジは卓越しており、かなり聴き易く、また演奏の細部にも凝っている所をビンビン感じます。BOSS Dr-55と記載がありましたが、どうも生Drs(誰が叩いているかは不明)を使って録音されているようで、少なくとも、このようなチープなリズムボックスは使われていません。なので、蘭のバンドですが、これが英国のバンドだったら、もっと評価されていたのではないでしょうか?ポストパンク・ファンの方には是非とも聴いて欲しい一枚です❗️ B6 “Conspiracy In The Dark” https://youtu.be/XoIh6v_qRrw?si=gdJI6q2BPtBccU4g [Bandcampでfull album聴くことができます] https://stroomtv.bandcamp.com/album/world-according-to #W.A.T. #WorldAccordingTo #Eindhoven1983-1985 #Stroom #SelfCompilation #PostPunk #NewWave #Holland #DutchUnderground #Defreeze #We #ThinBlueNotes #RhythmBox #Drums #AMAHKeultjesVanMeurs #AdVanMeur #FJGMVanDenNieuwenhof #FrankVanDenNieuwenhof #AnkieKeultjes
Post Punk / New Wave Stroom 3872円Dr K2
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ADN’ Ckrystall “De Unicornis Veritate”
ADN’ Ckrystallって聞いて、知ってるって方は相当のシンセマニアですね。私は全然知らずに、まあ中古だから買っちゃおうか位の気持ちで購入しました。この作品は1982-1983年に録音され、1983年には出来上がってはいたのですが、今までリリースはされていなかった「幻のセカンド・アルバム」と言うお蔵入り物件です。それで、スペインのWah Wah Recordsが発掘して、2021年にリリースしたと言う訳です。それで、ADN’ Ckrystallと言うのは、仏のシンセ奏者/宅録者であるErick Moncollinのソロユニット名で、その意味は、ADNと言うのは仏語でDNAのことで、Ckrystallと言うのは、先ず、Ckが本名のeriCkから、Yは彼自身のレーベル或いは曲名Ysil-puckiesから、LLは”aLL… Viola !”のLLから取って、”Jazz’ Mad (彼の中では1980-1983年らしい)”を思いついた「森」を繋げて作った造語です。先ず、Erick Moncollinのバイオグラフィーを調べてみました。Moncollinは、南仏Tarbes近郊の街で生まれ、子供の時に独に4年、パリに3年、そうして仏Tourouseに居を構えています。幼少期には、King Crimsonや”The BeatlesのWhite Album”, T-Rex等を聴いており、その内、Hawkwind, Captain Beefheart等を聴いて育ち、大学時代には、Gong, Utopia, John Cale, Magma, The Stooges, Amon Duul 2, Guru Guru, Tangerine Dream等の電子音楽系クラウトロックにのめり込んでいます。時に仏のCatharsisがお気に入りだったとか。それで、Oberheim 2-4 & 8, SEM Voices, EMS Synthi 100, VCS 3, RMI Kbd Computer 1のシンセに触れたくて仕方がなかったそうです。しかし、シンセ・ショップで、Korg MS-20 flat prototypeを試してみて、凄い音が出ることに気付き、気に入ったそうで、その時に、Yamaha CSQ80のテストをしていたVangelisと、またはMini-Moogを弾いていたTim Blakeともジャムっていたそうです。その2週間後、最初のリズムマシン, ピアノ-ストリングスKbd, エフェクター2台, モノ・シンセを購入し、1977-1979年はToulouseのアートスクールでシンセを使い倒して、色んな実験をしています。1980-1983年が”Jazz’Mad”の年になりますが、その時期に、Moncollinは洞窟や重機置き場、農場のような場所で、ライブ活動を始めています。その時に、地元でシンセの達人Benoit Hutinと出会い、そのライブ音源を聴いたHutinがADN’Ckrystallのアルバムを出すように言われ、初めてスタジオでの録音を経験しています。その時には、Moncollinは、Crumar, ブラス・エフェクターとヴォリューム・ペダルを繋いだMultiman 52, 2台のKawai Synthi 100-F, Roland CR-65, Korg PS-3200, Roland Jupiter-4, Boss Flanger, MXR phaser、それにTEAC 8トラック・レコーダーを使っていましたが、その後のライブの前に、Roland SH-05とSCI Pro-Oneも購入しています。そうして、最初はシンセ奏者のいるバンドを参考にしていましたが、どうも彼等はシンセ以外の楽器も演奏しており、シンセの可能性を拡大しようとはしていないようでした。1977年にパンクが勃興してきた時に、Gary Numan/Tubeway ArmyやSimple Mindsが出てきましたが、仏ではそれ程シンセポップ指向のバンドは多くはなかったとのこと。しかし、1980-1990年には、ゴス/ガレージ/バットケイヴ/ニューウェーブ/エレクトロ/ニューロマ/パンク/実験音楽/ファンク/ポップ・バンドがゴロゴロ出てきましたが、玉石混交でした。一方、ADN’Ckrystallのライブは、そのアナログ機材のセッティングは大変でしたが、Moncollinはそんな機材を無理矢理パッチングしたりして乗り切っていました。この時期(Jazz’Mad)のライブで覚えているのは2回だけで、1回目は、1982年12月のクラブL’Enferで、Moncollinは中心に位置し、その周りに観客が配置されていました。観客は踊っており、1980年代ニューウェーブの反応だなと思っていたそうで、ライティングもあってサイケなニューウェーブ・パーティーとなっていました。もう一つは、ピレニア山脈のクラブ活動Le Puouletでのライブで、Moncollinが歌っている時、酔っ払った警官が、彼のシンセを弾きたがって、演奏の邪魔をしてきたので、クラブのオーナーがこの警官を叩き出し、店を閉めて、もう一度、最初からリプレイしたことらしいです。Moncollinは、特にシンセが上手く弾けた訳ではありませんが、とにかく、彼はシンセの音が好きであったとのこと。ある友人は、「Jazz’Madはまるでロード・オブ・ザ・リングのサントラのようだ」と言っていたそうですが、Moncollin自身はクラウトロックからの影響が大きいと思っていたそうです。彼は、1982年作のアルバム”Jazz’Mad”時代から、割とコンスタントにアルバムをリリースしており、本作品が22枚程のアルバムとなります。この後に、1枚10㌅Mini-LP”Frankraut”を2023年に出しています。ちょっと、データと言うよりも、彼の回想録みたいな感じなんですが、彼が、ADN’ Ckrystallとして、買い集めたシンセを使い倒して、エレクトロな音楽をずっとやり続けてきたのは分かってもらえたでしようか? と言う訳で、本作品”De Unicornis Veritate”を紹介したいと思います。この作品は、ファースト・アルバム”Jazz’Mad”をリリースした後に、セカンド・アルバムとして、直ぐに出す予定だったのですが、何故かお蔵入りになってしまった作品なので、1983年と言う時代背景で聴いてみたいと思います。なお、作曲・演奏・打ち込み・録音等はMoncollin1人やっています。では、内容と各曲を紹介していきたいと思います。 ★A1 “De Unicornis Verythème”は、細やかなシンセの手弾きによる、ちょっと悲しげな旋律から成る小曲です。 ★A2 “In Mutabilitate”も、割とアップテンポなリズムマシンも使ったシンセの手弾きで、音色も余り変わらないですが、一発録りっぽいのか? ★A3 “De Codex Unicornis”も、懐かしいヴィンテージモノのアナログ・シンセによる曲で、リズムマシンも使ってます。ここでは、シンセらしいSE的音作りも披露しています。多分、シーケンサーも使っていないのでは? ★A4 “Unicornis Garden”もチャカポコしたリズムマシンに、ポリシンセのコード進行と、モノシンセによるメロディが組み合わさった曲ですね。如何にも1980年代初頭のシンセの音色です。 ★A5 “Dragonus, Dragonis”も手弾きシンセとリズムマシンによるややアップテンポの曲ですが、リズムマシンの音色が、どうもエレクトーンに付属しているようで、懐かしいです。 ★B1 “De Spirito Signo”は、大体同じようなリズムパターンで、手弾きによるアナログ・シンセのインスト曲なのですが、そのテクニックは凄いです。リズムマシンに、ポリシンセによるコード進行がメロディ代わりになっていますね。 ★B2 “De Unicornis Creature”は、ベース・シンセとコードを弾くポリシンセに、柔らかいモノシンセのメロディが乗ると言う曲ですね。 ★B3 “La Corne Spiralée”は、リズムマシン無しで、ポリシンセのコード進行にモノシンセによるメロディと言う簡素な弾き語り(勿論Voはないですが)から成る曲ですね。後半にもリズムも出てきます。 これは、正直、余りにもテクノロジーを使わな過ぎて、全部、手弾きでほぼ一発録りのようで、聴いていて、折角のシンセなんだから、もっと音色だけでも替えたりした方が良いのでは?と思いました。そうですね、私がまだ多重録音していなかった高校生時代に、一発録りで曲を録音していた時のことを思い出しました。せっかく、色々集めたシンセを沢山持っているのに、そこら辺は惜しいです❗️多重録音すれば、更に表現が広がったと思いますよ。また、全曲、インストなのも、ちょっと残念です。そう言う意味では、最近の作品も聴いてみたいですね! [live at Kernknach on Oct. 27, 2012] https://youtu.be/Mznj142vaaY?si=RSWkpunweeO7Pye5 [本作品はYouTubeにもBandcampにも無かったので、同時期のアルバム”Jazz’ Mad”を貼っておきます] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lWul6UC9qOn0dEDUFlBB_GNddVqBszYF0&si=PNf4QkRxfv6q3_J_ #ADN’Ckrystall #DeUnicornisVeritate #WahWahRecords #French #Synthesist #SynthMania #幻のSocondAlbum #1983年recording #2021年release #PreviouslyUnreleased #SynthWave #一発録り #インスト曲 #Synthesizers #ErickMoncollin
Minimal Wave / Experimental Wah Wah Records 3000円Dr K2
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Mystery Plane “Still Life”
Mystery Planeって知ってる人いますか?まあ、多分、知らないと思いますし、私も全然知りませんでした。ただ、ちょっと調べものをしていて、つい視聴して気に入ったので、購入した訳です。それで、ちょっと調べてみました。Mystery Planeは、1970年代に活動していたニュー・ウェーブ・バンド3D5が解散して、1980年に結成されています。その時の3D5のメンバーは、1978年の時点では、Mark Harvey, Gerald O'ConnellとPorl Thompsonだったとのこと。そうして、3D5はRAK Recordsから1枚シングルを出して、その1〜2年後に、Thompsonは脱退して、The Cureに加入しています。残った2人は、先ず、リズムマシンとしてBOSS DR-55を買いましたが、音は最悪だったと。また、その時にシンセも購入したそうです。それで、キーボードが弾けて、歌も上手かったCatherine O'Connellをバンドに誘います。因みに、Geraldは、Ash Ra TempelのManuel Gottschingの大ファンだったそうで、それで、彼等は、オープン・リールを使って録音をしていたそうです。そうしていると、マネージャーが1981年夏に、The MarqueeとかRock Gardenでのライブの予定を入れてきます。その時には、オープン・リールにリズム・セクションを録音しておいて、4番目のメンバーのようにステージで使っていました。一方、Geraldは、教員として働き始めましたが、その生徒の当時17歳のGary Ramonに、音楽の才能を見出して、Ramonをバンドに誘います。そうして、1982年に、漸くMystery Planeの曲が何とか出来るようになったのですが、Geraldは、よりサイケな方向にバンドの指向を変えようとしていました。最終的には、Mark Harveyは、GeraldとNigel Lackeyとを仲介させて、Lackeyにも数曲演奏させて、Mystery Planeは、1983年にカセット作品”The Dead Presley Tapes”をリリースしています。その後、どうも1988年迄は、カセット作品をポツリと出していますが、それらに記載されているクレジットはあやふやで、信憑性も怪しいのですが、一応、書いておくと、メンバーは、Missile (B, Vo, G), Curse (Drs, Kbd), Mark Harvey (G, Vo), Zero (Vo, G)で、Gary Ramonが曲をコンパイルしたとなっています。多分、Zeroと言うのが、Gerald O'Connellじゃないかなぁとは思いますが、確認できませんでした。ただ、Geraldは、Lives Of Angels と言うバンドを作って、よりシンセ・ウェーブな音楽作品”Elevator To Eden"を1983年にColor Tapesから出したりもしています。後、Mystery Planeは、他のシンセ・ウェーブとは異なり、クラウトロックからの影響が強く、特に、Neu!, Amon Düül II、それにUltravoxの”Vienna”の辺りからの影響が強かったそうです。一応、まとめると、今回の参加メンバーは、Gerald O'Connell, Mark Harvey, Catherine O'Connell, Gary Ramon, Nigel Lackeyと言うことになると思います。そうして、オリジナルは1981年に作られたデモテープを、Color Tapesが後に100部限定でリリースしたものなのですが、今回は、ちゃんとリマスターしてLP/CD化して出したものになります。それでは、各曲について紹介していきます。 A1 “Telephone”は、Neu!っぽいハンマービートの疾走感に、ギターとシンセが上手く乗っており、クラウトロックからの影響がよく分かるインスト曲です。 A2 “This Is Your Life”も、マシンリズムながらも、ややミニマルな構造で、男性Voと女性コーラスが掛け合うポップな曲です。 A3 “Something To Prove”は、割とシンセ・ウェーブな曲ですが、懐かしのメロディ・ラインが素晴らしいです。ここら辺はニューウェーブっぽいかな? A4 “Tightrope”は、DR-55のリズムとシンセのリフに乗って、如何にも英国的なVoのメロディが絶妙な曲ですが、シンセとギターの不協和音が効果的! A5 “Someone Else”では、マシンリズムとシンセとギターが組んず外れず絡み合い、Voもありますが、ブレイクがカッコ良いです! A6 “Poor John”でも、1980年代のニューウェーブ調の曲をシンセ・ウェーブで演っているような曲ですね。サビでのシンセにテクノ・ポップ味を感じます。 B1 “Crying Again”も、ニューウェーブっぽい曲ですが、使っているシンセやリズムマシンからして、やはりちょっと違うな!と思います。Voとコーラスは絶妙! B2 “Death Sentence”は、ギターとマシンリズムがカッコ良い曲ですが、安っぽいシンセの音色には捻りは無く、Voは歌いまくってます。 B3 “(Do The) Shah Of Iran (Twist)”は、チープでファニーなリズムマシンと、ギターによるエセ中近東風(にもなっていない?)曲となっています。 B4 “Still Life”では、珍しく女性コーラスとマシンリズムで始まるニュー・ウェーブチックな曲で、アップテンポでカッコ良いです。 B5 “Silence After Midnight”ではまた、DR-55のリズムに合わせて、1980年代っぽい歌が郷愁を誘います。 総じて、この作品は、単にシンセ・ウェーブと言うよりも、宅録ニュー・ウェーブな印象が強いですね。こう言うバンドって中々無かったた思うので、是非ともニュー・ウェーブ・ファンの方は聴いてみて下さい‼️やっぱり、欧州のシンセ・ウェーブとは違いますね。また、B面はそれ程ではないですが、A面とかはクラウトロックっぽい部分もあり、そこら辺のファンにも需要があるかも❗️ [アルバムとしてまとまった動画はYouTubeには無かったので、全曲を1曲ずつ貼っておきます] A1 “Telephone” https://youtu.be/DWJbUM0terg?si=g5pZaTjieuYZ_RRt A2 “This Is Your Life” https://youtu.be/7d7skW1ZDJQ?si=FNuRXMivY2l9pJlc A3 “Something To Prove” https://youtu.be/xyA5zalxTtk?si=cYAAELzMkteOFbka A4 “Tightrope” https://youtu.be/08eVBOqe4i8?si=hQZFR5lWRMK2tiiI A5 “Someone Else” https://youtu.be/iuiHU_5Po6E?si=lz6zjNNN1uGLC29e A6 “Poor John” https://youtu.be/E9186fDN03A?si=GWju7FbNtRE2VHTU B1 “Crying Again” https://youtu.be/B2ZnLC0GSK4?si=o2ytR0DZEEk3DsAa B2 “Death Sentence” https://youtu.be/eGai6IypUdA?si=julwU3Ty4NkWwYPrThank B3 “(Do The) Shah Of Iran (Twist)” https://youtu.be/cp6w5OmYCpw?si=nDO_S6IXtWZklLZa B4 “Still Life” https://youtu.be/PxbPbLLoKB0?si=aSuNK00uLjpGn2K9 B5 “Silence After Midnight https://youtu.be/1kcjCvp1wm4?si=KteBnExnpWSLbd87 #MysteryPlane #StillLife #AColorTapesProduct #1981年 #DemoTape #LimitedEditions #500部 #NewWave #SynthWave #Krautrock #Neu! #AmonDüülII #Ultravox #Synthesizers #Guitar #RhythmMachine #DR-55 #CatherineO'Connell #GaryRamon #MarkHarvey #GeraldO'Connell #NigelLackey
Synth Wave / New Wave A Color Tapes Product $25.99Dr K2
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Das Synthetische Mischgewebe “Inventaire & Contradictions - Retrospective 1982-1988“
君は、Das Synthetische Mischgewebe (「ダス・ジンテティッシェ・ミッシュゲヴーベ」と発音? 以下DSMと表記)を知っていますか? 1980年代初頭に、独Berlinで、Guido Hübnerを中心に結成された電子実験音楽/インダストリアル/アヴァン・ギャルド・グループです。当時は、他に、Isabelle CheminやYrefことRainer Freyなどが1〜2人程協力していたようです。 それで、活動初期はカセット作品を出していましたが、彼等のファースト・アルバムLP”The Harvest Of Magnetism”は、何と(!)スペインのDiscos Esplendor Geometricoからリリースされています。その後も、DSMの作品は、SFCR (仏), Pinch-A-Loaf Productions (米), Povertech (米)などの海外のレーベルからもレコードやCDとしてリリースされており、更にDSMは、MSBR (日), Frans de Waard (蘭), Ios Smolders (蘭), Artificial Memory Trace (捷), TBC (独), The Oval Language (波)などの様々なアーティスト/グループとコラボ作品も制作しています。先述のように、DSMはBerlinで活動を開始しましたが、この後、1987年にはスペインBalcelonaへ、そして1991年には仏Bordeauxへ移り、最終的には、仏Lower NormandyのCaenに活動の拠点を構えることになります。その際、1987年に、Cheminは、仏Nice近郊のSophia Antipoliに移り、社会的嫌悪に対して仮想空間がどれだけ耐えられるのかの環境開発に携わるコンサルティング・アーティストとして、DSMに参加しています。DSM、即ちHübnerは、国からグラント(資金)を貰いながら、科学的/医学的なプロジェクトとしても働いており、多くの欧州の大学と、音響環境に関するコラボをやってきています。既に、数多くのパフォーマンスやインスタレーションもやり続けており、活動を始めてから、40数年が経っていますが、今だに現役で活動しています。 DSMのバイオグラフィーはザッと上記のようになり、既に大ベテランですが、今回、紹介する作品は、DSMの極初期のカセット作品から抜粋されたトラックを集めたセルフ・コンピ・アルバムとなっています。貴重な曲も収録されていますので、機会があれば、是非体験してみて下さい❗️この時期のDSMのメンバーは、Guido Hübner (Electronics), Isabelle Chemin (アコースティック音収集), Yerf (弦楽器)となっています。それでは、各曲を紹介していきましょう。 A1 “Überlebensformen IV”(1987年, 未発表)では、フェイド・インする電子音に、強烈な弦楽器による打撃音や様々なテープ音/ジャンク音が混在してきて、独特の感触のサウンドスケープを描いています。また曲全体のミックスも緻密かつ秀逸で、長尺にも関わらず飽きないです。 A2 “Harvest Of Magnetism III” (1988年, 未発表)は、不気味で宗教的な雰囲気の強い曲で、低音(ベース?)の不安定な反復リズムと舎利のような音が印象的で、後半の電磁波音とのミックスが強烈! B1 “Works Pt. 2” (1982年, 独Das Cassettencombinatの同名カセットより抜粋)は、モコモコした不明瞭なリズムに、微かに乗ってくるジャンク音や環境音が絶妙で、タントラ様の感触が感じられます。 B2 “Loop Of Existence” (1985年, 独Alien Artists Berlinのコンピ”Illuminated No. 2”に収録曲)も、地響きのようなスローな反復リズムに、呻き声の如きテープ音がじわじわと被ってくる曲で、その恐ろしいまでの緊迫感が凄いです。 B3 “Ode An Conrad Elektronik” (1984年, 未発表)は、ラジオ波の迷宮のような曲で、ガソゴソと這いずり廻るノイズが脳波を錯乱させ、最後に素晴らしい歪みまくった演奏(?)へと跳躍します。 B4 “Bacchus Pt. 2” (1987年, 日ZSF Produktの同名カセットより抜粋)は、微かに聴こえるリズムとシンセによる電子音が織りなす舞踏曲で、やがて不明瞭に反復する雑音へと姿を変え、スピードを増したカオスへと変貌していきます。 総じて、DSMの初期の魅力が詰まった作品かと思います。その魅力とは、インダストリアルと音響系ノイズの狭間にある未分化なモノで、この1980年代と言う特異な時期にしか産み出されなかったのでは? そう言う意味では、DSMは早過ぎた「音響派ノイズ」なのでしよう。必聴です❗️ A2 “Harvest Of Magnetism III” https://youtu.be/YNHjIJ5BLG8?si=RKz-R8hDYLV9PA0f B1 “Works Pt. 2” https://youtu.be/I9_AqoKhQZo?si=GSgyX239zhsi9ljC B2 “Loop Of Existence” https://youtu.be/LFUS0_oBcUI?si=Cmz5Z_iBAae830Y3 #DasSynthetischeMischgewebe #Inventaire&Contradictions #Retrospective1982-1988 #VinylOnDemand #SelfCompilationAlbum #LimitedEditions #500部 #Experimental #Electro-Acoustic #Industrial #Performance #Installation #German/France #GuidoHübne #IsabelleChemin #Yref/RainerFrey
Electro-Acoustic / Experimental / Industrial Vinyl on Demand 不明Dr K2
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V. A. “Prophecy+Progress: UK Electronics 1978-1990”
これは完全に謎物件でした。買ってから聴いたのかどうかも良く覚えていませんでしたが、発掘しました。副題にもあるように、1978年〜1990年の期間の英国を代表する(広い意味での)電子音楽作品を集めたコンピ・アルバムです。多分、Clock DVAやAttrition, Colin Potter, Konstruktivists等のその手の筋では有名どころが入っていたので購入したと思うのですが、やはり個人的目玉はVice Versaじゃないかな? レーベルのPeripheral Minimalについては、私はよく知らなかったのですが、2013年に英国BristolでJason B.Bernardによって運営されている電子音楽(インダストリアル〜シンセ・ポップやポスト・パンクまで)を扱うレーベルです。今回のキュレーションもBernardがやっているようです。と言う訳で、各参加者/グループと曲を紹介していきます。 A1 Clock DVA “Lomticks Of Time”(1978年)は、Vinyl On Demand (以下VODと表記)から出た"Horology 1: 1978-1980”ボックスセットの中のLP”Lomticks Of Time”から取られています。この時のメンバーは、Adi NewtonとStephen James Turnerです。余りはっきりしたリズムは無く、シンセの通奏低音に、ディレイの掛かったギター(?)の爪弾く音や男性のナレーションが組み合わさった、かなり実験的な曲です。 A2 Vice Versa “Idol”(1970年)もVODから出たLP “Vice Versa”から取られており、メンバーはMark WhiteとStephen Singletonのデュオで、1977年結成のSheffieldのバンドです。結成時には、他にIan GarthとDavid Sydenhamもいましたが、前者2人はABCに加入し、商業的成功も得ています。曲は、The Futureや初期のHuman Leagueを想起するエレ・ポップです。ホワイト・ノイズによるスネアがカッコ良い。 A3 Colin Potter “Number Five”(1979年)は、1970年代後半から活動している実験音楽家/サウンドエンジニアで、ICRレーベルと共に活動し、Nurse With WoundやCurrent 93等とのコラボでも有名です。意外にも、リズミックなシーケンスとメロディアスなシンセからなるエレ・ポップな曲で、Muteから出してそうな音楽です。 A4 Konstruktivists “Vision Speed”(1981年)はは録音時、T.G./CoilのPeter “Sleezy” Christophersonのハーモナイザーを使用。これは、1982年からGlenn Michael Wallis始めたインダストリアル・ユニットで、相方にMark Crumbyもおり、Whitehouseの初期メンバーでもあったとのこと。一転、機械の中にいるかのようなシンセによるインダストリアルな曲で、後半はリズムマシンDR-55も使っています。 A5 Naked Lunch “Rabies”(1981年)は、1979年に、Gary NumanやKraftwerkの影響下で、Paul N. Davies (G, Korg Synth), Mick Clarke (Moog Synth), Tony Mayo (Vo), Clifford Chapman (Roland Synth), Mark Irving (Drs)によって結成されており、Stevoがプロモートしていました。これまた、初期Human Leagueっぽいシーケンサーを上手く使ったエレ・ポップですね。 A6 Five Times Of Dust “Automation”(1981年)はCardiffとBristolで録音されています。メンバーは、Mark Phillips (Organ, Synth, Speak & Spell, Compute-a-tune, Drs Machine, Bells, Metals, G, Bassline, Clock, Toy Piano)とRobert Lawrence (Bassline, G, Fx, Metals, PC, Drs Machine, Toy Piano, Melodica, Synth, Vo, Xylophone)のデュオです。捻くれまくった実験的エレ・ポップ曲で、似ているものはありません。 B1 Schleimer K “Women”(1981年)のメンバーは、Billy Duncan (Sax), Dominique Brethes (Kbd, Drs Machine), Michael Wolfen (Vo), Mark Benjamin (B, G)の4人組です。太いシーケンスと初期Kraftwerkっぽいリズムにシンプルなメロディが重なる曲です。SaxやG/Bは使われていないインスト曲です。 B2 V-Sor, X “Conversation With”(1982年)はCheshireのAlsager大学で録音されており、その時のメンバーは、Alastair Boyle (Drs), Jacqueline Hemmings (Kbd), Alex Newton (Trumpet, Vo), Morgan Bryan (Vo, G)で、1979年末〜1989年まで活動していました。ミニマルなシーケンスとドラムマシンにキャンディーのようなシンセのメロディと男性Voから成るキャッチーなエレ・ポップです。 B3 Attrition “Beast Of Burden”(1984年)は、元々はThird Mind Recordsから出た”The Attrition Of Reason"から抜粋されています。この時のメンバーはMartin Bowes (Vo, Electronics)とAshley Niblock (Vo)とで、Gordon Maxwell (Sax)が客演しています。なお、Attritionは1980年にBowesとJulia NiblockによってCoventryで結成され、現在は、Bowes, Ashley Niblock, Alan Rider, Julia Niblock Wallerがメンバーです。これは!メチャクチャカッコ良いシーケンスに度肝を抜かれるAttrition節のエレ・ポップで、男女混成Voの切羽詰まった感じもグーです。 B4 Peter Hope & David Harrow “Too Hot”(1986年)は、Hackneyからシングル"Sufferhead EP”が出た後に録音されています。メンバーは、Hope (Vo)とHarrow (Synth, Kbd)のデュオです。この曲はLinnドラムマシンを使っているのか?そんな強烈にファンキーなリズムと絡むVoもマッチョです。 B5 John Costello “Total Shutdown”(1986年)は、自主制作カセット"Cantos"から取られています。彼は1980年代中期にカセット2本を出した後、15年後の1996年に、Martin Bowesとのコラボ・ユニットENGRAM名義で”What Am I?”をリリースしており、その後は作品を出しています。割とダークな雰囲気の曲で、エレ・ポップ界のBauhausみたいです、Voはサンプリングなのかな? B6 T.A.G.C. “Further And Evident Meanings” (1986年)はSweatboxからリリースされたEP"ShT"から取られており、その時のメンバーは、Clock DVAのAdi Newton, Robert Baker, Darrell D. D'Silva, Mark Holmes, Barry R.D.L. Harden, David A. Heppenstallです。このグループの正体は、1978年にAdi NewtonとSteven James Turnerによって結成されたThe Anti Group Communications (T.A.G.C.) に始まっており、多次元的な表現方法の開発と発信を目指しており、しばしば音/映像/ビデオ/パフォーマンスを含んだ劇場的演出を試みています。強烈にファンキーで複雑なマシンリズムと途中でのクールオフが面白い実験色濃い曲で、テープ音がコラージュされています。 B7 John Avery “12AM And Looking Down”(1990年のライブトラック)は、元々は1992年にForced Entertainment Theaterの"12am: Awake and Looking Down"の7分ヴァージョンでした。Averyは元々、劇場のパフォーマー/作曲家/サウンド・デザイナーであり、1980年代〜1990年代にSheffieldのバンドHulaのメンバーであり、劇団Forced Entertainmentとのコラボを熱心にやってきました。マリンバのようなリズミックなシーケンスが絡み合うミニマルな曲で、音自体シンプルながらも、アレンジは秀逸です。 とまあ、グループ/アーティストそれぞれな訳ですが、英国縛りと言うのが面白く、また全然知らないアーティストなんかも参加していて、凄く楽しめました。皆さんも、電子音楽に興味が有れば、是非とも聴いてみて下さい‼️ A2 Vice Versa “Idol (demo version)” https://youtu.be/GpxBsjwbsnQ [BandcampのURLを貼っておきます] https://peripheralminimal.bandcamp.com/album/prophecy-progress-uk-electronics-1978-1990 #VariousArtist #Prophecy+Progress #UKElectronics1978-1990 #PeripheralMinimal #Compilation #ClockDVA #ViceVersa #ColinPotter #Konstruktivists #NakedLunch #FiveTimesOfDust #SchleimerK #V-Sor,X #Attrition #PeterHope+DavidHarrow #JohnCostello #T.A.G.C. #JohnAver
Industrial / Electronic / Cold Wave Peripheral Minimal 不明Dr K2
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Conrad Schnitzler & Pharmakustik “Schubkraft”
ついつい、買ってしまうんです。今回は、Conrad Schnitzler先生とPharmakustikとのコラボ作品3部作の最終作品”Schubkraft”です(2016年作第1部”Kontraktion”、2018作第2部”Extruder”があります)。Schnitzler先生については、これまでも色々書いてきましたので、ここでは、Phamakustikのバイオグラフィーを補足しておきます。PhamakustikことSiegmar Fricke氏は、1981年辺りから活動を始めた独逸の実験音楽家で、元々は、短波ラジオとアコースティックな音を用いた作品を作製しており、丁度、ミュージック・コンクレートとポスト・インダストリアルの間に位置して、世界的なカセット・カルチャー・シーンで活躍しています。それで、Siegmar氏は自身のレーベルBestattungsinstitutを運営し、1985年〜1993年の時期に、実験音楽から、EBM、エレクトロ、テクノ、アンビエントまでを取り扱っており、その後、ネット・レーベルに移行しています。2009年より、彼のソロユニットとしてPhamakustikを名乗り始め、また2013年からは、ポップな音楽をやる為に、Dieter Mausonとのコラボ・ユニットDelta-Sleep-Inducing Peptideを立ち上げています。それで、Pharmakustikでは、一種の音響学的研究や音に関するリサーチ或いはアコースティックな音の断片の再統合などを行い、極めて電子的て抽象的なレイヤーを作り出していたとのことです。 そんな2人がコラボして作り上げた内の第3作目が、本アルバム”Schubkraft (「推進力」の意)”になります。クレジットによると、このシリーズは、1986年11月〜1987年7月にBerlinのSchnitzler先生のスタジオで行われた未発表音源を順次発表しているようです。2人が用いた楽器は、EMS Synthi A, Korg MS-20, Dynachord Echocord, Automatic Rhythm-Player, Digital Delay, Ibanez MultiEffector, Radio, Yamaha CS-5となっており、アルバムは、両面1曲ずつの長尺の曲から成ります。両面とも、もう涙がちょちょ切れる位、素晴らしい曲です!A面は、スペーシーなシンセと、Esplendor Geometricoのように駆動するリズムマシンの絡みから成り、まるで「電子界を走る銀河鉄道999」のようです。結構、リズム音が強調されたミックスになっています。最後で、リズム・パートが無くなってからは、お互いの電子音が自由に絡まり合って、程良い緊張感を出していまし、ディレイが効いていて、宇宙へ飛んで行きそうです。一方、B面は、リズムマシンは使っているものの、ロング・ディレイを掛けたシンセ音が瞑想音楽のように響き渡り、一瞬、1980年代のM.B.サウンドがフラッシュバックします (Fricke氏は復活後のM.B.ともコラボしていますね)。時間軸が曲がってしまった世界で音楽を聴いているようです。B面の最後には、何故か、ラジオの音声と不気味な電子音との狂宴に移行し、不穏な空気感で終わります。両者とも、電子音や実験音楽をベースに活動している/していたので、本作品のような素晴らしいコラボ作品が出来たのだと思います。ミックスはFricke氏によって、2019年に行われていますので、その為、Fricke色がやや強く出ているのかもしれませんね。これを聴いたら、第1部と第2部も欲しくなりました。全ての電子音楽ファンに必聴です‼️ [trailerのみ] https://youtu.be/9VZn8_z4lYc #ConradSchnitzler #Pharmakustik #SigmarFricke #Schubkraft #Rotorelief #CollaborationAlbum #第3弾 #ElectronicMusic #Experimental #1986年-1987年録音 #2016-2017年再構築 #LimitedEdition #500部
Electronic music Rotorelief 2100円Dr K2
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Vivenza “Veriti Plastici”
前回に引き続き,フランスの至宝Vivenzaのサードアルバムのリイシューです。バイオグラフィーは前回のを参考にしてください。今回のサードアルバム” Veriti Plastici”も1983年の作品なので、基本路線に変わりはありません。ショートループを軸に、様々な音(恐らくフィールド・レコーディングされたもの)を変調したノイズが実にクールに配置されており、その音が想起させる金属音的な印象と、それと同時にその即物性が最高にイカしています。確かに「インダストリアル」と言えば、そのループの同期性や金属質な音色はそうなんでしょうが、私か強く感じることはJean Tinguelyの作品と共通する音の質感と構築です(ただし、彼自身はLuigi Russoroからの影響と言っていますが)。その後、Ladd-Frithから出たライブ音源では、多数のループを無秩序に重ねたものですが、それはライブと言うことなんでしよう。しかし、私が思うに、彼のやっていることは、ミュージック・コンクレートだと思います。その為に、敢えて認識し易い「ループ音」を使っていますが、実はループ音の前後に配置された具体音が彼の本質のように思います。そのことは、本作品を聴いてみて、強く感じました。なので、反復に隠された「音の切り貼り」こそが、Vivenzaの真の魅力なんでしょうね。ジャケからはインダストリアルと言う言葉がしっかりきますが、それに惑わされないで、彼の音楽を聴いてみましょう。 A “Veriti Plastici: Partie 1” (18:54) B “Veriti Plastici: Partie 2” (17:53) [Original cassette full album] https://youtu.be/EJAywQh_Q3E?si=5q6uz4dNYk4LKRa B “Veriti Plastici: Partie 2” https://youtu.be/lZLOZroXjDA?si=anIxb6wrXIZ2ogpj #Vivenza #VeritiPlastici #Rotorelif #ElectroInstitut #ThirdCassetteAlbum #Reissue #LimitedEditions #333部 #JeanTingely #MusiqueConcrete #Loop #FactorySounds #Industrial #Noise #Jean-MarcVivenza #SoloNoiseUnit #FrenchUnderground
Industrial / Noise Rotorelif (Electro Institut) 不明Dr K2
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S.Y.P.H. “Rare & Lost Into The Future”
とうとう辿り着きました、独逸のS.Y.P.H.(以下SYPHと表記。読みは「ジフ」なのか?)❗️Neue Deutsche Wellsの中から出てきたSYPHは、あのクラウトロックの巨人Canの再来とまで言われてきました。今回、そのSYPHのレア音源を纏めた編集盤を紹介します。SYPHは1977年に、独逸Solingenで、Harry Rag (Vo: 本名Peter Braatz), Uwe Jahnke (G)にThomas Schwebel (G)が加わって結成されました。その意味ありげなバンド名は、当初は”Saufender Yankee Prügelt Homo" (Boozing yankee pummels fag)の略と言われてましたが、1986 年以降は"Save Your Pretty Heart" の略語とされています。それで、Thomas SchwebelがパンクバンドMittergspauseに移ったので、その代わりにUli Putsch (Dr)とJürgen Wolter (B)が加入して、コアメンバーになりますが、種々の人々がいつも周りにいてサポートなどをしていたようです。少なくとも1979年までは安定していました。1980年にSYPHはファーストアルバムをリリースしますが、CanのHolger Czukayが、プロデュースしており、また、SYPHはHolger Czukayとコラボ作”On The Way To The Peak Of Normal”もリリース。またUwe JahnkeもJah Wobble + Kaki Liebezeit + Holger Czukayの12㌅EP "How Much Are They?"にも参加しています。 1986年にUli Putschが脱退し、Ralf Bauerfeind (Dr)が加入します。1993年にバンド活動を一旦停止しましたが、メンバー各人はのんびりと録音などをしていたとのこと。2011年になってやっとSYPHとしての新録を作製します。その時はRalf Bauerfeind, Uwe Jahnke, Jürgen Wolterのコアメンバーに加えてJörg Lehnardt (G)とGeorg Zangl (steel harp)も参加しています。この時以来、VoのHarry Ragが辞め、代わりに Doc Schokoが加入し、現在でも復活しています。 それで、今回、紹介する作品は、タイトル通り,1977年1月〜1986年夏までに録音された曲からコアメンバー自らが選出し、Harry RagとChris Eckmanが編集したものです。とにかく、濃い!濃すぎる内容!ヴォーカルの変則ディレイ処理やインスト曲での執拗な反復、不明瞭なリズムに絡む変なサックス、荒い演奏のライブトラック、ガムラン風のリズムとシーケンスの混合、シンセのベースラインとドコドコなドラムなどなど実験色が濃い。これは正規では出せないですね。どっちか言うと、Canよりも好きな音楽かも。そんなレア&ビックリ実験ロックは如何にもトラウトロックの正当な継承者であり、また異端でもあるのですよ。この機会に聴いてみて下さい。 A1 “I Want You” (5:35) A2 ”Stoppuhr” (1:06) A3 “Acoustic Alarmclock” (2:12) A4 “Musik Zu Zweit” (6:23) A5 “John Thursday” (5:10) A6 “Dampfer Linda” (1:46) B1 “Rare & Lost Into The Future” (2:10) B2 “Lebensgunst” (3:06) B3 “Nur Eine Atmo” (5:34) B4 “Fairabendjezz” (5:27) B5 “Fritz Franz” (4:14) B6 “Fuddel Spirale” (1:11) [live tracks (本アルバムはYouTubeに上がっていませんでした)] https://youtu.be/sqg53QArVLk?si=e1SFnJxH0pPUMhql [Holger Czukay / ”On The Way To the Peaks Of Normal”] https://youtu.be/VaSc9VSNwuQ?si=hmOyf82Eml_mBKzn #S.Y.P.H. #Rare&LostIntoTheFuture #1977-1986年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ExperimentalRock #Can #Krautrock #RareTracks #PreviouslyUnreleased #HarryRag #UweJahnke # #UliPutsch #JürgenWolter #RalfBauerfeind #MichaelKemner #Edited #HarryRag&ChrisEckman
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Rock Vinyl on Demand 2500円?Dr K2
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P16.D4 “Kühe In 1/2 Trauer”
以前に少し紹介しました、独逸が世界に誇る実験ノイズ・グループP16.D4(独逸語読みなら「ペー・ゼヒツェン・デー・フィア」でしようか?)が、自身のレーベルSelektion(「ゼレクツオーン」と読む)からリリースした正式なファーストアルバムが、本作”Kühe In 1/2 Trauer (「キューヘ・イン・ハルブ・トラウアー」と読む)になります。まず、その名の由来なんですが、元々彼らはProgressive Discoからイニシャルで、P.D.を名乗ります。更にメンバーの発展的変換から、自らをP16.D4と名乗るのですが、それはPがアルファベットの16番目の文字で、Dが4番目の文字だからだそうです。彼等は、地方の工業都市Meinzで、1980年1月にP.D.として結成され、現代音楽に影響を受けただけでなく、フリーミュージック、パンク、ディスコ、サイケや実験音楽をも取り入れた新しい音楽を作成してきたそうですが、その年末にはP16.D4とPermutative Distortionに分裂し、そこから前者が頻繁に活動していくことになったそうです。そのP16.D4ですが、メンバーはRalf WehowskyとRoger Schönauer及びEwald Weberが最初でしたが、本作のあとStefan E. Schmidtが加わりました。彼等はインダストリアルと不協和音の間で、執拗なテープ操作やループの作成、実際の演奏やコーラスとかライブ録音とかを加工し、コラージュのように音と音を切り貼りしながら、非常に緻密な音響的ノイズ・ミュージックを作り出しました。その成果がよく分かるのが、1982年にリリースされた本作品だと思います。本作は本人達に言わせるとダダイズムの自由奔放なところと表現主義の厳格なところとの混合物であるとのこと。しかし、私が最も驚いたのは、Ralf曰く、「我々は7秒間の録音をするのに2週間かけることもある。」と言う音に対する執念です。ライブ活動はこの時期は余りやっておらず、専ら、音の実験室における密室録音作業に励んでいたようです。また、過去のライブ音源(カセットとかで録音したもの)とかを他の音源と同列に再生してカット・インしたりするアイデアにも舌を巻きました。そう言う意味で、本作は、英国Nurse With Woundとはまた異なるベクトルを持った、非常に緻密で論理性をも感じさせるサウンド・コラージュ・アルバムとなっています。個人的には、彼らが余りシンセなどの電子楽器を安易に使っていないこともあって、この頃から、私はすっかりファンになってしまい、1995年に、RLWことRalf Wehowsky氏とのコラボ7㌅をリリースすることが出来たのは大変嬉しかったです。因みにRalf自身の本職は法律関係の仕事をしているらしいですが、今でもRLW名義で作品をリリースしています。そんな訳で、このアルバムはほんとに完成度が高い作品なので、是非とも聴いてみて下さい。 A1 “Default Value: Störeingabe” (3:48) A2 “5/4/3/2/1/Wand” (1:11) A3 “Ekstase Des Sozialismus” (5:13) A4 “He's Afraid Of The Way The Glass Will Fall - Soon - It Will Be A Spectacle: The Fall Of A Crystal Palace. But Coming Down In Total Blackout, Without One Glint Of Light, Only Great Invisible Crashing” (6:39) A5 “Dumpfes Begleitegfühl” (4:05) B1 “Kühe In 1/2 Trauer” (6:21) B2 “Paris, Morgue” (3:19) B3 “Anselm Weinbergs Flucht In Den Odenwald” (5:33) B4 “Rückplötzlich (Scheitze)” (2:48) B5 “Hammer/Zange/Hebel” (3:00) https://youtu.be/V_DTW2Al5s4?si=L7dRLQ5dyV0-ntuV #P16.D4 #KüheIn1/2Trauer #Selektion #SoundCollage #Experimental #MusiqueConcrete #1982-1983年 #GermanUnderground #PD #Wahrnehmungen #RalfWehowsky #EwaldWeber #RogerSchönauer
Noise / Experimental / Sound Collage Selektion 不明Dr K2
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SAAL2 “Weil Das System Nicht Funktioniert!”
最近、日本のレーベルSuezan StudioでCDとして再発されたNDW直系のデュオSAAL2 (ザール・ツヴァイと読む)の2005年に独Vinyl-on-Demandから出た編集・リイシュー盤(500枚限定)が本作品です。1980年初頭にハンブルクで結成されたデュオで、当初は、Jens Kraft (G, B, Synth, Vo, Rhythm)とGodeke Ilse (Organ, B, B-Synth, Synth, Vo, Rhythm)であったんですが、ヘルプでThomas Meins (Perc, Chorus)も参加していたらしいです。本作は 1980年に独逸Zick Zackよりリリースされていた彼らのEP”Angst Vorm Tanzen” (A1, A4, A8, B2)と1981年に同レーベルのコンピレーション”Lieber Zuviel Als Zuwenig”に収録されている曲 (A5)や1980年にWeins-Wirstchen-Probekeller (B3)で、1981年にSzlovak-Garageで録音された未発表曲(上記以外)も加えられた編集盤です。SAAL2は2007年に再結成した時には前述のメンバーに加えFolke Jensen (G, B, Engineering)とRalf Schlüter (Piano)も参加しております。 それで本作の内容なんですが、それはNDW特有のミニマル・シンセ・ウェーブで、基本的には、リズムマシンにチープなアナログシンセの電子音が乗っかるスタイルで、SAAL2に関してはあくまでもポップミュージックの範疇に拘っています。面白いのは、彼等はスタイルが変わったり、メンバーが加わったりすると、SAAL3とかSAAL4とか名乗ったりするところですね。あくまでも、安価なシンセに拘り、ミニマルで、ユーモアに富んだ曲をやってたSAAL2をこの機会に聴いてみてください。 A1 “Angst Vorm Tanzen” (2:51) A2 “Wir Versuchen Es Mit Napalm. Abstand Halten!” (1:17) A3 “Petra Und Gabi” (3:05) A4 “Beschäftigung Maskulin” (1:22) A5 “Strandgefühle “ (4:21) A6 “Ich Und Meine Gitarre” (0:44) A7 “Black Points Over All” (2:28) A8 “Die Internationale” (1:38) B1 “Heiße Hunde” (2:29) B2 “Ich Liebe Donald Duck” (1:33) B3 “Kleine Blonde Mädchen 2” (2:29) B4 “Buzzcocks” (2:56) B5 “Glück, Abenteuer Und Zufriedenheit” (2:16) B6 “Gunther (Langsame Urversion)” (2:31) B7 “St. Pauli” (2:32) B8 “Für Karin” (1:58) EP “Angst Vorm Tanzen” [A1, A4, B2, A8] https://youtu.be/AJwLlsiua20?si=LzAmNnhMlKRF64ws A5 “Strandgefühle “ (4:21) https://youtu.be/qMYVQaof5W4?si=u1f-eaMT3N8uFonE #SAAL2 #WeilDasSystemNichtFunktioniert! #NeueDuetscheWelle #GermanNewWave #MinimalWave #SynthWave #Synthesizers #RhythmMachine #ZickZack #VinylOnDemand #LimitedEditions #500部 #SelfCompilation #AngstVormTanzen #LieberZuvielAlsZuwenig # #1980-1981年 #PreviouslyUnreleased #JensKraft #GodekeIlse #ThomasMeins
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Vinyl on Demand 不明Dr K2
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Mars “Live At Irving Plaza”
以前にも紹介したNYのMarsですが、もう少し補足を。メンバーはSumner Crane (Vo/G), China Burg (G/Vo), Mark Cunningham (B), Nancy Arlen (Dr)の4人組で、1974年結成、1979年解散しました。元々はChinaと言うバンド名だったようですが,短期間の内にMarsに変更していました。Sumnerは最初期には、Velvet Undergroundのようなバンドを想定して、ピアノを弾いており、Nancyが紙袋(!)を打楽器代わりに叩いていたとのことです。メンバー全員がそれまで音楽経験はなかったらしく、Marsがメンバー全員にとって最初のバンドでした。そんなMarsの1978年8月4日のライブを収めたのが本作品になります。しかも、これをカセットで録音したのが、”No New York”をプロデュースしたBrian Eno自身です。マスタリングなどもされてはいますので、音は比較的鮮明ですが、彼らの混沌としたパンド・サウンドを体験するには充分であると思われます。初期の曲はともかく、アンサンブルとして合わせようとすることが殆ど感じられず、しかしながら、ちゃんと曲が終わるのは、彼らの中には確実に「パンドである」との意識があったからでしょう。またB面を占める”NN End”は、Rudolph Grey (G)の参加もありますが、更に混沌した音世界を現出させています。Marsは短命なバンドでしたが、個人的には、”No New York”の中で、最も好きなバンドです。それは、前述のコンピが発売されて、某阿木譲氏のラジオ番組で聴いた高校生の時から痺れ続けています。「これは音楽か?音楽とは何か?」と言う問いを投げかけてくれたバンドだからです。なお、Sumnarは2003年に悪性リンパ腫で、Nancyは2006年に心臓の手術後、亡くなっています。 A1 “Outside Africa” (2:42) A2 “Puerto Rican Ghost”’(1:28) A3 “Hairwaves” (3:45) A4 “Fractions” (2:51) A5 “Immediate Stages Of The Erotic” (4:03) B “NN End (With Rudolph Grey)” (15:21) https://youtu.be/JpnOQfyvURE?si=xObqJP_NonYkcqn- #Mars #LiveAtIrvingPlaza #NoWave #NoNewYork #FeedingTubeRecords #NegativeGlam #LiveRecording #LiveAlbum #LimitedEditions #500部 #SumnerCrane #ChinaBurg #MarkCunningham #NancyArlen #Guest #RudolphGrey
No wave Feeding Tube Records/Negative Glam 2380円Dr K2
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Die Gehirne “Ihre großen Erfolge 1983-85”
Die Gehirne (「ディー・ゲヒルネ」と呼ぶのか?)は、タイトル通り東独で結成されたFlorian Merkel (Dr, Vo), Claus Löser (G, Sax), Frank Maibier, Stefanie Schmoll, Steffen "Gullymoy" Geißlerから成る不定形プロジェクトだそうですが、前2者が基本的にコアメンバーで、Florian Merkelは写真家/芸術家、Claus Löserが、独逸映画史研究家の顔があったようで、場合によって、参加者が変わるみたいです。 本作の内容は?と言うと、1983-1985年に録音された、パンク、即興、 LoFi、Jazz、サイケ等をゴチャ混ぜにして煮込んだような自由奔放な音楽です。このことから、コミューン的なバンドでは?と想像していましたが、どうも前述のコアメンバーに管理されたグループであったそみたいです。当時は西東に独逸は分断されていましたので、その初期衝動がパンクだけではなく、様々なスタイルに向いたところが興味深いと思います。なお、Wikiで調べても、彼等の情報は殆どありませんでしたので、詳しい方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。 曲順 A1 “Amok in Watte” (0:37) A2 “Am Hofe Zu Xanten” (1:25) A3 “Ich Schenk Dir...” (2:04) A4 “Motorkopf” (0:24) A5 “Traum Von Akadien” (1:20) A6 “Für Lou” (2:07) A7 “Mänadentanz” (5:15) A8 “Hirnsäge” (1:19) A9 “Entzug” (1:29) A10 “Montabur” (0:20) A11 “Das Eis Des Peipusses” (2:04) A12 “Nacht Ohne Morgen” (1:02) A13 “Aufgeflaggt” (0:48) B1 “Banale Fanale” (6:45) B2 “Zwei Schritte Vowärts, Einen Zurück” (1:04) B3 “Todesfugen-Fragment” (1:39) B4 “Vierundzwanzig Zentimeter” (1:32) B5 “Nekrophile Kinderspiele” (5:19) B6 “The Smile Of The Turkish Dancer” (0:35) B7 “Unter Grüner Flagge” (0:49) B8 “Die Maßnahmen” (1:31) B9 “Symptome” (1:59) A4 “Motorkopf” https://youtu.be/vOdDI1c01aw?si=jjWQDUxYa4VfPQVM [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_n0n0-KpEsemFjot67sF-buTAwiMfof7A4&si=aPNgnWkgirSq_S2S #DieGehirne #IhregroßenErfolge1983-85 #ExperimentalRock #EastGetmany #Punk #LoFi #PlayLoudProductions #FlorianMerkel #ClausLöser #FrankMaibier #StefanieSchmoll #Steffen"Gullymoy"Geißler
Experimental / Punk / Jazz Play Loud Productions 2500円位?Dr K2