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Decada 2 “La Noche Del Atomo”
メキシコのテクノとかハウスとかのクラブ・カルチャーって全然知らなかったので、試しに買ってみました。Decada 2 (デカダ・ホイと発音?)の12㌅EP “La Noche Del Atomo”です。まぁ、何にも知らなかったので、ちょっと調べてみました。Decada 2とは、Mateo LafontaineとCarlos Garcia Teruelの2人によって1985年に結成されたEBM (Electronic Body Music)デュオで、メキシコで初めてEBMをやったインダストリアル或いはテクノの先駆者としては有名らしいです。それで、ちょっと意外だったのは、このグループ名が、Joy Divisionの”Decades”って言う曲にインスパイアされて付けられたってことですね。それで、Mateo Lafontaineは、有名なメディア司会者Mario Lafontaineの弟みたいで、Mateo自身は、1982年からOld Fashionedを結成、その後、MarioとMaria Bonitaを結成しで、1985年に、Decada 2を結成していますので、結構、古くからと言えば古くからやっているアーティストなんですね。一方のCarlos Garcia Teruelは、Mexico city在住のマルチ奏者/作詞家/ サウンド・アーティスト/電子音楽家で、元々は、Walter SchmidtとCarlos Robledoに出会ってから、RIO系のグループDecibelにインスパイアされて、1977年にGlissandoと言うバンドを結成し、その時に中古のシンセやシーケンサーをCapitán PijamaのバンドSizeから購入しており、その後、1982年にOld FashionedとVoltiに加入し、またそれとは別に、並行してArturo Meadeらとのバンドも始めています。それで、Vortiのオリジナルメンバーが脱退した時に、Garcia Teruelは、彼にとって最もヤバいプロジェクトSilueta Palidaの活動を開始します。当初はソロ・プロジェクトでしたが、やがてパーカッショニストのJaime Herranzが加入し、ライブも可能になり、今ではメキシコのカルト・バンドとも言われているLas Insólitas Imágenes De AuroraとBon Y Los Enemigos Del Silencioともフェスで対バンしています。一方、Decada 2の方は、1985年〜2018年までは、Mateoと共に活動し、また、Noiselab RecordsのバンドOf.とも活動を共にしていましたが、 Garcia TeruelはDecade 2 脱退後、ソロアーティストとして活動を続けています。それで、Decada 2としては、Discogs上、カセット・アルバム1枚、セルフ・コンピ2枚、その他CDR1枚を出しているだけです。と言うのも、Mateoが2020年に他界しているからです。なので、デュオとしては実質3年間位しか活動していませんが、Meteoのソロ・プロジェクト期間も考えると30年近く活動しているのに、リリースしたアイテムは少ないかな?とも思います。 以上がDecada 2のバイオグラフィーとなります。そこにも書きましたが、Decada 2としてのリリース作品は少ないので、入手しにくさも考えると、本作品などは、貴重な音源と考えられます。内容は、両面3曲ずつ収録した12インチMini-LPで、1987年〜1991年の曲がセレクトされています。因みに、本音源を復刻した レーベルPhiloxeniaは、独のレーベルみたいです。それらも含めて、本作品の各曲をご紹介していきますね。 ★A1 “Música Electrónica [1988]” (7:09)は、強力なディスコティックなリズム隊に、細かいシーケンスとエフェクト変調した2人のVo或いはテープによる演説やサンプラーなどを散りばめた曲であり、ここら辺はまだ、インダストリアルとテクノ/EBMの狭間に位置しているようです。 ★A2 “Psycho Dance [1989]” (5:38)は、ヴォコーダーVoも用いた、やや重めの四つ打ちリズムと打ち込みによるシンセのリフやシンセ・ベースから成るニューウェーブっぽいダンス・ミュージックです。 ★A3 “La Voluntad De Dios [1987]” (5:34)は、ヒスパニックな語りから始まり、細かく刻むハイハット〜四つ打ちテクノなリズム・トラックで、サンプラーやテープ音を挟み込んできます。Bをサンプリングした音や最小限のシンセのリフ等も絶妙なタイミングです。 ★B1 “Dr. Rhythm [1990]” (5:51)では、ハウスっぽいリズムやシンセのアレンジが施してあり、やや今までと異なった印象です。サンプラーは使用されていますが、シンセのキレが鋭いです。後半の低音シークエンスはカッコ良い! ★B2 “Extasy Bondage [1991]” (6:29)は、四つ打ちのキックに、ファンキーなシンセ・ベースとリズミックなサンプラー等が絡んでくる曲で、後半に挿入されるシンセ音もメロディアスで良い塩梅です。曲のエロさがDAFっぽい。 ★B3 “Holbox [1990]” (8:23)は、出だしが電子庭園のようですが、アシッドなベースラインとシーケンスから、BPM速めなリズム隊がなだれ込んできて、急かすように迫るアシッド・テクノな曲です。また、時に挿入される生ピアノのサンプリングが個人的には好きです。また、メロディアスなシンセも被ってきて、単にダンス・ミュージックで終わらないところも良きかな。 と言う訳で、全6曲を聴いてみましたが、それ程、南米っぽい要素は感じなかったです。ただ、B2のようにDAFをちょっとだけ想起させる曲もあり、DAFのGabiがヒスパニック系独人であるのと共通点があるのかな?とも思いました。正直、調べてみて、Decada 2の2人が結構、昔からやっているアーティストなので、そう言う意味では、欧州や英国のレイブ・カルチャーとの差異はあるようにも思います。私自身はそれ程、クラブ・ミュージックには詳しくないので、ハッキリとはわかりませんが、中々楽しめましたし、曲のクオリティも全然悪いものではなかったので、安心して聴けました。メキシコの電子音楽界を少しだけ覗いた感じです。気になる方は、体験してみてはどうでしょう❗️ A2 “Psycho Dance [1989]” https://youtu.be/Jkf8gLQc4QI?si=aS6FEQ2Xm3gdCyGa [full album] https://youtu.be/Jkf8gLQc4QI?si=aS6FEQ2Xm3gdCyGa [BandcampのURLも貼っておきます] https://lustpoderosa.bandcamp.com/album/phlx002-decada-2-la-noche-del-tomo-ep #Decada2 #LaNocheDelAtomo #Philoxenia #Mexico #SouthAmericanElectronicScene #Techno #EBM #ElectronicBodyMusic #Electro #Synthesizers #Sampler #MateoLafontaine #CarlosGarciaTeruel
EBM / Techno Philoxenia 1375円Dr K2
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Ryuichi Sakamoto & Robin Scott “The Arrangement”
このミニアルバムは、特に意味も無く、Yellow Magic Orchestra (以下、YMO)関係の作品が聴きたくなって、思わずヤフオクでポチった作品なんです。しかしなが、現在(2023年11月)、ご存命なのは細野晴臣氏だけと言う、何とも悲しい事態になっていますが、取り敢えず、聴いてみようと思いました。今回は、YMOの坂本龍一氏と1980年頃にM名義で世界的に大ヒットした曲”Pop Muzik”を飛ばしていたRobin Scott氏のコラボ・ミニアルバムとなっています。まあ、この頃は2人ともイケイケでしたね。バイオグラフィーについては、私が書くまでも無く、詳しい方もいらっしゃると思いますし、以前にも書いたと思いますので、ここでは、省略させて頂きます。本作品は、1981年7〜8月と1982年4月に東京のAlfa Studio “A”と、1981年10月にロンドンのRoundhouse Studioとで録音されており、その際には、3M D.M.S. Digital Recording Systemが用いられたとのことです。それでは、本作品の各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “The Left Bank”は、多分、Robin Scottの人間臭いVoと坂本龍一氏のミニマルなピアノとから成るビートの効いた曲ですが、2人のイメージとは違った結果になっています。 ★A2 “The Arrangement”は、重いビートと分厚いシンセから構成された曲ですが、途中でいきなりScottの語りとシンセだけのブレイクになってビックリしますが、相変わらず、ScottのVoはUKポップスのそれですね。 ★B1 “Just About Enough”も、ScottのVoとゴージャスなコーラス及び弾むリズム隊が際立つダンス・チューンになっており、確かに坂本氏のシンセも聴取できるのですが、うん〜どうも存在感が薄いです。 ★B2 “Once In A Lifetime”は、一転して、民族音楽調のリズムと、合っているか外しているか分からない男女のVoで構成された曲ですが、途中からリズムマシンが入ってきて、マニアックなギターやシンセのソロも聴取できます。 個人的な印象から言うと、全体にRobin Scott色が強く、坂本龍一氏の良い所が余り出ていないように感じました。やはり、世界のMは凄いのかな? この頃なら、坂本龍一氏ももっと前面に出て良かったのではと思ってしまいます。そんなミニアルバムですが、ポップ・ミュージックとしては良く出来ているので、気になる方は是非一聴してみて下さい❗️ [Lexington Queen] https://youtu.be/1SeiHhsC1ds?si=C-hVXczNKBoAs9LL [full album] https://youtu.be/FxENrTAq52E?si=YL0GvF_xmwsFVDiF #RyuichiSakamoto #RobinScott #TheArrangement #AlfaRecords #Mini-Album #Collaboration #PopMusic #Electronic #坂本龍一 #M #Synthesizers
Electro Pop Alfa records 1500円Dr K2
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Hermine “The World On My Plates”
今回は、ベルギーの歌姫Hermine (「エルミーネ」或いは「エルミン」と発音?)のファースト・ミニアルバム”The World On My Plates”をご紹介しましょう。これも発掘ものです。先ずは、彼女のバイオグラフィーから書いてみたいと思います。Hermineの本名はHermine Demorianeで、仏語シンガー/作家で、その前には綱渡り師でもあります。もう少し詳しく書きます。1960年代には、彼女は、ヒッピー・マガジンInternational Timesに記事を投稿しており、1970年代初頭には、サーカスとかで綱渡りをする仕事をしており、COUM Transmissionsとかとも共演していたり、演劇Copi作の演劇”Goodbye Mister Freud”では、Chaosの役で、出演し、歌ったりしています。彼女が公で初めて歌ったのは、1974年で、綱渡り中に歌ったNick Loweの"I Won't Make It Without You"らしいです。また、1978-1980年には、彼女は、3作の演劇の台本を書いています(“Lou Andréas Salomé”と“He Who Is Your Lord Is Your Child Too”及び”The Knives Beside the Plates”)。1976年には、彼女はThe Subterraneans (Nick KentとプレThe Damnedメンバー)と共に2回程、コンサートで競演して、更にNick KentとPeter Perrett (The Only Ones)と一緒に録音までして、その音源はシングル盤としてもリリースされています。このシングルに興味を持ったのが、David Cunningham (Flying Lizards)で、それが縁で、彼女のファースト・シングル”Torture”を出しています。また、1980年10月〜1981年まで、Sohoでの老舗カフェシアターThe Comic Stripで幕間の音楽を担当したりもしており、それに加えて、彼女は、パフォーミング・アートを企画したり、出演したりしています。1982年には、John Maybury作”Court of Miracles (奇跡の宮殿)”に出演、また1986年にもLondonの映像作家Anna Thew作”Hilda Was a Goodlooker”にも出演しています。その一方で、ベルギーのレーベルCrammed Discsが、彼女の6曲入りミニアルバムで本作品でもある”The World On My Plates”をリリースしていますが、ジャケには、Richard Rayner-Canhamによる有名な写真が使われています。その後2年間は、彼女はツアーをしており、1984年7月に、セカンド・アルバム”Lonely at the Top”を自身のレーベルSalomé Recordsよりリリース。これと対になるアルバム”Who'll Come Walking”は、スイスで録音をし直して、2008年にリリースされています。1984年以来、彼女は殆ど録音の時間が取れませんでしたが、TV番組French & SaundersとAbsolutely Fabulousの視聴者は、彼女が仏語アクセントで語るのを聞いたり、観たりしていたとのこと。また、2008年5月の仏のl'Oiseでの自転車レースの時や同年6月のLondonのGlassHouseでのAndrew Loganのサマーセールの時に、彼女が歌ったとのことです。 Hermineの活動歴は以上ですが、調べてみると、意外とアクティブで自由奔放な方でしたね。それでは、彼女のファースト・ミニアルバム”World On The Plates”の収録曲を紹介したいと思います。なお、この作品は、同時に日本盤もリリースされており、また、2006年に英国のLTM RecordingsによってCDとして再発された際には、大幅に未発表曲が追加されています(下記のcomplete full albumはそう言う意味です)。この作品には、Hermine (Vo)の他に、Graham Painting (Cello, B, Perc [A2,A3,B1]), Simon Brint (Piano, Organ [A2, B1]), Ian Kane (Piano, Organ, G, Perc [A1, A3]), Ellie Ling (Cello [A1]), Rod Melvin (Piano [B1, B2]), Dave Brooks (Sax [A2]), Max Paddison (Piano [B3])が参加しています。 ★A1 “Happy Holidays”は、ややエスノチックなパーカッションと繊細なピアノの調べに、Hermineの生の仏語訛りのVoが乗る心地良い曲です。 ★A2 “The Thrill Is Gone”は、シャレ乙な雰囲気のSaxとピアノから成る「大人」な曲で、シャンソン風にHermineが歌い上げています。 ★A3 “Waiting”では、教会音楽風のオルガンをバックに、Hermineがシアトリカルに歌っています。後半はピアノやチェロのバックになります。 ★B1 “I Won't Make It Without You”でも、リリカルなピアノとチェロをバックに、不安定なHermineが歌う歌が返って沁みますね。ベルギーのNico? ★B2 “Too Many Men In My Life”も、遊び心のある、やや陽気なピアノとHermineのシアトリカルな歌が堪能できます。 ★B3 “Blue Angel”は、ピアノとHermineの歌から成りますが、敢えてホワイトノイズを入れて不鮮明に録音している為、終戦直後のラジオを聴いているようです。 Hermine自身は、決して歌が上手いと言う訳ではなく、何か聴き入ってしまうようなマジックが彼女にはあるように思えます。多分、それまでに、彼女が経験したことが影響しているのでは?と思います。それと、彼女の声質がややハスキーなのも魅力だと思います。なので、偶には、こう言ったラウンジっぽい音楽も良いのではないでしようか❗️ A1 “Happy Holidays” A2 “The Thrill Is Gone” A3 “Waiting” B1 “I Won't Make It Without You” B2 “Too Many Men In My Life” B3 “Blue Angel” B2 “Too Many Men In My Life” https://youtu.be/5pRoABoA3e8?si=Bl8f_KWhlDszwC0L [complete full album from reissued CD] https://youtube.com/playlist?list=PLMc2YZl8J2147Cwei9ykF4odq4ks6L0iq&si=vCPpuU1iULBtiDpl #Hermine #TheWorldOnMyPlates #CrammedDiscs #FirstAlbum #Mini-Album #Belgium #Lounge #NewWave #FemaleVocal #Singer #Actress #Writer #TightropeWalker #LondonBohemian #GrahamPainting #SimonBrint #IanKane #EllieLing #DaveBrooks #RobMelvin #MaxPaddison #HermineDemoriane
Lounge / New Wave Crammed Discs 不明Dr K2
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The Soft Boys “Wading Through A Ventilator”
また、発掘しました。Robyn Hitchcock率いるThe Soft Boysの12㌅ミニアルバムを紹介します。先ず、The Soft Boysのバイオグラフィーを少し。その母体になったバンドは、英国Cambridgeで結成されていたMaureen and the Meatpackersなどで、その後、Dennis and the Expertsになりますが、1976年に、The Soft Boysとなります。その時のメンバーは、Robyn Hitchcock (Vo, G), Rob Lamb (G), Andy Metcalfe (B)とMorris Windsor (Drs)でしたが、中でもLambは、ラジオ番組のDJで、音楽評論家でもあるCharlie Gillettの異母兄弟であったそうです。しかしながら、1976年にだった4回のライブの後、Lambは脱退し、Alan Davies (G)に代わりますが、今度は、そのDaviesの代わりに、Kimberley Rew (G)に代わります。そして、1979年には、Metcalfeに代わって、Matthew Seligman (B)が加入しています。同年にThe Soft Boysとしてのファースト・アルバム”A Can of Bees”を出しています。バンドは、1981年にセカンド・アルバム”Underwater Moonlight”をリリースした後に解散してしまいますが、ただ、計3枚のセルフ・コンピ・アルバムやライブ盤が1983年まで出ています。Rewは、Katrina and the Wavesを結成して、より大衆向けのポップスよりの音楽を始めますが、Hitchcockは、1984年にRobyn Hitchcock and the Egyptiansを、The Soft BoysのメンバーであったMorris Windsor (Drs)とAndy Metcalfe (B)とで結成し、それまでの風変わりでシュールな路線でやっていきます。そして、そのHitchcockのバンドはツアーと録音を約10年程続けて、1994年に解散しています。そうして、2001年に、”Underwater Moonlight”20周年記念として、Metcalfe以外のメンバーで再結成し、2002年には新作”Nextdoorland”をリリースしますが、2003年には、バンドは再度解散しています。Hitchcockはその後もソロアーティストとして活動を続けています。 それで、このミニアルバム“Wading Through A Ventilator”は、実は1977年に録音したもので、それを1984年にリリースしたと言う代物です。なので、メンバーは、Robyn Hitchcock (Vo, G), Alan Davies (G, Vo), Andy Metcalf(e) (B, Vo), Morris Windsor (Drs, Vo)の4人です。A面B面各3曲ずつ収録されていますが、The Soft Boysを語る際には、Hitchcockの歌詞が重要なんですよ。彼は、音楽を始めた頃(1970年頃)、Bob DylanやJohn Lennon, Syd Barrett, Captain Beefheart, Martin Carthy, Lou Reed, Roger McGuinn, Bryan Ferryが好みで、その中でも、彼はDylanに特に強い影響を受けたと言うことらしいです。その為か、彼は、独自のシュールで、英国独特の漫画的な歌詞を書くことで注目されていましたから。また、The Soft Boysはパンク/ニューウェーブ期に出てきたことから、パンクバンドとの認識もありますが、その出自はサイケと言われています。ただ、個人的には、ここで聴かれる音楽は、小気味良いビートに乗ったパワーポップのように聴こえますが、ガチャガチャしたギターサウンドがサイケの「古典」と言われる所以かも知れないです。歌詞カードがないので、内容までは分からないですが、Hitchcockの声質はやや高音に伸びのあるように思えます。未発表曲3曲を含む、このミニアルバムは彼等の弾けるようなポップネスを感じることもできますので、一度は聴いてみても良いのではないでしょうか? A1 “The Yodelling Hoover” https://youtu.be/M2NZtYusS3U B3 “Wading Through A Ventilator” https://youtu.be/mdBW2BGhpwA #TheSoftBoys #WadingThroughAVentilator #DeloreanRecordCompany #PowerPop #PsychedelicRock #MiniAlbum #UnreleasedTracks #RobynHitchcock #AlanDavies #AndyMetcalf #MorrisWindsor #BobDylan
Power Pop / Psychedelic Delorean Record Company 不明Dr K2
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Diamanda Galás “The Litanies Of Satan”
時代やジャンルを越えて支持されているDiamanda Galásのサード・ミニ・アルバムです。これが一番広くアピールした作品かな?バイオグラフィーは前回書きましたので,省略させて頂きます。ギリシャ系アメリカ人のヴォイス・パフォーマーとしてよく知られている彼女ですが、ここでも、勿論、本領発揮です。太刀打ちできるのは独逸のNina Hagenか日本の戸川純ですかね (笑)。でもヴォイスだけで使用している点で、Diamanda Galásが頭一つ、いや三つ位出ているのでは無いでしようか。A面”The Litanies Of Satan”は声にプラスしてテープとエレクトロニクスも使った多重録音で、B面”Wild Women With Steak-Knives”は叫び声のみで、渾身の一発録りからなります。ここまで来ると、最早「人の声」ではなく、高周波ノイズそのものですね。ここら辺が彼女の凄い所だと思います。また,彼女は現代音楽家のIannis XenakisとVinko Globokarとも当時、コラボしてますね。この作品がY Recordsから出たのは時代でしょうかねえ。才色兼備とは彼女の様なアーティストのことを言うんでしよう。そんな彼女の超絶ヴォイス作品を聴いてみて下さい。この作品がThe Pop GroupのY Recordsより出たと言うのも、当時のカルチャーの混ざり具合を象徴してると思います。 A “The Litanies Of Satan” (17:46) B “Wild Women With Steak-Knives” (12:04) https://youtu.be/Nc7LYmpgGMM?si=Bapct8SLDfVW9mMb #DiamandaGalás #ThrLitaniesOfSatan #Mini-LP #YRecords #SecondAlbum #Vocalization #Avant-Garde #Text #Experimental #TapeManipulation #LiveElectronics #Engineer #KenStrother #KentStrother
Avant-Garde / Vocalization Y records (Rough Trade) 不明Dr K2
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The Homosexuals “The Homosexuals’ Record”
今や、ポリコレ的にアウトなバンド名のThe Homosexualsのセカンドアルバムです。アルバムですけど、12㌅で45回転です。このHomosexualsは、元々The Rejectsと言うバンドから生まれたバンドで、1978年に英国南ロンドンで、Bruno Wizard (Dr) とAnton Hayman (G)にJim Welton(B: 後にMike Dos Santosに代わる)が加わってThe Homosexualsは結成されました。元となったThe Rejectsは、初期のパンクバンドで、1976年に美術学校の学生であったJohn HazzardとGlenn HutchinsonがBruno Wizardをドラムとして誘って出来たバンドですが、Brunoはドラムとして新たにHoward Hを加入させ、Glennに代わって、Brunoがバンドのフロントマンになりました。また彼はIan Kaneも加入させます。1977年夏にJohn Hazzardが抜けて、メンバーチェンジを繰り返します。The RejectsはThe DammedやThe Vinrators、999などと対バンしていますが、ステージはかなり暴力的であったようです。BrunoにとってThe Rejectsと言うバンド名はパンクとしての思い入れがあったので、1978年に新体制でやるのであれば、The Homosexualsが良いと提案し、JimとAntonは同意したので、このバンド名で活動を続けることになります。Brunoはスクワッターでしたが、彼等の作る曲は段々、難度の高いコード進行や技巧的なメロディーになっていき、通常のパンクバンドと言うよりもThis HeadやSwell Mapsに近い立ち位置になっていきます。また、彼らはDIY精神を保持したこともあって、中々スタジオ録音が出来ませんでした。そこに、The PoliceやSiouxsie and the BansheesをプロデュースしていたChris Grayのプロデュースで、その兄弟のNigel Grayが運営している16トラックでのスタジオ録音をする機会が巡ってきます。それが1978-1979年頃です。デビューシングル”Hearts in Exile”は2000枚を数日でソールドアウトさせています。1980年にJimが脱退しますが、残りの2人でバンドは継続します。そして、何と!あのRecommend Recordsより、ゲストVoのSusan Vidaも加えて、本作品であるフルアルバムが1984年にリリースされます。異端プログレ・レーベルが何故、彼らの作品をリリースするに至ったかの詳細は不明ですが、このアルバムを聴けば、何となく分かる気がします。このアルバムは、その後にCD再発されています。その後、彼等は偽名を使って活動しますが、2003年にBrunoはThe Homosexualsを再編成して、若いミュージシャンを登用します。更にBrunoは2007年にもMike Dos Santos (B)とTravis Harrison (Dr)とDave Siegel (G)とでThe Homosexualsの別動隊を作っています。その後も活動を続け、現在に至ります。 それで、本作品ですが、Nigel Grayのスタジオ録音とそれ以外のラフミックス音源をコンパイルして作られています。確かに、ギターの音質や「勢い」はパンク的なんですが、曲は3コード・パンクではなく、進行や構成は複雑で、ある意味「シンガロングしにくい」曲が大半を占めます。時にはダブ的なミックスも聴けたりして、飽きませんね。それよりも、そこら辺のパンクバンドよりもテクが違います。はっきり言って上手いんですよ。それをパンクの文脈で語るので、何か違和感を感じるんです。そこにレコメンも目を付けたのでは?と妄想してしまいます。兎に角、パンクにしてパンク有らず!と言う音楽を体験してみてはどうでしょうか? https://youtu.be/iYSKrSOc69k #TheHomosexuals #TheHomosecuals’Records #RecomendedRecords #PostPunk #TheRejects #BrunoWizard
Post-Punk, Punk Recommend Records 不明Dr K2
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The Legendary Pink Dots “Princess Coldheart”
1980年代より活動する究極のサイケ・ポップあるいは実験的ポップなバンド、それがThe Legendary Pink Dots (LPD)です。膨大な数のリリースがある為、中々、どれが良いとは言えませんが、とりあえずバイオグラフィーを。1980年に英国ロンドンで,アングロ・オランダ人によってLPDは結成されましたが、1984年には本拠をアムステルダムに移します。割と流動的なメンバーで活動をしていますが、コアメンバーがいます。それはEdward Ka-Spel (Vo, Songwrighting, Kbd)とPhil Knight (Kbd)の二人です。この風変わりなバンド名は、スタジオのピアノの鍵盤の上に付いていたピンク色のシミにインスパイアされて,突如、名付けられたそうです。LPDは1980年代ではMirrordotやInPhazeからアルバムをリリースしていましたが、1985年に Play It Again Sam Recordsと契約して、”The Lovers”をリリースしています。本作品も同レーベルよりリリースされています。因みに、LPDはメインストリームなバンドではなかったのですが、1988年にはUSツアーをやって成功を収めています。その時のメンツはEdwardとPhilの他にNiels van Hoornblower (Horns)とBob Pistoor (G)か加わった形で活動していました。その後、Bobが癌で死亡し、代わりにMartijn de Kleerが加入、更にドラマーとしてRyan Mooreが加入しています。1995年にはメキシコで2500人ものファンを沸かせています、兎に角、Edwardの作曲能力が半端ではなく、このLPDの曲以外にもソロ作品もバンバン出しています。因みに、2012年の段階では、メンバーはEdward Ka-Spel (Vo, Kbd, Songwriter), Phil “The Silverman” Knight (Kbd, Electronics), Erik Drost (G), Raymond Steeg (Live Sound Engineer)となっており、現在も活動を続けています。そして、LPDの音楽性も多様で、ネオ・サイケ、アヴァン・ロック、アンビエント、エレクトロニカ、プログレ・ジャズ、ゴス・ロックなとなど色々言われてますが、その雑食性が最大の魅力かなと思います。それは初心者にはどの作品を聴けば良いかを示唆し辛いですね。かく言う私も、LPDには好きな作品と苦手な作品があります。それで、今回のマキシシングルですが、これは私には当たりでしたね。複雑なアレンジや展開を示すキーボードやシンセに、Edwardのヴォーカルが変調されて絡みつきます。多分、コード進行は比較的単純だと思うのですが、アレンジ力が半端無いです。また、 このマキシシングルは、1990年にリリースされた彼等のアルバム” Crushed Velvet Apocalypse”からのシングルカットでもあり、この時のメンバーは、Qa'SepelことEdward Ka-Spel (Vo, Kbd), The Silver ManことPhil Knight (Kbd, Sampler, Devices, Perc), Bob Pistoor (G, Sitar, B), Niels van Hoorn (Flute, Sax, Bass-Clarinet), Hanz Myer (Electronics, Oboe, Tymphanis)の4人となっています。B2 ”The Collector”と言う曲は初期レジデンツをも想起させる不安定な音程なんですが、何となくケルティックな不気味さも感じられますね。そうなんですよ、結構、根っこにはケルト的要素があるのでは?と思ってます。歌詞はよくは分かりませんが、シド・バレットの影響も示唆されています。また、音楽的にはCan, Faust, Brainticketなどの影響も指摘されてますね。聴けば聴く程、味のある音楽ですので、興味がある方は是非、LPDの音楽に触れてみて下さい。 クレジット曲順 A “Princess Coldheart” (6:40) B1 “The Pleasure Palace” (8:10) B2 “The Collector” )5:20 Side A “Princess Coldheart” https://youtu.be/t-hZiGCV1UM #LegendaryPinkDots #PrincessColdheart #APlayItAgainSamRecords #MaxiSingle #Psychederic #Keyboards #Pop #EdwatdKa-Spel #QaSepel #PhilKnight #TheSilverMan #NielsVanHoorn #HanzMyer
Experimental / Psychedelic Pop A Play It Again Sam Records 不明Dr K2
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The Human League “Holiday 80s”
英国の工業都市シェフィールドから出てきたThe Human Leagueで、これが分裂前の最後のリリースとなります。このミニアルバムは分裂時にリリースされたもので、本国では7”EPとか7㌅2枚組などの様々な形態でリリースされていましたが、日本向けには、2曲追加して12㌅のミニアルバムとしてリリースされました。まあ、恥ずかしいことに、大きなレコードラベルにはアイドルっぽい写真が使われてますね 苦笑)。The Human Leagueのバイオグラフィーは前回書きましたので、ここでは割愛させてもらいます。このミニアルバムには、未発表曲,ヴァージョン違い、カバー曲などが収められており、少し散漫な印象を与えますが、聴きどころは多いです。A-1 ”Marianne” は未発表曲で、この1曲だけでも買って良かったと思える程、ポップネスと実験性を併せ持った曲です。何度も聴き直したものです。A-2”Dance Vision”はThe Human Leagueの前身The Futureの時の曲で、実験性丸出しのダンスチューンです。そしてA-3はセカンドアルバムにも収録されていた曲”Toyota City”のロングヴァージョンです。B-1”Rock’n’Roll”とB-2 “Nightclubbing”はDavid Bowieの曲のカバーでメドレーになっています。そしてB-3はセカンドアルバムにも収録されている彼等の初期の代表曲でもある”Being Boiled”(このヴァージョンではThe Boys of Buddhaのシンセ・ホーンがカッコいいです)が収められています。しかしながら、今から考えると、これは、The Human Leagueの名前で一儲けしようと言うレコード会社の思惑が見え見えですね。でも、”Marianne”は名曲なので、エレ・ポップ・ファンは聴いてみてください! A1 “Marianne” (3:15) A2 “Dancevision” (2:19) A3 “Toyota City” (5:33) B1 “Rock 'N' Roll / Nightclubbing” (6:20) B2 “Being Boiled” (4:20) https://youtu.be/1F8aZaI9GJc?si=CKtbsbOBPDA28WD5 #TheHumanLeague #Holiday80 #Marianne #DanceVision #ToyotaCity #Rock’n’Roll #Nightclubbing #BeingBoiled #MartynWare #IanCraigMarsh #PhilOakey #PhilipAdrianWright
Synth Wave Virgin Records 2000円位?Dr K2