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Frieder Butzmann “Das Mädchen Auf Der Schaukel”
稀代の天才電子音楽家Frieder Butzmannのソロとしてはセカンド・アルバムになります。バイオグラフィーは前回紹介しましたので、そちらをご参照下さい。タイトルは「ブランコの少女」の意。しかしそれが何を言いたいかは不明(と言うか、NDWのグループやアーティストのタイトルって意味不明なのが多い)ですが、このスチールはThomas Kieselの短編映画”Incendio Italians”から取られたものらしいです。今回は音質重視なのか45回転12㌅EP2枚組の仕様です。この作品は、1984年にリリースされていますが、録音自体は1982年に行われています。彼の作品は、冷戦下西ベルリンで育まれた奇怪な電子音楽或いは実験的ポップソングですが、ここでは比較的分かりやすい形で収められています。D3を除いて、ほぼほぼ全曲をFriederが作詞・作曲したいますが、D3だけはJean Derauxが作詞・作曲しており、やや異質な感もあります。Friederの曲は合っているのかいないのかが分からないと言うか「脱臼したハーモニー」が特徴なのですが、本作品では最小限に使用されており、何となくリズムなどがハッキリしている曲が多いです。また、本作品には、映像作家Michael Simbruckの映像作品に使用されたトラックD1”Der Letzte Akt”も収められています。 Frieder Butzmann初心者でも受け入れ易い作品だとは思いますので、西ベルリンの空気感を体験したい方は是非聴いてみて下さい。 “Gläserne Jugend” https://youtu.be/x9Lp9mo49VY #FriederButzmann #DasMädchenAufDerSchaukel #Zensor #ElectronicMusic #AvantPop #Experimental #NeueDeutscheWelle #GermanNeueWelle #Berlin
Experimental Pop Zensor 4180円Dr K2
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Rip Rig + Panic “God”
やっとレコードの沼から見つけ出しました。The Pop Group分裂後に、能動的に新しくバンドを始めたのが、このRip Rig + Panicで、これが彼等のデビュー作になります。もうタイトルからして凄そうですよね。しかもこのジャケ!カッコいいです。この時のメンバーはGareth Sager (Multi奏者), Sean Oliver (B), Mark Springer (Piano), Bruce Smith (Dr)で、曲によりゲストで Neneh (Cherry), Ali (Up), FlashことDavid Wrightが参加しています。Gareth SagerとBruce Smithが元The Pop Group組です。彼等のバイオグラフィーは前回書きましたので、順番が逆になってしまい、申し訳ありませんが、そちらを参照してください。 で、本作品も45回転12㌅EP2枚組みと言う仕様になっており、音質重視派の方向けですね。やはり、元The Pop Groupの一派の中では、ダントツにシャープなファンクと言うか?ジャズと言うか?インプロと言うか?まあテンションは高いですね。一枚目(Red side)の2曲目のようにピアノだけの曲”Wilhelm Show Me The Diagram”や3曲目”Through Nomad Eyeballs”ようにピアノとドラムのインタープレイを中心に進行するインスト曲があったりで、実験精神てんこ盛りです。特にMark Springerのピアノはリリカルと言うよりもかなり挑戦的な音色に仕上がってますね。一枚目(Yellow side)も緩急を付けた曲を配置してあり、飽きさせないですね。時にしっとり感のある3曲目”Try Box Out Of This Box”ではジャジーなサックスが配置されてひと休みできます。二枚目(Green side)の1曲目”Howl ! Caged Bird”は不協和音のオルガンが活躍するカッコいい曲です。3曲目”The Blue Blue Third”もしっとりとしたリリカルなピアノが冴えます。二枚目(Blue side)は、1曲目”Shadow Only There Because Of The Sun”での不吉なクラリネットの調べから始まり、最後の曲”It Don’t Mean A Thing If It Ain’t God That Brrod”では、混沌の中にきっちり締めます。こうしてThe Pop Group 分派で、その遺伝子を受け継ぎ、新たな方向へ能動的動こうとしたのは、やっぱりRip Rig + Panicですね。こんなスタイルでレコードを出すくらいですので、やはり音的にも敏感だったのでは?と想像します。しかし、Nenehのヴォーカル、弾んでいて良いですね。あと当時はアヴァン・ファンクと認識していたのですが、どうもジャズの要素も強いですね。そんな訳で、元The Pop Group一派のその後について聴き比べてみました。どれが良いとかではなく、それぞれの個性てやっているのが興味深いです。この機会に是非、聴いてみてください。 https://youtu.be/J7zkM6VvfUs #RipRig+Panic #God #VirginRecords #UhHuhProds #ThePopGroup #GarethSager #BruceSmith #MarkSpringer #OliverSean #Double45回転Album #Funk #Jazz #Improvisation #Piano #Sax
Funk / Post Punk Virgin Records / Uh Huh Prods 不明Dr K2
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Rip Rig + Panic “I Am Cold”
否が応でも聴かざるを得ないバンド、それがRip Rig + Panic (以下RRTPと表記します)です‼️勿論、いきなり本作品から入ってらっても構いませんが、The Pop Groupが分裂して出来たバンドですので、まあ、時系列で聴いた方が良いでしよう。本作品はRRTPのセカンド・アルバムになります。これの前にファーストアルバム”God”があります。それで彼等のバイオグラフィーを少々。このバンドは先述のように驚異のポストパンクバンドでもあったアンファン・テリブルな英国ブリストルのThe Pop Groupが解散して、そのメンバーによって結成されました。RRTPの結成は1980年で、解散は1983年です。グループ名はRoland Kirkよるジャス・アルバムから引用されているらしいです。メンバーはSean Oliver (B), Mark Springer (Piano, Sax, Vo), Gareth Sager (G, Sax, Kbd, Vo)とBruce Smith (Dr)で、内GarethとBruceがThe Pop Groupのメンバーでした。そして、シンガーとしてNeneh Cherryも加わります。また、このコアメンバー以外にもFlashことDavid Wright (Sax), Andi Oliver (Vo), David De Fries (Trumpt), Sarah Sarhandi (Viola), Jez Parfitt (Sax), Giles Leaman (Perc), Steve Noble (Dr), Debbie (Cello), Alph Wait (Trombone)も加わります。RRTPはThe Pop Groupが政治的で前衛的な態度であったのとは異なり、フリージャスやレゲエのルーツを探求する方向に変わっています(しかし、当時、私はThe Pop Groupの遺伝子を最も濃く受け継いだバンドと認識していました)。1981年9月3日にVirgin Recordsからリリースされたデビューアルバム”God”は、フリージャズ と即興演奏をポストパンクやファンクやレゲエと言った音楽に融合させたユニークな音楽であり、卓越した演奏能力と難解なユーモア(これは私には分かりませんでした)のセンスで、音楽誌NMEでも高い評価を受けています。レビューでは「騒動に対する信仰行為」と呼ばれていました。その後、リリースされた本作品では、ジャズやワールド・ミュージックの影響をさらに取り入れながら、より商業的なサウンドへと向かっていったと評されており、Andi Oliver(Vo)とDon Cherry (Trumpe)の協力を得てレコーディングされています(Don CherryはNeneh Cherryの継父で、有名なジャス・ミュージシャンです)。それ以外にも先述のゲストミュージシャンも参加しています。その後、サードアルバム”Attitude”をリリースしますが、最も聴き易い音楽になっていましたが、これが最後のアルバムになりました。その後もメンバーは音楽に関係した活動を続けています。大体、バイオグラフィーはこんな感じになります。 それで本作品”I Am Cold”ですか、私が購入したのは、LPではなく、12インチEP2枚組と言う音質重視の装丁の盤です。初め聴いた時には、フリーキーで鋭角的なピアノ、強靭で複雑なリズム隊、そしてNebehの伸びやかなヴォーカルが組んず解れず有機的に絡み合って、それまで聴いたことの無い音楽に驚きましたが、それでも、「黒っぽい」音楽が苦手な私は余り熱心に聴いてはいませんでした。今回、聴き直してみて、矢張り彼等だからこそ出来た音楽だったのだなと感心し、唸りましたね。兎に角、凄い熱量です。しかもそのエネルギーはあらゆる方向に向かられています(政治的意味ではないです)。因みに、ジャケはPablo Picassoによるランボーの肖像画のリトグラフが使われています。それも含めて、カッコいいですね。全てが交わった音楽がここにはあります。未聴の方は是非❗️ https://youtu.be/cLWFwORmW8c #RipRig+anic #IAmCold #Columbia #ThePopGroup #Piano #Funk #PostPunk #FreeJazz #Improvisation #DonCherry #AndiOliver
Avant Rock / Improvisation / Experimental COLUMBIA 不明Dr K2