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Lost Gringos “Nippon Samba”
久しぶりに入手しました。そうです、独ATA TAKのLost Gringosの12㌅EP “Nippon Samba”です。発売当時、私はこのEPは認識してはいたのですが、ジャケの余りにもやり過ぎ感が強くて、どうにも触手が伸びませんでした。しかしながら、NDWを極めようとする中で、どうしても聴いておかなきゃと思い立ち、海外購入した次第です。Lost Gringosについては、前回のEP “Troca Troca”の時に書いてありますので、そちらをご参照して下さい。それで、Lost Gringosは、Eberhardt Steinkrüger (Piano, Vo, Tapes; エバーハルト・シュタインクリューガー)とPete Jekyll (G, Sax; Programming [A1, B1]; ピート・ジェキル)のデュオで、今回は、Keiko Miller (Vo), Zins Zinsius (B, Wood-B), Karl-Heinz Tango (Drs, Perc, Vibraphone, Marimba), Hideto Sasaki (Back-Vo), Laurie Lovecraft (Back-Vo), Rudi Glaser (Back-Vo)が、ゲスト参加しており、A面2曲については、Pyrolatorがマスタリングを担当しています。ただ、Pete Jekyllは、ATA TAKのスタジオ・ミュージシャンのようで、このLost Gringosが本当の意味での「デュオ/グループ」だったのか?それともレーベルが仕掛けた洒落みたいな存在(ゲストも含めて)だったのか?は、今持って不明です。と言うことを念頭に置いて、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Nippon Samba (Receitap'ra Sambar)” (5:30)は、打ち込みから始まるサンバ調の曲で、「歌え、踊れ、叫べ、行け、行け、日本サンバ!」を始めとして日本語の歌詞をKeiko Millerが歌っており、思わず脱力しますが、時に挿入される牛の鳴き声や自動車のクラッシュ音等が中々味わい深く、コラージュのセンスの良さを感じますね。 ★A2 “Ohne Dich (Sinti)” (2:25)は、一転、スパニッシュ調で、男性Vo(Steinkrüger?)が、フラメンコGとリムショットとWood-Bに合わせて朗々と歌っており、これはこれで脱力してしまいます。 ★B1 “Tambo Machay” (4:32)は、ドラムマシンとシーケンスに、シタール様の弦楽器が何となく中近東風で、囁くような男性Voがしっとり歌っています。細かいGやKbdも中々捨て難いポイントになっていますし、コーラスによる盛り上がりや民族楽器調のSaxもグー! ★B2 “Vida De Inés” (2:20)は、鶏の声で始まり、女性による語りと微かなアコーディオンらしきバックで始終さる曲で、正直、意味不明です。 この作品も、無国籍風というか、日本&ブラジル〜スペイン〜中近東〜スペインと言うように何の脈絡も無く、しかも沙汰なくこなしており、このレコードの存在意義自体が既に意味不明です。ですが、A1での歌詞もさることながら、サウンド・コラージュのカットインとかの手法は、当時としては画期的であり、そこに実験性を見出すことはできます。しかしながら、全体としては、ジャケのゴチャゴチャ感が彼等の本質なんだろうなと想像しますが、どうなんでしょう?それとも、単なる語呂合わせ的なおふざけなんでしょうか? Pete Jykeyll氏に直接問いたくなっちゃいますね。そんな珍盤です!好事家の方にもお勧めです。 https://youtu.be/kDF-9hyIOzA?si=T5Y7t9YS0kKzgpMJ #LostGringos #NipponSamba #AtaTak #1982年 #12inchEP #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #MondoMusic #NewWave #KeikoMiller #EberhardtSteinkrüger #PeteJekyll #ZinsZinsius #Karl-HeinzTango #HidetoSasaki #LaurieLovecraft #RudiGlaser #Mastering #Pyrolator
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop ATA TAK €20.00Dr K2
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Snatch “Shopping For Clothes”
皆さん、Snatchって覚えていますか? NYCのパンク・ガールズ・デュオで、Judy NylonとPatti Palladinが1980年代初頭にやっていました。私自身も、高校生か大学生の頃に、Snatchの名前は聞いていたのですが、実際の音楽を聴いたことがありませんでしたので、今回、偶々入手した12㌅EPを紹介したいと思います。 先ず、Snatch(と言うか、彼女らそれぞれの)のバイオグラフィーを書いておきます。Judy Nylon (本名Judith Anne Niland)は、米マルチメディアアーティストで、1970年にLondonに行っていますが、1970年半ばには、米国Patti PalladinとパンクバンドSnatchを結成しています。Nylonは、当然、NYCとLondonのグラムロック、パンク、No Waveの影響を受けていましたが、彼女自身はそれらを録音してはいません。しかし、1982年に、彼女はAdrian Sherwoodとの共作アルバム”Pal Judy”を出して、話題になっています。一方、Palladinは、Nylonのアルバム”Pal Judy”に、"Trial by Fire"と言う曲を共作して、自身のバックバンドCrucialで参加もしています。そんなSnatchは、実は英国音響仙人Nurse With Woundのナース・リストにも関わっており、NWWの1980年のアルバム”To the Quiet Men from a Tiny Girl”のアートワークの一部を担当しています。Snatchは、1978年に、Brian Enoとの共作曲”R.A.F.”をEG Recordsのコンビ・アルバム”First Edition”に提供していますが、この曲にはバーダー・マインホフ(独逸赤軍派)の身代金要求メッセージがカットアップして使われています。また、Nylonは、Brian Enoの曲”Back In Judy’s Jungle”のモチーフにもなっており、Enoの1974年のアルバム” Taking Tiger Mountain (By Strategy)”からの抜粋”China My China”でも彼女が歌っているビデオがあります。なお、Enoは、1975年作”Discreet Music”の裏ジャケに、アンビエント・ミュージックの確立に影響を与えた人物の1人としてJudy Nylonを挙げています。一方、Palladinは、The HeartbreakersのJohnny Thundersとも関係を持っており、Thundersの1978年作ソロ・デビュー・アルバム”So Alone”と1985年作アルバム”Que Sera Sera”に参加、そして1988年ではThundersとPalladinはコラボ・アルバム”Copy Cats”をJungle Recordsからリリースしています。また、2人はFred Wise & Ben Weismanの”Craw Fish”のカバー曲を1984年に録音、オリジナルのレーベルPostcard Recordsとの和解後、Alan Horneが立ち上げたSwamplands Recordsからリリースしています。また、Palladinは、1980年辺りで、英国Flying Lizardsのメンバーになっており、1981年のアルバム”Fourth Wall”に参加しています。また、Palladinの曲”The Nuns New Clothes”は、London Recordsが1983年に出したコンピ・アルバム”The Batcave: Young Limbs And Numb Hymns”に収録されています。一方、Nylonの方は、1970年代には、VelvetsにいたJohn Caleとコラボしており、1974年には、Caleのソロアルバム”Fear”の中の曲”The Man Who Couldn't Afford to Orgy"にスポークンワードで参加、ライブや他の録音にも参加しており、Caleの1987年作のライブアルバム”Even Cowgirls Get the Blues”にも参加しているのが確認できます。また、PalladinとNylonは、Johnny Thundersの1978年の初期のライブで、バッキング・ヴォーカルをやっています。 とまあ、Judy NylonとPatti Palladinは、それぞれ重要な場面で登場し、活躍している訳ですが、肝心のデュオSnatchに関しては、今一つよく知られていませんし、録音物も多くはありません。唯一のセルフタイトルのアルバムは、1983年にPandemoniumからリリースされています。また、シングル/EPは長い活動歴にも関わらず3枚だけです。その中で、今回、ご紹介する12㌅EPは、先述のように、John Caleのプロデュースで録音されています。そして、A面は、LAのドゥアップ・グループThe Coastersの曲のカバーで、B2では、Brian Enoとの1978年共曲”R.A.F.”に使用したヴォイス・サンプルを流用しており、その最後はロックト・グルーヴとなっています。それでは、各曲を紹介していきましょう。 ★A “Shopping For Clothes” (5:16)では、原曲の断片をサンプリングしてバックトラックを作り、2人(メインはJudy Nylon?)がスポークンワードっぽく歌うと言う曲で、それにGノイズやフリーキーなSaxを少し加えて、異形の「ジャズもどき」な曲に再構成しています。 ★B1 “Joey” (3:12)は、コンガとエレピらしき音によるエスニックなリズムに2人が歌っている曲になっていますが、何故か「似非エスノ」な臭いがします。 ★B2 “Red Army” (4:49)は、四つ打ちキックとファンクっぽいBに、バーダー・マインホフの録音や2人による朗読が乗り、更にシンセらしき電子音やGノイズが挿入される曲で、個人的には、吉野大作&プロスティテュートの名曲”M.U.R.A.”との差異が興味深いです。 何となく、No WaveとNYCの狂気(これはJohn Caleによるものか?)が混ざった、とんでもない音源だと感じました。素っ気ないジャケも余計に拍車をかけています。勿論、B2の政治的アウト感もそうなんですが、A面のサンプリングを上手く使った「似非ジャズ」への変換/ カバーが素晴らしく、全く原曲を感じさせない極めて冷徹なノリに感動すら覚えました!こりゃあ、LPも買わなきゃだな。 https://youtu.be/FCHrW2R4FGc?si=m6mJVr_B2SXkgs8P #Snatch #ShoppingForClothes #Joey #RedArmy #FetishRecords #1980年 #12inchEP #NewYorkUnderground #Experimental #NoWave #PseudoJazz #PseudoFunk #GirlsDuo #PattiPalladin #JudyNylon #Producer #JohnCale #TheCoasters #CoverSong
Experimental / No Wave Fetish Records €12.00Dr K2
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Technoise / Hyware “System” / “Cathexis”
これは懐かしい!Technoise (これはユニット名ね!)とHywareのスプリット12㌅EPです。ただ、この盤はクラブ用なのか、その前に出ていたセルフ・タイトルの2枚組CDからのシングル・カットとなっています。入手したのは輸入盤屋で買ったのか?それとも交換で貰ったのかもあやふやなんですが、恐らく交換して貰ったのかも知れませんね。それで、この2つのユニットなのですが、どちらも蘭のアーティストRadboud Mensのソロ・ユニットで、Technoiseはその名の通り、リズミックなノイズ(所謂テクノイズ)に特化したユニットであり、Hywareは轟音電子ノイズ(所謂、ハーシュ・ノイズ)に特化したユニットと言う訳です。先ず、それぞれのユニットについて紹介していきますね。Radboud Mensは、1988年から自作のノイズ・マシンを作り始めており、1990年代初頭には、コンタクト・マイクを犬用のブラシに取り付け、それを使って、レコードをスクラッチしたり、割ったりして録った音(=ノイズ)を壊れたラジカセでブーストして、録音をしていました。そんな中で、Technoiseとしては、壊れたタンテを使って、リズミックなノイズを作ることに成功し、1994年に、これらの録音物は2枚組CDとして、英国のレーベルi-Recordsからリリースされています。その片一方がHywareとなります。HywareはMensの録音したものの内、リズムの無いハーシュ・ノイズになってしまった作品を集めて、提示するユニットです。また、彼は、個人名義でもライブ・パフォーマンスをやっており、その経歴はTechnoiseやHywareよりもずっと長く続いています。それと、当時、彼から聞いた話しでは、1990年代の蘭(或いは欧州)の地下音楽シーンは、StaalPlaatが幅を利かせており、その為、静かな音響派ノイズやラップトップ・ノイズが席巻して、所謂、ハーシュ・ノイズとかテクノイズと言った「うるさいノイズ」を蘭でやっているのは彼くらいしか居なかったのだとか。まあ、確かに、外から見ていてもそんな風には思えましたね。しかしながら、2000年代以降は、Radboud Mens名義で活動し、歳のせいなのか?周りの環境のせいなのか?すっかり静謐な音響派ノイズの作品をリリースしています。そこら辺の変化は是非とも本人に聞いてみたいですね。因みに、先ほど出た2枚組CDは、リスナーがTechnoiseの音とHywareの音をミックスしなければならないとの意図があったようで、そこに、彼のラジカルさが見て取れます。 では、本作品の内容を紹介していきたいと思います。 Technoiseサイドは“System”1曲のみで、確かに、クラブ・ミュージックで聴くことのできるキックとかハイハットの音は聴こえるし、リズムもあります。しかしながら、当時は確かにテクノイズとして認識していたのですが、今、聴くと然程テクノイズっぽくない印象です。どちらかと言うとNONがレコード盤を使ったミニマルな音の実験をやっている感じに近いでしようか。 一方、Hywareサイドは4曲収録されていますが、何も、コンタクト・マイクを使ったLo-Fiでプリミティブなノイズ曲で、確かにうるさいんですが、B2 “Conversion”ではパーツを繋ぎ合わせたり、B3 “D-Coll/Age”ではヴォイスも混じっていたりします。そう言う意味では、如何にも1990年代のノイズを体現しているようにも思えますね。 この作品を聴いて思ったのは、1990年代って、”Japanoise (因みに私はこの言葉は嫌いです)”に代表されるハーシュ・ノイズが、世界から注目を浴びていた時代だったと思いますが、その頃って、割とコンタクト・マイクを使っているアーティストやグループが多かったようにも思います。要するに、小さな微音をコンタクト・マイクで拡大/拡張して、更にそれを歪ませることで、取り敢えず「ノイズ」が出来た時代だったと思うんですよ。今でも、そう言うアプローチはあるかも知れませんが、そんな1990年代のノイズ・ミュージックを通過した耳には、どうしても、コンタクト・マイク独特の音に反応してしまい、何となくレトロな感じがするのも仕方ないのかなあと思ってしまいます。久しぶりに、この作品を聴いて、そんなことを考えてしまいました。しかしながら、過去の遺産を知ること自体は良いことなので、1990年代ノイズ未経験のリスナーさんは是非とも一度は体験してみて下さい❗️また違った感想を抱くかも知れませんね。それがまた楽しみでもありますから。 A1 Technoise “System” B1 Hyware “Cathexis” B2 Hyware “Conversion” B3 Hyware “D-Coll/Age” B4 Hyware “Untitled 1” Technoise “System” https://youtu.be/7F6yeU8mEM8?si=c40bPdA0w13_03RL Hyware “Fluxus” (本EPには未収録) https://youtu.be/0Ogm7X5fm3s?si=oNNSEaPX3IQ308jB [元の2枚組CDのBandcampのURLも貼っておきます] https://hondindegoot.bandcamp.com/album/technoise-hyware #Technoise #Hyware #System #Cathexis #i-Records #SplitEP #SelfTitled2CDset #Holland #RhythmicNoise #HarshNoise #Electronic #Turntable #1990年代 #RadboudMens #SoundDesigner #Staalplaat
Technoise / Harsh Noise i-Records 不明Dr K2
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Olivia Neutron-John “s/t”
DUのサイトで何かないかなぁって見てて、何だ、このアーティスト名は❓と思って思わず、ポチってしていました。例の有名な歌手の名前をちょいと文字ったアーティスト・ネームOlivia Neutron-John!これは聴いてみたくなりますでしょ‼️それで、彼女のことをちょっと調べてみました。Olivia Neutron John (以下、ONJと表記)は、個人アーティスト名ではなく、Chain & The Gangでベースを弾いていたAnna Nastyによるソロ・プロジェクト名のことらしいです。彼女の作品は、Discogsによると、2013年位に最初の作品が出ていますので、そのちょっと前からONJを始めていたようです。但し、Chain & The Gangは、2009年には活動の記録がありますので、音楽歴としては2009年前辺りから始めているのでしよう。それで、彼女は、Washington DC〜NYCで活動しており、NYCのポスト・パンク〜ノー・ウェーブ〜アヴァン・ポップの流れを汲んでおり、そこに彼女独特のユーモアとミニマル・ミュージックと独特のヴォーカリゼーションで、このONJの音楽を確立しているとのことで、ONJのファースト・アルバム”Injury Train And I’m Never Getting Off It b/w Vulnerability”は3度もリプレスされている程の人気振りです。まあこの位しか、手元の資料では分かりませんでした(すまん!)が、本作品については、ちょっと面白いコンセプトで作製されています。と言うのも、1982年作カルト映画”Liquid Sky”のサントラに影響を受けて作製されており、噂では「月面で演奏するIan Curtis」とも言われており、漆黒のミニマル・スペーシー・ウェーブをやっていると言われています。因みに、本作品は、PriestsやSnail MailらのレーベルSister Polygonからリリースされています。それから、本作品はアルバムではなく、12㌅EPですので、またアルバムとは違うかもしれません(アルバムの方は私は未聴)。 それでは各曲を順に紹介していきます。 A1 “16 Beat”は、初め、単調なパルス音のようなシーケンスとマシンリズムに、拍子の違うシーケンスが入ってきたと思っていたら、爆発するようにブレイク・ビーツが突然挿入されます。そして、彼女の呟くような、張り上げるような変調ヴォーカルも入ってきますが、最後は、通常の16ビートになってフェイド・アウトしていきます。 A2 “March”も最初はカシオトーンのような単純なリズムと安っぽいキーボードから始まりますが、存在感のあるベースと彼女の官能的な変調ヴォーカルが入ってきて、一気に雰囲気が変わります。 B1 “16 Beat cont.”は、チープなシンセ音はそのままなんですが、メロディは良いし、またマシンリズムの方はソリッドでカッコ良いインスト曲となっており、A1のフェイド・アウトした部分と繋がっているようです。 B2 “Beguine”はエスニックなリズムパターンとベースに彼女の、時に不安気で、最後には張り上げるような変調ヴォーカルが絡んできて、1980年前後のNYCのNo Wave期(ZE Records)に出てきたLizzy Mercier Desclouxを想起させますね。 B3 “Joy Or...”も、何か足りないような安っぽいマシンリズムとチープなシンセのリフに、呟くような彼女の虚な変調ヴォーカルが乗ってきて、何か憂鬱な雰囲気を醸し出しています。 ん〜、これは中々面白いアーティストが出てきたと思いますよ。ブレイク・ビーツとチープなキーボードと憂いのあるヴォーカル(Ian Curtis的かどうかはちょっと微妙だけれども)と時にエスノ・ファンクと言う、ハイブリッドな音楽で、NYCでしか生まれないであろうサウンド・スケープになっているのが凄いです❗️打ち込みなのに、「憂鬱」ってのは今まで無かったのでは?これはアルバムも買わなきゃ‼️ A1 “16 Beat” https://youtu.be/b7a5KujeG34?si=cjd9G-NsZxGI1eSj A2 “March” https://youtu.be/rs39lCLxCNw?si=XS6qAN7Ip2VdhTDt B1 “16 Beat cont.” https://youtu.be/GYtU-OC0Rgo?si=NgW-PqTpPG3Wq4mQ B2 “Beguine” https://youtu.be/ecT3mNzIZMQ?si=KQPJZ9jWICl8vY-9 B3 “Joy Or….” https://youtu.be/uMTO0-gTJGo?si=NBJuB7deOjTgu9wU ONJ live at LA https://youtu.be/2-vG10P3jBE #OliviaNeutronJohn #SelfTitled #SisterPolygonRecords #SoloUnit #NYC #Experimental #Electronic #Avant-Pop #Synthesizers #FemaleVocal #RhythmMachine #Chain&TheGang #AnnaNasty
Experimental / Electro-Pop Sister Polygon Records 1500円Dr K2
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Swans “Time Is Money (Bastard)”
探しているのはSwansの”Cop”なんですが、これも見つかったので、今回はSwansの12㌅EP “Time Is Money (Bastard)”を紹介します。Swansのバイオグラフィーは既に書いてありますので、そちらを参照して下さい。このEPは4枚目に当たるのですが、既にJarboeも関わっています。この時のメンバーは、Michael Gira (Vo, Words), Harry Crosby (B), Ronaldo Gonzalez (Drs), Norman Westberg (G), Jarboe (Scream)です。なお、ジャケのデザインはGiraがやっています。ここら辺の大胆さはいかにも初期Swansですね。このEPはA面2曲で33 1/3回転で、B面1曲45回転と言う変則的な構成となっています(まあB面はミックス違いですが)。それでは各曲を紹介していきます。 A1 “Time Is Money (Bastard)”は、初期の頃に比べてややテンポほ早めですが、デカいドラムの音(特にキック)とGiraの突き放すようなヴォーカルが凄いです。このテンポでこの迫力は、高速で移動する戦車に蹂躙されたかのような気分になります。 A2 “Sealed In Skin”は、ダウンテンポの曲で、やはりヘビーなドラムとピアノの連打に、押し殺した呪詛のようなGiraのヴォーカルが聞こえてきて、しつこく繰り返すヘビネスが堪らないです。 B “Time Is Money (Bastard) (Mix)”もA1と同様に凄まじいヘビネスを体現したミックス違いですが、特にリズムに合わせた、むさ苦しいコーラスとGiraの独特のヴォーカルにヤラれてしまいます。ひょっとして、リズムマシンも生ドラムと一緒に使っているのかな?キック音の連打が異様に正確でヘビーだから、そう思ってしまいます。時々聴こえるWestbergのギターの刻みも効果的です。 Swansは、いつでも音楽の限界を突き抜けてくれる、そんなバンドです。近年のワンコードでのしつこい反復から成る音楽性も大好きなのですが、この時期の超ヘビーな音楽は初めて聴いた時、驚かされましたね。そんなSwansを体験してみて下さい‼️ 因みに、レーベルK.422は英国Some Bizarreのサブレーベルで、SwansとWisenloodそしてCoilの作品の流通に特化しています。 [full EP] https://youtu.be/cWgniHJ_bnM #Swans #TimeIsMoney(Bastard) #K.422 #SomeBizarre #USUnderground #HeavyRock #Experimental #Sludge #Kick #変則EP #MichaelGira #HarryCrosby #RonaldoGonzalez #NormanWestberg #Jarboe
Heavy Rock / No Wave K.422 不明Dr K2
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Rip Rig + Panic “You’re My Kind Of Climate”
T畑さんに教えてもらって、ヤフオクで速攻ポチりました。Rip Rig + Panicの12㌅EP”You’re My Kind Of Climate”です。Rip Rig + Panicについては、既に紹介したありますので、バイオグラフィーはそちらをご参照ください。このEPは彼等の3枚目のEPになります。一応、この時のメンバーだけ書いておきます。先ず、バンドのメンバーとしては、Neneh Cherry (Lead-Vo), Sean Oliver (B), Gareth Sager (G, Piano), Bruce Smith (Drs, Perc), Mark Springer (Piano)の5名で、ゲストとして、David Defries (Trumpet), Giles Leaman (additional Drs/ Perc), Jez Parfitt (Baritone Sax), Steve Noble (additional Drs/Perc), Sarah Sarahandi (Viola), Alf Waite (Trombone), Dave "Flash" Wright (Tenor Sax)も参加しています。両面1曲ずつ収録されていますが、A面は、弾けるような、それでいて、ファンクともジャズともましてやロックともカテゴライズ不可能で、しかもダンサブルでフリーな曲が収録されています。しかもドラム3人も叩いているので、リズムも重いです。一方、B面はピアノの弾き語りと言えば、聞こえはいいですが、Gareth Sagerかな?Mark Springerかな?もうリリカルなメロディからフリーキーなトーンまで、あらゆる奏法を駆使して、そこに時々、合いの手のように男性の声が入ると言う、A面とはまた違った素晴らしい出来栄えになっています。何度でも聴きたくなりますね。多分、アルバム”I Am Cold”の後に出たタイミングだとは思いますが、とにかく凄まじい内容ですので、爆音で聴いてみて下さい‼️ これが1982年の曲ですからね、ビックリですよ❗️ A面 “You’re My Kind Of Climate” https://youtu.be/W4VXo4gu2Vk?si=MywzGzzBGE1TEVRN B面 “She Gets So Hungry At Night She Eats Her Jewellery” https://youtu.be/a1kPf_65yvQ?si=IR9q5YURWI2dveA- #RipRig+Panic #You’reMyKindOfClimate #SheGetsSoHungryAtNightSheEatsHerJewellery #VirginRecords #12inchEP #3rdEP #Funk #Jazz #Avant-Garde #FreeMusic #Piano弾き語り #NenehCherry #SeanOliver #GarethSager #BruceSmith #MarkSpringer
Post Punk / Funk / Avant-Garde Virgin Records 1300円Dr K2
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Laub “Phoneheadslastig (Remix)”
これまた「謎物件」です。多分、西新宿のネ○ズで買ったんだと思うのですが、内容は殆ど覚えていません。なので、調べてみました。Laubと言うのは、独Berlin在住のAntye Greie-FuchsとJürgen "Jotka" Kühnの男女デュオで、10作程、作品をリリースして、1999年を最後に作品を出していないですので、恐らく解散かと思います。その後を追ってみると、Greie-Fuchsは、東独生まれのヴォーカリストで、曲を書き、プロデュースし、パフォーマーで、詩人でもあり、書家でもある多彩な女性で、現在はフィンランドのHailuotoに住んでいるらしいです。一方、Jotkaはその後もコンスタントにCDなどを出していますが、それも2001年が最後になっています。それ位しか分かりませんでした(すまん!)。 A面“Phoneheadslastig (Remix)”は45回転で、Laubの曲をPhoneheads (Philip MaiburgとMichael Schaafのデュオ)によるリミックスで、B面は33 1/3回転で2曲入りで、B1 “Folgenschwere”はLaub作で彼等自身がCalyx Berlinでリミックスしています。B2 “Laubfrosch (Remix)”はPaul’s Pop StoreでのConsoleことMartin Gretschmannによるリミックスとなっています。A1 “Phoneheadslastig (Remix)”は、ブレイク・コア風のリズムに、風のようなGreie-Fuchsのウィスパー・ヴォイスを上手くサンプリングしており、動と静が上手くハマっています。B1 “Folgenschwere”は怪しい雰囲気の重目のエレクトロ・ポップとも言える曲で、四つ打ちでないリズムに、重目のベースラインと茫漠としたメロディが組み合わさって、それ程、クラブ・ミュージックしていないので、個人的には好きな感じの曲です。B2 “Laubfrosch (Remix)”は意外にも、かなり陽キャでポップで、可愛らしい音楽に仕上がっています。この作品はリミックス盤ですが、想像していたよりも、ポップな出来で、ちょっとビックリしました。特にB面の2曲は良いですね。まあ、フォーマットはクラブ仕様にはなっていますが、ブレイク・コアとかを通過した後に来たBerlinのクラブ・ミュージックのように思います。その根底には、Ata Takなんかの諧謔的ポップ・ミュージックがあるように感じました。実際、PhoneheadsはAta Tak所属のデュオのようです。1990年代末のBerlinの様子を垣間見たようですね。ここら辺に興味のある方は聴いてみては如何でしょうか❓ A “Phoneheadslastig (Remix)” https://youtu.be/6HZDXG1zbXk B1 “Folgenschwere” https://youtu.be/ZN_Mk7kf0O8 B2 “Laubfrosch (Remix)” https://youtu.be/7f0xdL0seRg #Laub #Phoneheadslastig(Remix) #Kitty-Yo #German #Remix #ElectroPop #BreakCore #Phoneheads #Console #AntyeGreie-Fuchs #Jürgen"Jotka"Kühn #BerlinClubMusic #Folgenschwere #Laubfrosch(Remix)
Electronic Pop / Remix Kitty-Yo 不明Dr K2
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Danielle Dax “Yummer Yummer Man”
元Lemon Kittensにして、世紀の歌姫でもあるDanielle Daxのファースト・シングル”Yummer Yummer Man”をご紹介します。彼女のバイオグラフィーについては以前に書きましたので、そちらをご参照下さい。マルチ奏者でもあるDaxのソロシングルとしては、この作品はファーストにあたり、7㌅もあるのですが、私な購入していたのは12㌅EPです。実は、この12㌅EPは、以前に紹介したサード・アルバム”Inky Bloaters“からのシングルカットなんですが、タイトル曲の”Yummer Yummer Man”だけは新曲となっており、残り2曲”Bad Miss ‘M’”と”Fizzing Human Bomb”はアルバムに収録されていますので、どちらかと言うと、コレクターズ・アイテムですね。A1 ”Yummer Yummer Man”では、Steve Reeves (Wah-G), David Knight (G, Slide-G, Fuzz Organ), Danielle Dax (Vo, Theremin, Tapes), Martyn Watts (Drs)が、A2 “Bad Miss ‘M’”では、Ian Sturgess (B, Triangles), Steve Reeves (G, Slide-G), Danielle Dax (Vo), Martyn Watts (Drs, Metal, Bins)が、B面 “Fizzing Human Bomb”では、Ian Sturgess (B, Timbales), Steve Reeves (G), Danielle Dax (Vo, Drone-G), David Knight (G, Tape, Piano), Martyn Watts (Drs, Perc)が、それぞれ参加しており、曲はDaxとKnightによるもので、歌詞は勿論、Daxが書いています。それで、内容ですが、A2 “Bad Miss ‘B’”とB面”Fizzing Human Bomb”は既にアルバム”Inky Bloaters”で紹介してありますので、このEPのA1 “Yummer Yummer Man”について紹介します。この曲は、彼女の曲にしては、アップテンポで、メロディーもキャッチーですね。とても、かつてLemon Kittensをやっていたとは思えないですね。この一曲を聴くだけでも価値がある(と思えるのは私だけか?)かな?. あと、個人的にはA2 “Bad Miss ‘B’”のスライド・ギターをフィーチャーした曲もお気に入りです。そんな12㌅EPですが、Danielle Daxの魅力を知りたい方は、是非とも聴いてみてね❗️ A1 “Yummer Yummer Man” https://youtu.be/0G9iHrFuNT0 A2 “Bad Miss ‘B’” https://youtu.be/Axo8b9irOzM B1 “Fizzing Human Bomb” https://youtu.be/CYDH8pfYvk0 #DanielleDax #YummerYummerMan #AwesomeRecords #12inchEP #ExperimentalPop #DavidKnight #SteveReeves #MartynWatts #InkyBroaders #SingleCut
Experimental Pop Awesome Records 不明Dr K2
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Dead Can Dance “Garden Of The Arcane Delights (深遠なる庭園にて)”
さてさて、今回はちょっと毛色の変わったバンドを紹介しますよ。Dead Can Danceです。それで作品は、彼等の12㌅EP “Garden Of The Arcane Delights (深遠なる庭園にて)”です。先ず、彼等のバイオグラフィーを簡単に書いておきます。Dead Can Dance (以下DCDと表記)は1981年8月に、豪州Melbourneにて、Paul Erikson (B)とLisa Gerrard (Vo, Perc: 元Microfilm)を中心に、Marching GirlsのSimon Monroe (Drs)とBrendan Perry (Vo, G)とが加わって結成されました。翌年5月には豪州を離れ、英国Londonに移り、Brendan PerryとLisa Gerrardは、the Isle of Dogsを名乗り、そこにPeter Ulrich (Drs)が加わり、そこで、インディー・レーベル4ADと契約しています。しかし、その時の契約では、Paul EriksonとPeter Ulrichのデュオの形態でしたが、録音は全員(5人)で行われ、1984年2月にデビュー・アルバム”Dead Can Dance”をリリース。そこでは、ニューギニアの儀式的仮面がジャケ写に使われたことで、注目を浴びます。同年8月に、本作品でもある12㌅EPをリリース、この時に彼等自身は否定していますが、「ゴス(Gothic)」と形容されています。1985年11月に、DCDはセカンド・アルバム”Spleen and Ideal”をコアメンバーであるGerrardとPerryに加えて、Cello, TromboneやTympaniなどのセッション・ミュージシャンと共に作り上げます。このアルバムは英国インディーチャートの2位になっています。しかし、1989年に、2人のコアメンバーは、物理的に別々の場所に移りますが、DCDとしては活動しています。その後、6枚目のアルバム”Into The Labyrinth”を1993年9月にリリースすると、これが大当たりで、ビルボード200に入り、4ADの稼ぎ頭になります。そんなDCDでしたが、1998年に、次のアルバム”Spiritchaser”に向けて録音を開始し、1999年初頭にリリース。その後、ツアーを組んでいましたが、突然、この2人は別れてしまい、ツアーもキャンセルとなってしまいます。その後、2人はそれぞれソロアルバムを出しており、ここで一旦、DCDは解散となります。しかしながら、2005年に、DCDは限定で再結成され、アルバムやツアーをこなします。限定であったはずですが、その後も、順調に活動を続けていきます。2021年にはCovid-19パンデミックでツアーをキャンサルしています。また、北米及び欧州ツアーについては、2022年9月に予期せぬ健康上の理由でキャンセルしています。 と言う訳で、DCDの最初期の作品である“Garden Of The Arcane Delights (深遠なる庭園にて)”の内容について紹介していきます。4曲入り45回転の12㌅EPで、A面B面それぞれ2曲ずつ入っています。A1 “Carnival Of Light (光の祭典)”は、Gerrardの歌い上げるような伸びやかなヴォーカルとギターのカッティングが特徴的なリチュアルな曲、A2 “In Power We Entrust The Love Advocated (愛の信託)”もPerryの伸びやかな歌声に優しいギターの音色が絡み合う割りかしポップな曲から成ります。一方、B1 “The Arcane (神秘)”はPerryの歌うダークな雰囲気の曲でドラムとギターの対比が面白いです。B2 “Flowers Of The Sea (海に咲く花)”では 再び、Gerrardの歌と、ドラムとパーカッションと弦楽器とから成る土着的な(少しトルコ辺りの民族音楽的雰囲気あり)曲になっています。当時の噂ではポジ・パン(ポジティブ・パンク)とかの括りだったと思いましたが、寧ろ、Coilとかのペーガン・フォークみたいなリチュアルな印象が強かったですね、それもアンチ・キリスト教的な! その流れで、捉えれば、分かり易いかも?こんな音楽が当時はポジ・パンと言われていたのもおかしな評価ですね。なので、そう言う風に聴いてもらえると面白い音楽だと思いますので、是非とも❗️ A2 “In Power We Entrust The Love Advocated (愛の信託)” https://youtu.be/qKciAhgdZBI [full album & BBC sessions] https://youtube.com/playlist?list=PLHP7bAjOIkpAq4OVkLxrbM2k-6Oy2KGoV #DeadCanDance #GardenOfTheArcaneDelights #深遠なる庭園にて #キングレコード #4AD #EP #PositivePunk #Gothic #RitualMusic #LisaGerrard #BrendanPerry #Australia #PaulErikson #SimonMonroe #PeterUlrich #AntiChristism
Goth Rock キングレコード (4AD) 不明Dr K2
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Bergtraum “s/t”
今となっては、これも謎物件。小柳カヲル氏の「クラウトロック大全」で調べてみると、このデュオ、Palais SchaumburgのRalf Hertwig (ラルフ・ヘルトヴック)と元Der Moderne ManでKosmonauntentraumのZiggy XYことMichael Jarick (ミヒャエル・ヤーリック)のデュオですが、本作品がBergtraum(ベルクトラウム)の唯一の作品になっています。パレ・シャンもコスモナウンテントラウムもディー・モデルネ・マンも紹介済みなので、バイオグラフィーはここでは割愛します。本作品は、彼等の3曲入りの12㌅EPで、ややアッパーで、よりキャッチーな曲調で、VoはJarickが担当し、バックトラックをHertwigが担当しているものと思われます。それまでの彼等の音源からすると、随分聴き易くなったなぁと思われますが、それでもバックトラックの録音にはちょい実験的な部分も見出せます。基本的にはドラムとベースを中心にした音楽で、ダンサブルなのですが、ギターなどの上物は最小限になっています。どちらかと言うとシンセのメロディだけがちょっとだけ目立つと言うところでしようか? JarickのVoは勿論独逸語ですが、割とすんなり曲にハマっています.メジャー志向とのことですが、私にはまあこのくらいはまだまだメジャー志向ではないなと言うのが、正直なところです。なので、万人にはお勧めはしませんが、興味のある方は聴いてみて下さい。 “Almenrausch” https://youtu.be/Z6IB5tsE_pI #Bergtraum #ZickZack #RalfHertwig #MichaelJarick #ZiggyXY #ex-PalaisSchaumburg #ex-Kosmonauntentraum #es-DerModerneMan #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ExperimentalPop
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Zick Zack 不明Dr K2
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Christoph Heemann “Magnetic Tape Splicing”
皆さ〜〜ん、覚えていますか?独逸のNurse With WoundことH.A.N.S. (Hirsche Nicht Aufs Sofaの略語)の中心的存在であったChristoph Hermann先生のことを❗️H.N.A.S.が1993年に解散した後、彼は、英国のThe Legendary Pink DotsのEdward Ka-Spelとコラボをやっており、やがて、このコラボはMimirと言うユニットになります。更にHermannは独逸人ミュージシャン/パーフォーマーのLimpe Fuchsや当時米国に住んでいたJim O’Rourkeともコラボを開始しています。それとは別に、Hermannは英国のドローン作家Andrew ChalkとデュオMirrorを結成して、多くのリリースを、ハンドメイド包装で活動していましたが、2005年に活動停止しています。また、Current 93のDavid Tibetのとも交流もあった為、Current 93に参加して、やがてメンバー扱いになっています。それが1990年代という訳です。また、彼は、Af UrsinのVan Luyckとも2004年にコラボユニットIn Camera を開始しており、4枚の作品をリリースしており、これらの作品は、即興性の観点から見て、本来の「電子音響音楽」1であるだということみたいです(私は未聴)。それで、ソロとしての活動ですが、H.N.A.S.解散後、活発になり、数多くのTV出演以外にも、Texas, Chicago, TorontoやTokyoで頻繁にライブ・パフォーマンスを行なっています。ソロ作品には、”Invisible Barrier “(1992), “Aftersolstice” (1994), “Days of the Eclipse” (1996), “Magnetic Tape Splicing” (1997), "The Rings of Saturn"(2010)と名付けられ、本作品もこれらに含まれています。最後の作品は、Heemannが好きだった独逸人著者のW. G. Sebaldの小説のタイトルの隠喩だそうです。それで、本作品ですが、ソロ名義になっており、両面とも、ランダムに針飛びさせたレコードの具体音のテープを、更にランダムに切ってコラージュしたかのようなミュージック・コンクレート作品となっております。Nurse With Wound的ではありますが、こちらの方が即物的な出来になっています。ネタバレすると両面に1曲づつ収録されているのですが、共に5分もなく、なんで12インチしたんや?と疑問が湧きます。確かに内容は高水準なのは分かるんですが。この頃の音響系アーティストはどうもこう言う一種の「ぼったくり」みたいな作品が多かったですね。それも限定にして、それなりの高い値段で売ると言う、、、まあ、それでも宜しければ、聴いてみても良いかも? https://youtu.be/7tf13I7uqYU #ChristophHeemann #MagneticTapeSplicing #RobotRecords #MusiqueConcrète #45RPM #H.N.A.S. #SoloWork
Experimental music Robot Records 不明Dr K2
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Groenland Orchester “s/t”
またもや謎物件。どうも、独逸のGroenland Orchester (以下GOと表記)の唯一の12㌅EPみたいです。もう何故、買ったのか?全然、記憶にございません (どこかの政治家みたいですいません)。それを踏まえた上で、ちょっと調べてみました。GOはJyrgen Hall & Reznicekの2人で、1998年に結成されています。彼等は、特別の音楽的質と、通常のダンスミュージックが陥り易い美学的な罠を避けることを併せ持った電子ポップ・ミュージックを作製しています。彼等の音楽的背景は実験色が著明でありますが、常に単純で甘いメロディが満ち溢れています。この小さなオーケストラの指揮者はRenznicekとJyrgen Hall (Günter Adlerとも呼ばれる)の2人です。Renznicekは、programming, orchestration, E-Gを担当し、1995年から2001年の間に、ソロ作品をStaubgold, Odd Size, Wachsender Prozess, Meeuw Muzakなどからのソロ作品をリリースしている他、KlangkriegやFelix Kubinとのコラボ作もリリースしたり、画家のMariola Brillowskaとも行っています。一方で、Jyrgenは音響心理学や身体心理学のスペシャリストで、自身もProgramming, Transfer, Bなども用いています。そして、彼もまたGünter Adler名義で1999年から2012年までにソロ作品をリリースしています。そんな経歴を持ったデュオが、GOなんです。それで、本作品なのですが、4曲入り12㌅EPと言う体裁でリリースされています。どれも不思議な電子音で作られた、IDM (Intelligent Dance Music)と言うよりも、リズムのあるひんやりした電子音楽と言った方がしっかりくる音楽が収められています。「箱庭的テクノ」とでも言っても良いかもしれませんが、、、。ちょっと人間味が無い所で、好き嫌いが分かれるかもしれませんね。クラブで踊るよりも家で聴いていたいと思う方は一度聴いてみても良いかも。 “Haudura” https://youtu.be/bGbkb_JOoLk “Ballistik” https://youtu.be/9a2L84iSgkk #GroenlandOrchester #Staubgold #12inchEP #ExperimentalTechno #箱庭的テクノ #Renznicek #JyrgenHall #DanceMusic #Germany #ClubScene
Experimental techno Staubgold 不明Dr K2
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Microstoria “Reprovisers”
Microstoriaと聞いて、直ぐ反応するのは、スノッブなリスナーではないかな? Microstoriaは、Mouse On MarsのJan St. WernerとOvalのMarkus Poppによるシャレ乙なアンビエント・テクノを演るデュオのことです。そして、本作品も含まれる12㌅EP3部作として”Reprovisers”と言う同じタイトルで米国Thrill Jockeyが連続でリリースした企画ものなんです。しかもこの3部作は、それぞれの各面は他のアーティストによるリミックスを収めていると言う仕様なんです。私が持っているのは、Stereo LabとOval(セルフ・リミックスですね)がリミキサーになっています。オリジナル曲はMicrostoriaが1996年にリリースした”The Savvy Reprovisers League”から取られています。因みにこれらは一部の音源で、1997年にはMicrostoriaとしてリミックス曲だけを集めたLPを出しています。全容を知りたい方はそちらの方を探してみて下さい(因みに私は未聴)。ここで、少しだけ、Mouse On MarsとOvalについて紹介しておきます。Mouse On Marsは、Jan St. WernerとAndo Tomaによる独逸のIDM (Intelligent Dance Music), ダブ、クラウトロック、ブレイクビーツ、アンビエントの文脈で語られる電子音楽デュオです。アナログ・シンセやクロス・フリクエンシー・モデユレーションを用いた有機的な音作りをやっていますが、ストリングスやホーン、ドラム、ギターなどを用いたライブも演るそうです。一方、Ovalは、元々はMarkus Poppのソロユニットとして1991年に活動を開始していますが、1995年にはSebastian Oschatz, Frank Metzger, Holger Lindmüllerが加わります。Ovalは、CDのエラー音を用いたグリッチ音楽を割と最初から作っています。と言うとノイズ的なものを想像するかもしれませんが、基本的にはリズミックな音楽に落とし込んでいます。 と言う訳で、本作品についてですが、Stereo Labサイドは生ドラムのサンプリングを使った、ゆったりとした曲”Endless Summet”で、ストリングスのような音とベースが効いていますね。あと、女性Voのサンプリングもいい感じです。一方、Ovalサイドは、”Runtime Engine”と言うタイトルで、ビートレスでゆっくりと時間が進むアンビエント・ミュージックとなっていますが、Ovalらしさとして、所々にギターらしき音が切り込んでくるのがキモでしょうか。 と言う訳ですが、当然、当時はピーンと来なかったので、他2作は入手していませんが、まあ、余裕があったら、ちょっと探してみようかな?たまにはこんな音楽も良いですね。 Oval “Runtime Engine” https://youtu.be/lH6OSakkzq0 Stereo Lab “Endless Summer” https://youtu.be/Q7WLPKjMbyA #Microstoria #Reprovisers #ThrillJockey #PostEkectronica #Oval #MouseOnMars #StereoLab #Remix #ElectronicMusic #IDM #ErrorCD
Techno Thrill Jockey 不明。Dr K2
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Matador “Stop! In The Name Of Love”
久々に出ました!Post Punkと言うかNeue Deutsche Welle (NDW)と言うか、Maralia!のメンバーが、新たに組んだバンドが、このMatador (「マタドール」と発音?)です。メンバーはBeate Bartel, Manon P. Duursma, Gudrun Gutの3人、Beate Bartei以外はMaralia!のメンバーでした。彼女らのバイオグラフィーは大体、前回に書きましたので、ここでは省略させて頂きますが、ちょっとだけ補足を。このバンドは、1984年にはプロモ用作品を作製してましたが、実際に活動するのは、確認できる範囲では1987年頃で、ちょっとタイムラグがあります。 それで、本作品ですが、タイトル曲は米国のモータウンサウンドのガールズ・グループThe Supremesの曲のカバーです。また元のカバー曲では、ギターで、Alexander Hacke (Einstrutzende Neubauten)及びBlackyが参加。またリミキサーは、Voov(本名Christian Graupner)のヴァージョン(Oh Oh Boom Mix)とテクノ/EBMバンドKMFDMの創設メンバーでもあり、通称Pigでも知られるRaymond Wattsによるヴァージョン(Garlic Mix)とが収められています。こうなると、Matador云々ではないようにも思えますが、Voovのヴァージョンでは四つ打ちで、丹精なベースラインから成るシークエンスを中心に、Matadorのウィスパー・ヴォーカルをサンプリングなどをまぶした構成になっています。後、Voovサイドには”Sun”のインスト曲も収録されています。一方、Raymond Wattsのヴァージョンでは、リズムは四つ打ちではなく、どちらと言うとドラムマシンのタムを多用したリズム構成で、それに特徴的なヴォーカルのサンプリングやレコードのスクラッチ音などから成る、ややトロピカルな曲に仕上がっています。どちらも面白いので、興味のある方はどうぞ(ダンスミュージックですが)❗️ Matadorによる元曲のカバー。 https://youtu.be/GDk8_IauipE #Matador #Stop!InTheNameOfLove #Normal #Voov #RaymondWatrs #Remix #EP #DanceMusic #EBM
Neue Deutche Welle (German New Wave) NORMAL 不明。Dr K2
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Nisennenmondai (にせんねんもんだい) “s/t”
このバンド、以前にYouTubeを観てから、ずっと欲しかったんですよ。1999年にYuri Zaikawa (B), Sayaka Himeno (Drs), Masako Takada (G)から成る不動のトリオとして、東京で結成されたガールズ・インスト・バンドです。これはレコードよりもライブの方が彼女達の魅力がよく分かるんですが、まあ、ここでは敢えてレコードを紹介したいと思います。先ず、彼女らのバイオグラフィーです。1999年に彼女達が通う大学の近くのクラブで会い、話していたら、すぐにバンド結成に至りました。レコードなどは、彼女達の自主レーベルBijin Recordsより出すことが多いです。最初のフルアルバムはBijin Recordsから2006年にリリースした”ろくおん”になります。彼女達の音源はメインストリームでは殆ど顧みられなかったのですが、それでも彼女達は、豪州、オーストリア、クロワチア、デンマーク、仏、独、伊などなどのフェスに出演しています。もちろん、英国や米国ツアーも積極的に行なっています。その演奏スタイルは、他に似たものがなく、AllmusicのHeather Phares氏は「This Heat, The Pop Group, Sonic Youth, DNA, Neu!などの実験的ロックバンドにインスパイアされたようで、荒削りだが、反復を繰り返すポストパンク・インスト・バンドとも言えるだろう。しかもグルーブ重視のノー・ウェーブ/ディスコ・ヴァイブも聴き取れる」と評しています。 そんな彼女らが坂本慎太郎氏のレーベルから、石原洋のプロデュースで出したリミックスEPが本作に当たります。とにかく、執拗で無機質なハイハットの刻みとバスドラがまるで機械のように連打され、そこに点描のようなベースと効果音にしか聴こえないギターが、その人力マシンビートの間を浮遊すると言うスタイルは、確かに先述のグループを思い起こさせるかも知れませんが、聴こえる音楽は全くのオリジナルと言えます。何と言うか、修験行者の禁欲的な修行とでも言いましょうか、とにかく、唯一無比の孤高の音楽です。そう言った意味で、私は個人的には「極めて簡素かつ強靭な点描の音楽」或いはは「マンマシーンなロック」と言いたいです。本作品ではM. Takedaはギター以外にKbdも演奏しています。B面は一転して、リフらしい音も聴こえてきますし、途中にブレイクも聴こえてきますが、相変わらず「反復」は基本となっています。これは、石原氏のプロデュースによるものでしょうか?あと、彼女らの音楽は反復を基調としていますが、薬物系な感じではなくて、一種のdisciplineのような態度を感じます。そんな彼女らの音楽を一度は体験してみて下さい。 “B-1” https://youtu.be/wo3xrfFKYOI #Nisebnenondai #にせんねんもんだい #ZeloneRecords #YouIshihara #反復 #Repetition #InstrumentalMusic #YuriZaikawa #SayakaHimeno #MasakoTakada
Minimal Music / Post Punk Zelone Records 1800 円Dr K2