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ヒカシュー “s/t”
これはこれは、危うく忘れそうになってしまうところでした。ヒカシューのファースト・アルバムです。当時は、P-ModelとPlasticsと共に「テクノ御三家」と呼ばれてましたね。そのバンドの成り立ちについては以前に書いてありますので、そちらをご参考にして下さい。ただ一つだけエピソードを。まあヒカシューはキーボード2人にル・インチの3人が合体して出来たバンドですが、彼等が活動していて、少し認知度が上がった頃、何と大阪Vanity Recordsからアルバムを出さないか?と(故)阿木譲さんより声がかかったらしいのですが、良く考えたら、機材を持って行く手段が無いことに気付いて、結局、断ったとのこと。もし、それが実現していたら、また変わったのかもしれませんね。それで、当時、イケイケだった(?)近田春夫さんにプロデュースしてもらって、このデビュー・アルバムが出来上がったと言う訳です。それで、当時、田舎の高校生だった私は、このアルバムを早速購入し、当時はヘビロテしてましたね。特にA6 “プヨプヨ”とB6 “幼虫の危機” (この曲はヒカシュー結成前に巻上さんがディレクションした演劇の劇中歌からきています)は、毎日聴いてから登校してました。まあ、今から思うと、彼等の「変態性」に陶酔していた、遅れてきた厨二病だったのでしょう。まあ裏ジャケは、如何にも「テクノポップ」と言う感じで、そそりましたが、、、。この時期のメンバーは、巻上公一 (Vo, B, Trumpet), 海琳正道 (G, Vo), 戸辺哲 (Sax, Clarinet, G, Vo), 井上誠 (Mellotron, Synth), 山下康 (Synth, Rhythm-Box)でしたが、アルバムの録音には、ゲストとして、高木利夫 (Drs). 泉水敏郎 (Drs), 若林忠宏 (Sitar, Tabla), 菅谷憲 (Chorus), 森勉 (Chorus), そしてPhewことモリタニ・ヒトミ (Voice)も参加しています。ある意味、象徴的だったのが、Kraftwerkの”The Model”の日本語カバー(A2)を演っていることですね。また、戸辺さんのフリーキーなSaxや海琳の巧みなギター、そして変態的な曲を作る山下さん(ひょっとしたら「プヨプヨ」は独逸Clusterの”Zuckerzeit”A1からヒントを得たのかな?)も凄かったです。決して、それまでのロックとかポップとかの様に「カッコつけた」ところが無く、どちらかと言うと「ダサい」んですよ。まあそれは近田さんのプロデュースもあったのかなあと想像しますが、意外と本人達のキャラなのかもしれませんね。そんな彼等の出発点を聴いておいても良いのではないでしょうか? https://youtu.be/ua1BN8w6Iik #ヒカシュー #FirstAlbum #Eastworld #TechnoPop #NewWave #テクノ御三家 #Synthesizers #Sax #Mellotron #RhythmBox #Guitar #Bass #Vocal #巻上公一, #海琳正道 #戸辺哲 #井上誠 #山下康 #プヨプヨ #幼虫の危機 #モデル
Techno Pop / New Wave Eastworld ¥2500Dr K2
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Magazine “The Correct Use of Soap”
確か、Magazineを買ったのは、田舎の高校生の時でした。まあ、キーボードのメンバーのいるニューウェーブ・バンドだったからだと思います。しかしながら、その時はそんなに気に入らなかったんですが、今回、久しぶりに聴き直してみました。その前に、Magazineのバイオグラフィーを少し。元々は1977年初頭までパンクバンドBuzzcocksに少し在籍していたHoward Devotoが、より先鋭的な音楽をやろうとして、ギターのJohn McGeochと共に結成したのが、Magazineです。Howard Devoto (Vo), John McGeoch (G), Barry Adamson (B), Bob Dickinson (Kbd), Martin Jackson (Drs)がオリジナルなラインナップです。しかしながら、クラシックや前衛音楽の素養のあったBobは、1977年終わり頃にすぐに脱退しています。バンドは4人でシングル”Shot by Both Sides”をリリース、その後に、元St. Louis UnionのDave FormulaがKbdで加入します。因みに、このシングルはBazzcocksの曲でもあるとPete Shellyが指摘しています。1978年にデビューアルバム”Real Life”をリリース、英国チャート30位に入っていますが、7月末にMartin Jacksonが脱退し、代わりにPaul SpencerがDrsで加入します。この頃になるとギグやTV出演することが多くなりますが、Paul Spencerはツアー中にSpencermetersに加入する為に直ぐに脱退し、同年10月にはJohn Doyle (Drs)が加入します。翌年1979年にセカンドアルバム”Secondhand Daylight”をリリース、英国チャート40位に入ります。このアルバムでは大々的にシンセが使われています。1980年にバンドは、本作品でもあるサードアルバム”The Correct Use of Soap”をMartin Hannettのプロデュースでリリース、トップ30にはランクいんします。しかしながら、John McGeochは、それ程売れなかったこと及び余りギター重視でない曲作りであったと言う理由で、脱退し、Siouxsie and the Bandheesに加入しています。一方、Magazineには、Ultravox!にいたRobin Simon (G)が加入しています。バンドは欧州・豪州ツアーを敢行し、ライブアルバム”Play”をリリース。しかしながら、またしてもRobin Simonも、John Foxxのソロアルバムに参加するためにバンドを脱退します。Hawardは、大学時代の友人でAmazorbladesのBen Mandelson (G)を加入させて、1981年に”Magic, Murder and the Weather”を作製しますが、リリース前の数ヶ月、リリースをストップをかけます。そんなこともあって、他のメンバーも解散することを決めます。メンバーはそれぞれ、他のバンドなどで活躍しますが、Howard Devotoは音楽を止めて、写真家として活動していました。John McGeochは2004年に48歳と言う若さで他界しています。それから、2008年7月にHowardはMagazineを再結成することを考え、2009年2月にHoward Devotion, Dave Formula, Adamson, John DoyleとJohn McGeochの代わりにThe RadioheadのJohnny Greenwood (G)で再結成を行い、ツアーメンバーも加わって、現在でも活動中です。 それで、本作品ですが、良くも悪くもニューウェーブ的な音作りなんですが、兎に角、Howard Devotion の抑制したような、絡みつくようなエロいVoが特徴ですね。ギターとシンセを配合良く調剤したメロディアスな曲調も本作、と言うかMagazineの特徴と言えるでしょう。その分、爽快感は抑えられていますが、それはHoward自身が言っているように、「ロックンロールは音楽的スターでもなく、モダーン・ミュージックに興味があるだけだ」と言うことも強ち言い過ぎではなく、常に新しい音楽——その時代時代の音楽—-を目指していたからだと思います。私も、正直、聴き直してみて、中々、良いじゃないか!とも思いました。ただ、HowardのVoスタイルや声質には好き嫌いが分かれるところではありますが。次回はファーストアルバムやセカンドアルバムを聴いてみたいですね。また歌詞が文学的との評もありますが、英詩なので良く分からなかったです。そんな時代に対してモダーンであり続けたMagazineの円熟した音楽を聴いてみてください。 https://youtu.be/3c5Yxi98umI #Magazine #TheCorrectUseOfSoap #VirginRecords #NewWave #ArtPunk #HowardDevoto #JohnMcGeoch #Manchester #Keyboards
New Wave Virgin Records 2500円Dr K2
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XTC “Black Sea”
実は、私はBarry Andrewsが抜けた後のXTCには、そんなに触手が動かなかったんですが、このアルバムだけは何故か買ってしまいました。それはテクノポップの終焉と新しい英国大衆音楽への昇華を聴きたかったのかもしれませんね。XTCについては、既にバイオグラフィーは書いていますので、ちょっとだけ補足を。ええっと、Barry Andrewsが抜けた後にDave Gregoryが加入していますが、彼はGとKbdを担当しています。ここら辺の人選にXTCの方向転換のセンスの良さを感じますね。そのメンツで”Drums and Wires”を1979年にリリースして、翌年、本作品である”Black Sea”をリリースしています。よく見るジャケ写は実はその上に緑色の紙袋で包まれていたんですよ。プロデューサーにSteve Lillywhiteを起用しており、この時代特有のドラムの録り方をしています。そうです、キーワードはドラムです(例えば、P-Modelが”Perspective”でドラムを残響音バリバリの録音にしたように)。ここでは、Andy PartridgeとSteve Lillywhiteの化学反応が成功した例でしよう。ギターの金属質な音色やリフが、やや実験的なプレイをしても、Colin MouldingのBとTerry ChambersのDrsがしっかり支えて、ポップ・ミュージックとして成立させています。また、A3”Living Through Another Cuba”でのダブ的ミックスは秀逸です。このアルバムを買った時の印象は「何か音が詰め込み過ぎ」だったのですが、今、聴くと丁度良い感じですね。まあ、Andyのヴォーカルはいつも暑苦しいんですけどね(苦笑)。しかしながら、2人のギターのカッティングやリフの絡みはカッコいいですね。あとColinのBは凄く上手くて、出過ぎず、引っ込み過ぎずで良い感じです。あと、B面の曲の繋ぎがこれまたカッコいいんですよ、聴いてみれば分かります。B5 “Travels In Nihilon”での先進性とP-Modelの”Perspective”との類似したリズムのヴァリエーションは、やはり時代の音ですね。そんな訳で、本当久しぶりに聴いてみましたが、やっぱりXTCは凄かったです。次世代のポップミュージックをこの一枚で作ってしまったのですから。因みに、ジャケ写に”X”, “T”, “C”の三文字が隠れているの、気付きましたか?そんな所にも彼等の洒落っ気があります。是非とも今聴いておくべきアルバムですね。 A1 “Respectable Street” (3:34) A2 “Generals And Majors” (4:00) A3 “Living Through Another Cuba” (4:41) A4 “Love At First Sight” (3:04) A5 “Rocket From A Bottle” (3:27) A6 “No Language In Our Lungs” (4:52) B1 “Towers Of London” (5:17) B2 “Paper And Iron (Notes And Coins)” (4:17) B3 “Burning With Optimism's Flame” (4:12) B4 “Sgt. Rock (Is Going To Help Me)” (3:54) B5 “Travels In Nihilon” (6:54) A3 “Living Through Another Cuba” https://youtu.be/AZFCyMPvLd8 B5 “Travels In Nihilon” https://youtu.be/I6y3RQEPkpQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nmOGEjp2eesCsZiMzbogbzFcRJLI6Nyds&si=WVPdXboWLfoGlsM8 #XTC #BlackSea #VirginRecords #PopMusic #NewWave #BritishRock #AndyPartridge #ColinMoulding #DaveGregory #TerryChambers #SteveLilliwhite
New Wave / Pop Music Virgin Records 2500円Dr K2
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ヒカシュー(Hikashu) “夏 (Summer)”
このアルバム、と言うかこのグループも私のルーツの一つですね。ファースト・アルバム”ヒカシュー”も高校生時代に毎朝聴いていましたし、当然、このアルバムも高校生と時にはヘビロテしてました。大学生になって市川市に住むことになった時は何度かライブを観に行ったものですよ、はい。バイオグラフィーは日本語のWikiで直ぐに出てくるので、そちらを参照した方が良いかも。と言っても、まあ息の長いバンドですので、ザックリと、初期の活動とかを紹介しておきますね。1973年に巻上公一と井上誠は東京キッドブラザーズに席を置き、巻上さんは海外公演に参加するも、公演自体が途中で空中分解してしまい、巻上さんは路頭に迷います。その時に、前衛演劇団ルミュエール&サンに参加。無事帰国後、巻上さんはミスタースリムカンパニーに加入。1977年に巻上さんが、自分のプロデュースする演劇「コレクティング・ネット」の劇の音楽を井上さんと山下康のデュオに依頼したことから全ては始まりました。そのデュオは今では「プレ・ヒカシュー」と言われており、インド音楽に影響を受けた音楽をやっています(CD発売されている)。その依頼がキッカケで、巻上さんが、自分と海琳正道(現在は三田超人と呼ぶ)と戸辺哲でやっていたル・インチと言うバンドで、そのまま、井上さんと山下さんのグループに参加し、5人体制になって、ヒカシューが生まれたと言う訳です。因みに、井上さんは、週間プレイボーイで、冨田勲監修のシンセ・ミュージック・コンクールに応募して入賞しています。この入賞者の曲はレコード化されていますが、それにはP-Modelの平沢進の作品も入っているとか。入賞者にはレコード化以外にシンセも貰えたらしいです。それで話しをヒカシューに戻すと、「ヒカシュー」と言うバンド名の由来は色々あるみたいですが、Wikiを読んでみて下さい。そして、その活動が始まったのが1978年頃です。メンバーにシンセ奏者が2人もいて、しかもリズムマシンを使っていると言うスタイルだったこともあり、また、当時出てきたP-ModelやPlasticsと共に「テクノ御三家」と呼ばれて、ニューウェーブ・バンドとかテクノポップ・バンドのイメージが強かったですね。しかしながら、結成当初から演劇、フリーインプロヴィゼーション、民族音楽を取り入れたアプローチを続けていましたし、その後もジャズ、クラシック、雅楽など幅広い要素を取り込みながら活動を続け、現在はインプロヴィゼーションを演奏の根幹に取り込みながら、即興と作曲が共存するノンジャンルの音楽を志向しています。なので、基本は、奔放なインプロビゼーションと巻上さんの独特のヴォーカリゼーションからなる楽曲の二本柱で構成されており、井上さんと山下さんがイノヤマ・ランドに集中する為に脱退すると、メンバーの変遷は多数ありましたが、段々とインプロを中心に種々な民族音楽やジャズなどを雑食した独特の音楽を演奏するバンドになっていきます。まあ、ここら辺は後期のアルバムを聴くと分かると思います(と言いながら私は未聴、すまん!)。なので、ここでは敢えて「テクノ御三家」時代の彼等の音楽について紹介しますね。 それで、彼等ののセカンド・アルバム「夏」です。いきなり、カッコいいビートが鳴り響くA1 ”オルタネイティヴ・サン”で幕を開けます。更に、この時期、The Venturesとも競演し、また映画「チェンジリング」のテーマ曲にもなったA3 ”Pike”、B面の曲は割とシニカルな歌詞のものが多く、ついつい深読みしてしまいます。B5 “Bino-Pike”は山下さん渾身の曲で、リズムボックスを使いながらも7/4拍子と言うインストものなんですが、ノリが良くてビックリしました。最後は、B6 “瞳の歌”で希望を予感させて締めてます。と言いながら、ドラムもゲストでJuicy Fruitsの高木利夫が参加しています。「夏」と言うと解放感とか陽気とかを思い出しがちですが、このアルバムの2/3は「夏故に憎む」と言うシニカルな曲から構成されており、エアコンの切れた部屋の中で考え込んでいるような気分です。まあ、兎に角、ヒカシューの「悪意」を聴いてみて下さい。ハマるかもしれませんね。 https://youtu.be/2cdJG0fe5s0 #Hikashu #Summer #ヒカシュー #夏 #NewWave #TechnoPop #Pike #巻上公一 #海琳正道 #井上誠 #山下康 #戸辺哲 #Vocalization #Synthesizer #SecondAlbum
Techno pop, New Wave Eastworld 2500円Dr K2
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P-MODEL “Landsale”
さて、またしてもP-MODELのセカンド・アルバム”Landsale”の登場です。タイトルは小学生のランドセルと売国奴のダブルミーニングです。ジャケ写が何となくHuman Leagueのファーストアルバムを思い起こさせます。また、ファーストアルバムの”子供達どうも”との続編っぽく見えますね。このアルバムには受験生であった秋山勝彦氏の作曲の曲も含まれてます。まだこの頃までは歌詞は「否定的な愛」とか「何となく批判性」があり、その意味ではファーストアルバムの延長としても位置付けも可能だと思います。ただし、批判性は社会に対してからより個人的なことに対するものになっています。ここら辺から、モロ「テクノポップ」からの逸脱を匂わせるかの様に、A-1”オハヨウ”でのストリングスとピアノの使用やB-6”地球儀”でのアコースティックな感触が収められていることも特筆すべきだと思います。聴いていて、思ったんですが、このアルバムはオルガンやギター不協和音とかシンセの効果音的使い方が目立ちますね。そこが良いところなんですが。ファーストとサードに埋れ気味ですが、結構面白いですよ。さあ、今こそP-MODELを聴こう❗️ https://youtu.be/qMm9p7Y98_4 #P-MODEL #Landsale #WarnerBrothersRecords #TechnoPop #不協和音 #HirasawaSusumu #AkiyamaKatsuhiko #TanakaYasumi #TainakaSadatoshi
Techno pop Warner Brothers Records 不明Dr K2
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Gunjogacrayon “s/t”
君は「群青色のクレヨン」即ちGunjogacrayonを覚えているか❗️日本のポストパンクはパンクと一緒に始まった訳ですが、最初から、No waveとしてバンド形態を取っていたのは、グンジョーガクレヨンでしたね。メンバーは園田游 (Vo, Reed), 組原正 (G), 大森フミオ (electronics), 前田隆 (B)及び宮原篤志 (Dr)の5人組で、現在は大森さんが抜けて、園田さんが準メンバーのような感じで活動しています。彼等のデビューミニアルバムが本作品になります。因みにドラムの宮原さんは、東京ロッカーズのMr. Kiteのメンバーでした(正直、これは驚きましたね)。この時代は流血や汚物などのパフォーマンスが盛んでしたが、Voの園田さんが、多人数の吐いたゲロを飲むと言うパフォーマンスをしたとかの記事をとあるロック雑誌に書いたら,ものの見事に掲載中止になったとか。グンジョガクレヨンはこれまでに3枚のアルバムを出していますが、本作はそれ以外の12㌅EP(ミニアルバム)で、最初の録音物です。なお、ダブ・ミックスに坂本龍一さんが参加しており、そのことも、本作品が注目された要因ではないでしょうか。なお最新作が2016年に出ているのですが、これには夭逝した.esのサックス奏者橋本孝之くんも参加しています。 それで本作品ですが、ダルなリズムセクションと「パンク界のデレク・ベイリー」の異名をとる組原さんのフリーキーなギターが時にはヘビーなリフを、時には痙攣するようなノイズギターでかき鳴らされ、その隙間に大森さんのエレクトロニクスや園田さんのヴォイスやサックスが徘徊する、至極の5曲が収められています。因みに、昨今のグンジョーガクレヨンでは更に自由な組原さんのギター、最早打楽器と化した前田さんのベース、より自由に叩きまくる宮本さんのドラムと言うトリオになつていますが、本作品では、やや聴き易い印象もあります。しかしながら、初期のこの編成での曲群も緊張感に満ち溢れています。今からでも遅くないので、未聴の方はこの異形のロックを聴いてみて! https://youtu.be/u9Ixath9w8k #Gunjogacrayon #グンジョガクレヨン #PassRecords #Improvisation #Rock #FirstAlbum #DereBailey
Avant-garde Rock PASS Records 2000円Dr K2
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Throbbing Gristle “D.o.A. The Third and Final Report”
この一枚が私の音楽活動を180度変えてしまいました。そうです、Throbbing Gristle (TGと略します。その意味は「脈打つ男根」と言うスラング)のセカンド(?)アルバムです❗️これを高校2年の駿台夏期講習で東京にいた時に購入したのが運の尽き。それまではテクノ・ポップが大好きだった私の脳みそに、このアルバムはショックを与えたのです。今まで聴いたことの無言うタイプの音楽?音楽なのか?そんな不気味さがその時はありましたねぇ。しかもメンバーにはテープとマシン担当と言うPeter “Sleazy” Christophersonがいるし。そもそも、普通、バンドと言ったら、ギター、ベース、ドラムそれにいてもキーボードだろう?なんだ⁈ この編成は?とその時は思いました。しかも、収められてる曲にはコンピューターのバグ音、ロックの残骸、ヴァイオリンの弾き語り(GenesisがCoseyをChrisに寝取られたことに対する悲しみの曲)、エレ・ポップ調の曲(ABBAのサンプリング)、フィールド録音、シングルの早回しなどテンでバラバラな内容。特に、名曲 ”Hamburger Lady”は全身に火傷を負ったオランダ人女性のことみたいで、かつ音も鬱々とした単調な曲で。またジャケも小児性偏愛のサブリミナルが入っているし。田舎の高校生には疑問だらけ、刺激だらけのアルバムでした。それを理解しようと一生懸命聴いてましたね。そんな訳で、このアルバムは、私のインダストリアル・ミュージック強いてはノイズ・ミュージックへの入り口となったターニング・ポイント的な作品だったのです。今でも刺激的なアルバムなので、未聴の方は今からでも聴いてみてください。きっと何かを得ることができますよ。因みに、D.o.A.とはDead on Arrivalのことで、救急車が到着した時に心肺停止の状態の意味です。 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLMMTrEN3GJc5fXFn_8fq-WBKGUSB0kFau “Five Knuckle Shuffles” https://youtu.be/03zSxCaaaLM #ThrobbingGristle #D.o.A. #IndustrialRecords #Industrial #HamburgerLady #Weeping
Noise, Industrial Industrial Records 2200円位?Dr K2
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M “New York, London, Paris, Munich”
テクノポップ或いはディスコ・ミュージックの一発屋Mの登場です。Mはイギリス人Robin Scottのソロプロジェクトですが、彼は実は下積みが長く、古くは1960年末にMalcolm McLarenとVivienne Westwoodと知り合い、SEXの立ち上げまで協力しています。彼のレコードデビューと言えるのは、Mighty Babyのバックミュージシャンとして、アルバム”Woman From the Warm Grass”への参加です。その後は、彼はシンガーソングライターとしてフォークミュージックに演っています。1970年代初頭に彼はマルチメディアグループThe Voiceを結成し、BBC Radio 3で作品がオンエアーされました。1972年にはプログレバンドCamelのメンバーとデモ音源を作りますがEMIには相手にされませんでした。1973年には、Pete ThomasとPaul Rileyと共に”Heartaches & Teardrops”と言うミュージカル曲を書きます。その後、彼はオリジナル曲を演奏するR&BバンドRoogalatorと共同作業を始め、自身の共同インディーレーベルDo It Recordsより彼等のアルバムをリリース。また、1978年には、渡仏してThe SlitsやAdam & The Antsにも関わりますが、この時期に、彼は後のMの持ち歌になる曲を作っています。その中で、Mとしてシングル”Moderne Man”を1978年にリリース,そして大ヒットとなる”Pop Muzik”をリリース。MTVでの拡散やディスコDJのプレイなどの効果で、世界的大ヒットとなり、一躍メジャーに進出します。それに伴って、Robin Scottは兄弟のJulian Scottをベースに、妻のBrigit Novikをバックヴォーカルに迎え入れて、Mとしてのファーストアルバムである“New York, London, Paris, Munich”を1979年にリリースしました。そして立て続けにもう2枚のアルバムを出しますが、4枚目のアルバムは1984年に録音されながらも、発売は1998年までリリースされませんでした。なお、本作は1997年にCDにてリイシューされています。 それで、M名義での本作”New York, London, Paris, Munich”ですが、シングルカットされた”Pop Muzik”がキャッチーで矢鱈目立ちますね。今回はバックミュージシャンにWally Badaou (Kbd, Synth), Gary Barnacle (Sax, Flute), Philip Gould (Dr), Julian Scott (B, G), Brigit NovikことBrigit Vinchon (Vo, Harmonie)の名前があります。"Moderne Man"/"Satisfy Your Lust"は渡仏時代に既に作曲されていたとのこと。彼の場合、テクノポップと言う面は確かにあるのですが、どちらかと言うと、割とリズムパターンがミニマムで、ディスコティークな面が強調されていること、また長い下積みがあったことから、雑食性があるにも関わらず、全曲、ダンス・ミュージックになっていると言えます。そこが良いところでもあり、つまらないところてもあると思えます。そんなディスコなMのアルバムは如何でしようか? https://youtu.be/yIuNbRgjG1w #RobinScott #M #NewYorkLondonParisMunich #Disco #DanceMusic #Hit
Techno pop Sire Records 2200円位?Dr K2
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Noise “天皇”
もう何度も再発している日本アンダーグラウンド界の問題作、Noiseの「天皇」です。私のは初回プレス分ですが、当時、2000枚プレスして全部売り切り、更には他のレーベルからの再発も悉く瞬殺。メンバーは、現在は Maher Shalal Hash Bazで活躍している工藤冬里さんと大村(現: 工藤)礼子さんの2人です。一曲だけ渡辺敏子さんがドラムで参加しています。元々は、Worst Noise, Worst Noise Dance To Deathなどとバンド名の変遷とメンバーの入れ替えがありましたが、1970年代後半から1980年代前半で活動し,結果、バンド名はシンプルにNoiseになりました。殆どのトラックは冬里さんの壁の様なオルガン音と礼子さんの天使のような歌から成ります。時に、礼子さんがギターやトランペットで、冬里さんがドラム(と言うかスネアとハイハットのみ)も演奏しています。オルガンもよく言えば絶対的壁の様に鳴らされていますが、悪く言えば、初心者が適当に弾いているだけとも言えます。ちょっと違うかもしれませんが、米国のUNS(Z’evの変名)の様なオルガン・ノイズが近いでしょうか?また、礼子さんの歌は伸び伸びとしていて、バックのオルガンと相まって、一種の讃美歌の様でもあります。興味深いことに、歌詞カードが付いているのですが、独逸語訳も付いています。海外のマニアも探していると言われているアルバムですが、Noiseとしてはこの一枚で終わっています。私個人は、当時、内容も余り吟味せずに買いましたが、その時は、「何だ、つまらん」と言う感想でした。それにアルバム・タイトルや歌詞に、当時のマイナー(ロック喫茶のこと)周辺のバンドの独特な言葉が散りばめられているのもマイナスポイントでした。しかし、この機会に30年振り位に聴き直してみましたが、意外にもすんなり聴けて「凄く良かった」と感じました。時々入る礼子さんのフリーキーなギターやトランペットもカッコいいです。だから、良いと思える人には「愛聴すべき宝物」ですが、特に何も思わなかった方には「クズ」になると言う、聴き手を選ぶ音楽なんだろうなと思います。そん音楽ですが、気になった方は、中古盤屋で探してみて下さい。個人的にはこの演奏をでかい教会でやってみたら面白いかもと思いました。 https://youtu.be/zwIkYB8QVZ4 #Noise #天皇 #EngelRecord #工藤冬里 #大村礼子 #Organ #歌詞
Experimental Engel Record, ALM Records 2500円Dr K2
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Friction “軋轢”
Frictionを初めて聴いたのは”東京ロッカーズ”と言うオムニバムでしたが、どうにもFrictIonだけは何かが違っているように感じました。黄金期のFriction初のメジャー移籍後に出されたファーストアルバムが、この「軋轢」です。この時はVo/BのReck、Gのツネマツ・マサトシとDrのチコ・ヒゲのトリオ。この内、Reckとチコ・ヒゲはこの前にNYに渡米し、当時勃興していた”No New York”バンドを体験しています。その為か、曲は普通の3コードのパンクではなく、寧ろNo New York勢のそれに近いと思われます。Reckのブロークン・イングリッシュ的な歌詞もその影響なのでしょうか?それから、当時から「教授」と呼ばれていた坂本龍一氏がプロデュースしています(メンバーは気に入らなかったらしい)が、fatなベースや硬いドラムやギターの音からは坂本龍一氏はダブ的な音にしようと目論んだのではないか?と想像します。 これも勿論、日本盤だったので速攻で近所のレコード店で買って、盤が擦り切れる程聴いた名作です。 A1 “A-Gas” A2 “Automatic Fru.” A3 “I Can Tell” A4 “100 Nen” A5 “Crazy Dream” B1 “Cycle Dance” B2’”Cool Fool” B3 “No Thrill” B4’”Big-S” B5’”Out” [full album] https://youtu.be/CCiVZYQpJr0?si=dJgIuutuVNzOwX7f #Friction #軋轢 #PASSRecords #東京ロッカーズ #NoWave #NoNewYork #Japanese #Punk #FirstAlbum #Produce #RyuichiSakamoto #Reck #MasatoshiTsunematsu #ChikoHige
Punk Rock / No Wave PASS Records 2500円Dr K2
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Dome “Dome 2”
「ロックじゃなければ何でも良い」と発言したパンクバンドWireの2人(Bruce C. GilbertとGraham Lewis)が1980年に結成した実験的音楽を実践するユニットがDomeです。本作品はセカンドアルバムで、ギターやベース或いはシンセと言う楽器と音が出るもの(=非楽器)などを用いて、畳みかけるように作成したらしい。アンビエント風の曲から始まりますが、その硬質て繊細な音の感触が非常にカッコいい、クールなアルバムです。私は元々、Wireの大ファンだったので、日本盤で,近くのレコード店で購入。聴いた瞬間、ぶっ飛びましたね、モノクロのジャケもグーです。 A1 “The Red Tent I” A2 “The Red Tent II” A3 “Long Lost Life” A4 “Breathsteps” A5 “Reading Prof. B” B1 “Ritual View” B2 “Twist Up” B3 “Keep It” A3 “Long Lost Life” https://youtu.be/G5EDf3_hfYI [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLIMNk9tpcZ-QCECd0kmHBk2mFGC5U1ivt&si=_VS4uTTCeUt2owxr #Dome #Dome2 #Wire #BruceCGilbert #GrahamLewis #Experimental #Industrial #DomeRecords #RoughTrade #2ndAlbum #日本盤
Experimental / Industrial Dome Records / Rough Trade 2500円位Dr K2