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The Clash “London Calling”
また来ました、The Clashの名盤ダブルLP ”London Calling”です❗️しかし、私はこのアルバムを買った時には結構聴いていたように思いますが、その後、殆ど聴いていませんでしたねぇ(しかも、次のアルバム”Sandinista!”からは買っても聴いてもいません)。世間的には、色々言われていたアルバムですし、私もここまではThe Clsshのアルバムはリアルタイムで買ってました。The Clashのバイオグラフィーは前回までに書いていますので、そちらを参考にしてください。何故、問題作かと言うと、典型的なパンク・サウンドからレゲエやジャスなどの音楽的要素も持ち込まれており、それを「日和った」と言うファンと「音楽性に幅が出た」と言うファンに二分してしまったからです。確かに純粋で典型的なパンク・ロックではないと思いますし、パンク・ロックのジレンマ的なこと(最初はパンクであり、それは起爆剤としては有効だが、パンクとしては長続きはしない)はあるので、この方向性は当然と言えば当然だとも思うんですよね。それが、分かった上で、もう一度、聴き直してみようと思いました。 A-1にタイトル曲”London Calling”を持ってくる辺りに彼らの決意とか覚悟みたいなものを感じますね。カバー曲”Brand New Cadillac”もロカビリー調でカッコいいです。ただ、私は昔からジャスっぽいものは余り好きでは無いので、A-3”Jimmy Jazz”ほちょっとツラいです。B-1”Spanish Bomb”はコーラス・ワークは冴えていますし、ノリも良いです。A-5やB-2にはゴージャスなブラスが入っており、ここら辺にプロデューサーのGuy Stevensの力量を感じます。でも、やっぱりMick Jonesのヴォーカルは苦手です。でも、このアルバムでは寧ろシットリしてていい感じではありますが。B-5”The Guns of Brixton”ほ元々彼らの嗜好でもあったレゲエ調(あくまで「調」であり、パクリではない)になっており、その気だるさと歌詞の辛辣さがグッときますね。2枚目に移って、C-1”Wrong’Em Boyo”もカバー曲で、オルガンとブラスが入っており、ご機嫌な曲ですが、ちょっと引っかかるかな? C-2やB-4はThe Clash節と言う感じで安心しますね。C-4”The Card Cheat”はピアノをフィーチャーした曲ですが、内容はギャンブルのことかな? D-4”Revolution Rock”もオルガンやブラスを入れたレゲエ調の曲でバッチリ締めていますと、思ったら、クレジットは無いですが、D-5として”Train In Vain”と言う曲が収録されてます。なおVoはMickですが、何となくこの曲には甘いMickの声が合うようです。と、まあ、聴き直してみて、パンクがどうのこうのと言うよりも、1970年代終わりにしっくりくる「ロック」アルバムなんだなあと感心しました。それまでのパンクのシンボル的な面からはみ出して、思いっ切り「ロック」を演ってみた、正に名作だと思います。勿論、その前の2枚のアルバムも良かったのは間違いないのですが。このアルバムは米国でも知名度が高まり、散々パンクをこけ降ろしてきた音楽雑誌にも高評価されています。それから、今まで書いていなかったんですが、The Clashほ左翼運動とも連携しており、特に当時の極右National Frontからは目の敵にされていました。また、Rock Against RacismやAnti-Nazi-Leagueと言った運動にも積極的に参加しています。また、彼等の歌詞には、「社会腐敗、失業問題、人種差別、警察の横暴、政治的・社会的抑圧」を盛り込み、当時の英国首相サッチャー氏の新自由主義に対して強烈な批判を加えていました。そう言う背景も知っていた方が歌詞を読む時に参考になりますよ。と言う訳で、また、機会があったら、このアルバムやこれの1年後にリリースされた3枚組も聴いてみようかな?と思いました。皆さんも是非、聴いてみて下さい! https://youtu.be/9Iw29qL-Kbo #TheClash #LondonCalling #Epic(CBS) #DoubleAlbum #Punk #Rock #LeftWing #RockAgainstRacism #Anti-Nazi-League #JoeStrummer #MickJones #PaulSimonon #TopperHeadon
Punk Epic (CBS) 不明Dr K2
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Wire “154”
以前にDomeのことを書きましたが、その前に本来なら、このWireを先に書くべきでした。本作品は国内盤も出ていたサードアルバム”154”です。WireのメンバーはColin Newman (Vo, G), Graham Lewis (B, Vo), Bruce Gilbert (G)とRobert Gotobed (Dr)の4人組で、1976年、ロンドンで結成。元々、彼等はUKパンク・シーンから出てきましたが、何かが違っていました。それで名言「ロックじゃなければ何でも良い」❗️が彼等から発せられたように、セカンドアルバム ”Chairs Missing”から既にポスト・パンクとも言える音楽を指向してきました。しかもシンプルな形で。その一つ完成形が,本作品”154”です(タイトルの数字はそれまで彼等が行ってきたギグの回数とのこと)。彼等の曲は初期はミニマル・ミュージックの様な単純な構造を持っており、それ故に、ハードコア・パンクへの影響も持っていましたが、本作品位になると、構造は比較的単純なのですが、ギター・エフェクターの使用やシンセの導入・アレンジにより、表現力は格段にぶち上がり、ダイナミックな音楽へと昇華されています。特に、プロデューサーでもあるMike Thornのシンセが大々的にフィーチャーされた本作品は素晴らしい出来栄えです。多分、1979年にこんな音楽をやっていたグループはいなかったでしょう。また,歌詞も抽象的でシュールなものが多く、ジャケもそっけない感じで、こんなパンクバンドいないだろ!と言う程です。後発に与えた影響も計り知れず、Big Black, Minor Thread, Minutemen, R.E.M., Elasticaなどが、カバーをしています。ただ、リリース元のEMIは彼等の音楽がコマーシャルではないとして、理解を示さなかったと、Colinは語っています。その為、カットアップされた曲から成るライブ・アルバム”Document and Eyewitness”をリリースして、1980年に一旦、解散します。BruceとGrahamはDomeとして、Colinはソロとして活動した後に、1985年〜1992年にかけて再結成しますが、この時の音楽は大々的にエレクトロニクスを取り入れたものとなります。この時期の1990年にRobertが脱退、バンド名の表記をWirとしています。一旦休止。1999年にRobertが復帰しますが、2008年の作品”Object 47”の辺りでBruce Gilbertが脱退し、その後、Matt Simmsが加入しています。そのメンツで今も活動を続けています。特にファーストから本作品までの3作は名盤なので、是非とも未聴な方は聴いてみてください。 https://youtu.be/gLh15kamjBs #Wire #154 #MikeThone #PostPunk #Surrealism
Post-Punk EMI 2500円Dr K2
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V.A. “東京ロッカーズ”
日本の所謂「パンク/ニューウェーブ」の中で.ライブ録音ながら、メジャーレーベルから発売されたレコードとしては最初のアルバムです。1979年3月11日に新宿ロフトでのライブ音源からのオムニバスで、参加グループはFriction, Mr.Kite, Lizard, Mirrors, S-Kenの5組です。 先ずは「Hello, Tokyo junkies」の挨拶で始まるFrictionは他のどんなバンドにも似ていなかった。「背中のコード」って何?と思ったりしたけれども、今から考えるとReck氏とチコ・ヒゲ氏はNo New Yorkを経験しているので、その文脈であったのだろうと。A面B面に1曲ずつ提供しているMr.Kiteは当時の私にはちょっと古くさい感じもしたのですが、それは日本のサイケの文脈で考えれば、「あり」だなと後になって気付きました。A面トリの2曲はLizard。私には、モモヨ氏の気合いの入ったVoよりも、私にはゴリゴリ弾きまくるWaka氏のBとメロディアスなKoh氏のシンセが良かった。一番「人気がありそう」なバンドと思いました。 B面最初の2曲は今でも現役で音楽活動を続けているヒゴ・ヒロシ氏がVo/DrのMirrors。シンプルな構築の曲ながら何故か惹かれる引力があったと思います。正直、カッコいいです。B面トリの3曲は田中唯士氏率いるS-Ken(その後、バンド名ではなく、田中氏自身のニックネームになる)。これも古臭い歌謡曲的な曲だなあと言うのが正直な感想です。ギターのノイジーな音色は気に入ってましたが、長髪だったのでイマイチだと思ってました。所謂、業界バンドではなかったのかな。 とまあ、色々書いてきましたが、この企画自体が、良くも悪くも日本の音楽業界によるものなんだろうなと思うのですが、これが国内盤として流通したこと自体が重要だったのでは?と思いつつ、田舎の高校生だった頃を懐かしんで聴いてます。 A1 Friction “せなかのコード” (3:03) A2 Friction “Cool Fool” (3:24) A3 Mr. Kite “Exit B-9” (4:23) A4 Lizard! “Robot Love” (2:09) A5 Lizard! “Requiem” (3:43) B1 Mirrors “Situation” (4:34) B2 Mirrors “Tokyoネットワーク” (4:45) B3 Mr. Kite “Innocent” (4:52) B4 S-Ken “Black Machine” (3:23) B5 S-Ken “ああ恋人 “~”おお揺れ! 東京” (3:46) https://youtu.be/YRtlQF7b0J0?si=dAlFxfYScbSYUAmk #VariousArtists #東京ロッカーズ #Friction #Mr.Kite #Lizard #Mirrors #S-Ken #Punk #NewWave #NoWave #歌謡曲 #CompilationAlbum #LiveRecording #ShinjukuLoft
Punk/New Wave CBS SONY 2500円?Dr K2
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Hugh Cornwell & Robert Williams “Nosferatu”
パンク・シーンの中から出てきたThe StranglersのVo/GのHugh CornwellとCaptain Beefheart & the Magic BandのDrであるRobert Williamsのコラボアルバム。Hughに言わせると「この作品は恐怖を意図して作製した」とのこと。恐らくは彼は、そのコンセプトで、様々な恐怖をテーマにして、曲を書いていたと思われますが、Robertの超絶技巧の変拍子ドラムやThe Mothers of InventionのIan Underwoodの活躍、Ian DuryやDevoのMark Mothersbaughの参加も大きい。当初は、Hughのファースト・ソロと言うふれ込みでしたが、蓋を開けたら、協作であったと言う訳です。因みに、A面にはCreamの名曲”White Room”のカバーが収録されています。(Hughは「自分の方がより色んな意味を含ませることができる」と言ってたらしいです。) 私は当時は田舎の高校生で、The Stranglersの大ファンだったし、国内盤も出ていたので、即ゲットし、ずっと聴いていました。そんな思い出のアルバム。捨て曲無しですね。 A1 “Nosferatu” (1:43) A2 “Losers In A Lost Land” (4:27) A3 “White Room”’(3:52) A4 “Irate Caterpillar” (5:00) A5 “Rhythmic Itch” (2:11) B1 “Wired” (3:05) B2 “Big Bug” (5:32) B3 “Mothra” (3:13) B4 “Wrong Way Round” (5:01) B5 “Puppets” (2:33) https://youtu.be/68nka_Y1d7o?si=YOfLlbszQmUCIFSv #HughCornwell #RobertWilliams #Nosferatu #Stranglers #MothersOfInvention #WhiteRoom #UnitedArtistsRecords #FirstSoloAlbum
Alternative, New Wave UNITED ARTISTS Records 2500円Dr K2
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Ultravox! “Ultravox!”
Ultravox!は1973年に英国ロンドンで、その前身であるTiger Lilly して結成され、翌年、改名し、1974-1979年はVoにJohn Foxxがフロントマンを兼ねて在籍、その後はVo/GにMidge Ureが加入しました。本作は1977年にリリースされた、彼等のファーストアルバムであります。プロデュースには自分達とSteve Lillywhiteが、スタジオアシスタントにはBrian Enoが担当。骨太でタイトなリズム隊、効果的なシンセとヴァイオリン、控えめだが決める時は決めるカッコいいギター、そして最高にカッコ良いJohn Foxxのヴォーカル。全ては完璧だ!その中でも”I want to be a machine”や”The wild, the beautiful and the damnedなど名曲揃いです。最初の3枚のアルバムは日本盤は出ていませんでしたので、私は御茶ノ水のディスクユニオンで購入し、愛聴していました。名盤ですね。因みに、この時期のメンバーは、John Foxx (Vo), Stevie Shears (G), Billy Currie (Vln, Kbd), Chris Cross (B, Back-Vo), Warren Cann (Drs, Back-Vo)です。 A1 “Night In The City Of The Dead” (2:34) A2 “Life At Rainbow's End (For All The Tax Exiles On Main Street)” (3:42) A3 “Slip Away” (4:12) A4 “I Want To Be A Machine” (7:20) B1 “Wide Boys” (3:15) B2 “Dangerous Rhythm” (4:16) B3 “The Lonely Hunter” (3:44) B4 “The Wild, The Beautiful & The Damned” (5:49) B5 “My Sex” (2:59) [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLP59Fs_hB7C0iM7byPUu-82C2Mjemsmj3 A4 “I Want To Be A Machine” (7:20) https://youtu.be/Dww4xFXWEek?si=PXgDPUmt7zLnqmz9 #Ultravox! #Self-Titled #IslandRecords #NewWave #Punk #FirstAlbum #JohnFoxx #StevieShears #BillyCurrie #ChrisCross #WarrenCann #TigerLilly
NEW WAVE Island Records 不明Dr K2