-
Mixed Band Philanthropist ”The Impossible Humane”
もう古典と言っても良いかと思われる、TNB (The New Blockaders)のRichard Rupenusが率いたノイズ・ユニットMixed Band Philanthropist (以下MBPと表記)の再発ファースト・アルバムを紹介します。元々は独逸屈指の実験音楽/ノイズ・レーベルSelektionからリリースされた作品で、その後、Siren Records(日)よりCDで、更にHypnagogia (英)よりカセットで再発されていますが、ヴァイナルとしては初の再発ですね。この時点のMBPのメンバーは、上記のRichard Rupenusの他に、Douglas LucasとK. Jamesonの3人からなります。その後は、後者2人は抜けて、Allan ZaneとStan Reedが加入していますが、MBP自体、単発のユニットであったみたいで、単独作品は本作品とHypnagogiaからリリースされたシングルのみです。と言う訳で、オリジナルほ高価で取引されていますので、この再発はリスナーには大変嬉しいですね。MBPのコンセプトは、世界中のノイズ・グループやミュージシャンからの音源を集めて、それらを高速ジューサー・ミキサーで撹拌して、別の曲として成立させると言うもので、参加者は、A.O.T., Andrew Chalk, Architects Office, Asmus Tietchens, Bird Cage Walk, Controlled Bleeding, Dada Duo, Dan Froberg, Giancarlo Toniutti, H.N.A.S., Lorelei N. Schmidt, Manon, Merzbow, Mieses Gegonge, Mystery Hearsay, Nihilist Assault Group, Nurse With Wound, Orchestra Of The Obvious, Organum, P16.D4, Penis Art, Peter Catham, Swimming Behavior Of The Human Infant, Smegma, Sperm Culture, The Haters, New Blockaders, The Noise Perverts, Tom Recchion, Verdenskang, Vittore Baroni, Vortex Campaign, Etant Donnesとその手の実験音楽/ノイズ・グループ/ミュージシャンがほぼ網羅されていると言っても過言ではないでしょうか。また、今回の再発盤では、A1としてシングル曲”The Man Who Mistook A Real Woman For His Muse And Acted Accordingly”が、B5として”Bad Alchemy No5”コンピ収録曲で、シングルとしても再発されていた曲が含まれており、お得感があります。内容は前述しましたように、とにかく音楽/非音楽関わらず、高速で攪拌されて、繋ぎ合わされた音の連なりが物凄いスピードで展開されています。しかも、それらの再生速度も高速だったりして、曲の切れ目もよく分からないくらいです。もう難解を通り越して、ユーモラスですら感じる出来栄えで、思わず口をあんぐり開けている前に聴き終わる程のスピード感ですね。元々、Selektionからリリースされたことを考えて、P16.D4の”Distruct”と同様のコンセプトで作られたのだはないかとも思われますが、何せ、スピード感が違うので、もう何と言うかナンセンスの極み(ここら辺はRupenusの狙ったところでしようね)です。そんな内容ですが、本作品の高速コラージュは一聴に値すると思われますので、是非、この機会に体験してみて下さい❗️ https://youtu.be/C_x735iflf0 #MixedBandPhilanthropist #TheImpossibleHumane #Staubgold #Selektion #Reissue #RichardRupenus #DouglasLucas #K.Jameson #Collage #Experimental #CollaborationThroughTheMail #1987 #高速コラージュ #TheManWhoMistookARealWomanForHisMuseAndActedAccordingly
Noise / Experimental Staubgold (Selektion) MDr K2
-
Monika Werkstatt, Mania D, Malaria! & Matador “M Sessions”
これは凄いブツです!NDW期に活動していた女性アーティストGudrun GutとBeate Bartelの2人が中心になって、自分達の在籍してたバンドMania D, Malaria!そしてMatadorの曲をセルフアレンジしたり、Monika Werkstattにアレンジさせたり、また、レアトラックをコンパイルしたりした、マニアが涎を出して喜びそうな2枚組です。ちょっとだけ、そこら辺のバイオグラフィーの整理をしておきましょう。Mania Dは女性4人組のバンドで、1979年-1980年位にベルリンで活動していたのですが、このメンバーにGudrun GutとBeate Bartelが在籍していました。このバンドは短命で、彼女ら2人の内Gudrun GutはBettina Kösterを誘って、1981年にMalaria!を結成します。メンバーはKarin Luner, Eva Gossling (後にDie Kruppsに入る)と(Liaisons Dangereusesのメンバーでもあった)Beate Bartelの4人がメインメンバーでしたが、他にもManon P. Duursma, Christine Hahnや後にDie Hautに加入するSusanne Kuhnkeもいました。Malaria!は基本的には電子実験ロック的な指向を持ったバンドで、1993年まで活動しています。一方で、Beate Bartel, Manon P. Duursma, Gudrun Gutは1984年から1991年頃にMatadorと言うバンドでも活動しています。ここら辺のバンドの関係はややこしいのですが、基本、Beate BartelとGudrun Gutが中心になって音楽活動を続けていたと考えて貰えれば良いかと思うます。 それで本作品ですが、LP1のA面はAGF, Annika Henderson, Beate Bartel, Gudrun Gut, Islaja, Lucrecia Dalt, Midori Hirano, Mommo G, Natalie Berifze, Pilocka Krach, Sonaeらが色んな組合せで参加して、Monika Werkstattsのアレンジで、Mania DやMalaria!, Matadorの曲をカバーすると言う内容で、B面はそのライブ・ヴァージョンになってます。LP2の方のA面はBeate Bartel, Bettina Köster, Gudrun Gut及びManson P. Duursmaが監修して、Mania D, Malaria!, Matadorのレアな曲をコンパイルした内容になっています。そしてB面はそのライブ・ヴァージョンを集めたものとなっています。個人的にはLP1のB面のライブ録音が一番面白かったですね。ライブカセット録音みたいな荒い音の粒子の放出が感じられらところが、如何にも自主制作っぽくて来てます。しかし、こんな企画、よくやり遂げたなと感心してしまいます。Mania Dが聴けるなんて、凄いですよ!そんな訳で、女性だらけの演奏・アレンジ・監修で作られた2枚組です。機会があったら、是非とも聴いてみて下さい! Malaria! “You You” https://youtu.be/HPlW2RXuNhM Matador “Schreiender Tag” https://youtu.be/VAHB873LQv4 Mania D “Kinderfunk” https://youtu.be/VAHB873LQv4 Monika Werkstatt “I Will Be Your Only Ono”(Malaria!) https://youtu.be/o2Ph-xD0daQ #BeateBartel #GudrunGut #ManiaD #Malaria! #Matador #MonikaWerkstatt #MonikaEnterprise #MoabitMusik #SelfCover #RareTrack #LiveTrack #StudioTrack
Neue Deutche Welle (German New Wave) Monika Enterprise/Moabit Musik MDr K2