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19 “Sound Track”
日本が世界に誇る実験バンド19 (Juke)の4枚目アルバムにして最終作(実はその後1987年にもCDが1枚出ている) “Sound Track”の登場です。これも湯浅学氏の円盤からの再発盤となります。もうバイオグラフィーとして書くこともありませんのでーー大竹伸朗氏のその後の活躍は各自調べてくださいーーここでは省略させて頂きます。サードアルバム”Pieces”での音楽性の大きな転換の後にリリースされた本作品は、2枚目までのロックのフォーマットと反復/ズレ/ループ音からなる作業的フォーマットが結果的に両方とも上手く取り入れられた方法で作られているようです。そう言う意味では、19のメンバー達としては一つの「完成形=行き着いた先」だったのかも知れません(勿論、これが大竹氏の想定していた完成形とは言いませんが)。このレコードを大竹氏は「風景をテーマにしたポップス」と評しています、正直、私にはこの言説に諸手を挙げての大賛成とは言えませんでしたが、楽器や非楽器を使い、それを「曲」に落とし込んだのが、ポピュラリティーだったのかも知れません。曲も前作とは異なり、3分程度のものが殆どで、ちゃんとタイトルも付いている点も、一種の「ポップス」なのかも知れませんが、これは必然であったと想像します。音的には、割とハッキリとした反復ビートを刻むドラムとそれと関係する/無関係な反復をする楽器/非楽器音の演奏からなっており、個人的にはDomeの一連の作品を思い浮かべました。しかし、Domeがインダストリアルなマテリアリズム志向でしたが、本作品は確かにマテリアリズムも感じるのですが、「音楽」のフォーマットに戻った部分もあるように思えます。それが「風景をテーマにしたポップな」かどうかは良く分かりませんが、、、。。音としてはかなり制御された印象をうけますので、19 (Juke)初心者の方でも聴き易い作品かも知れませんね。この機会に是非とも購入して聴いてみて下さい❗️ B面 https://youtu.be/a9Bcz2h68Pw #19 #Juke #SoundTrack #Enban #Reissue #SpecialPackage #Experimental #Music #Noise #Pops #ShinroOhtake #TakijiNomoto #ToshiakiTohyana #YokoOhta #FinalAlbum #Repetition #Drums #Guitar #Bass #Violin #Tapes
Experimental Music, Noise Enban (self release) 5000円Dr K2
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Dome “Dome 1”
やっと見つけました。WireのBruce C. GilbertとGraham Lewisが1980年に作った実験的ユニットDomeとしての最初のアルバム”Dome 1”です。WireやDomeについては既に紹介していますので、そちらを参考にして下さい。Domeについては、少し補足をしていきます。Wireが分裂した後、1980年にB.C. Gilbert and G. Lewis名義で、アルバム”3R4”をリリース、更には翌年に、Cupol名義で、EP”Like This for Ages”を4ADからリリースしたことが、Domeの結成や活動のキッカケになっているようです。また、美術家Russel Millsとのトリオで、アルバム”MZUI”を1982年にもリリースしており、ますますDomeとしての活動のモチベーションが上がっていったようです。1983年には、Duet Emmo (“Dome”と”Mute”のアナグラム)名義で、Mute RecordsのDaniel Millerとの共作アルバム”Will You Speak This Word”を”Dome 4”扱いでリリースしています。そして、1984年にWireが再始動した後も、Domeとしては解散はせず、1988年には後期過去作品を集めたアルバム”Yclept”もWMOからリリースしています。 それで、本作品”Dome 1”の内容ですが、その後”Dome 3”で最高傑作となる彼等の音楽の「核」となる部分を感じさせられます。Bruce C. GilbertとGraham Lewisは共にVoice, G, B, Perc, Tapesを担当し、更にGilbertはDrs、LewisはSynthも担当しています。また一曲、ゲストにA.C.M.ことAngela Conwayも参加しています。ここでは、2人は、”Dome 3”で開花する抽象的な音楽には到達はしていないものの、所々にその萌芽を認めるところがあります。独特のエフェクトを掛けたギターやベースの音を「単なる音」として無慈悲に使う様は既にインダストリアルな響きを持っています。そんな中で、A2 “Cruel When Complete”でのA.C.M.の女性Voは、返って天使の歌のように聞こえます。まだ歌詞があり、ヴォーカルもある曲が多いので、それ程の抽象性はありませんが、それでも、楽器音に対する冷徹な使用方法は充分に感じられます。そんな萌芽的作品ですが、ここから、Domeの真髄を読み解いていくと面白いかもしれませんね。もし、聴く機会があれば、ぜひともここから聴いて、”Dome 2”, “Dome 3”と聴き比べてはどうでしょうか? A1 “Cancel Your Order” (2:12) A2 “Cruel When Complete” (3:15) A3 “And Then...” (4:15) A4 “Here We Go” (3:04) A5 “Rolling Upon My Day” (3:40) B1 “Say Again” (3:30) B2 “Linasixup” (3:10) B3 “Airmail” (3:22) B4 “Ampnoise” (4:17) B5 “Madmen” (3:29) A5 “Rolling Upon My Day” https://youtu.be/4U_EZpWJ9Js?si=GIrfUmSyybc__ajM [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLprjTk8nvd1aBMlW-fWa25wh9RtQtoBCf #Dome #Dome1 #DomeRecords #Wire #BruceC.Gilbert #GrahamLewis #A.C.M. #Industrial #Experimental #AbstractMusic #Voice #Guitar #Bass #Percussions #Tapes #Drums #Synthesizers
Experimental music Dome Records 5000円Dr K2
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Chrome “Alien Soundtracks”
お久しぶりです!Chrome先輩❗️と言う訳で、また出ましたChromeのセカンド・アルバム”Alien Soundtracks”をご紹介しましょう。Chromeのバイオグラフィーは以前に書いているので、そちらを参考にして下さい。この時のメンバーはDamon Edge (Dr, Synth [Moog], Electric Waterphone, Effects), Helios Creed (E-G, Vo, B, Electronics)に加えてGary Spain (B, E-Vln, Glass), John Lambdin (E-G, A-G, E-Vln, B)も参加しています。元々はDamon自身のレーベルSiren Recordsから1977年に出していたのですが、私が持っているのは、1989年に独逸のDossierがリイシューしたものです。なので、ジャケも色違いで、盤もクリア盤になってます。音の方は、もうぶっ壊れた異形のアシッド・ガレージ・サウンドですね。ここに収められている音楽は、否が応にも西海岸の「闇」を感じさせます。この路線は次のサード・アルバム”Half Machine Lip Moves”に結実する訳ですが、その萌芽がもう見えてますね。雑なドラム、エフェクト掛けまくりのギターやヴォーカル。全てが「ぶっ壊れています」。曲の逆回転やコラージュも既に聴くことが可能です。ある意味、極彩色なサイケデリックでもありますね。しかしながら、Chromeの2人、目つき悪いなあ!これは、日本なら職質モノですね。そんなChromeのぶっ壊れた音楽を聴いてみませんか?目つき悪くなりますよ(嘘)。因みに、本作品はある映画のサントラとして作られましたが、映画の方がまだ何もしていなかったとか。 https://youtu.be/FG_0R5r3ofk #Chrome #AlienSoundtracks #SirenRecords #Dossier #Psychedelic #Acid #GarageRock #DamonEdge #HeliosCreed #CyberPunk
Alternative Rock Dossier (Siren Records) 5000円Dr K2