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Peter Baumann “Trans Harmonic Nights”
元Tangerine Dream (1971年〜1977年間在籍)のシンセ奏者で、プロデュースや作曲も手掛けるPeter Baumannのソロアルバム第二弾”Trans Harmonic Nights”を今回はご紹介します。彼のバイオグラフィーは前回、書きましたので、今回は省略させて頂きます。今回のソロアルバムでは、Peter Baumann以外に、Wolfgang Thierfeldt (Drs)とBernhard Jobski (Horn)がゲスト参加しています。録音・制作は、Berlinにある彼自身のスタジオParagon Studioで行われていますが、ここは、Conrad Schnitzler先生も良く利用していますね。Baumannのセカンドは、両面4曲ずつ収録されています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “This Day” (5:10)では、徐々に立ち上がるシーケンスとキックに柔らかなGとシンセが次第に絡んで、更にはVocoder-Voまで挿入され、またGも!何とも落ち着いた雰囲気の曲になっています。 ★A2 “White Bench And Black Beach” (5:30)も、落ち着いたリズム隊(ドラムマシン?)に、簡素なシンセによるメロディと思っていたら、劇的に生Drsとピアノとシンセによって躍動感ある曲へと変化します。 ★A3 “Chasing The Dream” (4:34)も、可愛らしいシーケンスに合わせて、笛のようなシンセがメロディを取っていき、やがて説得力のある強い電子音の合奏になります。Gもメロディを奏でています。 ★A4 “Biking Up The Strand” (2:26)は、3拍子の電子ワルツで、Vocoder-Voもシンセと共に歌っています。何とも優雅で落ち着いた曲調です。 ★B1 “Phaseday” (5:50)は、簡素なシーケンスとキックとシンプルなメロディで始まるドリーミーな曲ですが、途中のDrsとVocoder-Voが良いスパイスになっています。電子音の優しさに溢れています。 ★B2 “Meridian Moorland” (4:34)は、跳ねるような軽めのマシンリズムとシーケンスと簡素なシンセで始まります。途中の生Drsで一旦雰囲気は変わりますが、やがて元に戻ります。 ★B3 “The Third Site” (5:10)では、元気一杯のリズム隊とシーケンスに、勇ましささえ感じるシンセのメロディが乗ってきます。途中ピコる部分やDrsとかVoをパンする場面もありますが、最終的には、中々勇壮な曲に仕上がっています。 ★B4 “Dance At Dawn” (4:02)は、Drsとホーンによるイントロ後、細かいシーケンスや波状のシンセ、コーラスなんかで静かに盛り上がります。特にマーチングDrsが効いています。インスト曲故に、次々とメロディやリフが出てきて、バラエティーに飛んだ曲となっています。 セカンド・ソロアルバムは、前作B面とは変わり、再び、電子音楽系クラウトロックに戻って、生楽器(特にDrs)も効果的に使っているようで、Tangerine Dream以来のファンとしては嬉しい限りです。相対的に柔らかな曲が多いですが、シーケンスやドラムマシンも多用しており、個人的には、大いに楽しめました。Peter Baumannは、やっぱり、この路線で行って欲しいです。前回はNew Age云々と言っていましたが、本作品ではまだそこまでの抽象性はなく、程良いメロディラインが堪能できることもプラス10点ですね。そんな彼のソロアルバムは本当に心地良い音楽に満ち満ちていますので、聴かない手はないですよ! A3 “Chasing The Dream” (4:34) https://youtu.be/C6LuKLwMkN4?si=CTxkKZalG22bbro- [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLUxYysXweZEzXqWInwg2yTYS4HBq1EYFv&si=GZq-jtwKbVG5gJ9a #PeterBaumann #TransHarmonicNights #VirginRecords #2ndAlbum #SoloAlbum #TangerineDream #Krautrock #Electronic #Synthesizers #Sequencer #Horn #Drums #Guests #WolfgangThierfeldt #BernhardJobski
Krautrock / Electronic Virgin Records 880円Dr K2
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XTC “Drums And Wires””
そう言えば、XTCの初期のアルバムは集めてたなと思って発掘しました。4枚目のスタジオ・アルバム”Drums And Wires”を今回はご紹介します。ある意味、ごく初期のテクノポップをやっていたXTCから、英国的ポップ・ミュージックの道に進路転換した作品でもありますね。と言うのも、Barry Andrews (Kbd)が脱退して、Kbdも弾けるギタリストDave Gregoryが加入したからです。つまり、Kbd奏者を代わりに入れてテクノポップを進化させるのではなく、ギタリスト兼Kbd奏者を加入させることで、よりテクノポップの文脈から逸脱しようとしたからです。そう言う背景で制作された、最初のアルバムが、この”Drums And Wires”です(アルバム・タイトルも洒落が効いてますね(要するにバンドってことかな?)。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “Making Plans For Nigel” (4:13)は、シングルカットもされた名曲で、細部にまでエフェクトや音色に注意が払われており、正にポップスの極み! ★A2 “Helicopter” (3:54)も、少し奇妙な転調や譜割りもしますが、軽快なビートに乗せたPartridgeのセンスが光ります。 ★A3 “Life Begins At The Hop” (3:45)は、次のアルバム”Black Sea”に繋がることを予見させるようなメロディラインがワクワクさせてくれる曲です。コーラスも完璧! ★A4 “When You're Near Me I Have Difficulty” (3:20)は、何処かセカンド”Go2”からの作風を引っ張っていますが、それ程、専属Kbdが居ないことを意識させないです。 ★A5 “Ten Feet Tall” (3:12)は、この頃の彼等にしては珍しく、アコギを使ったソフトなポップネス全開な曲で、間奏のGやサビのコーラスも絶妙!染みるなぁ。 ★A6 “Roads Girdle The Globe” (5:11)は、結構大胆な音作りで、Drsの録り方にも一工夫施されています。ちょっとだけ使われているシンセとかがボディブローのように効果的に効いてきます。 ★B1 “Real By Reel” (3:46)でも、効果的なシンセと強力なDrsが活きているポップ・ソングです。やはり”Black Sea”への布石のような曲調。 ★B2 “Millions” (5:37)では、ややファットなBに、2本のGが上手く絡み合っている曲で、ちょっと実験的なスパイスも感じられる。最後の絡みは意外だった! ★B3 “That Is The Way” (2:56)は、ちょっと変わった構成から成る曲で、ハワイアンのようなスライドGや、はたまた間奏のトランペットが活かしています。 ★B4 “Outside World” (2:40)は、アップテンポで、元気一杯な曲で、少しだけだが、パンクっぽいけれど、ポップネスは保持しています。 ★B5 “Scissor Man” (3:59)も、ひと癖のある曲調ですが、上手くポップソングに昇華していますし、それが故に、唯一無比です。サビのDrsは彼等しか思いつかないなと思う。また、ダブ的なミックスも光る❗️ ★B6 “Complicated Game” (4:53)は、出だしからしてやや実験的だが、いざ本番の演奏が始まると、Partridge節のVo(段々とエコーが深くなっていく)が炸裂します。 個人的には、PartridgeのVoよりもMouldingのVoの方が好きなので、自ずと後者の曲の方に魅了される訳ですが、それでも、XTCのキモは、2人の作曲能力とかアレンジ能力とかが見事な化学反応を起こすことで、独自のポップネスを手に入れていることだと思います。過渡期的作品ですが、だからこそ、皆さんにも一度は聴いて頂きたいアルバムです‼️あと、”XTC節”みたいな曲調がビシビシ感じられて、その点も良いですねー! “Sleepyheads” (Outtake) https://youtu.be/HrQ7G5hPf-M?si=lLjHcA2Ea-TSIBjQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kNh7p2arge_vvDWZ0BWeG7Bn2A32t4zKQ&si=o4qXUTv1ecD_KoOH #XTC #DrumsAndWires #VirginRecords #4ThAlbum #PopMusic #NewWave #BritishRock #AndyPartridge #ColinMoulding #TerryChambers #DaveGregory #GuitarAndKeyboards #脱TechnoPop
Pop, New Wave Virgin Records 不明Dr K2
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Rip Rig + Panic “You’re My Kind Of Climate”
T畑さんに教えてもらって、ヤフオクで速攻ポチりました。Rip Rig + Panicの12㌅EP”You’re My Kind Of Climate”です。Rip Rig + Panicについては、既に紹介したありますので、バイオグラフィーはそちらをご参照ください。このEPは彼等の3枚目のEPになります。一応、この時のメンバーだけ書いておきます。先ず、バンドのメンバーとしては、Neneh Cherry (Lead-Vo), Sean Oliver (B), Gareth Sager (G, Piano), Bruce Smith (Drs, Perc), Mark Springer (Piano)の5名で、ゲストとして、David Defries (Trumpet), Giles Leaman (additional Drs/ Perc), Jez Parfitt (Baritone Sax), Steve Noble (additional Drs/Perc), Sarah Sarahandi (Viola), Alf Waite (Trombone), Dave "Flash" Wright (Tenor Sax)も参加しています。両面1曲ずつ収録されていますが、A面は、弾けるような、それでいて、ファンクともジャズともましてやロックともカテゴライズ不可能で、しかもダンサブルでフリーな曲が収録されています。しかもドラム3人も叩いているので、リズムも重いです。一方、B面はピアノの弾き語りと言えば、聞こえはいいですが、Gareth Sagerかな?Mark Springerかな?もうリリカルなメロディからフリーキーなトーンまで、あらゆる奏法を駆使して、そこに時々、合いの手のように男性の声が入ると言う、A面とはまた違った素晴らしい出来栄えになっています。何度でも聴きたくなりますね。多分、アルバム”I Am Cold”の後に出たタイミングだとは思いますが、とにかく凄まじい内容ですので、爆音で聴いてみて下さい‼️ これが1982年の曲ですからね、ビックリですよ❗️ A面 “You’re My Kind Of Climate” https://youtu.be/W4VXo4gu2Vk?si=MywzGzzBGE1TEVRN B面 “She Gets So Hungry At Night She Eats Her Jewellery” https://youtu.be/a1kPf_65yvQ?si=IR9q5YURWI2dveA- #RipRig+Panic #You’reMyKindOfClimate #SheGetsSoHungryAtNightSheEatsHerJewellery #VirginRecords #12inchEP #3rdEP #Funk #Jazz #Avant-Garde #FreeMusic #Piano弾き語り #NenehCherry #SeanOliver #GarethSager #BruceSmith #MarkSpringer
Post Punk / Funk / Avant-Garde Virgin Records 1300円Dr K2
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B.E F. “Music Of Quality And Distinction (Volume One)”
前回、紹介しましたB.E.F. (British Electric Foundation)のヤドカリ・カバー・・シリーズ第一弾”Music Of Quality And Distinctions (Volume One)”を紹介します。「ヤドカリ・カバー」と言ったのは、バックはMartyn Ware(とIan Craig Marsh)がほぼ全曲関係しているのですが、ヴォーカルが全曲違うと言うことで、全曲、ポップミュージックのクラシックのカバーを収めているからです。B.E.F.のバイオグラフィーについては前回、書いてありますので、そちらをご覧下さい。これは、B.E.F.のアルバムですが、レーベル側のVirgin RecordsではVarious Artists扱いになっており、その為、ヒットはしましたが、儲けたのは、Virgin Recordsだけでした。両面5曲ずつ収録されていますので、それぞれ紹介していきたいと思います。A1は、Tina Turnerを迎えての“Ball Of Confusion”で、Turnerの強烈にソウルフルな歌とバックのB.E.F.の2人のシンセ音とシーケンスに加えて、Nevil 'Breeze' McKreith (G), John McGeoch (G), Paul Jones (Harmonica), David 'Baps' Baptiste (Sax), Nathaniel 'Nat' Augustin (Trombone), Canute 'Kenny' Wellington (Trumpet)から成る、管楽器隊がこれまたゴージャスな雰囲気に仕上がっています。A2はBilly MacKenzieが歌う”The Secret Life Of Arabia”で、The AssociatesのMcKenzieの割と中性的なヴォーカルとJo Dworniak (B), Martyn Ware (Drum Machine [Linn Drum], Vocoder), Nevil 'Breeze' McKreith (G)によるむせかえるようなソウルがピッタリです。リズムも重く、ファンキーなベースも聴取できます。A3は、Paul Jonesを迎えての”There's A Ghost In My House”で、Martyn Ware (Linn Drum, Synth, Vocoder)1人でバックを担当しており、軽快なリズムに乗って、Manfred MannのヴォーカルJonesが活き活きと歌っています。正に、ポップの王道です。A4はPaula Yatesが歌う”These Boots Are Made For Walking”で、バックをThe Nancy Boys (Back-Vo), Jo Dworniak (ダブルB), Martyn Ware (Linn Drum, Synth). Ian Craig Marsh (Synth), Nevil 'Breeze' McKreith (G), David 'Baps' Baptiste (Sax). Jake (Trombone), Canute 'Kenny' Wellington (Trumpet)で固めて、The Boomtown RatsのBob Geldofの妻であるYatesが、ロリータ・ヴォーカルで可愛らしく歌っており、少しだけジャジーテイストがあるポップスに仕上がっています。A5はGary Glitterの”Suspicious Minds”で、バックをJohn Springate (B), Tony Leonard (Drs), Gerry Shepherd (G), Brian Jones (Sax)及びGerry Shepherd, John Springate, Martyn Wareの3人がBack-Voを努め、1970年代グラムロック・シンガーのGlitterがやや陽キャな雰囲気で歌っていますが、これはB.E.F.とは殆ど関係ないですね。それでB面に行きます。B1はBernie Nolanの”You Keep Me Hanging On”では、バックをJohn Wilson (B), Martyn Ware (Linn Drum, Synth), Nick Plytas (Piano)で、The NolansのBernie Nolanがコケティツシュな歌声で歌う、この曲はキャッチーです。B2はHeaven 17のVoでもあるGlenn Gregoryの”Wichita Lineman”で、バックはやはり、Ian Craig Marsh (Linn Drum, Synth, Sequencer, Sax), Martyn Ware (Linn Drum, Synth)に加えてDavid Lockwood (A-G)とGlenn Gregory自身もSaxで参加しており、実質、Heaven 17なんですが、より落ち着いた雰囲気のラウンジ・ミュージックになっています。Saxとアコギの絡みが良いです。B3はSandie Shawを迎えての”Anyone Who Had A Heart”で、バックは、David 'Baps' Baptiste (Sax), Camelle Hinds (B), Martyn Ware (Linn Drum, Bass-Piano, Vocoder, Synth), Nick Plytas (Piano), Hank Marvin (G)で、有名英国歌手のSandie Shawが歌い上げ、生ピやSaxにはメジャーなアレンジがなされています。一方、Linn Drumのプログラミングも秀逸です。B4もまたGlenn Gregoryで、Lou Reedの曲”Perfect Day”を歌い、バックはNick Plytas (Piano), Martyn Ware (Synth, Simmons Drum Machine)となっており、Gregoryはスローバラードをしっとりと歌っています。生ベースのようなシンセ音が凄いです。B5も再びBilly MacKenzieで、”It's Over”を、John Foxx (A-G), John Barker (Arrange), Jo Dworniak (B), Glyn Perrin (Cello), Martyn Ware (Linn Drum), Jonathan Williams (French Horn), Hank Marvin (G), Helen Tunstall (Harp), Simon Limbrick (Trumpet, Castanets)及びA.W. Thorpe, Steve Jones, Vicky Aspinallの3人のVlnから成る豪華なオーケストラで歌っています。MacKnzieは中性的な朗々とした力強い歌声をバックの弦楽器と共に聴かせてくれます。 それで、思ったのは、始め、B.E.F.つまり、WareとMarshの2人だけがバックを務めていたのかと思っていたんですが、各曲にそれぞれのミュージシャンを集めて、かつWareだけが関わっていれば良いと言う暗黙の了解となっているのかなと思って、ちょっと意外でした。個人的には、普段、余りこの手の曲を聴かないので、その分楽しめました。皆さんも楽しんで下さい❗️ B.E.F. W/ Glen Matlock “Pretty Vacant” (live) https://youtu.be/MjkwLNbKJd8 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLkQw-xtcHMYQ4fqUOhgBpqKZnaZvaDST4 #B.E.F. #BritishElectricFoundation #MusicOfQualityAndDistinction(VolumeOne) #VirginRecords #PopMusic #BritishPops #GuestVocals #MartynWare #IanCraigMarsh #TinaTurner #BillyMacKenzie #PaulJones #PaulaYates #GaryGlitter #BernieNolan #GlennGregory #SandieShaw
Electronic Pop Virgin Records 不明Dr K2
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Holger Czukay “Rome Remains Rome”
また、出ました!今回は、元CanのHolger Czukayの7枚目のソロアルバム”Rome Remains Rome”をご紹介します。Czukayについてのバイオグラフィーは既に書いてありますので、そちらをご参照ください。今回の参加者は、Holger Czukay (G, Organ, ABS-B, Frech Horn, Vo, Synth, Radio)に加えて、CanのバンドメイトであったJaki Liebezeit (Drs, Trumpet, Piano, Perc)とMichael Karoli (G)、更にSheldon ‘Kelly’ Ancel (Vo), Jah Wobble (Vo, B), Olli Marland (G, Piano)から成ります。本作品では、A面B面共3曲ずつ収録されています。今回の作品は、今までのミュージック・コンクレート風のRadio Paintingによる音の実験よりも、曲自体のユーモアや面白さなんかが前面に出ているように聴こえます(それでも、実験的なエディットやミックスはやっているのですが、、、)。言葉遊びのような曲名を付けたり歌ったり、少年少女合唱団らしきコーラスをそのまま曲に当てはめたりと、遊び心が満載です。またエスノな要素も入ってきており、時代を感じさせます。A1 “Hey Baba Reebop”は一聴、陽気な曲ですが、この曲はCanの後期メンバーであったRebop Kwaku Baahへのレクイエムらしいです。A2 “Blessed Easter”は先述のように、既存の合唱団のコーラスを曲に乗せているような実験エスノな曲で、CzukayのRadio Paintingの技が光ります。A3 “Sudetenland”もエスノ色の強い曲で、Liebezeitの超絶ドラムとCzukayのエディットが冴えています。B1 “Hit Hit Flop Flop”もかなりエスノ色が強く、躍動感のある曲で、バックで意味の無い歌詞を歌っています。B2 “Perfect World”は洒落た地中海風の楽曲ですが、KaroliのギターとCzukayのシンセそしてヴォーカルの絡みが凄いです。B3 “Music In The Air”は少しジャジーなしっとりした曲で、これでアルバムを締めています。今までの路線とはちょっと異なった印象ですが、しっかりCzukayしていますので、ご安心下さい。と言うか、今まで以上に聴き易いので、是非とも皆さんも、聴いてみてね❗️ A1 “Hey Baba Reebop” (3:53) A2 “Blessed Easter” (8:51) A3 “Sudetenland” (7:22) B1 “Hit Hit Flop Flop” (3:34) B2 “Perfect World” (10:33) B3 “Music In The Air” (5:13) https://youtu.be/ljbLpEMjBxs?si=pc17HsJS15Guohya #HolgerCzukay #RomeRemainesRome #VirginRecords #SoloAlbum #Ethno #Experimental #PopMusic #JakiLiebezeit #MichaelKaroli #Sheldon‘Kelly’Ancel #JahWobble #OlliMarland #RadioPainting #RebopKwakuBaah
Experimental Pop Virgin Records 3500円Dr K2
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The Motors “1”
皆んな、覚えていますか? The Motorsを! 元々は、パブロック・バンドDucks Deluxeをやっていた Nick Garvey (G, Vo)が、1975年初頭にこのバンドを脱退し、後にWireのドラマーとなるRobert Gotobed(Vo)とThe Snakes with Slaughterなるバンドをやっていましたが、シングル1枚だけ出して解散してしまいます。そこで、マネージャーの案で、彼は、1977年1月に、元のバンドメイトでもあるAndy McMaster (B, Kbd, Vo)を誘い、更に、Rob Hendry (G, Vo) とRicky Slaughter (Drs, Vo)とで、The Motorsを結成します。ただ、同年5月には、Rob Hendryの代わりに、Bram Tchaikovsky (G, Vo)が加入します。1977年3月には、彼等はMarquee Clubでライブ・デビューをしており、更に、同年12月にはJohn Peelのラジオ番組BBC Radio 1で、彼等の持ち歌3曲が放送されています。同年5月にはVirgin Recordsと契約を結んでおり、更に録音を開始しています。このメンバーで2枚のアルバム(“1”と”Approved by the Motors”)をリリースしており、まあまあの商業的成功を収めます。シングルでは”Airport”が英国チャート4位まで獲得しています。1978年8月28日のReading Rock Festivalに出演しますが、ギャラのことで揉めて、Tchaikovskyは脱退してしまいます。その後も、Slaughterも脱退しますが、Martin Ace (B)とTerry Williams (Drs)をリクルートして、3枚目にして最後のアルバム”Tenement Steps”を1980年にリリースし、シングルカットした”Love and Loneliness"を出して、The Motorsは解散してしまいます。これがThe Motorsのあらましです。 それで、内容なんですが、全体的に曲がちょっとだけ長めなんですよね(3分台の曲は2曲だけ)。それにしても、カッコいいギターワークを中心に、タイトなリズム隊とコーラス・ワークも全開で、そこら辺に、The Motorsらしさがあると思います。特に、A3 “Phoney Heaven”やB4 “Summertime (Is Calling)”でのドライブ感とかはかっこいいですね。また、A1 “Dancing The Night Away”やB1 “Bring In The Morning Light”でピアノなんかを入れているところやB2 “Emergency”のサビでの転調なんかにもアレンジ力を感じます。私はこのLPを高校生の時、東京で買ったのですが、その時はピンと来なかったんですよ。今聴くと、それ程、パブロック臭く(A2 “Freeze”はちょっとだけパブロックっぽいかな?)もなく、爆走する音と素晴らしいコーラスワークに痺れますね。そんな思い出深いアルバムです。 “John Peel Session 1977”より3曲 https://youtu.be/Nm9w69Mbz84 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLp6WWcZCHeShyx0p4fi-NixWMuTRXTzqu #TheMotors #1 #VirginRecords #FirstAlbum #Rock #PowerPop #DucksDeluxe #NickGarvey #AndyMcMaster #BramTchaikovsky #RickySlaughter
Punk Rock / Power Pop Virgin Records 不明Dr K2
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Deutsch Amerikanische Freundschaft “D.A.F.”
独逸のDeutsch Amerikanische Freundschaft (以下、DAFと表記)が自らのバンド名の略称を冠したセルフ・コンピがこのアルバム“D.A.F.”です。まあ所謂、ベスト盤的なものと考えて貰えれば良いでしょう。DAFの作品については、これまで何度も書いていますので、バイオグラフィーはそちらを参考にして下さい。まあこれを購入したのは、名曲”Der Mussolini”と ”Kebabträume”が共に収められていたからだと思います。特にGabriel "Gabi" Delgado-López (Vo)とRobert Görl (Drs, Perc, Electronics)になったばかりの彼等の人力テクノ(?)な演奏は勢いがあって、凄いですね。マシン・ビートに生ドラムと、セクシーと言うよりエロいVo、この組み合わせはコペルニクス的転換です。或いはピンチがチャンス的変化は凄いです。このシーケンスの組み方に彼等独特のフレージングがあり、多分それが2人にとって最もやり易かったのでは?と想像します。どの曲もDAFが好きな方なら一度は聴いたことがある名曲ばかりですので、ベスト盤と考えて良いでしょう。なので、初心者のリスナーさんにもお勧めです。 “Kebabträume“ https://youtu.be/KV6NnB7CuX0 “Mein Herz Macht Bum” = “My Heart Goes Boom” https://youtu.be/pOJKf66QYQI #DeutschAmerikanischeFreundschaft #D.A.F. #VirginRecords #ベスト盤 #GabrielGabiDelgado-López #RoberGörl #Sequencer #Drums #Vocal
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Virgin Records 不明。Dr K2
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Magazine “Secondhand Daylight”
続きまして、Magazineのセカンド・アルバム ”Secondhand Daylight”です。この時はメンバーは、Howard Devoto (Vo), Barry Adamson (B), John McGeoch (G, Sax,Kbd), Dave Formula (Kbd), John Doyle (Drs, Perc)で、ドラマーが代わっています。彼等のバイオグラフィーは前回書きましたので、そちらを参考にして下さい。 それで内容ですが、全体にやや落ち着いた印象で、目立つのはベースの音色ですね。Barry Adamsonの演奏能力が高いのもそうなんですが、結構、ベースラインが曲を率いていく曲が多いです。あと、Howard Devotoのヴォーカルについては、少し粘着質なところが弱まっていますし、曲もより複雑になっています。それに伴って、キーボード(生ピアノやシンセなど)が幅を聴かせるアレンジになっています。なので、John McGeochにとってはやや不完全燃焼であったかもしれないですね。ここら辺のアレンジやプロデュース力(プロデュースはColin Thurstonですが、私はこの人のことは良く知りません)が影響しているのしようか? この時代のバンドとしては、似たものがなく、独自の路線であったようですが、今、聴き返しても、そう断言できますね。ただ、彼等の音楽は後進に大きな影響を与えており、ニューウェーブからネオサイケデリア(これがどうも良く分かりませんが)への橋渡しをしたバンドとして、Radioheadなどは、Magazineの名前を挙げています。また、John McGeochのギターは、U2のThe Edge、The SmithsのJohnny Marr, RadioheadのJonathan GreenwoodやThe Red Hot Chili PeppersのJohn Frusciantなどのギタリストには大いには影響を与えたと言われています。またBarry Adamson (B)はこのバンドの後、Nick Cave and the Bad Seedsに参加することになります。 今ひとつ、盛り上がらなかったセカンド・アルバムですが、彼等の進化を探る上で大切なアルバムと言えるでしよう。なので、皆さんもこの機会に聴いてみては如何でしよーうか❗️ “Permafrost” https://youtu.be/fCzSeeiAFqQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLOJWuc3CN302PFvZZ6IgUbWiz7OCTPPUq #Magazine #SecondhandDaylight #VirginRecords #NewWave #HowardDevoto #JohnMcGeoch #DaveFormula #BarryAdamson #JohnDoyle #SecondAlbum
New Wave Virgin Records 不明。Dr K2
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Magazine “Real Life”
前回、サードアルバムを紹介しました、英国のMagazineのファースト・アルバム”Real Life”です。実は、サードよりもこのアルバムの方を良く聴いてましたねぇ。まあ、大体のバンドはファーストが良いこと多いですが、、。Magazineのバイオグラフィーは前回のを参考にして下さい。この時のメンバーは、Howard Devoto (Vo), Barry Adamson (B), Dave Formula (Kbd), Martin Jackson (Drs), John McGeoch (G, Sax)です。やはり勢いはありますね。シングルカットされている”Shot By Both Sides”は、Buzzcocksの曲”LiosticksのメロディにDevotoが歌詞を付けたみたいです。他にも、Buzzcocks時代の曲として”The Light Pours Out Of Me”も収録されてます。Devotoのヴォーカルは、粘着質で、耽美的かつエロティックな歌い方なので、好き嫌いが分かれるとは思いますが、Fomulaのキーボード(主にシンセ)とMcGeochのギターのバランスが程々で良い感じにプレンドされています。なので、1978年の当時としては、既にパンクからは離れ、独自のニューウェーブに進化してます。当時の評論家から「Roxy MusicとVelvet Undergroundの融合」と表されていたのも納得です。また、バンドメンバー個々人の演奏力も充分あり、他の同時代のバンドとは一線を画していました。そんな時代を先取りしていたMagazineのファースト・アルバムを是非聴いてみてください❗️ “Shot By Both Sides” https://youtu.be/Qu3R-H5on1s [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLOJWuc3CN300h7u5JQBMPEdOfcKfdBVMx #Magazine #RealLife #VirginRecords #NewWave #PostPunk #Ex-Buzzcocks #HowardDevoto #BarryAdamson #DaveFormula #MartinJackson #JohnMcGeoch #FirstAlbum #RoxyMusic #VelvetUnderground
Post Punk / New Wave Virgin Records 不明。Dr K2
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Public Image Limited “First Issue”
もう既に、このバンドのセカンドとサード・アルバムについては紹介済みですので、バイオグラフィーはそちらを参考にして下さい。そのバンドとは、Public Image Limited (PILと表記)です。それまでパンク・ロックの代名詞であったSex PistolsのVo, Johnny Rottenが本名John Lydonとして、早々にポストパンクを始めてしまった訳です。PILのネーミングは、世間の目から見たJohn LydonやPILのイメージを売り捌く会社だと言う意味でしょうか(Sex Pistolsでの問題点を逆説的に解釈したのかな?如何にもJohnらしい)。そしてリリースされたのが、このファースト・アルバムであります。この時のメンバーはJohn Lydon (Vo), The Clashに短期間在籍していた事もあったKeith Levene (G: 2022年11月に他界), 本名 John Wardleで、John Lydonの古い友人Jah Wobble (B), オーディションで選ばれたカナダ人留学生のJim Walker (Drs)です。彼等は、ダブのようなファットで目立つベースと金属質でフリーキーなギタープレイを武器に、それまでの(パンク)ロックを根底から覆すような、恐らく聴いたこともないような音楽をやり始めた訳です。それとJohnのヴォーカルにもエフェクトをかけた曲があったりとやりたい放題です。兎に角、こんな4ピースバンドで「パンクな死んだ」とばかりに、「世間の目なんて気にしない、俺(達)はやりたいようにやる」と言った態度が潔い。A2 “Religion I”はVoの独唱だし、B3 “Attack”Voにエフェクト掛けすぎて、歌詞が聴き取り不可能だし、B4 “Fodderstompf”の単調で虚なリズムと絞ったVoが対照的で興味深いです。こんな音楽をロックのフィールドでやってしまったことが凄いです。そんな彼等のファーストアルバムを聴いてみて下さい。何か音楽感に響くかも? ❓ (因みに、先ずこれを買った時に私が思ったのは、Jahが座ってベースを弾いていること及びジャケ写のJohnの髪の毛がキッチリ七三分けであったのが、衝撃的でした。) “Theme” https://youtu.be/o5cFIqu2MgM “Fodderstompf” https://youtu.be/Tzn3_NEek4M #PublicImageLimited #FirstIssue #VirginRecords #PostPunk #Dub #LohnLydon #KeithLevene #JahWobble #JimWalker #FirstAlbum
Post Punk Virgin Records 2500円?Dr K2
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Magazine “The Correct Use of Soap”
確か、Magazineを買ったのは、田舎の高校生の時でした。まあ、キーボードのメンバーのいるニューウェーブ・バンドだったからだと思います。しかしながら、その時はそんなに気に入らなかったんですが、今回、久しぶりに聴き直してみました。その前に、Magazineのバイオグラフィーを少し。元々は1977年初頭までパンクバンドBuzzcocksに少し在籍していたHoward Devotoが、より先鋭的な音楽をやろうとして、ギターのJohn McGeochと共に結成したのが、Magazineです。Howard Devoto (Vo), John McGeoch (G), Barry Adamson (B), Bob Dickinson (Kbd), Martin Jackson (Drs)がオリジナルなラインナップです。しかしながら、クラシックや前衛音楽の素養のあったBobは、1977年終わり頃にすぐに脱退しています。バンドは4人でシングル”Shot by Both Sides”をリリース、その後に、元St. Louis UnionのDave FormulaがKbdで加入します。因みに、このシングルはBazzcocksの曲でもあるとPete Shellyが指摘しています。1978年にデビューアルバム”Real Life”をリリース、英国チャート30位に入っていますが、7月末にMartin Jacksonが脱退し、代わりにPaul SpencerがDrsで加入します。この頃になるとギグやTV出演することが多くなりますが、Paul Spencerはツアー中にSpencermetersに加入する為に直ぐに脱退し、同年10月にはJohn Doyle (Drs)が加入します。翌年1979年にセカンドアルバム”Secondhand Daylight”をリリース、英国チャート40位に入ります。このアルバムでは大々的にシンセが使われています。1980年にバンドは、本作品でもあるサードアルバム”The Correct Use of Soap”をMartin Hannettのプロデュースでリリース、トップ30にはランクいんします。しかしながら、John McGeochは、それ程売れなかったこと及び余りギター重視でない曲作りであったと言う理由で、脱退し、Siouxsie and the Bandheesに加入しています。一方、Magazineには、Ultravox!にいたRobin Simon (G)が加入しています。バンドは欧州・豪州ツアーを敢行し、ライブアルバム”Play”をリリース。しかしながら、またしてもRobin Simonも、John Foxxのソロアルバムに参加するためにバンドを脱退します。Hawardは、大学時代の友人でAmazorbladesのBen Mandelson (G)を加入させて、1981年に”Magic, Murder and the Weather”を作製しますが、リリース前の数ヶ月、リリースをストップをかけます。そんなこともあって、他のメンバーも解散することを決めます。メンバーはそれぞれ、他のバンドなどで活躍しますが、Howard Devotoは音楽を止めて、写真家として活動していました。John McGeochは2004年に48歳と言う若さで他界しています。それから、2008年7月にHowardはMagazineを再結成することを考え、2009年2月にHoward Devotion, Dave Formula, Adamson, John DoyleとJohn McGeochの代わりにThe RadioheadのJohnny Greenwood (G)で再結成を行い、ツアーメンバーも加わって、現在でも活動中です。 それで、本作品ですが、良くも悪くもニューウェーブ的な音作りなんですが、兎に角、Howard Devotion の抑制したような、絡みつくようなエロいVoが特徴ですね。ギターとシンセを配合良く調剤したメロディアスな曲調も本作、と言うかMagazineの特徴と言えるでしょう。その分、爽快感は抑えられていますが、それはHoward自身が言っているように、「ロックンロールは音楽的スターでもなく、モダーン・ミュージックに興味があるだけだ」と言うことも強ち言い過ぎではなく、常に新しい音楽——その時代時代の音楽—-を目指していたからだと思います。私も、正直、聴き直してみて、中々、良いじゃないか!とも思いました。ただ、HowardのVoスタイルや声質には好き嫌いが分かれるところではありますが。次回はファーストアルバムやセカンドアルバムを聴いてみたいですね。また歌詞が文学的との評もありますが、英詩なので良く分からなかったです。そんな時代に対してモダーンであり続けたMagazineの円熟した音楽を聴いてみてください。 https://youtu.be/3c5Yxi98umI #Magazine #TheCorrectUseOfSoap #VirginRecords #NewWave #ArtPunk #HowardDevoto #JohnMcGeoch #Manchester #Keyboards
New Wave Virgin Records 2500円Dr K2
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Sex Pistols “Never Mind The Bollocks”
ここに来て、これですか?とは言わないで下さい。音楽業界を震撼させたSex Pistolsのデビューアルバムです(邦題は「勝手にしやがれ」でしたね)。Sex Pistolsに関しては、色んなゴシップや噂、ネタなどがありますし、ゴシップめいたことも沢山ありますので、そう言うことは無視して音楽面を中心に書いていきたいと思います。元はと言えば、King’s Raidで、Vivienne WestwoodとMalcolm McLarenがやっていたToo Fast to Live, Too Young to Die(のちにSEXと改名)と言うブティックの常連の悪ガキだったSteve JonesとPaul CookらがやっていたThe Strand (のちにThe Swankersとして知られる)から、Malcolmが2人を引き抜き、当時、彼の店でバイトしていたアートスクールの学生Glen Matlockを誘い、Pink FloydのTシャツに手書きで”I Hate”と付け加えて、緑に染めた髪をしたJohn Lydon (芸名はJohnny Rotten)に目を付けて勧誘したのが、最初期のメンバーでした。まあ、Malcolmが短期渡米して、NYのパンク・ムーブメントを体験し、RamonesやRichard Hellを観たことが大きく影響していました。正式には1975年11月にライブ・デビューしたことになっていますが、多くの後進のパンクバンドとは異なり、結構、スタジオでの練習はやっていたそうです。1976年に大手レコード会社EMIと契約し、デビューシングル”Anarchy in the UK / I Wanna Be Me”をリリースするも、TVで放送禁止用語を連発し、契約破棄に。その後、A&M Recordsと契約し、シングル”God Save The Queen”をリリースしようとしたが、発売直前に契約破棄されています。最終的にはVirgin Recordsと契約。しかし、1977年2月にGlenが解雇されます。バンドのソングライターでもあった彼の脱退は、痛手でしたが、その理由は「彼は余りにThe “Beatles”過ぎたから」というもの。Glenに代わって、Johnnyの古い親友John Simon RitchieことSid ViciousがBで加入(因みにSidはSiouxsie and the Bansheesやthe Flowers of Romanceでドラムを叩いていたとのこと)することになりました。これで、Sex Pistolsは、見かけも中身もパンクバンドとなった訳です。1977年春にオリジナルメンバー3人はアルバム作製を開始し、大模様プロデューサーChris Thomasを迎えます。それでその時丁度、Sidが肝炎で療養してたらしく、B不在のまま、録音が行われています。と言うか、ベースパートの殆どをSteve Jonesが弾いており、後でSidが弾いたベースも小さい音量でミックスされていたらしいです。そして、1977年10月28日に、本作品である彼等のデビューアルバムがリリースされます。Rolling Stone誌は「70年代で最もエキサイティングなアルバムだ」とベタ褒めでした。1978年1月にはWarnerの力で、米国ツアーをやりますが、保守的な南部から始まったツアーの途中で、Johnnyは嫌気がさして脱退してしまい、バンドはそのまま、空中分解してしまいます。 とまあ、これでも、まだ書き足りないのですが、今回はここまでとします。それで本作品ですが、Sex Pistolsとしてはほぼほぼ唯一のスタジオ録音アルバムです。しかし、それを上手くシングルカットして、ちょい出しているのも作戦なのでしょうか? このアルバムで一番好きな曲は”Bodies”なんですが、ちゃんとリハや練習もやっているバンドなので、いわゆるギターソロの無いハードロックとも取れる、結構カッコよくて、分厚い音で鳴ってるなあと思います。要するに後進のパンクバンドが練習もろくにせず、ライブはダラダラ、レコードもヘナヘナと言うのとは違いますね。また、EMIをおちょくった曲も彼等らしいですね。Johnnyのヴォーカル・スタイルもコックニー訛りが酷いんですが、それがまた、カッコいいとも思えます。私は、このアルバムはリリースされてからずっと後になって聴いたのですが、それまではリアルタイムでは” God Save TheわQueen”や ”Holiday In The Sun”はシングルで聴いてました。やっぱりパンクはシングルだろって(厨二病っぽい)。そんなことを思い出しますね。でも、Malcolmの仕業で、このアルバムは色んなヴァージョンがあるようなので好きな方は集めているとも。私にロックンロールを教えてくれたパンドですね。皆さんもきっと気に入る曲があると思いますよ。未体験なら、今からでも聞いてみてください。 https://youtu.be/LD2i99QPVI0 #SexPistols #NeverMindTheBollocks #VirginRecords #JohnnyRotten #SteveJones #PaulCook #SidVicious #GlenMatlock #MalcolmMcLaren #Punk #Bodies #SEX
Punk Virgin Records 不明。Dr K2
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XTC “Black Sea”
実は、私はBarry Andrewsが抜けた後のXTCには、そんなに触手が動かなかったんですが、このアルバムだけは何故か買ってしまいました。それはテクノポップの終焉と新しい英国大衆音楽への昇華を聴きたかったのかもしれませんね。XTCについては、既にバイオグラフィーは書いていますので、ちょっとだけ補足を。ええっと、Barry Andrewsが抜けた後にDave Gregoryが加入していますが、彼はGとKbdを担当しています。ここら辺の人選にXTCの方向転換のセンスの良さを感じますね。そのメンツで”Drums and Wires”を1979年にリリースして、翌年、本作品である”Black Sea”をリリースしています。よく見るジャケ写は実はその上に緑色の紙袋で包まれていたんですよ。プロデューサーにSteve Lillywhiteを起用しており、この時代特有のドラムの録り方をしています。そうです、キーワードはドラムです(例えば、P-Modelが”Perspective”でドラムを残響音バリバリの録音にしたように)。ここでは、Andy PartridgeとSteve Lillywhiteの化学反応が成功した例でしよう。ギターの金属質な音色やリフが、やや実験的なプレイをしても、Colin MouldingのBとTerry ChambersのDrsがしっかり支えて、ポップ・ミュージックとして成立させています。また、A3”Living Through Another Cuba”でのダブ的ミックスは秀逸です。このアルバムを買った時の印象は「何か音が詰め込み過ぎ」だったのですが、今、聴くと丁度良い感じですね。まあ、Andyのヴォーカルはいつも暑苦しいんですけどね(苦笑)。しかしながら、2人のギターのカッティングやリフの絡みはカッコいいですね。あとColinのBは凄く上手くて、出過ぎず、引っ込み過ぎずで良い感じです。あと、B面の曲の繋ぎがこれまたカッコいいんですよ、聴いてみれば分かります。B5 “Travels In Nihilon”での先進性とP-Modelの”Perspective”との類似したリズムのヴァリエーションは、やはり時代の音ですね。そんな訳で、本当久しぶりに聴いてみましたが、やっぱりXTCは凄かったです。次世代のポップミュージックをこの一枚で作ってしまったのですから。因みに、ジャケ写に”X”, “T”, “C”の三文字が隠れているの、気付きましたか?そんな所にも彼等の洒落っ気があります。是非とも今聴いておくべきアルバムですね。 A1 “Respectable Street” (3:34) A2 “Generals And Majors” (4:00) A3 “Living Through Another Cuba” (4:41) A4 “Love At First Sight” (3:04) A5 “Rocket From A Bottle” (3:27) A6 “No Language In Our Lungs” (4:52) B1 “Towers Of London” (5:17) B2 “Paper And Iron (Notes And Coins)” (4:17) B3 “Burning With Optimism's Flame” (4:12) B4 “Sgt. Rock (Is Going To Help Me)” (3:54) B5 “Travels In Nihilon” (6:54) A3 “Living Through Another Cuba” https://youtu.be/AZFCyMPvLd8 B5 “Travels In Nihilon” https://youtu.be/I6y3RQEPkpQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nmOGEjp2eesCsZiMzbogbzFcRJLI6Nyds&si=WVPdXboWLfoGlsM8 #XTC #BlackSea #VirginRecords #PopMusic #NewWave #BritishRock #AndyPartridge #ColinMoulding #DaveGregory #TerryChambers #SteveLilliwhite
New Wave / Pop Music Virgin Records 2500円Dr K2
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Slapp Happy “Casablanca Moon”
この前はHenry Cowをご紹介しましたが、今回はSlapp Happyを紹介します。Slapp Happyは独逸Hamburgで結成された独・英・米混合バンドです。元々は、BremenのWümmeに来ていた英国人作曲家Anthony Mooreが、独逸のFaustのスタジオで、アヴァンギャルド/実験的なアルバムを録音にしていましたが、Polydor Recordsに「駄目❗️もっと売れるようなものを作ってくれ!」と言われてしまい、Anthonyは、彼の米国の友人Peter Blegvadが丁度Hamburgに来ていたので、彼に「何かもっとポップな曲を書いて欲しい」と嘆願します。それで出来た曲が20分超えの”Just A Conversation”ですが、2人はヴォーカルが出来なかったので、当時のAnthonyの恋人(後に妻となる)Dagmar Krauseに歌ってもらうことにします。ここに来てSlapp Happyが誕生します。トリオになったSlapp HappyはPolydorに”Just A Conversation”をレコード化を持ちかけますが、予想に反して、PolydorはこのシングルをリリースすることOKします、まだ1972年だったのに! この年の5月にWümmeに戻って、デビューアルバム”Sort Of”をFaustのメンバーの助けも借りて録音し、そのアルバムは同年後期にリリースされたが、売れなかった!と言うのも、Slapp Happyはライブを演ることを拒んでいたからです。このデビューアルバムをリリースして直ぐに、Faustのサポートでセカンド・アルバムの録音に入ります。ここに、彼等の最も良く知られた曲”Casablanca Moon”が出来る訳ですが、”Sort Of “に比べて、よりソフィスティケートされ、アートぽっい作品になりました。ハーモニーにも重点が置かれ、歌詞もシリアスで詩的になっています。しかしながら、Polydor Recordsは、Slapp Happyのこの路線を良しとせず、自己中的な内容だとして、アルバム・リリースを拒否します。そう言うこともあって、メンバーは1973年初頭に英国へ行きます。そして、例のお蔵入りしそうなアルバムのカセット・テープをVirgin Recordsに渡します。Virginは彼等の音楽を気に入り、契約を結びます。ただ、Dagmarの独逸語アクセントの英語のヴォーカルが心配で、Robert WyattやNMEの記者Ian MacDonaldにも聴かせてみましたが、全然大丈夫とのことで、1973年末にSlapp Happyを正式に承認しました。直ぐにSlapp Happyほ1974年初頭にOxfordshireのVirgin RecordsのManor Studioに入り、セカンドアルバムの再録音に取り掛かります。セッション・ミュージシャンやアレンジャーも導入し、1974年5月にVirgin Recordsから、本作品であるセカンド・アルバムをリリースします。音楽誌からも概ね高評価を得ています。一方、1980年になって、漸く、Recommend Recordsは、Faustと一緒に録音したオリジナルが、原題”Casablanca Moon”を逆読みしたタイトル”Acnalbasac Noom”でリリースできるようになりました。また、1974年6月にSlapp Happyを、レーベルメイトでもあるHenry CowやRobert Wyattと共に、LondonのHyde Parkでジョイント・コンサートに出るように企画されていましたが、直ぐに却下されています。その後、アルバムも3枚程出していましたが、1975年に解散しています。その後も時々、再結成の話がありましたが、皆、短期間で終わっています。 それで、本作品”Slapp Happy (通称”Casablanca Moon)”ですが、私は大学生の頃、友達にダビングしてもらったのを何度も何度も聴いており、久しぶりにレコードで聴いて号泣しています(半嘘)。兎に角、A1 “Casablanca Moon”のタンゴ調の曲は素晴らしい出来で、いつになっても色褪せないように思います。どの曲もキャッチーなメロディとアコースティックな楽器で奏でられており、何と言うか、世間一般の「ポップ・ミュージック」とは違う、もう一つの別の「ポップ・ミュージック」にあるような音楽です。一応、Avant-Popとジャンル分けしましたが、聴いていても、決して難解でなく、優しく包み込んでくれる、そんなポップ・ミュージックです。あと、A5 “Dawn”もノリが良くて大好きな曲ですね。コケティッシュなDagmarのヴォーカルは彼等の音楽に欠かせない「楽器」ですね。私には独逸語のアクセントは良くわからないですが、彼女の声質は曲に良くマッチしていると思います。またB3 “The Drum”での、タブラの音に乗せて歌うDagmarの天使のような声とPeterの低音のダミ声のハーモニーは興味深いです。B4 “Haiku”はなんでしょうね、Peterのダミ声が前面に出ているだけではなく、パーカッションもコミカルで面白い曲です。まあ、このアルバムには個人的に色んな思い入れがあるので、あまり客観的なことは書けませんが、皆さんも、未聴ならば、是非とも聴いてみてください。パラレル・ワールドのポップ・ミュージックが堪能できますよ。因みに、メンバーはAnthony Moore (Kbd), Dagmar Krause (Lead-Vo), Peter Blegvad (Vo)とクレジットされていますが、多分他の楽器や他のミュージシャンもゲスト参加したいると思われます。また、Slapp HappyとSteve Morseでプロデュースしています。 A1 “Casablanca Moon” (2:45) A2 “Me And Parvati” (3:22) A3 “Half Way There” (3:14) A4 “Michaelangelo” (2:33) A5 “Dawn” (3:17) A6 “Mr. Rainbow” (3:49) B1 “The Secret” (3:28) B2 “A Little Something” (4:30) B3 “The Drum” (3:34) B4 “Haiku” (3:01) B5 “Slow Moon's Rose” (2:53) A1 “Casablanca Moon” (2:45) https://youtu.be/NC4r3rYHkaI?si=qQGbO-takE6c01DD A2 “Me And Parvati” (3:22) https://youtu.be/sZV205gAyNM?si=h7G_l5-yMXpJ4gme A3 “Half Way There” (3:14) https://youtu.be/xVuhqKvTYRY?si=23SFvVY0n1ot8mCs A4 “Michaelangelo” (2:33) https://youtu.be/1OY6sjzXx3E?si=LL8t1ksfkYvxRyJi A5 “Dawn” (3:17) https://youtu.be/SDGslJPSsgE?si=WowkJN09Gonz5i-G A6 “Mr. Rainbow” (3:49) https://youtu.be/jfOP7MvzAZs?si=Pkco2Mgdt6Db1T8x B1 “The Secret” (3:28) https://youtu.be/37FA3eyOWac?si=TzGt0lPEkkMyxM8p B2 “A Little Something” (4:30) https://youtu.be/ThBwPpzMju0?si=MH9hzKrDyd5krSZp B3 “The Drum” (3:34) https://youtu.be/BaDBTL9kKjs?si=DTgB74SpzAyOE3Bw B4 “Haiku” (3:01) https://youtu.be/CwRxtjdH3Lc?si=fe4hmVhcRN_rb1TQ B5 “Slow Moon's Rose” (2:53) https://youtu.be/rRUGxlGOdps?si=XNjsTpkfLBny0Rj_ #SlappHappy #CasablancaMoon #VirginRecords #AnthonyMoore #PeterBlegvad #DagmarKlause #Avant-Pop #PopMusic #ProgressiveRock #
Avant-pop Virgin Records 不明Dr K2
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XTC “White Music”
これぞ、XTCの真骨頂にしてデビューアルバム、”White Music”です❗️当時は、テクノポップ・バンド或いはニューウェーブ・バンドと言う人が多かったと思いますが、私もそのような括りで聴いていました。私自身はこの頃のXTCが一番好きでしたので、精々、4枚目の”Black Sea”までしか買ってはいませんね。それで気付いたのですが、KbdのBarry Andrewsが使っていたのは、ピアノとオルガンだけなのですね。シンセもこのアルバムては使っていないようです。それを「テクノポップ」にしているのは、アレンジ力によるところが大きいと思います。例えば、オルガンのロング・トーンは弾かないとかサスティーンは短く弾く/歌うと言ったことで、このアルバムをテクノポップの経典にしてしまったのです。バイオグラフィーは前回書いていると思いますので、省略させて頂きますが、メンバーだけ。 Partridge (Vo, G), Colin Moulding (B, Vo), Barry Andrews (Kbd), Terry Chambers (Dr)で、Barryは2枚のアルバムを残して1979年に脱退しています。その代わりに Dave Gregory (G, Kbd)が加入し、音楽的にはそれまでのテクノポップ路線からBrit Pop路線に変わります。また、1980年代初頭にAndyかステージ恐怖症になり、バンドはライブ活動が出来なくなり、1983年にはTerryが脱退。レコーディング・バンドになります。2005年には長年の相方Colinも離れて、バンドとしては成立しなくなり、Andyも「もはやXTCが新作を出すことはないだろう。」と宣言して、事実上、XTCは消滅します。彼等の略歴を簡単に書くとこんな感じですね。 それで本作品ですが、A1”Radios In Motion”から始まり、Bob Dylanのカバー曲”All Along The Watch Tower”で折り返し、またB1”Atom Age”から なだれ込んで、B6の名曲”Neon Shuffle”で締めますが、まあ、目立ちたがり屋が2人(誰かはわかりますよね?)もいるの為か、曲のテンションは全体的に高目ですね。しなもシンセ無しでも充分テクノポップな音になっています。Andyが殆どの曲を書いていますが、特に個人的なお気に入りは”This Is Pop”の皮肉たっぷりの曲とオルガンが特徴的な”Neon Shuffle”とかですね。あとはコーラスワークも冴える”Status of Liberty” や”New Town Animal”辺りもでしようか。まあ全曲、私の好みなんですが。私は、ホント、このアルバムとセカンドの”Go 2”は良く聴いていましたね。しかし、シンセも使わず、テクノポップ路線でやってきたのは、彼等のソングライティングとアレンジの能力が高かったことの証左でしよう。なので、テクノポップを語るには、このアルバムは必聴でしょう!ねっ?皆さん! https://youtu.be/px-E3Fw253o #XTC #WhiteMusic #VirginRecords #TechnoPop #NewWave #Organ #FirstAlbum #AndyPartridge #ColinMoulding #BarryAndrews #TerryChambers
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