-
Conrad Schnitzler “Zug”
日本のオークションで、中々見つけられないのが、Conrad Schnitzler先生の作品です。で、やっと見つけました。結構、晩年の作品で、A面はオリジナル曲”Zug”、B面は、B1が、Stefan Betke氏のソロユニットPoleのよる再構成(reshape)、B2がChristian BorngräberとJens StrüverのコンビでもあるBorngräber & Strüverによるリミックスがそれぞれ収められています。本作品の内容を紹介する前に、B面の各アーティスト/グループについて、簡単にご紹介しておきます。先ず、Pole (Stefan Betke)ですが、彼はDüsseldorf育ちBerlin在住のミュージシャン兼プロデューサー兼マスタリング・エンジニアとして、25年間に渡って、アブストラクトな電子クラブミュージックと関わってきており、この期間にリリースしたPole名義の7枚のアルバムは、エレクトロニカへの転換を強く示唆するものです。そして、彼はダブトロニック/グリッヂを用いる音楽家であり、同時に~scape RecordsとレーベルPoleを運営し、Scape Mastering studioで働いています。一方、Borngräber & Strüverですが、1999年から一緒に作業するようになったBerlin在住のデュオです。彼等はサンプリングとリミックスで色々な音楽のリリースに関係しており、2010年には、M=Minimalレーベルを立ち上げ、色々なタイプのミニマル・ミュージックを支えてきています。今回のアルバムも、彼等のレーベルM=Minimalからですね。 それで、本作品の内容についてですが、A面のSchnitzler先生の曲は、いつものように、簡素なリズムボックスのシーケンス、それにややダウナーだが浮遊感のあるシンセによる即興的メロディと電子音と言う至ってシンプルな楽曲からなり、それだけでも、気持ち良い反復を体感できます。多分、Schnitzler先生の最初期(1978年)のアルバム”Con”に収められていた曲のフルレングス・ヴァージョンだと思われます。それで、B面に移ります。B1はPoleによる「再構成(Reshape)」ですが、Pole独特のディレイ処理をリズムボックスの音に掛け、更にリズムパターンを変え、電子ダブな曲にミックスし直して、アブストラクトな音楽に仕上げています。次に、B2はBorngräber & Strüverによるリミックス(リシェイブとは違う!)ですが、彼等は大胆にヘビーなキックのリズムを入れて、大幅にクラブ寄りの曲に仕上げていますが、その隙間から聞こえてくる電子音が如何にもSchnitzler先生的で、ちゃんとリスペクトしているんだなあと感心します。ここで証明されるのは、1978年に既に、その32年後でも充分に楽しめる音楽をSchnitzler先生は作っていたと言うか、また逆にPoleとBorngräber & Strüverは、32年前の曲を再認識でき、それを生まれ返らせたのかもと言えます。とすると、この作品では、ミニマルな電子音楽の普遍性と可塑性を同時に体験出来るものと考えます。なので、未聴の方、一度は、聴き比べてみても面白いですよ❗️ A面 “Zug” by Conrad Schnitzler https://youtu.be/pXkzMrQFckc B1 “Zug” Reshaped by Pole https://youtu.be/lHjLZ1__YE0 B2 “Zug” Remixed by Borngräber & Strüver https://youtu.be/Cz8PCS3k__g #ConradSchnitzler #Zug #M=Minimal #Pole #Borngräber&Strüver #ElectronicMusic #Minimal #Reshaped #Remixed #German #ClubScene
Electronic music M=Minimal 1800円Dr K2
-
Conrad Schnitzler, Borngräber & Strüver “Con-Struct”
こんな人生を送りたかった❗️と言う程にどんどん作品を作り続けていたConrad Schnitzlerが独逸ベルリンのChristian BorngräberとJens StrüverのデュオBorngräber & Strüverと共に作り上げた作品が、この”Con-Struct”です。一緒に作ったと言っても、実際に作曲・演奏したのはConradで、Borngräber & Strüverはアレンジとミックスをやっているだけなので、ほぼほぼConradの作品と言っていいかもしれません。それで、本作品の内容は、一言で言えば、アブストラクトな電子音が深みを持って立ち上がってくるような音楽でしょうか。それ程までにバチバチな音はなく、不明瞭なリズムはあるものの、寧ろ,全体の音像は、アンビエント風ではありますが、恐らくこれはBorngräber & Strüverによるアレンジとミックスのせいだと思います。ただ,元の音と思われる部分も、いつものConrad節ではなく,やや落ち着いた曲になっているようで、ここら辺を擦り合わせたのかなあと想像してしまいますね。しかも、明確な曲名も無く,”Con-Struct 1”, Con-Struct 2”などと素っ気ないものです。これは電子音楽が元々持っているAbstractnessに関係するのでしょう。全8曲で、各面4曲ずつを収録。このアルバムは「構築」ては無く,”Con”と”Struct”と分けられているように、「Con”Rad”が成し遂げた脱構築」であったのかもしれませんね(深読みかな?)。または,電子音楽とは元々抽象的なものであると言う確信を突き詰めたのかもしれませんね。いずれにせよ、ここにまた、新境地があるように思います。皆さんも如何でしようか?一度,聴いてみてね。因みにリリース元のM=MinimalはBorngräber & Strüverのレーベルです。 “Con-Struct 2” https://youtu.be/WKjuQPHkA5o #ConradSchnitzler #Borngräber&Strüver #Con-Struct #ElectronicMusic #Synthesizer #Collaboration #Berlin
Electronic music M=Minimal 2500円位?Dr K2
-
Conrad Schnitzler & Andreas Reihse “Con-Struct”
また出ました!世紀の奇才Conrad SchnitzlerとLa! Neu?にも関わっていたAndreas Reihseのコラボ・アルバム”Con-Struct”です。本作品は、2011年にリリースされたConradとBorngräber & Strüverのコラボ作”Con-Struct”のパート2として作製されていますが、そちらについては私は未聴。それでパート2である本作品について書きたいと思います。Conradのバイオグラフィーは前回のを参照してもらうとして、Andreasのバイオグラフィーを少しだけ、彼はクラブ・ミュージック界で活躍している独逸人アーティストで、KreidlerやPeriode と言うバンドで有名であるとのこと。このKreidlerは1994年結成で、その創立メンバーはThomas Klein (Dr), Andreas Reihse (Synth, PC), Stefan Schneider(B; 1998年まで)及びDetief Weinlich (Sampler)でしたが、その後メンバーチェンジにより4人(1998年以降はStefanに代わってAlex Paulickが加入)が4人ともエレクトロ・アコースティックな楽器とPCと言う構成に変わっています。ここら辺については、私は暗いので,ここまでとします。 それで,本作品は、説明文によると、最初にConradが単独で録音・演奏した曲(音源)をAndreasがアレンジ・プロデュースした作品とあります。そのパート1である作品は私は未聴なので、比較出来ませんが、同様のアルバム作製方法であったのではと想像します。また、元の音源がどのようだったのかは計り知れませんが、恐らく、そんなにいじられてはいない感じがして、流石、Conrad節だなぁと感心します。恐らくは音の位相や空間性の面で、Andreasの処理が入っているのではないでしょうか? ただ、全体的にPCでデジタル処理した時のヒンヤリとした感触になっており、ここら辺にAndreasの手が加わっているのでは?と思います。曲自体はシンプルで、「音=鉱物」的な面がありますが、基本的にはミニマルです。Conradの音って、基本、電子音なのですが、プログレとしてはポップ過ぎますし、ポップミュージックとしては自由過ぎる感じがします。そこら辺が上手く生かされたアルバムだと思います。コラボとしては面白い作品だと思います。皆さん、そんな作品はどうですか? “Con-Struct 15” https://youtu.be/q1M0j5VV6aI #ConradSchnitzler #AndreasReihse #Con-Struct #M=Minimal #Electronic #Collaboration
Electronic music M=Minimal 1650円Dr K2