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V. A. “Sowas Von Egal. (German Synth Wave Underground 1980-1985)”
やってくれますねー、Bureau B!こう言うコンピはもっと欲しいですね。と言う訳で、1980年-1985年に出たNDW(Neue Deutsche Welle)の好サンプルのようなコンピ作品”Sowas Von Egal. (German Synth Wave Underground 1980-1985)”を今回はご紹介しします。一部のアーティスト/グループは名前は知っていますが、聴いたことが無いとか、そもそも名前すら知らないアーティストやグループもあり、それでもNDW期に活動していた訳で、興味が唆られます!内容的には両面共7曲ずつ収録されています。それでは、各バンド/アーティストとそれぞれの曲をご紹介していきましょう。 ★A1 Träneninvasion “Sentimental”は、軽めのDrsにファニーなシンセとエコーVo及びBから成る曲です。このチープさが如何にもな感じです。 ◉Träneninvasion (トレネンインファジオーン)は、Palais SchaumburgのHolger Hiller (Vo, Synth)と当時DAFに在籍していたMichael Kemner (B)が、偶々居合わせたS.Y.P.H.のUli Putsch (Drs)を誘って録音した一過性のプロジェクトで、プロデュースはFehlfarbenのPeter Heinがやっています。 ★A2 Der Moderne Man “Blaue Matrosen”は、通常のバンドサウンドなんですが、シンセのリフが効いています。Voがシアトリカルで、疾走感のある生Drsが特徴的です。 ◉Die Moderne Manは、ハノーファーのバンドで、この曲は3rd LP “Unmodern”より取られています。この時のメンバーはMattus (Vo, Synth), E.K.T. (G, Synth, Back-Vo), Tonio Scorpo (Sax, Synth)になっています。 ★A3 Silberstreif “Bei Dir Ist Noch Licht”では、ミドルテンポの生Drs/Bに合わせて、砂糖菓子のような甘いシンセに包まれながら、囁くような女性Voが歌っています。 ◉Silberstreif (シルバーシュトライフ)は、独ハードロックバンドStraight Shooterのサイドプロジェクトで、Georg BuschmannとHans Plankertのデュオです。1枚シングルをSky Recordsより出しています。 ★A4 El Deux “Computermädchen”は、ドラムマシンに、シーケンスとキラキラしたシンセ、そして男性Voから成る曲で、簡素ながらも捨て難い魅力があります。リズムを刻むGも良いスパイスです。 ◉El Deux (エル・デュー)は、Gutze Gautschi, Martin Kraft, Steno Onetzから成るスイスのバンドで、1枚のアルバムと3枚のシングルを出していますが、ここでは1stシングルのドリーミーな曲がセレクトされています。 ★A5 Nullzeit “Dein Ganzes Leben”も、軽めのドラムマシンにシーケンスと打ち込みで、やや人間臭く歌っており、コーラスワークも良い感じです。間奏の低音シンセや女性の息遣いもグー! ◉Nullzeit (ヌルツァイト)は、Aletta von BeckerathとWalter Sarkaがメンバーの、独Krefeldから1980年代初頭に出てきたシンセポップ・デュオで、1枚シングルを出しており、そのB面が今回、収録されています。 ★A6 Hoffnung & Psyche “Sie Bleibt Kalt”は、チープなドラムに直線的シーケンスと手弾きのシンセから成り、EQをイジった女性Voが挿入される曲で、間奏の重低音がイカしています。 ◉Hoffnung & Psyche (ホフヌンク&プシケ)は、2004年にシングルを1枚と1980年にカセット作品を出しているデュオで、Stefan W. (Drum Machine, Synth)とJutta K. (Vo, Synth)から成ります。 ★A7 Schwellkörper “Liebe, Triebe, Diebe”では、ドラムマシンに、BとGが絡み、そのバックではシンセのリフが聴取できます。Voも入っていますが、Gの多重録音がこの曲のキモかも。 ◉Schwellkörper (シュヴェルケルパー)は、恐らく、A. LiedermacherとBluesとデュオらしいですが、1枚のシングルしか出しておらず、クレジットも無いので、確定的ではないです。このシングルは、2011年にレーベルKernkrachによって再発されています。 ★B1 New Dimension “Stuttgart Schwarz”は、エフェクトを掛けたドラムマシンにゴリゴリでカッコ良いシーケンスが唸りまくり、抑制的なVoと対照的なVoも入っているミニマル曲で、間奏のシンセも懐かしい感じ! ◉New Dimensionは、Stuttgart出身のJens Herzbergのソロプロジェクトで、1990年と1993年にシングルを2枚出しています。EP”Jede Wüste hat eine Oase..."は、Stuttgartの有名なディスコOdeonとStuttgart Schwarzへのさよならソングで、2006年に再発されています。 ★B2 Berlin Express “Die Russen Kommen”は、強力なドラムマシンとシーケンスによるリズム隊と、VoとG風シンセとチャラチャラしたシンセ音も聴かれる曲です。VoはSchnitzler親子でやっているのでは? ◉Berlin Expressは、何と!Conrad Schnitzlerとその息子のGregor Schnitzler、それにPeter Baumannを加えたトリオで、1982年にアルバムを1枚出しています。 ★B3 Pension Stammheim “US-Invasion”は、益々、ディスコチックな雰囲気で、ドラムマシン?生Drs?とSynth-Bと如何にも電子的なシーケンスにVoが乗る曲で、曲の転調が独特です。 ◉Pension Stammheim (ペンジオーン・スタムハイム)は、Alfred Janta, Georgie D., Hans Jörg Nonnのトリオで、1980年代初頭には活発に活動して、カセット作品を数本出しています。彼等の音楽は実験的だったりポップだったりしています。 ★B4 Alu “Bitte Warten Sie”は、宇宙船発射のようなエフェクトVoから始まり、性急なドラムマシンのビートとシーケンスにパンキッシュなVoから成る曲で、間奏にも中々味があります。 ◉Aluも以前に書いた通り、1979年にクラウトロック・バンドSandから生まれたバンドで、Ludwig Papenberg (G, Kbd, Drum Machine)とJohannes Vester (Vo, Kbd)で始まり、I1981年にNadja Moltが加入し、ライブができるようになりました。1980年に1stシングルを出していますが、1982年に、Papenbergが脱退し、以降は残った2人で活動していますが、1986年に休息宣言しています。 ★B5 Matthias Schuster “Für Alles Auf Der Welt”では、機関車のようなパルス音で始まり、そしてシーケンスや生Drsも入ってくると、焦燥感を感じさせられます。途中にGのヘンテコなリフも入っています。 ◉Matthias Schusterは、Geisterfahrer(1979年結成のハンブルクのバンド)やBal Paré(1980年結成のシンセポップデュオと言ったグループに関わってきますが、ソロとしては1stアルバム”Atemlos”を1981年に出しています。そのA1を本コンピに収録しています。 ★B6 Gorilla Aktiv “Spiegelbild”は、日本のPolysicsを思い浮かべるような落ち着きの無いビートと打ち込みとVoから成る曲です。ビートの元は生Drsかな? ◉Gorilla Aktivは、ミュンヘンのニューウェーブ・バンドで、メンバーは、Tommi Eckart(今は、 2raumwohnung で活動), Nick Deinhardt, Ian Moorse (Elaste)で、1982年/1983年にカセット作品"Va bene"や"12/82"を出していましたが、2005年にWas Soll Das? Plattenが、”Va bene”を"Nur für Erwachsene!"と改名して再発しています。 ★B7 08/15 “1000 Gelbe Tennisbälle”は、チープなリズムボックスに、間奏なシーケンスと、Der Plan風のVoやSE的シンセ音やテープ音も使われていて、懐かしいです。 ◉08/15は、Propaganda、そしてその後のRififiのメンバーであるAndreas Theinのソロ名義で、エッジの効いたシンセポップをやっています。この名義では、1981年に1枚のシングルを出していますが、そのA面の曲を本作品に収録しています。その後、盟友Ralf Dörperと共にアシッド・ヒットを飛ばし、Dr Acid & Mr Houseと称されます。 ひとくちにシンセ・ウェーブと言っても、こうやって聴き比べると結構違うモノなのでなぁと感心してしまいます。まぁ、厳密にはシンセ・ウェーブではないものも含まれていますが、、、ただその広がりはすごいです。これらの音源を集めたのは、流石、Bureau Bです!NDW、特にその中でも現在入手困難なシンセ・ウェーブな曲をコンパイルしてくれたのは本当に有難いです。もし、貴方がそこら辺に興味があれば、是非とも聴いて欲しい1枚ですね! 因みに、このシリーズのvol.2も既に出ています。 B1 New Dimension “Stuttgart Schwarz” https://youtu.be/7L3qLIWSS50?si=9kS20nqfHpeWu4-F [full album except for B7] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kl57v2emwI9SMFgWeB6-Lq2xHnJsVviks&si=r7YEjtw1bJJQJWwb B7 08/15 “1000 Gelbe Tennisbälle” https://youtu.be/5O4iqxOZBzg?si=Diq8_YVxwVV9toPQ #VariousArtists #SowasVonEgal. #GermanSynthWaveUnderground1980-1985 #BureauB #CompilationAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Synthesizers #SynthWave #Träneninvasion #DerModerneMan #Silberstreif #ElDeux #Nullzeit #Hoffnung&Psyche #Schwellkörper #NewDimension #BerlinExpress #PensionStammheim #Alu #MatthiasSchuster #GorillaAktiv #08/15
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Wave Bureau B €15.00Dr K2
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V.A. “Sammlung - Elektronische Kassettenmusik, Düsseldorf 1982 - 1989”
1980年代は、カセット・カルチャーが爆発した年代であると思います。それは、単価が安いこと、世界中どこでも再生可能なフォーマットであること、それに送料などもそれ程高くないこと等の要因に加えて、当時、安価な録音機器やシンセ等の電子楽器が庶民の手に届くようになったことも、カセット・カルチャーを底上げしていたと思います。なので、多重録音も可能になり、宅録アーティストが多く出現したのだと思います。今回は、そんな時代(1982-1989年)に、独、特にDüsseldorfに活動の中心を置いていた宅録電子音楽アーティストのカセット作品からセレクトした曲を集めたコンピレーション・アルバム”Sammlung (ザムルング)- Elektronische Kassettenmusik, Düsseldorf 1982 - 1989”を紹介したいと思います。いわゆる、匿名性でのコンピでもある、この偉業を成し遂げたのは、いつもお世話になっている独レーベルBureau Bです。感謝! そのような時代背景を思い浮かべて聴いてもらえると幸いです。また、NDWに詳しい方は、Düsseldorfが1980年代初頭、様々なバンドを排出した都市としても重要であることが容易に予想出来ると思います。内容的には、A面6曲/B面7曲となっていますが、良く分からないグループ名が多いです。しかしながら、そう言う未知の音を聴くと言う楽しみを存分に味わいましょう。それでは、各グループと各曲の紹介をしていきたいと思います。 ★A1 Konrad Kraft(コンラッド・クラフト) “F” (5:08)は、クリック音から、複雑な民族音楽調のドラムマシンとピコるシーケンスの打ち込みから成る曲で、明確なメロディはハッキリしませんが、リズム重視なので、そこら辺が面白いですね。 ◉Konrad KraftはDetlef Funder(デトレフ・フンダー)のソロユニットで、この曲は1985年作ですが、1987年以来、SDV TonträgerやAuf Abwegenから最近までリリースを続けています。以前にも彼のアルバムを紹介しています。 ★A2 Deux Baleines Blanches (デュー・バライネス・ブランチェス)“Draht 8” (2:30)は、バンブードラムのようなドラムマシンとギターループから成るミニマルな曲で、音の質感がそれ程、電子的では無く、そのギャップがまた面白いです。 ◉DBBはStefan Schneider (G-Loop; シュテファン・シュナイダー)とHeinz-Adolf Tack (Synth; ハインツ・アドルフ・タック)のデュオで、本曲は1986年11月に録音されています。 ★A3 Ettlinger(エッティンガー) “bzw” (2:10)は、ホントにカシオトーンのリズムと簡単なシーケンスに、カシオトーンによるメロディが乗っかった曲で、プリミティブかつプリティーな曲になっています。 ◉Ettingerは、Stefan Ettingerのソロ名義で、Casio VL-Toneを使って、Fostex録音機器Model 250で多重録音した曲で、1982年作です。 ★A4 Mentocome(メントコメ) “b6” (4:28)では、民族打楽器らしきドラムマシンが、スカスカにプログラムされていますが、後半は硬質なリズムと微かなメロディに突然変化して、浮遊感から土俗性すら感じます。 ◉Mentocomeは、Axel Grube(アクセル・グルーべ)とRainer Robowski (ライナー・ロボヴスキー)のデュオで、本曲は1986年作です。 ★A5 Frigorex (フリゴレックス) “The Beginning” (2:51)では、ポップ調のドラムマシンとシーケンスなのですが、バックにはシンセの持続音が流れており、ピコった音も聴取でき、中々ファニーな曲になっています。 ◉Frigorexは、Dino Oon(ディノ・オーン)とKonrad Kraftのデュオで、本曲は1982年作です。 ★A6 Dino Oon “Nr. 6” (3:52)は、不協和音的で唸るオルガンのドローンから成る異色な曲で、時々、シンセやドラムマシンの短いシグナル音が入ってきます。 ◉A5のDino Oonのソロで、1989年作です。 ★B1 Pfad Der Tugend (ファド・デル・ツゲント) “Einklang” (2:26)は、バンド演奏で、テンポチェンジも含めて、始終、バックの演奏が主導権を握っており、その上をシンセが飛び回ります。 ◉PDTは、Martin Kobele (B; マルティン・コベレ), Jochem Simons (G; ヨヘム・ジモンズ), Heinz-Adolf Tack (Synth), Stefan Krausen (Drs;シュテファン・クラウゼン)から成るバンドで、1987年2月録音です。 ★B2 Kurzschluss (クルツシュルス)“L'Inconnu” (1:58)は、ポリシンセとシンセBから成るミニマルな展開の曲で、単音シンセがその上で踊っているように不明確なメロディを奏でています。 ◉Kurzschlussは、Catherine Ledit(キャサリン・レディット)のソロユニットで、本曲は1986年作です。 ★B3 Wooden Barrows “Zyklus VI” (2:29)は、ちょっとだけYMOを想起させるオリエンタルな雰囲気の打ち込みから成る曲で、そう言う意味では異色ですね。 ◉WBは、Andreas Bongartz (アンドレアス・ボンガルツ)とAndrea Bearch (アンドレア・ベアルチ)のデュオで、本曲は1986年にGood Boy Studioで録音されています。 ★B4 Le Petit Mort (ラ・プチ・モール) “Geheimes Wissen” (3:04)は、不気味雰囲気のドラムマシンとシーケンス成りますが、やはりバンブードラムのような音質が目立ち、民族音楽調、かつミニマルな曲です。 ◉LPMは、Catherine LeditとDirk Grutzmann (ディルク・グルッツマン)のデュオで、本曲は1988年に録音されています。 ★B5 Strafe Für Rebellion (シュトラーフェ・フュール・レベリオン)“Boston” (3:26)は、時計の音とディレイを掛けたキックに、チェロのようなシンセ音から成る不定形の曲で、時に野卑なヴォイスやテープループや色々なノイズ要素が挿入されます。 ◉SFRは、Bernd Kastner (ベルンド・カストナー)とSiegfried M. Syniuga (ジークフリード・M・ジニュガ)のデュオで、2人が全てのノイズと楽器を担当して、1988年に自身のスタジオで録音した曲です。 ★B6 Maria Zerfall (マリア・ツェルファール)“Wohin” (2:32)は、反復するシンセ音に、女性Voやテープ音も入るパワー・エレクトロニクスです。中々、様になっています。 ◉1986年作の彼女のソロ曲です。 ★B7 ADD “Dörper's Dream” (3:56)では、機械仕掛けの内部音に、オルガンとテープ音が被ってきて、更に不穏なメロディでダークな音像を醸し出しています。DörperってDie Kruppsの? ◉ADDは、Bernd Zimmermann (ベルンド・ツィマーマン)のソロユニットで、1983年作です。 He 「流石、Düsseldorf !」と言った幅の広い曲がコンパイルされていますね。それこそ、エレ・ポップ調〜ドローン〜パワ・エレ〜ノイズまで押さえてあり、Bureau Bの底力が発揮されています。数年前に、日本でもカセットブームがありましたが、最近のブームというのは、カセットはフィジカルとして、音はDLして聴くという感じが多かったのですが、ここに収められているのは、いずれもカセットのみで配給・交換が為されていた訳で、そこに大きな違いがあるようにも思います。そんな独のアングラ音楽シーンを支えていたカセット作品群の中でも、電子音楽に特化した点が興味深いです。そして、その音楽の振り幅も広く、興味深く聴けました。今でも通用する音楽もありますので、一度は聴いてみてはどうでしようか?面白い世界ですよー! B3 Wooden Barrows “Zyklus VI” (2:29) https://youtu.be/ZEOuYIAP174?si=Z0QXCoOQc8NGqCTO [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_meALp9YzQZvcovRewwvwg3nF63GNxsF6E&si=bfs5ZteUbdvsR1zi #VariousArtists #Sammlung #ElektronischeKassettenmusikDüsseldorf1982-1989 #BureauB #CompilationAlbum #CassetteCulture #Düsseldorf #1980年代 #Electro #SynthWave #Experimental #Industrial #Drone #Noise #KonradKraft #DeuxBaleinesBlanches #Ettlinger #Mentocome #Frigorex #DinoOon #PfadDerTugend #Kurzschluss #WoodenBarrows #LePetitMort #StrafeFürRebellion #MariaZerfall #ADD
Experimental / Electro-Pop / Industrial Bureau B €20.00Dr K2
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Roedelius “Plays Piano (Bloomsbury Theatre, London, July 28th, 1985)”
RoedeliusことHans-Joachim Roedeliusのソロ作品の中でも、ちょっと異色なアルバム”Plays Piano (Bloomsbury Theatre, London, July 28th, 1985)を紹介します。タイトル通り、Hans-Joachim Roedeliusが、1985年7月28日に、英国ロンドンのBloomsbury Theatreで行ったピアノ・ソロ・コンサートのライブ音源を収録した作品です。しかも、録音機材は、Sonyのプロ用カセット・レコーダーによるものです。なお、Hans-Joachim Roedeliusのバイオグラフィーについては以前に書いてありますので、そちらをご参照下さい。始めは、各曲について紹介していこうかとも考えていたのですが、曲間が不明瞭なこともあり、全体的な紹介をしたいと思います。 A1 “Part 1” (2:06) A2 “Part 2” (3:53) A3 “Part 3” (1:57) A4 “Part 4” (2:55) A5 “Part 5” (2:56) A6 “Part 6” (1:35) A7 “Part 7” (2:50) A8 “Part 8” (1:32) A9 “Part 9” (6:41) A10 “Part 10” (2:17) B1 “Part 11” (2:42) B2 “Part 12” (1:33) B3 “Part 13” (2:23) B4 “Part 14” (1:51) B5 “Part 15” (5:26) B6 “Part 16” (1:56) B7 “Part 17” (5:15) B8 “Part 18” (3:29) B9 “Part 19” (3:09) B10 “Part 20” (0:57) B11 “Part 21” (1:34) この作品は、本当にRoedeliusのリリカルで繊細な感性に基づいて録音されたアルバムだなあと感心させられます。生ピアノ自体は、私的には「論理的」な楽器と考えているのですが、普通、ピアノの独奏とかは、逆に「感性」の楽器なんだと思います。それ故か、彼のソロで弾くピアノはツルッとした滑沢な表面の中に、時に悲しげに、時に弾けるように、時に元気一杯で、時に思慮深く、様々な表情を見せてくれるようで、聴き流してても、注意深く聴いても、許してくれます!そんな様々な捉え方の出来る音楽がこのアルバムには詰まっていますので、さあ、Let’s listen❗️ A10 “Part 10” (2:17) https://youtu.be/6xId5hW_E4o?si=iUr8S6uVwKyNYkxP [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nif22rX4wi2Fp5rIZOupFDbvqgG77XvJU&si=06z0e6lW9NSm7RGX #Roedelius #Hans-JoachimRoedelius #PlaysPiano #BloomsburyTheatre,London,July28th,1985 #BureauB #LiveAlbum #SoloAlbum #ModernClassic #Contemporary #PianoSolo
Modern Classic Bureau B 1400円Dr K2
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Karl Bartos “Off The Record”
今回は、1975年〜1990年の期間、あのKraftwerkのメンバーであったKarl Bartosのソロ名義でのセカンド・アルバム”Off The Record”を紹介しましょう(彼は、最初、Electric Musicと言う名義でも活動しており、最初にセルフタイトルをアルバムも出していますので、それを加えると、サード・アルバムとも言えます)。先ず、簡単に、彼のバイオグラフィーを書いておきます。本名Karlheinz Bartosで、1952年5月に独のMarktschellenbergで生まれています。大学生の時(1965年〜1975年)には、The Jokersのドラマーとして活動していますが、その時には、Carlos Bartosと名乗っていました。この後、1975年〜1990年まで、電子音楽グループKraftwerkのメンバーとして、Wolfgang Flürと共に活動していますが、この時期のKraftwerkは最も安定しており、創作活動も充実しています。Bartosは、元々、AutobahnのUSツアー要員として誘われたのですが、Karlhainzと言う本名は、ネオン管で作るには長過ぎるし、費用も掛かるとRalf Hütterに指摘されたので、ステージ名としてKarl Bartosとなりました。Kraftwerkでは、パーカッションを担当していましたが、アルバム”Man-Machine”, “Computer World”, “Electric Café”では作曲にも関わっており、特に後者では1曲、リードVoも担当しています。しかしながら、Bartosは、バンドの創設者Ralf HütterとFlorian Schneiderが、完璧主義に益々拍車が掛かり、バンドとしての活動が極端に遅くなり、それに対して不満が噴出したことから、1990年8月にバンドを脱退しています。それで、Bartosは、Elektric Musicを立ち上げ、1993年にKraftwerk風アルバム”Esperanto”を、1998年にはよりギターポップ的なアルバム”Electric Music”をリリースします。この2枚の間にも、1996年には、Bernard SumnerとJohnny Marrとのコラボを行い、Electronic名義で、アルバム”Raise the Pressure”を、またOMDのAndy McCluskeyと共作して、”Esperanto”とOMDのアルバム”Universal”にそれぞれ名を連ねています。また、スウェーデンのバンドMobile Homesのアルバムもプロデュースしたりして、余りにギターポップだったこともあり、一時期、シンセポップ・ファンを落胆させましたが、このアルバムは商業的には成功しています。その後、彼は、2003年に、Karl Bartos名義で、シンセポップ・アルバム”Communication”をリリースします。2007年には、グラフィック・アーティストJean Giraudに関するドキュメンタリー”Moebius Redux – A Life in Pictures”の音楽を担当しています。そうして、彼は、2008年初頭に、オーディオ・ヴィジュアル展Crosstalkの第1版をオーブンすることを自身のHPで宣言し、21本の映像、リミックス、カバーから成るプログラムを開催し、スウェーデン、ベルギー、蘭、独、英や日本からの素材をマッシュアップしています。2011年3月には、iPhoneのアプリとして、Mini-Composerを出しています。2013年3月5日に、本作品でもあるセカンド・アルバム”Off The Record”をリリースします。その前に、シングルカットされた”Atomium"を2月1日に1000枚限定で世界同時にリリースしています。2020年9月には、彼の公式ニュースレターが、新たなプロジェクトを進行していると公表しましたが、パンデミックの為、それは公開されませんでした。2021年5月12日に、Kraftwerkはロックの殿堂入りを果たし、Schneider, Hütter, Flürと共に、Bartosも賞されています。 ここら辺が、Karl Bartosの経歴ですが、本作品”Off The Record”は、元々、CD作品としてリリースされており、その一部は本作品のようにLPフォーマットでもリリースされています。本作品は両面共6曲ずつ収録されています。それでは、各曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “Atomium” (3:16)は、7拍子と言う変拍子ですが、全然違和感の無い打ち込みシンセポップに仕上がっています。奇跡! ★A2 “Nachtfahrt” (3:30)は、バックはもろKraftwerk調なのですが、ほぼ生のVoが入ることで、より親しみ易いシンセポップになっています。メロとサブメロの掛け合いも良い塩梅です。 ★A3 “International Velvet” (4:37)は、変調Vo(ここでの「変調Vo」はヴォコーダーを通したVoです)も入った寛ぎのシンセポップで、メロディもテンポも優しい。Kraftwerkよりもずっと人間味に溢れています。 ★A4 “Without A Trace Of Emotion” (3:28)は、ノリの良い陽キャな曲で、この曲では生声で歌っており、ロックすら感じます。途中で7拍子のフレーズや変調Voも入ってくるのも良いアクセント! ★A5 “The Binary Code” (1:41)は、パルス状の電子音の波から成るインスト曲で、頭の中に沁みます! ★A6 “Musica Ex Machina” (5:15)も、ダンスチューンのようなリズムに合わせて、変調Voで歌っており、バックのシンセ音も絶妙なミックスと音色で良きかな。最後の転調もグー! ★B1 “The Tuning Of The World” (3:33)は、優しいメロディと変調Voによるシンセポップで、人間味溢れた曲調がKraftwerkとは違い、言わばシンセ弾き語り! ★B2 “Instant Bayreuth” (3:36)は、スローで簡素なリズムに、通奏低音と単音のシンセによるメロディが心に沁みるインスト曲です。 ★B3 “Vox Humana” (2:56)は、人間臭いリズムと人声サンプリング、それにピロピロしたSE的シンセが絡む、何かが言いたいような曲で、途中途中でテンポが変わります。 ★B4 “Rhythmus” (4:16)は、その表題通り、強靭な打ち込みリズムを強調した曲で、変調ロボットVoと生Voとを使い分けており、そこら辺に秀逸さを感じます。 ★B5 “Silence” (0:06)は、ポリシンセの2フレーズだけのSE的小曲です。電子音楽のNapalm Death? ★B6 “Hausmusik” (3:29)は、陽キャなメロディのシンセポップで、軽く変調したVoと軽やかなシンセのメロディもツボを押さえていますね。 と言う訳で、Karl Bartosの”Off The Record”を聴いてみましたが、Kraftwerkに似た部分もあるのですが、多分見ている方向が真逆で、打ち込みによるシンセポップながら、非常に人間臭いものを感じました。そこら辺も意識しているのかも知れませんが、大きな違いだと思います。根本にはバピネス指向ではありますが、所々に批判精神も感じられ、そう言う意味では、一聴の価値ありと思いますので、本作品を是非聴いて欲しいですね❗️ A6 “Musica Ex Machina” (MV) https://youtu.be/msAFXe4PEVU?si=e7dF7yd5FmouGqzv [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_klyXA2OKwTf5C0xO5fdbpzYSRfIQzrcdc&si=me56ZwJowKJ1PmiY #KarlBartos #OffTheRecord #BureauB #ElectroPop #Synthesizers #Kraftwerk #SoloAlbum #2ndAlbum #変拍子 #Humanity #German #ElectricMusic
Electro Pop Bureau B £14.81Dr K2
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V.A. “Silberland Vol 2: The Driving Side Of Kosmische Musik (1974-1984)”
またまた、やってくれました!良質なジャーマン・ロックのアルバムを再発し、継承を手助けしてくれる独レーベルBureau Bが、Silberlandシリーズの第2段として、1974年〜1984年と言う括りで、”Kosmische Musik (Cosmic Music)”のコンピ・アルバムを2枚組のヴォリュームでドーンっと出してくれました(因みに第1弾は”Psychedelik Musikのコンピでした)。これらの曲をコンパイルしたのは、Gunther Buskies氏で、クラウトロックからNDWまで結構、幅広く集めたのではないでしょうか!それでは、各アーティストと各曲について簡単に紹介していきましょう。 【LP1】 ★A1 Harald Grosskopfは、WallensteinやAshra或いはKlaus SchulzeのソロアルバムでDrsを担当しており、1981年〜1983年にはNDWバンドLilli Berlinでも活動している人物で、一方でソロ活動もしており、ファーストソロアルバム”Synthesist”では大々的に電子音楽をやっています。ここでは、1986年作セカンド・ソロアルバム”Oceanheart”からの曲“Eve On The Hill (抜粋)”で、四つ打ちキックにシーケンスと伸びやかなシンセ・メロで、英国ニューウェーブっぽくにも聴こえる。余り独っぽくはないかな? ★A2 Clusterはマルチ奏者Dieter MoebiusとHans-Joachim Roedeliusのデュオで、1971年、Berlinで結成されていますが、シンセポップとアンビエントの両方の源流とされている最重要バンドです。ここでは、1979年作のアルバム”Grosses Wasser”からの曲“Prothese”で、ヘンテコなシーケンスとDrsの同期演奏にGや奇声のような合いの手Voからなります。 ★A3 Conrad Schnitzlerも、ご存知、独逸音楽界の切っての奇人変人で、多作家としても知られ、またカセット・コンサートでも有名です。ここでは、メジャーレーベルRCAが1980年に出した12インチEP “Auf Dem Schwarzen Kanal”からの曲“Elektroklang”で、彼らしいミニマルなシーケンスとマシンリズムに変調Voが語りのように乗っかり、時にシンセSEが挿入されています。遊び心に溢れています。 ★A4 Youは電子音楽を目指して、1977年にUdo Hanten (Synth)とUli Weber (G)で結成されたデュオで、別名Yourovisionとも呼ばれます。その後、Albin Meskes (Synth)が加入し、最終的にはHagenとMeskesのデュオになりました。また、アルバムには先述のHarald GrosskopfがDrsでも参加しています。ここでは1980年作のファーストアルバム”Electric Day”からの曲“Son A True Star (抜粋)”で、中々アップテンポでミニマルなシーケンスに多層化する泣きのシンセから成ります。ドラムは生Drsかな? ★A5 Thomas Dingerは、お馴染みKlaus Dingerの弟で、Neu!やLa Düsseldorfに在籍していますが、ソロアルバムは”Für Mich”だけです。ここでもそのアルバムからの曲“Für Dich (抜粋)”で、お馴染みのNeu!等直系のハンマービートに簡素なシーケンスとシンセと言う多幸感に溢れたトラックですが、彼は49歳で夭折しているんですよね(何か運命の悪戯っぽい?)。 ★B1 Asmus Tietchensは独音楽界の生き証人で、1965年からシンセとテープループで実験音楽を始め、1980年代初頭には、エレクトロ似非ポップをアルバムを出し、またその後は、音響系、アンビエント、インダストリアル、ミュージック・コンクレート等のあらゆる実験音楽作品を出しています。ここでは1982年作”Spät-Europa”からの曲“Bockwurst Á La Maîtresse”で、マシンリズムにフランジャーを効かせたシンセから成り、やや不穏な雰囲気です。所謂、似非シンセ・ポップ! ★B2 Moebius, Plank, Neumeierも、Clusterのシンセ奏者Dieter Moebius、Guru GuruのドラマーMani Neumeier、独音楽界の稀代のプロデューサーConny Plankによる大傑作アルバム”Zero Set”からの曲“Search Zero (抜粋)”で、タイトな生Drsや打楽器を中心に、SE的なシンセやGなどの音が入り、不明瞭なメロディも聴取できます。また少しダブ的ミックスも!音の録音はPlank色が強いです。 ★B3 Heiko Maileは豪州生まれの独逸人ミュージシャン/映像作家で、1983年にはシンセポップバンドCamouflageを結成していますが、ソロ活動も行っています。ここでは、未発表曲のセルフ・コンピ・アルバム”Demo Tapes 1984-86”からの曲“Beat For Ikutaro (Tape 52) (抜粋)”で、これまた宅録的シンセ・ウェーブっぽいです。簡素なリズムマシンに線の細いシーケンスとSE的シンセ音です。 ★B4 Lapreは1983年に、Peter Preuß (G)とRudolf Langer (Synth)によって結成されたデュオで、独地下音楽界で活動し、1984年に2本のカセット作品(”Flokati”と”Tedan”)を残しています。ここでは、カセット作品”Flokati”からの曲“Flokati”で、こちらも宅録っぽい感じで、低音はBなのかな?ちょっとメジャー寄りなメロディと言うか弾きまくってます。勿論、リズムマシンとシーケンスはミニマルですが。 ★B5 Adelbert Von DeyenはBerlin Schoolのエレクトロ・ポップミュージックとPink Floydの音楽、両方に影響を受けて、1970年代にDieter Schützとのセッションを繰り広げてきたBerlin在住のミュージシャンで、ファーストアルバム”Sternzeit"を1978年にSky Recordsから出しています。ここでは、1980年作のサード・アルバム”Atmosphere”からの曲“Time Machine”で、結構、アップテンポで、ミニマルなベースライン及び生ドラムと朗々としたシンセとの対比が面白いです。 【LP2】 ★C1 Günter Schickertは、1962年にトランペットを学び、その後、1967年にギターに転向、1971年にはフリージャズをやり始め、1973年にエコーギターのセッションをやり、1976年にAxel StruckとMichael LeskeとでGAMを結成。ここでは、1979年にSky Recordsより出したファーストソロアルバム”Überfällig”からの曲“Puls (抜粋)”で、Gをドラムマシンに合わせてミニマルに弾いており、時にスネアが入ったり、テープ音やリードGが入ったりで、ちょっと異色ですね。 ★C2 Faustはもう何も言うことはない程、有名ですが、ここでは、Giorgio Moroderのスタジオで1974年に録音した未発表曲を集めたアルバム”Punkt.”に収録されている曲“Juggernaut”で、これも異色曲で、GとDrsとBのジャムセッションから成ります。パックで唸るようなシンセ音がKosmische Musikなのかな? ★C3 Moebius & PlankもClusterのDieter Moebiusと名将Conny Plankががっしり組んで、1980年にSky Recordsより出たアルバム”Rastakraut Pasta”からの曲“Feedback 66 (抜粋)”で、Gのやや重いリフとミニマルな生Drsから成り、そこにシンセ?G?のメロディが挿入されて、薄らヴォイスも!? ★C4 Roedeliusも超有名なアンビエントの源流とも言われるClusterの片割れです。ここでは、Farfisa製オルガンとRevox-A77 テープエコー、それに借り物のシンセ1台だけで録音した曲“Band 068 3 Bock Auf Rock (Nicht Verwendetes Stück)”で、リズムマシンにエレピ〜チェンバロ的シンセの禁欲的なミニマルな演奏から成ります。 ★C5 Serge Blennerは仏生まれで、作曲とハーモニーをMulhouse音楽院で学び、1975年に独に移住、多くの作品を残しています。ここでは、1981年作の彼のセカンドアルバム”Magazin Frivole”からの曲“Phonique”で、再び、力強いマシンリズムに上下するシーケンスと明瞭でメロディアスなシンセがイかすシンセ・ウェーブ的音楽です。 ★D1 Moebius & Beerbohm。ClusterのDieter Moebiusとベース奏者のGerd Beerbohmのコラボ作品は2つ(“Strange Music”と”Double Cut”)ありますが、ここでは1982年作のファースト・コラボアルバム”Strange Music”からの曲 “Subito”で、いきなり生Drsの強烈なビートとシンセ音で始まり、弾けています。簡素なBのリフも聴こえます。 ★D2 Tyndallは先述のLapreの片割れRudolf LangerがJürgen Krehanと1980年から始めたデュオで、当時は典型的な電子音楽と言う認識で、4枚のアルバムを残しています。ここでは、1980年作ファースト・アルバム”Sonnenlicht”からの曲“Wolkenlos (抜粋)”で、またまたアップテンポな宅録シンセウェーブ風な曲です。ベース・シーケンスとマシンリズムに、大胆で美しいシンセ音がオーロラのように被っています。 ★D3 Pyrolatorもご存知だと思いますが、本名Kurt Dahlkeで、Der Planの頭脳にしてシンセ奏者で、ソロアルバムもコンスタントに出しています。ここでは、1981年作セカンド・ソロアルバム”Ausland”からの曲“180°”で、如何にもPyrolator的なユーモアに満ちたマシンリズムとシーケンスとシンセのリフから成るアップテンポな曲です。また女性の喘ぎ声入りです。 ★D4 Die Parteiは、The WirtschaftswunderやSiluetes 61で活躍しているNDW界の奇人変人Tom Dokoupilと画家/写真家/サウンドアーティストのWalter Dahnのデュオで、ここでは、1981年作の唯一のアルバム”La Freiheit Des Geistes”からの曲“Guten Morgen In Köln”で、リズムマシンとベース・シーケンスとGからなりますが、そのバックではかなり無茶なオルガンも聴取できます。実はミニマルですね。 ★D5 Deutsche Wertarbeitは、1970年代から活動している独プログレ・バンドStreetmarkの女性シンセ奏者/Kbd奏者のDorothea Raukesのソロユニットで、ここでは、1981年にSky Recordsより出た唯一のアルバム”Deutsche Wertarbeit”からの曲“Auf Engelsflügeln (抜粋)”で、心地よいシーケンスと包み込む分厚いシンセ音に、リズムマシン音が加わっていき、やがてピアノの調べや合唱(?)も! 聴き通してみて、個人的には、面白かったのですが、レーベル側が意図した”Kosmische Musik”への架け橋になっているか?と言うと、ちょっと違うんじゃないかな?とも思えました。確かに、電子音楽系クラウトロックからNDWまでカバーしていますが、そのミッシングリングとなるkey groupは余りはっきりしていないようです。しかしながら、この時期の独の音楽シーンを俯瞰できたと言う意味では大変面白かったです❗️なので、プログレとかニューウェーブとかのジャンル分け関係無しに、シンセとかによる電子音楽の成り立ちに興味がある方は是非一聴してみて下さい‼️楽しめると思いますよー。 LP1: A1 Harald Grosskopf “Eve On The Hill (抜粋)” A2 Cluster “Prothese” A3 Conrad Schnitzler “Elektroklang” A4 You “Son A True Star (抜粋)” A5 Thomas Dinger “Für Dich (抜粋)” B1 Asmus Tietchens “Bockwurst Á La Maîtresse” B2 Moebius, Plank, Neumeier “Search Zero (抜粋)” B3 Heiko Maile “Beat For Ikutaro (Tape 52) (抜粋)” B4 Lapre “Flokati” B5 Adelbert Von Deyen “Time Machine” LP2: C1 Günter Schickert “Puls (抜粋)” C2 Faust “Juggernaut” C3 Moebius & Plank “Feedback 66 (抜粋)” C4 Roedelius “Band 068 3 Bock Auf Rock (Nicht Verwendetes Stück)” C5 Serge Blenner “Phonique” D1 Moebius & Birthday “Subito” D2 Tyndall “Wolkenlos (抜粋)” D3 Pyrolator “180°” D4 Die Partei “Guten Morgen In Köln” D5 Deutsche Wertarbeit “Auf Engelsflügeln (抜粋) LP2: D2 Tyndall “Wolkenlos (抜粋)” https://youtu.be/lvg8SG7Dwm0?si=I4GN2uGBHHXp-UUL [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kaYxQSGAS-rEFQtHmQrMggph75CjOIW_I&si=oukTyY_DMngcouPc #VariousArtists #SilberlandVol.2 #TheDrivingSideOfKosmischeMusik #1974-1984 #German #Krautrock #NeueDeutscheWelle #Electronic #CosmicMusic #HaraldGrosskopf #Cluster #ConradSchnitzler #You #ThomasDinger #AsmusTietchens #MoebiusPlankNeumeier #HeikoMaile #Lapre #AdelbertVonDeyen #GünterSchickert #Faust #Moebius&Plank #Roedelius #SergeBlenner #Moebius&Beerbohm #Tyndall #Pyrolator #DiePartei #DeutscheWertarbeit
Krautrock, Electronic, Experimental Bureau B 4298円Dr K2
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Alu “Die Vertreibung Der Zeit”
Alu、それはNeue Deutsche Welle (NDW: German New Wave)のファンなら、一度は聴いたことがあるバンドです。ちょっと前に、英国AttritionとのスプリットCDをPeripheral Minimalから再発したことで知った方もいるのではないでしようか? 今回、マニアックなセレクションで再発盤を出している独レーベルBureau Bより、Aluのセルフ・コンピ・アルバム“Die Vertreibung Der Zeit”を入手しましたので、紹介したいと思います。先ず、彼等のバイオグラフィーを書いておきます。実は彼等は、クラウトロック・バンドであったSandが解散して、1979年に新たに出来たバンドで、その時のメンバーは、Ludwig Papenberg (G, Kbd, Drum Machine)とJohannes Vester (Vo, Kbd)のデュオ形態でした。そうして、1981年に、Nadja Molt (Vo)が加入し、ライブ・バンドになります。とは言っても、1981年に自身のレーベルDer Letzte Schrei !からリリースした彼等の最初の7㌅シングル”Bitte Warten Sie!” (ここにはNadjaは参加していない)や後にリリースされたデュオ時代(1980年)のスタジオ音源から成るアルバム”Autismenschen”とは、全く違う音楽をライブでは演奏していました。その頃は、NDWと言うよりも、Nocturnal EmissionsやCabaret Voltaire等のインダストリアル・シーンと関わっており、ある意味、BerlinのCold Waveであったようです。そんな訳で、Nadja加入後はAlu IIと言うべき変化があったようで、その頃にライブ・アルバム” Störfaktor I - Alu's Riskantes Experiment 31.7.81 Im Risiko”を1981年に、”Licht”を1982年にリリースしています。そして、1982年前に、Papenbergが脱退しており、その後は、Johannes VesterとNadja Mortのデュオになり、Alu IIIとして活動していきます。この頃はシンセとドラムマシンとヴォーカルの即興演奏だったらしく、1983年にライブ・カセット作品”Geistige Erneuerung”を出しています。また同年にスタジオ・アルバム”Ungesunde Traumbilder”と先述のAtrittionとのスプリット・アルバム”Attrition/Alu”の2枚のアルバムも出しています。これらのアルバムが、Aluの最後のスタジオ・アルバムとなり、1986年に、HumburgのFabriekでのライブが最後となります。大体のAluの流れはこんな感じです。では、本アルバムの各曲を紹介していきましょう。 A1 “Der Schänder Ist Unterwegs”は、如何にもAluとも言えるちょいインダストリアルなマシンリズムにNadjaの巫女的ヴォーカルが絡んでくる曲です。 A2 “Ich Mag Mich”では、ギターの低音部の刻みと不明瞭なシンセから始まりますが、途中で急にアップテンポのマシンリズムに変わり、呪文のようなヘロヘロのNadjaのヴォーカルが出てきます。そうして、ベース・シーケンスに再び移行します。何だか統合失調症のような曲展開です。 A3 “Funkturm”では、ミニマルでぶっ太いベースシンセとややユーモラスなマシンリズムで、そこにVesterの切迫したヴォーカルが斬り込んできます。これは初期の曲でしようか? A4 “Vendetta”でも、ややユーモラスなベース・シーケンスを中心としたモコモコしたリズムから成る、割とNDW的な曲ですが、Nadjaの(ウィスパー、時に叫び声のような)ヴォーカルが入り込んできて、延々と続きます。 B1 “Sie Kriegt Alles Was Sie Will”では、単調なシンセのパルスと、それにまとわりつく電子音から始まりますが、やがて太いベース・シンセとキック音が入り込み、更にVesterのヴォーカルも加わり、より曲っぽくなっていきます。これも初期の曲でしょう。 B2 “Mein Verlor'nes Glück”は、結構カッコ良いマシンリズムと虚なNadjaのヴォーカルから成る夢遊病のような曲です。勿論、ミニマル! B3 “Aludome”も、またモコモコしたユーモラスなリズムに、シンセ・ベースとキーボードがバックを固め、それ程上手くはないが味のあるVesterのヴォーカルが乗ってくる、どこか牧歌的な曲です。 B4 “Jetzt Ein Bisschen Liebe”は、機材的にも大躍進が見られ、カッコ良いバックのリズムやシンセのリフとNadjaの朗々としたヴォーカルが聴取出来る曲です。 先述のように、Aluは3つの時期に分けられますが、各時期の曲がバランスよく収録されていますね。なので、Aluの魅力を存分に味わえますね(でも、本当は2枚組にして欲しかった!)。それと、B4以外のNadjaのスタイルは一種のシャーマン的な雰囲気が強いのもよく分かりました。そう言う意味では、Aluはリチュアル・インダストリアルだったのかも。そうすると初期の曲は典型的NDWであったようにも思えて、Nadjaの存在がAluの個性に大きく寄与したと確信しました❗️NDWに興味のあるリスナーさんは絶対聴いた方が良い一枚ですよ‼️ [first single] ”Bitte Warten Sie!” https://youtu.be/EDDG9QH_DgM?si=QOrgMzFwJ_ywXdKr [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kNO_GJ5kP2F-aV9bxbCa6cmx3q9nRA_D8&si=to1mG00SWwrLasc0 #Alu #DieVertreibungDerZeit #BureauB #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #SelfCompilationAlbum #ElectroPop #ColdWave #Berlin #Experimental #Industrial #Synthesizers #DrumMachine #Vocal #Sand #Krautrock #JohannesVester #NadjaMort #LudwigPapenberg
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Bureau B £43.02Dr K2
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Conny Frischauf “Die Drift”
これも謎物件です!Conny Frischaufって誰?多分、信頼の独レーベルBureau Bから出ていたので、買ったのでしよう。余りに知らないので、ちょっと調べてみました。Conny Frischauf (「コニー・フリシャウフ」と発音)はオーストリアのViennaの宅録アーティストで、本作品”Die Drift”は彼女のデビュー・アルバムにして現在、唯一のアルバムであると言うことが分かりました。それで彼女は、2013年に、ポルトガル出身のRick Linsと共にRSHMTHと言うデュオで、カセット作品を出しているので、その前辺りから音楽活動をやっていたみたいです。彼女のソロとしてのデビュー12㌅EP “Effekt & Emotion“は、2018年にInternational Major Labelから出ていますので、ソロとしてはこの前辺りから活動を開始しているのでしよう。その後も、2019年には、独Berlinのレフトフィールド・ダンスレーベルKame House Recordsから、12㌅EP ”Affekt & Tradition”を出しています。Connyが何故、独の電子音楽系プログレ・レーベルBureau Bからアルバムをリリースするようになった経緯の詳細は不明ですが、彼女の音楽が、クラウトロックやニュー・エイジ、ネオ・フォークなどを通過して、現在、レフトフィールド・シンセ・ポップをやっていることと関係があるからでしょう。なお、同年2021年には、プロモ・シングルとして”Parapiri (single version)”もCDRとして出しています。彼女の音楽は、ユニークな電子音とパーカッシヴなビート或いは、軽やかな歌声が宇宙に向かって口笛を吹くように、また水面を描く波紋のように静かで豊かな広がりを生み出すようなものであるとも評されており、Laurie AndersonやCate Le Bonの作品も想起させる程の独創性があるとか(ここら辺の音楽は私は聴いていないので良くは分かりません)。まあ、兎に角、一風変わったシンセ・ポップをやっているようですが、これ以上の情報は見つからなかったです(すまん!)。 と言う訳で、Conny Frischaufのデビュー・アルバム”Die Drift”を紹介していきましょう。内容は両面とも5曲ずつ収録されています。全体の印象としては、最近の宅録システムをフルに使ったエレクトロ・ポップなんですが、ディレイなんかのエフェクトの使い方や曲の構成仕方が、通常のバンドのそれとは異なり、かなり自由度の高いスキルを見せてくれます。確かに、電子音楽系クラウトロックっぽい瞬間も垣間見れるのですが、彼女のアレンジ力で、全く古臭い面は皆無です。と言う訳で、各曲を聴いていきましょう。 A1 “Rauf”は、散歩しているリズムで、多重録音されたヴォーカルが印象的な曲。 A2 “Parapiri”では、ダウンテンポなんですが、使われている電子音が心地良すぎます。タイトルを執拗に歌う彼女の声は澄んでいて、天使のよう。 A3 “Fenster Zur Strasse”では、ヴォーカルの多重録音で幕を開け、朗々と流れるシンセと上手く絡んでいます。途中からラップ調にも⁈ A4 “Sonntag”もゆったりとしたリズムとドローン音で始まりますが、太めのベース音とシンセのリフの使い方が面白いインスト曲です。 A5 “Auf Wiedersehn”は、回転数間違えたような存在感のあるベース・シンセとハキハキと歌うヴォーカル、それがスラップ気味のベースに変わって、クラブ・ミュージックっぽく変化していきます。 B1 “Zeit Verdrehen”は、可愛らしいリズムと太いシンセ・ベースと言うアンバランスに、甘めの独逸語ヴォーカルが乗っている曲で、ディレイが掛かったヴォーカルが面白いですし、クラウトロックっぽいです。 B2 “Roulette”でも、やや民族音楽調のリズムとシーケンスに独逸語ヴォーカルが乗っており、キッチュな感じ。最後にシーケンスが壊れます。 B3 “Eingaben Und Ausnahmen”では、シンセ・ベース・ソロが展開され、トランペットらしきメロディが入ってくるジャジーな曲。 B4 “Private Geheimsache”は、口笛のようなメロディとガチャガチャしたリズムに、硬めの独逸語ヴォーカルが乗ってくる不思議な曲です。 B5 “Freundschaft”では、アンビエントなシンセにトランペット様のシンセとディレイを掛けた物音シンセが入ってきます。やがて静かなリズムや穏やかなヴォイスも。ここら辺はクラウトロックっぽいです。 やはり、現代っ子的で、ちょっと真似出来ないエレクトロ・ポップでしたね❗️あと、ベース音に存在感があるのは、クラブ・ミュージックからの影響ですかね? まあ、ジャケがイマイチですが、これに惑わされず、Conny Frischaufの作品に触れてみて下さい‼️ A2 “Parapiri” https://youtu.be/S6VJWBjV_HU?si=t51So481NyDlcQy- [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kXjdvRT05rQ-0L2z6l0_Wpu0uYcuYRRFE&si=2qjqrmHcS7kRmH0s [BandcampのURLも貼っておきます] https://connyfrischauf.bandcamp.com/album/die-drift #ConnyFrischauf #DieDrift #BureauB #Viennese #FirstAlbum #Left-FieldSynthPop #Electronic #FemaleVocal #Krautrock #NewAge #Synthesizers #打ち込み #宅録 #RSHMTH
Left-Field Synth Pop Bureau B 880円Dr K2
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Moebius, Neumeier, Engler “Another Other Places”
ClusterのDieter MoebiusとGuru GuruのMani NeumeierとDie KruppsのJürgen Englerとの独新旧3人のコラボ作品”Other Places”に引き続き、またまた、新録で2014年にリリースされたコラボ・アルバム第2弾”Another Other Places”をご紹介しましょう。それぞれのバイオグラフィーについては、それぞれのバンドなり個人なりのをご参照下さい。今回も、Moebius (Electronics), Neumeier (Drs, Perc, Kaosscillator, Pro One, Bells), Engler (G, B, Piano, Bells)から成りますが、ミックスはEnglerとMoebiusによって行われていますが、マスタリング担当はChris Lietzです。今回も、A面5曲/B面4曲と言う構成で、恐らく、即興演奏の記録ではないがと思いますが、どこにも明記はしてありません。また今回はLPの他に同一内容のCDも付いています。それでは、各楽曲を紹介していきます。 ★A1 “Watzmann”は、前作と随分と違う路線です。ベルの音、ムニュムニュした低音シンセ音、ギターらしき弦楽器の音がビートレスに絡み合う不思議な夢想曲です。 ★A2 “Wohlauf”も、逆回転から始まったと思うと、すぐは軽やかなドラムとEnglerのギターで曲が始まり、それにMoebiusのシンセとシーケンス、更にはEnglerと思われる歪んだヴォーカルも入ってきます。何かトロピカル風ですね。最後はちょっとしたサプライズかな? ★A3 “Wahnfried”では、またまたムニュムニュしたシンセとパルスのような規則正しい音に、打楽器(タブラ?)とか遊んでいるようシンセ音が塗されています。 ★A4 “Verirrt”では、淡々とした変なシーケンスとキック音に、シンセ?サンプラー?やピアノの音やシンバル〜タムの音の断片が振り掛けられています。面白い曲です! ★A5 “Expressionist”は駆動する機関車のような不安定なシーケンス・ビートに、シンセのヘンテコな音やらドラムのおかずやらエフェクト掛けたギターらしき音が纏わりついてくる曲です。 では、B面にいきます。 ★B1 “Destilliert”は、おもちゃのようなドラミングとアナログっぽいシンセ音に、ややメロディアスなギターが加わって、何だか1980年代のNDWみたいな曲になっています。少しマカロニ・ウエスタン風味を感じます。 ★B2 “Stimulanz”はゆったりした、スローなシーケンスに、ヘンテコなシンセ音が絡む曲で、時々、缶を叩く音やベースの音も聴こえてきます。 ★B3 “Verwirrt”は、ヘンテコなシーケンスとフリーキーなシンセが絡み合う曲で、その後ろで、ドラムとベースが自由に後押しをしていると言う感じにミックスされています。 ★B4 “Störenfried”は銅鑼で始まり、超絶のNeumeierのドラミングとEnglerのギターを中心に進んでいく「正統な」ロック調の小曲で、このアルバムを締めています。 今回は、ドラムよりもギターの音やシンセの音が良く聴こえていて、どちらかと言うとMoebiusやEnglerの要素が強く、前作とはかなり印象が異なります。やっぱり「時代」と言うことでしょうか? それにしても、同じ3人が作ったとは正直分からないです。どちらかと言うと、「1980年代のNDWのアングラ・バンドの音源です」と言って信じる人いるんじゃないかなあと思う位、面白い音楽です!なので、NDWファンは買って損はないと思います‼️そうじゃない方も聴いてみてね❗️ A4 “Verirrt” https://youtu.be/QY8b1v-ZSCQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL22Aa1wSmDcUFH0yWnRdZTqzMDVNIFaD3 #Moebius #Neumeier #Engler #AnotherOtherPlaces #BureauB #Electronic #Krautkrock #Rhythm #Cluster #DieterMoebius #GuruGuru #ManiNeumeier #DieKrupps #JürgenEngler #Collaboration #Improvisation
German Rock Bureau B 不明Dr K2
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V. A. “Klar! 80 - Ein Kassetten Label aus Düsseldorf 1980-82”
これは❗️これに反応するリスナーさんは、相当のNeue Deutsche Welle (NDW: German New Wave)のファンの方ですね。しかも、2023年に出たばっかりで、まだDiscogsに写真は載ってませんでした(データは探せば載っています)。元々の話しをすると、その昔(1980年前後)に盛り上がったNDWがあるのですが、今まで紹介してきたのは、その中でも比較的有名で、名前もそれなりに通っているバンドなんですが、ここに収められているバンドなんかは全くの無名で、しかも、当時は、DüsseldorfにあったTape Klar!と言う、カセットを扱う自主制作モノのお店の名前だったのです。このお店は、Rainer Rabowskが経営しており、1980年10月〜1982年4月の間にカセット・レーベルとしても運営しています(最後には12㌅EP3枚組も出している)。例えば、誰かが、自分の作品をカセットでダビングして作ったとして、それを、このお店に持って行くと、何本かを買取りして、このお店で売ってくれると言うシステムであったようで、差し詰め、日本で言うところの「フジヤマ」に近いかと思います。なお、インナーには阿木譲氏のインタビュー写真も掲載されており、それが発行されたRock Magazineは、当時の私には「聖書」でした。そんな独逸のカセットカルチャーを支えたTape Klar!ですが、中には、元DAFのChrislo Haasと元Einstürzende Neubautenで、後にMania Dを結成するBeate Bartel のデュオCHBBなどのような隠れた傑作も扱っています(因みにこの2人はその後、Liaisons Dangereusesを結成しています)。そんなNDW最盛期のサンプラーが、独Bureau Bの尽力のおかげで、今回、LPでリリースされました❗️有難う、Bureau B!と言う訳で、各曲を紹介していきます。 A1 Strafe Für Rebellion “Blaue Mig”は、DüsseldorfのBernd KastnerとSiegfried Michail Syniugaのデュオで、1979年結成。一時期解散状態でしたが、2014年に新作を発表し、復活。何だかよく分からないBとテープ音?Organ?から成るラジカセ録りの小曲。A2 Rotor Stern Belgrad “Ta Ku Say”は、当時はDüsseldorの正体不明のバンドでしたが、後にRainer Rabowski, Charly Morrow (Vo), Axel Grube (Mix)によるトリオと判明しました。重いキックの強烈なマシンリズムに呟きのようなヴォーカルと最小限のSynthが加わっている、ミニマルで「ダンサブル」な曲です。A3 Und Piloten “Umsturz”は全く情報無しです。ヘンテコなリズムに、合っているかどうかわからないような低音シンセ、それが無くなったら、生Drsとシーケンスに引き攣ったようなVoが! A4 Strafe Für Rebellion “Alpha Waves”は、A1のバンドで、この曲は、ディレイを掛けたBらしき音とそのバックのOrganの不協和音からなります。A5 Europa “Dein Zauber”は、メンバーが、Franz Bielmeier (G, Perc), Klaus Audersch (Drs, Vo), Peter Stiefermann (B), Petra Kleinsorg (B, Vo), Rolf Appelbaum (G, Vo), Viridiana Audersch (Synth, Perc, Vo)から成るバンドで、やや軽やかでミニマルなリズムに、深いリバーブで沈んでいるSynth、それに独特の独逸語の歌がハマりますねー。このコンピでは一番まともかな? A6 Ralf & Ernie “Ralph & Ernie”は、B2のバンドEraserheadのRalph EikenrothとErnie Müllerのデュオのこと。電気的(電子的ではない!)な通奏低音と時に乗っかる電子音による実験的な曲です。子供の声のテープ音もグーです。A7 Xao Seffcheque Und Der Rest “Mir Fehlen Die Worte”は、先日亡くなったNDWの仕掛け人Xao Seffchequeのバンドで、メンバーはAndreas Brüning (Sax, G, Clarinet), Frank Mart (G), Rainer Mackenthun (Drs), Ralph Albertini (Sax), Xao Seffcheque (Vo, Electronics, G, Casio)です。曲は、ノリの良いファンク調の反復する音楽で、Seffchequeの雲のようなVoと時折り入るSaxが上手く作用しています。これもまともな曲! B面に行きます。B1 Rainer Rabowski, Axel Grube & Ralph Albertini “Rara, Axel & Ralph”は、店主のRobowskiとmix担当のGrube、そしてSaxのAlbertiniのセッションでしようか? セッションにしては良く合ってます。雰囲気はアフリカンですが、如何にもと言う所が独逸っぽい。結構、Sax吹きまくってます。また、ちょっとしたダブ的ミックスもあり。B2 Eraserhead “OT”は、Ernie Müller, Ralf EikenrothとJoachim Hohのトリオで、同名異種のバンドと間違えないように! 何だ、これ?音はラジカセ録りで、DrsとG?Synth?の短い反復音が重なって、最後はDrsとシーケンスだけに成る。やっぱりNDWの奥は深い! B3 P. Projekta & G. Ranzz “M4”は全く情報無しです。Synth-B?エレクトーンのB音?らしき重低音に、引き攣ったGが乗る曲で、やはりラジカセ録りの為か音は悪いか、面白い音です。B4 CHBB “Mau-Mau”は、先述のChrislo HaasとBeate Bartelのデュオで、多分、この中では一番の有名かと思います。何と!生Drs入りで、マシンと同期演奏。単調なリズムにテープ音やSaxやSynthらしきノイズが塗してある曲。こりゃCHBBのカセット集めなきゃ! B5 Roter Stern Belgrad “Blas Dein Knie Ein”もA2のバンドのことで、力強いビートに電話での会話などをコラージュした曲で、流石、色々聴いてる店主だけのことはあると言う感じです。B6 Blässe “Taktlose Klapperschangen”は、後にNeubauten にも参加するAlexander Von Borsig (Alexander Hacke: B, Synth, G), Michael Richard Hirsch (Synth), Brigitte Bühler (G, B), Bernward Malaka (B), Xao Seffcheque (Drs, Synth), Eva-Maria Gößling (Sax)から成るフェイク・ジャズ・バンドで、曲自体はプリミティブな部分と洗練された部分が程よくミックスされて、段々、ノイズっぽい音に浸食されていきます。SaxとDrsがキモかな。 とにかく、面白い音楽と言うか音を聴くことができますね。録音レベルも様々ではありますが、それ以上に興味深い音楽がこの時期にあったのだなと確信しました。また名前しか知らなかったバンドの音楽を聴く事が出来て、満足です。この作品はマニア向けではありますが、NDWに興味のある方にサンプラーとして聴いても良いと思いますので、是非❗️ CHBB (red) 1981 (本作品とは直接関係ないです) https://youtu.be/-qgS1R70Q3E それと、阿木譲氏によるKlar!のインタビューです。 https://youtu.be/8JRQj51f6UY [取り敢えず、BandcampのURLを貼っておきます] https://bureaub.bandcamp.com/album/v-a-klar-80 #VariousArtists #Klar!80 #EinKassettenLabelAusDüsseldorf1980-82 #BureauB #Remaster #TapeKlar! #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #CassetteCulture #Underground #StrafeFürRebellion #RotorSternBelgrad #UndPiloten #Europa #Ralf&Ernie #XaoSeffchequeUndDerRest #RainerRabowski,AxelGrube&RalphAlbertini #Eraserhead #P.Projekta&G.Ranzz #CHBB #Blässe
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Bureau B 不明Dr K2
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Notorische Reflexe “s/t”
これまた、謎のNeue Deutsche Welle (NDW)です。Suezan Studioの小柳カヲルさん(いつも有難うございます)から直で購入しましたが、私は、このバンドNotorische Reflexe(「ノトリッシェ・レフレクセ」と発音? 以下NRと表記)についての予備知識は全然無かったです。NRは1982年に独Berlinで結成され、1枚のシングルと1枚のLP (本作品のオリジナル)をリリースした後、1986年に解散しています。メンバーは、Ghasi Twist (本名: Günter Friedenberg), Sascha Von Oertzen, Ralf Buron, Knut Hoffmeister, Christoph Doeringの5人で、当時から、Super 8 FilmをVHSに変換するマルチメディア的ライブ活動をしていたそうで、また、サンプリングも早い時期から使っており、視覚的にも聴覚的にも刺激的かつ実験的であったとのこと。1983年にリリースされたシングル”Breschnew Rap”では、Leonid Iljitsch Breschnew (旧ソ連のブレジネフ大統領)の声をサンプリングしており、ちょっとした地下音楽界でヒットとなります。なお、このシングルには、メンバーのKnut Hoffmeister制作の映像が付いていたみたいです。1985年に、Rebel Rec.よりセルフタイトルのアルバムをリリースしています。なお、2015年には、Mark Reeder, Regie von Jörg A. Hoppe, Klaus Maeck, Heiko Lange, Alexander von Sturmfederによって制作された”B-Movie: Lust & Sound in West-Berlin 1979-1989”と言うドキュメント映像に参加しているようです。当時のNDWの中では、Die Tödliche Doris, Einstürzende Neubauten, Malaria!程、有名ではなかったのですが、それでも重要なバンドであったとされています。しかしながら、調べても、NRについては、この位しか分かりませんでした(すまん!)。それで、本作品ですが、前述の5人のメンバー以外に、ゲストとしてBernd Seifert, Butze Fischer, Jahn Schade, Jutta Möller, Jörg Miegel, Tom Averbeck, Yana Yoが参加しています。調べても、メンバーを含めて、誰が何を演奏しているかは全然分かりませんでした。A面6曲B面7曲が収録されていますが、B7 “Hammer (Live Mitschnitt)”は、この再発盤ではボーナストラックとして追加されています。内容は素晴らしいの一言です‼️A1 “Das Afrikateil”から、ドラムとシーケンスの同期演奏と言う、あの名作”Zero Set”を彷彿とさせるスタイルにパンキッシュなヴォーカルと言う曲で飛ばしたかと思えば、フリーフォームなギターと吐き捨てるようなヴォーカルの掛け合いから成る曲A3 “Waiting”を挟んで、再び、”Zero Set”+パンクなカッコいいビートの曲A5 “Wisp”もあり、ドラマーのスキルの高さが尋常じゃないです (しかも変拍子も叩ける)。下手するとDAFより良いんじゃないか? A6 “Jalan Bai”も分厚いシンセのシーケンスと生ドラムそしてNDWっぽい独逸語ヴォーカルでA面を締めています。B1 “Bresnjev Rap”では、チンドンのような管楽器のフレージングとブレジネフ大統領の声のサンプリングがファンキーなマシン・リズムの乗って続くのは面白いです。B2 “Yang Sun, Ein Stellungloser Flieger”では、能の唄いがサンプリングされてます。また、B4 “Je Veux Partir”ではリズム隊のスキルが高くて、強烈なファンクネスを放出しています。ボーナストラックのB7 “Hammer (Live Mitschnitt)”は単調なメタパーの音だけから成る曲です。A面はビート感が目立ち、B面はファンク色と実験性がやや目立つ印象です。まあ、とにかく、素晴らしい出来映えで、これが埋もれてしまうのは本当に惜しいです。よくぞ、再発してくれました。Bureau Bに感謝です‼️ B1 ”Breschnew Rap” https://youtu.be/LOMaTX9EvSw [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nT2dAd7c1fBXslVehBvpbXP37NaQfHTg0 #NotorischeReflaxe #RebelRec. #BureauB #Reissue #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #NewWave #Funk #Sequence #Electronics #FirstAlbum #GhasiTwist #SaschaVonOertzen #RalfBuron #KnutHoffmeister #ChristophDoering #Multimedia #Super8FilmToVHS
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Bureau B 2490円Dr K2
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Conrad Schnitzler “Filmmusik 2”
前回に続いて、Conrad Schnitzler先生の未発表音源”Filmmusik 2”を紹介します。今回もSchnitzler先生が生前、特に1975年に録音していた曲を集めたもので、B面には”Lichtepunkte Und Schwarze Zeichen”と題された長尺のビデオ用の曲が、収められています。それで、元々はこのアルバムは”Filmmusik 1”と同時発売の予定だったのですが、途中で色々あって、最終的に、別作品としてリリースされました。と言うのも、Bureau BのThomas Worthmannが、最初、仮に”02/1980”と呼んでいたトラックの一つが、元々は”Gute Fahrt (Nice Journey)”と言うビデオ作品の曲だったことに端を発します。それで、”Filmmusik 1980B”とした曲群は間違いで、”1975B”であり、本来、”02/1975B”と呼ぶべきであったとのこと。その後になって”Gute Fart”が見つかったことも大きかったようです。そして、”Filmmusik 1”がリリースされた時に、Schnitzler先生の音源を管理していたJin Kawaiから連絡があり、2009年に彼が、Conrad Schnitzler先生の全てのビデオ作品をネットにアップした時に、”Gute Fahrt”が一曲ではなく、数曲から成る作品群であったことが判明し、それで、今回、1975年録音未発表シリーズとして、本作品”Filmmusik 2”がリリースされることになりました。一方、本アルバムB面の曲” Lichtepunkte Und Schwarze Zeichen”は元から、ビデオ作品の為に、1978年に書かれた曲であり、2015年に見つかったものです。と言う、ややややこしい変遷の経て、リリースされた作品では、ありますが、内容は、”Filmmusik 1”を踏襲するように、簡素ながらも素晴らしい構成力と音色を持った電子音楽です。通奏低音のようなドローンやリズムボックスのチープな音によるミニマルな展開と、それに乗る上物のシンセ音で、全てを過不足なく表現し切っています。特に、B面一杯を占める曲は、その構成の巧みさもあり、一気に聴き通すことができます(実際、どんなビデオ作品であったかは不明ですが、、、)。それから、Schnitzler先生が、ビデオ等の映像作品に手を出し始めるキッカケは、先ずは、1968年に、彼とHans-Joachim RoedeliusとBoris Shaarkで作った西ベルリンのZodiak Free Arts Lab.で、24時間ラジオ放送をやっていたことに端を発し、”Totally free music. Everyone join in”と表明したことでしょう。その後、彼は、DüsseldorfでJoseph Beuysに師事して、米国のポップ・アートに触れ、そこで、活動していたKapitalistischer Realismusの”Akustische Raume”と言うインスタレーションに参加したこと、それと、Nam June PaikのTVとビデオを使ったインスタレーションを観て、友達になったことが大きかったようです。当然、Fulxus運動とも繋がっていきます。例えば、Schnitzler先生は、VHS以前のフィルムの時代に、Mike Steinerとコラボして、Steinerのギャラリーで、既にビデオ・ミュージックを録音・演奏(?)しています。そんなダダイスト達との交流で、Schnitzler先生はビデオ作品に関わったり、また自ら作製したりしていたようです。そんな彼のビデオ作品を妄想しながら聴いてみても良いのではないでしょうか‼️ A4 “14/1975A” https://youtu.be/BSsfQdnZ4aE Side B “Lichtepunkte Und Schwarze Zeichen” https://youtu.be/ypVlcoldu2o #ConradSchnitzler #Filmmusik2 #BureauB #Krautrock #Electronic #VideoMusic #1975作 #GuteFahrt #PreviouslyUnreleasedTracks #EMSSynti #Synthesizers #Organ #RhythmBox #Mastering #LichtepunkteUndSchwarzeZeichen #JosephBeuys #NumJunePaik #Fulxus #VideoWorks
Krautrock, Electronic Bureau B 不明Dr K2
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Conrad Schnitzler “Filmmusik 1”
今回、紹介するConrad Schnitzler先生の作品 ”Filmmusik 1”は、再発モノではありません。彼は、2011年に他界していますが、そのアーカイブの中に、”Filmmusik 1975A”とFlimmusik 1980B”とだけ題されたビデオテープがありました。アーカイブの管理者で、生前からの音楽的パートナーでもあったWolfgang Seidel氏がそれらを見つけて、独逸レーベルBureau BのThomas Worthmannが纏め、Jonas Försterがマスタリングして、聴くべきして出来たアルバムと言えます。この未発表のビデオ音源は本作品”Filmmusik 1”と ”Filmmusik 2”(これも次回、紹介します)があります。今回は、その内、”Filmmusik 1”について紹介します。それで、Schnitzler先生は、1970年代初頭に、EMS Syntiをロンドンで入手しても、用いる機材はCello, Combo OrganとそのEMS Synti シンセサイザーだけで、それらをカセットテープに録音しています。彼のカセットテープ・コンサートでは、それらのカセットテープがリアルタイムでミックスされていたそうです。ただ、完全手作業なアナログなので、キチンと頭出しが合わないことも多く、この「非同期性」をSchnitzler先生は「演奏」と捉えていたとのことです。それは録音でも同様で、彼はMTR(当然、PCとかも)とかは使っておらず、既に録音されているカセットテープをその場でミックスして、作製していたとのことです。なので、彼のコンサートでは2つのスーツケースだけの機材で済んだとか(笑)。そんなSchnitzler先生の未発表音源な訳ですが、簡素なシンセの通奏低音のようなドローン音とメロディ、そしてチープなリズムボックスの音からのみ成っており、A面6曲、B面4曲で構成されています。当然、曲名はありません、と言うか記号で構成されています。正直、音質自体はそんなに良くはないです。それでも、やはりSchnitzler先生らしい音の構築がバンバン出てきますので、一聴して分かると思います。また、元になったビデオ作品は、映像作家Walter Ruttmannの抽象的実験映画やBauhaus(バンドじゃなくて独の美術学校ね)の教授László Moholy-Nagyの”Lightplay: Black White Grey”のような実験的写真等からインスパイアされていたらしいです。それらから、Schnitzler先生は、何かを表す映像や写真でもなく、何かの為の音楽でもないと言う「抽象性」に大きな影響を受けたとのこと。それで、彼は、特にタイトルも無い作品を敢えて多量に作り出したのでしょう。本作品は、彼の音楽の始原を探る上で、ヒントになるアルバムだと思いますので、是非聴いてみて下さい❗️ https://youtu.be/jBYoplkX2o8 #ConradSchnitzler #Filmmusik1 #BureauB #Krautrock #Electronic #VHSTapes #PreviouslyUnreleasedTracks #EMSSynti #Synthesizers #Organ #RhythmBox #Mastering #WalterRuttmann #LászlóMoholy-Nagy
Krautrock, Electronic Bureau B 不明Dr K2
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Asmus Tietchens “Der Fünfte Himmel”
またまたAsmus Tietchens先生のアルバムですが、今回は、初期の作品からの曲をコンパイルしたセルフ・コンピレーション・アルバム”Der Fünfte Himmel”を紹介します。この頃のTietchens先生の作品(4枚あるのですが)は、「ヨーロッパ4部作」と言われており、これには、アルバム”Biotop”, ”Spät-Europa”, “In Die Nach”及び”Litia”が含まれでおり、いずれも2色のモダーンなデザインで統一されています。それでこれらの4部作に1996年作の10㌅EP”Rattenheu” (このEPはアルバム”Litia”のCD再発の際のボーナストラックです)も加えてのトータル5枚の作品から選曲されたのが、本作品となります。どの曲も捻りの効いたシンセ・ポップな内容で、如何にも宅録っぽい音触りですが、5枚のアルバムからチョイスされていにも関わらず、統一感のある構成になっているのは流石ですね。ただし、B面は、やや実験色が強く、この後のTütchensの方向性も示唆しています。Discogsのジャンルにも書いてありますが、「シンセ・ポップ」で「実験的」となっており、正しくその通りですね。また、前回、”Biotop”でも書きましたが、参加者は全て、Asmus Tietchensのアナグラムによる「メンバー」で、全部彼1人でやっています。またプロデュースにはRokko Ekbekとありますが、それは、この頃、Tietchens先生とつるんでいたオランダ人音楽家Okko Bekker氏のことで、後に、連名でもアルバムを作製しています。クラウトロックと言うと何やら怪しげで難解な先入観を持つかもしれませんが、全然、そんなことは無く、この時期のTietchens先生の作品を知るにはもってこいの作品なので、未聴の方はこのアルバムを是非とも聴いてみて下さい❗️ https://youtu.be/dZKQH3bg_tw #AsmusTietchens #DerFünfteHimmel #BureauB #SelfCompilation #Krautrock #SynthPop #Experimental #ヨーロッパ4部作 #Biotop #Spät-Europa #InDieNach #Litia #Rattenheu #OkkoBekker
Krautrock, Electronic Pop Bureau B 2580円Dr K2
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Moebius “Solo Works Compiled By Asmus Tietchens (Kollektion 07)”
続いて、MoebiusことDieter Moebiusのソロアルバムの曲を、独逸電子音楽の重鎮Asmus Tietchensが選曲したセルフ・コンピレーション・アルバムをご紹介します。Moebiusのバイオグラフィーは前回、書きましたので、そちらをご参照にしてください。また選曲を行ったAsmus Tietchensのバイオグラフィーも以前にボックスセットのところで書きましたので、そちらをご参考にして下さい(因みに、TietchensはBureau Bの再発シリーズのライナーノーツを毎回書いています。独逸語と英語なので助かります)。 それで、内容なんですが、今までリリースしたMoebiusのソロアルバム7作から1〜2曲づつセレクトされており、全9曲で、年代的には1983年〜2017年までをカバーしています。概ね年代順に配置されており、A面は “Tonspuren” (1983年), “Blue Moon” (1986年), “Nurton” (2006年)及び“Blotch” (1999年)から成り、B面は“Kram” (2009年), “Ding”(2011年),及び“Musik Für Metropolis” (2017年)から選曲されています。それで、珠玉の9曲がバランス良く配置されており、ここら辺にTietchensのセンスを感じますねぇ。基本的には、インストのエレクトロ・ポップな曲なのですが、時代と共に段々とヴォイス(あくまでもヴォイスであり、歌ではないです)を入れたり、リズムボックスが進化したり、シンセでリズムを作ったりと手技や機材或いは作曲方法も変わっていきますが、独特のちょっとだけ捻ったMoebius節のポップネスが堪能できます。各曲の説明は省きますが、もし、ちょっと変わって、ミニマルっぽいエレクトロ・ポップが好きであれば、全然素直に聴けると思いますよ。まあ、B面最後に”Das Ende”を持ってくる辺りも粋ですね。なので、手軽にMorbiusの音楽を知りたいのであれば、このアルバムは最適ではないでしょうか❗️ A2 “Hofnungsschimmer” from album “Blue Moon” https://youtu.be/WZmDBYkbMWA [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mLxG1lVwmkyzydGTX2KUXoXbzY4z_E-xA #Morbius #SoloWorksCompiledByAsmusTietchens(Kollektion07) #BureauB #SelfCompilation #DieterMoebius #AsmusTietchens #KrautRock #ElectronicPop #Tonspuren #BlueMoon #Nurton #Blotch #Kram #Ding #MusikFürMetropolis
Krautrock, Electronic Bureau B 2955円Dr K2
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Die Welttraumforscher “Die Rückkehr Der Echten Menschheit: Die Jahre 1981 - 1990”
前回、リミックス・アルバムを紹介したスイスの謎、Die Welttraumforscher (「ディー・ヴェルトトラウムフォルシャー」と発音)ことChristian Pfluger(「クリスチャン・ヒュルガー」と発音)の過去作品のセルフ・コンピレーション・アルバムが本作品になります。タイトル通り1981年〜1990年にリリースされた作品から厳選された18曲が収録されています。彼は30枚以上のアルバムをリリースしているだけでなく、映像や小説、更には数え切れない程のイラストを作ってきています。そして、何故、彼が「スイスの謎」と言われるのかと言えば、彼がThe Residentsのように活動しているからではないか?と言われています。まあ、別に顔を隠している訳ではないようなんですが、1980年初頭よりカセットなどをリリースする宅録派のアーティストで、中々、その正体が掴めなかったのだと思います。まあそんな訳で、本作品も白昼夢のような音楽がたっぷりと詰め込まれています。最初は4トラックのMTRで、1986年以降は24トラックのMTRを用いているみたいです。彼は多分、日記でも書くように気の向くまま、録音していたみたいで、各曲に簡単な解説が付いているのですが、何か日常生活で気になったことや気づいたことをモチーフに録音していたようです。何と言うか、懐かしい感じ(懐メロではなく、幼い頃を想起させると言う意味です)のポップミュージックで、ミニマルであったり、ちょっとした展開があったり、子供の頃、どこがて聴いたことのあるような曲作りをしています。まあ、そこら辺が、後進のMouse On Marsなんかにも影響を与えたのでは?と想像します。とにかく、初期10年間の彼の活動を知るには良いサンプル集なので、ここら辺にビビッときた方は聴いてみて下さい。 “Glücklich Traurig Seltsam” https://youtu.be/_gR--egZlgM [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lyQiWmqtRaQOjF3Nw-tK8RiWd3xZtbr88 #DieWelttraumforscher #DieRückkehrDerEchtenMenschheit:DieJahre1981-1990 #BureauB #Switzerland #ChristianPfluger #宅録 #ExperimentalPop #Electronic #SelfCompilation #TheResidents #MouseOnMars
Experimental Pop / Electronic Bureau B 2300円Dr K2