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Lizard “Babylon Rockers (邪都戦士)”
またまた、紹介します。Lizardのセカンド・アルバム”Babylon Rockers (邪都戦士)”です。この時のメンバーは、Momoyo (G, Synth, Vo, Back-Noise), Waka (B, Back-Noise), Bell (Drs, Perc, Back-Noise )に加えて、Kitagawa (G [A6, B1, B3-5], Back-Noise; 元無限水路の北川哲生)となっており、ゲストとしてKoh (Kbd, Casiotone, Back-Noise), Zeldaのメンバー(Back-Vo [B5]), Ichikawa (Back-Noise)が録音に参加しています。プロデュースは、Momoyoこと菅原庸介とKatohが行っており、録音はSunrise Studioで行われています。なお、敢えて、このアルバムには、JJ Burnelのプロデュースでは無いこと、それとシーケンサーは使用していないことが明記されています。個人的には、Lizardに関しては、このアルバムまでは購入しましたが、その後のゴタゴタの噂等が色んな雑誌(この頃は、それ位しか媒体がない)で書かれていたこともあって、急速に興味を失ってしまいました。今回も40数年振りに聴いてみました。なので、個人的思い入れも強いので、各曲の解説は省略させて頂きますます。このアルバムでは、ファーストと違って、サウンド自体は、「日本のバンドらしく」と言うのも変ですが、国内に向けたような雰囲気になっているように感じました。具体的には、Kohがパーマネント・メンバーでなくなった為、キーボードのアレンジがパッとせず、代わりにギターの比重が多くなっています。まあ、それが良かったのか悪かったのかは別の話なんですが。また、A面(Babylon Rockerサイド)での、如何にも「東京」とか「下町」をベースにした曲や歌詞(特にA3 “Asakusa Rock / 浅草六区”やA6 “Moonlight Lover / 月光価千金”)は、東京以外の地方出身のリスナーには共感し辛く、キツかったですね。また、A5 “Kids/Babylon Rocker”やB2 “Kwangju Fighting / 光州市街戦”はまるで、初期のPublic Image Ltdのようなダブ・サウンドで、当時のトレンドもしっかり取り入れていますね。個人的には、当時は、水俣病を独自の表現で指し示したB4 “Sa. Ka. Na. (サ・カ・ナ)”が一番響きましたね。 と言う訳で、ファーストと比べて聴いてみると、全体の印象として、Momoyoの独特の視点/単語の選び方/唱法は一貫していると言えば良いのですが、彼のワンマン的或いは個的な側面が強く出てきた印象です。バンドと言う集合体の密度がやや希薄になっている感じですが、これを当時の東京在住のファンの方々とかはどう感じていたのでしょうか?ちょっと興味がありますね。また、このアルバムも2回程再発されていますが、その時に初めて聴いたリスナーさんの感想も聴いてみたいです❗️皆さんはどうですか? A面:Babylon Rockerサイド A1 “Rock 'N' Roll War (宣戦布告)” A2 “Goodbye! Plastic Age (さよならプラスティック・エイジ)” A3 “Asakusa Rock (浅草六区)” A4 “Instant Dream (自動販売機で愛を買ったよ)” A5 “Kids/Babylon Rocker” A6 “Moonlight Lover (月光価千金)” B面: Junky Townサイド B1 “Lizard Song” B2 “Kwangju Fighting (光州市街戦)” B3 “Baby, Hit Yourself (まっぷたつ)” B4 “Sa. Ka. Na. (サ・カ・ナ)” B5 “Gum Gum........ (ゴム)” [full album] https://youtu.be/ELsLxZJFtbo?si=8N8L8Ojewlfg-9QY #Lizard #BabylonRockers #邪都戦士 #KingRecords #Windmill #SecondAlbum #NewWave #PunkRock #JapaneseUnderground #TokyoRockers #Momoyo #Waka #Bell #Kitagawa #AsakusaRock #浅草六区 #Sa.Ka.Na. #サ・カ・ナ
NEW WAVE, Punk Rock King Records (Windmill) 2500円Dr K2
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Blondie “Plastic Letters (囁きのプロンディ)”
またかよ!〜って言わないで下さい。このアルバムは出た時に気になっていたんですが、ついつい買いそびれてました。いい値段でしたが、このアルバムはヤフオクでは品薄だったので、急いで買ったんですよ。元の題名は”Plastic Letters”、邦題は「囁きのプロンディ」, 毎度、秀逸な邦題ですね。この時のメンバーはGary Valentineが脱退しており、Deborah Harry (Vo), Chris Stein (G, B, E-Bow), Clement Burke (Dr), Jimmy Destri (Organ, Synth, Piano)です。この時に、ヘルプで参加したFrank “The Freak” Infanteが、後に加入しますが、Nigel HarrisonがBをやりたいことで、FrankはGにシフトします。ここでシングルカットされた”Denis (邦題「デニスに夢中」)”がヒットを飛ばします。この”Denis”は1963年にRandy and the Rainbowsが出した”Denise”のカバーソングなんです。それでかどうかは分かりませんが、”Denis”も大ヒットし、英国チャート2位まで上がり、豪州でも19位でした。因みにプロデュースはRichard Gottehrerです。ジャケ写で、Debbieが着ているピンクのドレスは、何とNo New Yorkの裏番長Anya Phillipsがデザインしたものらしいです。 内容ですが、まあ、いつものプロンディ節と言うか、Debbieの囁くような声から濁声っぽい発声、または元気一杯に弾けるようなヴォーカルなどに合わせるかのように柔軟な曲が粒揃いに揃ってます。そうですね、ポップン・パンクなナンバーと言えば少しは分かるかな?と。そうなんですね、彼等のルーツって多分1960年代のポップソングにあるんじゃないかなと思います。そんなポップなガレージ・ソング、気になりませんか? https://youtu.be/CIDHi8y-v8s #Blondie #PlasticLetters #Chrysalis #DeborahHarry #ChrisStein #ClementBurke #JimmyDestri #PopPunk #NewWave #Garage
NEW WAVE, Punk Rock Chrysalis 3900円Dr K2
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The Boomtown Rats “The Fine Art of Surfacing”
このパンドのことは知らなくても、VoのBob Geldofかパンドエイドをやったこととか「哀愁のマンディー」と言う曲は知っているかもしれませんね。と言う訳で、パンク勃興期にアイルランドから出てきたバンドThe Boomtown Ratsの4枚目のアルバム”The Fine Art of Surfacing (邦題「哀愁のマンディ」)の紹介です。メンバーは全員アイルランド出身で、Bob Geldof (Vo), Garry Roberts (lead G), Johnnie Fingers (Kbd), Pete Briquette (B), Gerry Cott (rhythm G)及びSimon Crowe (Dr)の6人組で、 1975年にダブリンで結成、6枚のスタジオ・アルバムを出した後、1986年に解散。その後、2013年にKbdのJohnnieとGのGarry以外のメンツで再結成。初ライブの時はThe Nightlife Thugsと言うバンド名であったが、余りに酷いとのことで、Woody Guthrieの自伝”Bound for Glory 「ギターをとって弦をはれ」”に登場するギャングの名前から取られました。1977年にデビュー、1978年にシングル”Rat Trap”でアイルランド出身のバンドとしては初めて全英1位を獲得し、注目を浴びることになります。”Like Clockwork”などもヒット。そして、1979年に全英1位となったシングル”I Don't Like Mondays(哀愁のマンデイ)”は、1979年の1月29日にアメリカのSan Diegoの小学校で当時16歳の少女が起こしたライフル乱射事件を描いた曲で,曲名は彼女の犯行動機のひとつが「月曜日が嫌い」だったことによるとされています。その後、VoのGeldofはUltravoxのMidge Ureと共に、1984年、エチオピアで起こった飢餓を受け、チャリティープロジェクトBand Aidを立ち上げ、英国とアイルランドのロック/ポップ界のスター(David Bowie, Sting, Paul Weller, Glenn Gregory, Simon Le Bon, Boy George等)を大々的にフィーチャーしたGeldofの曲”Do They Know It's Christmas?”をリリース、大成功を収めました。このようなチャリティー運動は後のLive AidやUSA for Africa等に受け継がれていきました。逆に、Band AidでBobの名前を知った人の方が多いかも。しかしながら、肝心のThe Boomtown Ratsの方は人気が下降し、1986年に解散しています。2008年にメンバーの内、Garry RobertsとSimon CroweらがThe Ratsの曲を演奏したりしてましたが、2013年に、Bob, Garry, Pete及びCroweで正式に再結成を果たし、約27年ぶりに活動を再開いています。 それで,本作品ですが、パンクとかニューウェーブと言うよりも、割と普通のポップスとして聴くことも可能で、彼等のソングライティングの能力が高いと認識しました。また、バンドとしてもごちゃごちゃに成らずに、アンサンブルが適切で、良いポップバンドなんだなあと感心しました。その中でもヒットした”I Don't Like Mondays”はかなりポップス寄りで、アレンジも、ピアノや弦楽器をメインにしてメジャー寄りになっているように思えます。偶にはこう言うヒットチャート物を聴いても良いんじゃないかなぁ? [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL8UfM7ycll7RA24p7sUZSiEbpPRbJDse- “Like Clockwork” https://youtu.be/BtDhMScCkcQ #TheBoomtownRats #TheFineArtOfSurfacing #BobGeldof #BandAid #IDon’tLikeMonday #哀愁のマンディ
NEW WAVE, Punk Rock MERCURY Records 500円Dr K2
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The Stranglers “The Raven”
またまた登場、英国パンク界のサーバイバーThe Stranglersの4枚目のスタジオアルバム”The Raven”です。バイオグラフィーは前回のを参照してください。彼等の作風が、この辺りから変化しつつあるので、その過渡期的作品となります。初っ端の短いインスト曲”longship”から何かが違うと感じましたが、それは、それまでのゴリゴリしたJean-Jacques Burneのベースの音がややまろやかになったこととタイトル曲に代表されるJJの抑制されたヴォーカル・スタイルの変化によるのでしょうか。それと、Dave Greenfieldの機材のアップデートで、それまで愛用していたオルガンやエレピが余り使用されなくなり、代わりにARPなどのポリフォニック・シンセを大々的に導入したのも一因かもしれません。それまでのピロピロしたワウをかけたエレピや巧みなオルガンは殆ど聞かれません。その一方で、”Dead Loss Angeles ”のようなHughもベースを弾くツイン・ベースの曲のような実験的な曲も含まれています。正直,それまで、かなりのファンであった私はこのアルバムにはちょっと残念な感想を持ってしまいました。まあ,今、聴き直すと凝った音作りで、それなりに良いのですが、第一印象が良くなかったので、どうしても引いてしまいます。因みに、私の所有している初版はジャケが立体画像になっています。一時期、このアルバムの”Nuclear Device~Down Under”は仕事中にヘビロテしてましたw でも、アルバムの完成度は良いと思いますので、The Stranglersを未聴の方は聴いてみてください。きっと何かを感じることと思います。 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_k8O7lZjeBKPQMbObw9gwI4WJxfDGt0C0c #TheStranglers #TheRaven #NewWave #Punk #NuclearDevice #Synthesizer
NEW WAVE, Punk Rock UNITED ARTISTS Records 2200円位?Dr K2
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The Stranglers “No More Heroes”
殆ど私の個人的な思い入れです、The Stranglersのセカンドアルバム”No More Heroes”の登場です。前回もバイオグラフィーは少し書きましたがもう少し補完してみます。The Stranglersの結成は1974年初頭、当時はGuildford Stranglersと名乗ってました。もう少し書くと、バンド結成時に、Jet Black (Dr)は既に30歳半ばで、アイスクリーム屋や自宅ビールサーバーなどの事業で成功していましたが、バンドの夢は捨てていませんでした。一方、スウェーデンのルンド大学で生物学の研究をしながら、Johnny Soxと言うバンドをやっていたHugh Cornwell (Vo, G)が、イギリスに戻ってきて、Jetと結成したのが、Guildford Stranglersでした。2人だけのライブに参加したのが、Jean-Jacques Burnel (B, Vo)で、更に、Hughがスウェーデンから連れてきたHans Wärmling (Kbd)も加入しますが、翌年、脱退し、新たにDave Greenfield (Kbd, Vo)が参加します。結成当時は、ハードロックとプログレの全盛期てあり、長髪、ベルボトム、長いギターソロが要求されていましたが、彼等は非ハードロック的な硬質の攻撃性と非プログレ的でラディカルな知性の混淆する新奇な音楽を頑なにをやっていました。そして、イギリスにパンクムーブメントが勃興してきた頃に、一気にメジャーデビューを果たし、1977年4月にファーストアルバム(前回参照)をリリース、同年9月に、本作品であるセカンドアルバム”No More Heroes”をリリースしていきます。しかしながら、歌詞が、露骨なsexism(“Bring On The Nubiles”)あったり、racismに対する皮肉な内容だったり(“I Feel Like A Wog”)、自死した友人のこと(“ Dagenham Dave“)だったりした為、レコード店或いはスーパーマーケットでの店頭販売が自粛されたりと問題作となり、その分、話題作にもなりました。しかし、音の方は、よりポピュラリアティーを獲得しており、皮肉にも、本作は高い支持や評価も得ています。私はそのような内容は歌詞カードを見て、何と無く知ってはいましたが、高校生の頭では理解が及びませんでした。上記の曲以外にも”No More Heroes”や”Burning Up Time”など名曲揃いです。またDaveも2曲(“Dead Ringer”と”Peasant In The Shitty”)でリードヴォーカルを披露しており、ビックリしたものです。そんな曲の中で、一番気になっていた曲がB面最後の曲”School Mom”です。ノリの悪い不協和音のような旋律が延々と続き、Hughの字余りな歌詞で歌われる、この曲には不気味な引力を感じました。それから、アルバムが醸し出す雰囲気は、私にはとてもサイケデリックに感じられました。そんな有名なアルバムですが、未聴の方は是非聴いてみてください。因みにジャケ写は、なんと❗️Nurse With WoundのSteve Stapletonによって刻まれたものらしいです。 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL_PZZm2fi_Vq9YnXsGUrp7rfahBCzUzt1 “Straighten Out” https://youtu.be/66RLZrn9-Ps #TheStrangers #NoMoreHeroes #SecondAlbum #UnitedArtistRecords #Psychedelic #Sexism #SchoolMom
NEW WAVE, Punk Rock UNITED ARTISTS Records 2200円位?Dr K2