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Neu ! “Neu !”
しかし凄いバンド名ですよねぇ。Neu!, 英訳すると”New!”ですよ❗️いつ入手したかは覚えていませんが、多分、輸入盤屋で売れ残っていたのをサルベージしたんだと思います。まあ、私より詳しい方はいらっしゃるとは思いますが、簡単に彼等のバイオグラフィーを書いておきます。初期のKraftwerkに在籍していたKlaus DingerとMichael Rotherが1971年に独逸Düsseldorfで結成したのが、Neu !の始まりです。また、3人目のメンバーとしてConny Plankが関わっています。1975年に解散していますが、それまでに3枚のアルバムを出しています。Kraftwerkの創設メンバーRalf Hütter が6ヶ月程、抜けた時に、KraftwerkはMichael Rother (G), Klaus Dinger (Drs), Florian Schneiderのトリオで活動しており、名匠Conny Plankのスタジオで、録音しながらのセッションをしていましたが、満足出来るものは録音できませんでした。Ralfが戻ってきてKraftwerkを再開した時に、KlausとMichaelは脱退して、Connyと共にNeu !をやることになります。このバンドのネーミングは、「宣伝する時に最も効果的な単語であるから」とKlausは言っています。そうして作製させられたNeu !のファースト・アルバムは約30000枚を売り上げた傑作で、David Bowie, Brian Eno, Iggy Pop或いはRadioheadのThom Yorkeに大きな影響を与えています。特に"Hallogallo"や"Negativland (因みに米国のノイズバンドNegativlandはこの曲名から取られているらしい)”と言った曲ではMotorik、即ち四つ打ちのハンマー・ビートが大々的に用いられています。KlausはDrs, Banjo, G, Voを、MichaelはG, B, Double-Bを担当。勿論、エンジニアはConny Plankです。その後、問題作のセカンド・アルバム”Neu ! 2”を1973年に、そして各々のソロテイクを各面に収めたサード・アルバム”Neu ! ‘75”を1975年にリリースしています。その後、Klausは兄弟のThomas Dingerを誘って、La Düsseldorfを結成し、MichaelはClasterに加入して、Harmonia名義で活動していきます。その後、1985年10月から1986年4月の間、KlausとMichaelは、シンセを多用し、受けの良さそうな曲を書いて、Neu!を名乗ることで、再び名声を得ようとします。そしてできたが、”Neu ! 4”です。その後もライブアルバムが出たりしています。Klausは、自分以外は不定形な冗談のようなバンドLa!Neu ?を始動していましたが、2008年3月21日にKlausは心不全で他界しています。セカンド・アルバム以降のことは、また次回に書くことにします。 それで、Neu !のファースト・アルバムですが、全曲ではないのですが、A1 “Hallogallo”やB2 “Negativland”では、彼等の代名詞(大発明)ハンマービートが大々的に使われています。なので、この2曲が全てと言っても過言はないでしょう。他の曲も紹介しておきますね。 A2 “Sonderangebot”はシンバルの弓弾きかな? A3 “Weissensee”はダウンテンポだが、時にギターが唸り挙げる。B1 “Im Glück”はぶくぶく言う水音から始まるドローンで、ギターによる通奏低音が心地よい。B2”Negativland “では途中でテンポが急変する。B3 “Lieber Honig”ポツリポツリとしたギターに消え入りそうなVoが印象的な曲。とまあ、ある種ヴァラエティに富んでいますので、ハンマービート以外にも楽しめると思います。皆さんもどうぞ! https://youtu.be/vQCTTvUqhOQ #Neu! #BrainRecords #Metronome #KlausDinger #MichaelRother #ConnyPlank #HammerBeat #Motorik #KrautRock #ProgressiveRock #GermanRock
Krautrock, progressive rock Brain / Metronome 不明Dr K2
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Can “Cannibalism”
正直に言います。私はCanに対しては食わず嫌いなのでしようが、余り興味をで持っていませんでした。なので、今までも数作は買って聴いてみましたが、イマいちピーンと来たことは無かったです。それが前回紹介した”Live In Stuttgart 1975”を聴いた時に、ガーンとヤられてしまいました。それで、聴き直そうと思い、まあ、初心者向けでもある本作品”Cannibalism”をヤフオクで購入した訳です。Canのバイオグラフィーは前回書きましたので、省略させて頂きます。それで、数あるアルバムから何故、これを選んだかと言うと、一つはセルフ・コンピで色んな曲が聴けるだろうと。もう一つはCanの曲の中で唯一好きだった曲”Mother Sky”が入っていることからです。しかし聴いてみると、意外に”Farther Cannot Yell”や”Soul Desert”、”Dizzy Dizzy”など聴いたことのある曲やLP2のB面片面を全部使った、長尺の曲”Yoo Doo Right”などの如何にもと言う曲が収められており、案外楽しめました。前回のバイオグラフィーでは書かなかったのですが、Canのメンバーは古いお城(ネルフェニッヒ城館)に自分達のスタジオInner Space Studioを持っており、その頃の機材は2トラックのテープレコーダーだけだったとか(後にこのスタジオはケルン郊外の映画館跡地に移転する)。そこで、彼等はジャム・セッションを毎回毎回、他を気にせず演り、その中から曲になりそうな骨格を抽出していたようです。なので、初代ヴォーカルのMalcolm Mooneyは、閉鎖空間で延々と続く轟音のジャム・セッションの為か、神経衰弱となり、バンドを抜けて米国に帰国したとのことです。その後に加入したDamo Suzukiは、意外と、このジャム・セッションが気に入り、彼の言葉で言うと「即興、ノイズ、マントラ、ファンクのリズムから成る狂気の混合物」へと昇華して、バンドとしてもかなり完成度の高い作品をリリースしています。このジャム・セッションによる作曲の為か、一部の曲は途中でフェイド・アウトしてしまうものもあるように感じました。また、これはベースのHolger Czukayの手腕なのか、延々と同じリズムパターンを繰り返すミニマル・ミュージックの要素が多く、また、ドラムのJaki Liebezeitがバンド結成当初、シンバルの弓弾きをやっていたら、メンバーから延々と続くハンマービート(当然、これは後にそのように形容されたのですが)を叩けと言われたとか、当初より反復する曲が多かったことと関係があるのかもです。今回、聴いてみて、そんな逸話を思い出しました。それにしても、時間も音量も気にせずにジャム・セッションを出来たと言うのは、ホント羨ましい限りです。そんな中から生み出された珠玉の曲が収められており、案外、Can初心者にもお勧め出来ると思いました。これは聴かなきゃ❗️ですね。因みにアルバム・タイトル”Cannibalism”とは「共食い」の意味で、なんか意味深ですね。 A4 “Mother Sky” https://youtu.be/EVi-UTF9PL4 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL01910EB8AD5E8ED3 #Can #Cannibalism #UnitedArtistsRecords #Krautrock #ProgressiveRock #JamSession #IrminSchmidt #HolgerCzukay #MichaelKaroli #Jakiebezeit #MalcolmMooney #DamoSuzuki
Krautrock, progressive rock UNITED ARTISTS Records 6260円Dr K2
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La Düsseldorf “Viva”
これは基本中の基本ですね。La Düsseldorfのセカンド・アルバム”Viva”。このバンドや本作品についても、私より詳しい方はいらっしゃるとは思いますが、バイオグラフィーを少しだけ。La Düsseldorfは初期のKraftwerkにドラマーとして参加していたKlaus Dingerがその後、結成したNeu!を解散して作ったバンドで、Neu!でコラボをしていたThomas Dingerと、Hans Lampeがメンバーです。このバンドで、Klaus DingerはVo, G, Kbdを、Thomas DingerはVo, Percを、そしてHans LampeはPerc, Electronicsを担当していますが、Neu!で試みられていた反復によるハンマービートが、天然な歌詞と共に深化して演奏されています。このメンツで3枚のアルバムを出します。その後、”Neondian (Mon Amour)”と”Blue”と言うアルバムも作製しますが、この2作品に関しては、前者がKlaus Dinger+ heinita Bella Düsseldorf 名義で1985年に、また後者はLa!Neu?名義で1999年に出しており、ファンの間では”La Düsseldorf 3”、”La Düsseldorf 4”として呼ばれています。2006年にKlausはLa Düsseldorfを復活させようとしますが、法的な問題で復活は無理でした。それで、彼はLa-duesseldorf.de或いはKlaus Dinger + Japandorfと名義で復活させますが、オリジナル・メンバーはKlausだけになっています。そして、Klaus自身は2008年3月21日に62歳の誕生日に心不全で他界しています。ザックリと言うとLa Düsseldorfのバイオグラフィーはこんな感じです。 それで本作品”Viva”ですが、まあLa Düsseldorfの場合、どれを聴いても同じような感じですので。しかしながら、反復するバスドラの連打から成る強靭なハンマービートは健在です。特にB面片面を全部を埋め尽くす”Cha Cha 2000”は一度は聴いておいた方が良いです。と言うか、聴け!ですね。それからDommuneで東瀬戸さんが言っていたのですが、彼等にとって、色のオーバーオールは「正装」らしいです。それはこのアルバムにある曲が入っているからなんです。どうです、聴きたくなったでしよう?まあ聴いてみた下さい! [full Album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kvXIMAbVaX3GYI-DwIWzmrYOW1vwQ-ka0 #LaDüsseldorf #Viva #Telefunken #KlausDinger #HummerBeat #Krautrock #ProgressiveRock #ThomasDinger #HansLampe #Neu!
Krautrock, progressive rock Telefunken 不明。Dr K2
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Edger Froese “Ages”
これまた、ご存知、Tangerine Dreamのメンバーであり、創設者でもあったEdger Froseの4枚目のソロ・アルバム”Ages”です。バイオグラフィーは以前に書いたので、そちらを参考にしてください。ちょっとだけで世間話をすると、2003年以前の彼のソロおよびグループにおけるレコーディングでは”Edgar Froese”と記名されていますが、2003年以降のソロ・アルバムには”Edgar W. Froese”という記名されています。なので、名前の良く似た別人ではないです(まあ、別人と思う人はいないでしょうが)。あと、一つ。Edgerは1974年から2000年にアーティスト兼写真家のMonique Froese と結婚していましたが、死別しています。また、息子のJerome Frose は1990年から2006年まで、Tangerine Dreamのメンバーでした。Edgerは、2002年に芸術家で音楽家のBianca Froese-Acquaye.と再婚しています。 それで、本作品ですが、何と2枚組みです❗️たんまり、Frose節が聴けますよ。ドラムやパーカッション以外は全てEdgerが演奏してます(ドラムはClaus Criegerが演奏してます)。兎に角、電子音のシーケンスが気持ち良い‼️これだけでご飯大盛り3杯はイケる!基本的にシンセによる電子音楽なのですが、ギターを普通に上手く弾いたりして、この人はマルチなんだなあと感嘆させられます。あと、この人の目力(めぢから)は凄いなあと、ジャケを見て感動してしまいます(レコードならではの楽しみですね)。そんな訳で、独逸電子音楽の基礎を作ったアーティストであるEdger Froseの音楽を聴いてみましょう。 A1 “Metropolis (Inspired By Fritz Lang's Movie)” A2 “Era Of The Slaves” B “Tropic Of Capricorn” C1 “Nights Of Automatic Women” C2 “Icarus” C3 “Childrens Deeper Study” D1 “Ode To Granny A.” D2 “Pizarro And Atahuallpa” D3 “Golgatha And The Circle Closes” C2 “Icarus” https://youtu.be/ow0nvelrHyk?si=FNF9j24CBxSCzP6g [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLoZ8bkLt9tieQfAqHlubXmEC68Plrk2PV&si=1ZWmiUxy5z7ms_xb #EdgerFroese #Ages #VirginRecords #TangerineDream #Krautrock #Electronic #Synthesizers #Sequencer #SoloAlbum
Krautrock, progressive rock Virgin Records 不明。Dr K2
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Conrad Schnitzler “Con 3”
独逸のユーモラスな頑固爺、Conrad Schnitzlerの登場です。彼の立ち位置は面白く、クラウトロックにしては、個人的な活動が中心で、現音的と言うかテクノ的な部分が強く,かと言って、彼のスタンスはNDW(Neue Deutsche Welle)とも時代的にも異なるように思います(ただ彼は後にPyrolatorとの共作もあります)。もう彼のバイオグラフィーは必要無い位、有名ですので、私が殊更に詳細に記載する必要はないかもしれませんが、簡単に。Düsseldorf生まれの独逸人アーティストで、1960年代中期にJoseph Beuysに師事していました。前回のKlusterのところでも少し書きましたが、彼は Dieter MoebiusとHans-Joachim Roedeliusと共に1969年にKlusterを結成し、3枚のアルバムの作製に寄与しました。その後、脱退しています。また、1960年代中期よりTangerine Dreamとメンバーとして活動し、1970年に彼等の傑作ファーストアルバム”Electronic Meditation”の作製に関わって、その後、脱退し、ソロ活動に注力していきます。彼は、媒体を選ばず、膨大な作品をリリースしてきました。その中には、1000本組みカセットへの取り組み(数百本分を作ったところで「飽きた」として中断したのかな?)なども含まれている位、エネルギッシュな創作活動をしています。そんな彼は2011年8月4日に胃がんより亡くなっていますが、その直前まで創作活動をしていました。 それで本作ですが,最も良く知られた初期の作品の一つではないでしょうか?そうです!このジャケに写っているのが、彼が雑踏の中などの音を録音するのに被っていたマイクロフォン付きヘルメット(正式な名称は忘れました。すまん!)です。彼は自分のソロとそれ以外にEruptionと言うバンド(?)も演っていましたが、特に,電子音楽とカセット録音の可能性を模索していたようです。本作にはそんな彼の電子音楽愛を感じます。割と短めな電子音から成る曲(4分前後)が収録されていますが、一聴してConradと分かる独特の節回しがあるので、安心です。特にA面後半からB面にかけて、レゲエっぽいリズムの電子音楽を聴くことができます。そこら辺に彼の先見性と一流のユーモア(B-1は”Coca Cora”)を感じます。本作には、彼のヴォーカルも入っており、ポップですらありますが、既存の音楽スタイルからはみ出てますので、ジャンルレスとも言えます。そんな彼のポップネスを体験してみて下さい。 https://youtu.be/wANEBUr-J0c #ConradSchnitzler #Con3 #SkyRecords #ElectronicMusic #Vocal
Krautrock, progressive rock Sky Records 不明Dr K2
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Kluster “Zwei Osterei”
本作は”K”の方のクラスターで、彼等のセカンド・アルバムになります。オリジナルは1971年に独逸のSchwann AMS Studioからリリースされていますが、本作はリマスタリングされて、2012年に英国Bureau Bから再発されたものになります。Klusterに関しては私よりも詳しいリスナーの方々もいらっしゃると思いますので、ここでは簡単に触れておくこととします。オリジナル・メンバーはHans-Joachim Roedelius, Dieter MöbiusとConrad Schnitzlerで、1960年代後半にSchnitzlerとMöbius Düsseldorf Fine Arts AcademyでJoseph Beuysに師事していました。また、SchnitzlerとRoedeliusは1968年にベルリンでZodiak Free Arts Labに参加しており、Klusterの前身であるアヴァンギャルド・グループ Gerausche (「ノイズ」と言う意味)とPlus/Minusと言うデュオで活動していました。その後、Möbiusも誘い、1969年に正式にKlusterの結成に至りました。1969年から1971年まで、この名前で活動し、少数(300枚)ながら 3枚のアルバムをリリースしてきました。しかしながらサード・アルバムをリリースした時に、Schnitzlerは脱退し、RoedeliusとMöbiusはCluster名義(これが”C”のクラスター)で活動を続けることになりました。一方、Schnitzlerは、1971年-73年にEruption (Klusterのサードアルバムのタイトル由来)と言うバンド名で、Klaus FreudigmannとWolfgang Seidelとトリオでの活動をしており、その時には、(オリジナルKlusterの?)未発表音源も集めた6枚組のボックスセットもリリースしています。更に、2007年-(彼が亡くなる)2011年の間、Schnitzlerはアメリカ人音楽家Michael Thomas Roeと日本人音楽家Masato Ooyama (Ooy)と言うメンツでKlusterとして活動を再開し、CDRをリリースしています。ちょっと複雑な関係ですが、Klusterの大体の流れはこう言う感じです。 それで本作品ですが、片面1曲づつの長尺の曲が2曲収められています。A面は”Electric music und Texte”で、その名の通り、独逸語のテキストの独白とバックの演奏から成ります。このテキストの朗読は、ゲストのManfred Paetheが行っています。一方、B面は”Electric Music (Kluster 4)”で、ありとあらゆる楽器や非楽器の即興演奏から成ります。A面のバックも同様の即興演奏です。ただ、モロ電子音は使われておらず、G, organ, piano, celloやPerc(非楽器を含む)からの構成で、それにリバーブやディレイ、ディストーションなどのエフェクターを処理を施して、元の楽器/非楽器の音が分からなくなるまで加工され、茫漠たる音像を作り出しています。この自由奔放さがKlusterの真髄でしょう。また、ファースト・アルバムと同様に、エンジニアは、名将Conny Plankが担当しているのも重要でしょう。A面のテキストは独逸語ですので、その意味は良くは分かりませんが、Schnitzlerによると「独逸語が分からない方がいいよ」とのことです。ファーストアルバム”Klopfzeichen”と兄弟のようなアルバムですが、クラウトロックに興味のある方は是非とも体験して下さい。 A1 “Electric Music Und Texte” (22:31) B1 ”Electric Music (Kluster 4)” (22:17) https://youtu.be/uW-oyX4PVvI?si=wLhp2NudQr89-lPk #Kluster #ZweiOstrei #2ndAlbum #ConradSchnitzler #Hans-JoachimRoedelius, #DieterMöbius #BureauB #2012年 #Reissue #Remastering #1971年 #SchwannAMSStudio #Krautrock #Electronic #Improvisation #Effect #Engineer #ConnyPlank #Guest #ManfredPaethe
Krautrock, progressive rock Bureau B (Schwann AMS Studio) 不明Dr K2