-
B.C. Gilbert & G. Lewis “3R4”
久しぶりですねー、あのWireのGだったBruce C. GilbertとBのGraham Lewisが、Wireの解散後、またDomeの結成前に制作したのが、pre-Domeとも言える本作品”3R4”です。実は、Domeは大体好きだったのですが、本作品はすっかり買い忘れており、後に、何とか入手したのです。ただし、Superior Viaductがリリースした再発盤なんですけど。そこら辺の契約については詳細が不明ですが、何せ、このレーベルは過去の名作と言われるアイテムを結構、再発していますので、要注目です。GilbertとLewisについては、WireやDomeの項目で、既にバイオグラフィーについては書いていると思いますので、そちらをご参照下さい。 本作品の参加者は、B. C. Gilbert (Perc [A1,A2], G&B [B1, B2]), G.Lewis (G&Synth&Tape [A1,A2], Perc)の他、Davyd Boyd (B, Voice&Others [B1,B2]), Russell Mills (Perc [A1,A2]), John Fryer (Tape [B1, B2])がゲスト参加しています。その後のGlibertとLewisが、あの硬質で無機質のDomeを結成したことを考えると、本作品は、まだそこまでの冷徹さは感じませんが、逆にWireがファースト・アルバム”Pink Flag”で1〜2分の短い曲を連射していたことを考えると、長尺の曲に挑戦しているだけで、興味深いじゃありませんか? なお、本作品は、MuteのBlackwing Studioで、1980年9月2日〜7日と言う短い期間で制作されています。それでは、本作品の各曲をご紹介していきましょう(ただ、A1とB1とは同名異曲です)。 ★A1 “Barge Calm” (1:11)は、プリペアード弦楽器を用いた擬似民族音楽のような小曲です。 ★A2 “3.4 ...” (17:03)は、不明瞭な反復音から始まり、徐々に硬質なインダストリアル音が混在して、やがて、大きなテープ音等が聴こえたかと思うと、不明瞭なBのリフの反復へと変化し、リズミックな電子音や打楽器音も加わり、延々と繰り返される「工場での祝祭」へと変貌していき、フェイドアウトしていきます。 ★B1 “Barge Calm” (1:08)は、インダストリアルな演奏が擬似民族音楽を演奏しているような小曲で、既にDome的ですね。 ★B2 “R” (20:03)も、硬質な音質の様々な音が、まるで工場の機械のようにミニマルに演奏されていますが、唐突にそれらは終わり、伸長した声へと、それから無機質なBとGも加わりますが、またもや工業的なフレーズ/リズムを奏で始め、最終的には、擬似アンビエントに変化して、音の祭儀は終焉に向かいます。 この盤に刻まれているのは、所謂「工業神秘主義的音楽」ではなかろうかと思います。そうして、ここに収録されている音楽は、確かに硬質で冷ややかなインダストリアルなのですが、何故か、民族音楽的な雰囲気を纏っており、その辺りの音作りがDomeへと繋がっていくのではないかと確信させてくれます。また、独特の「間」と言うか「空間」も彼等ならではだと思います。このインダストリアルな冷徹さと反復による祝祭性の同居がGilbert&Lewisの最大の特徴ですね。今、聴いても新鮮です❗️なので、1人でも多くの方に聴いて欲しい1枚ですね。 A1 “Barge Calm” https://youtu.be/rgrgR8H5FCo?si=x-yWUzQq5Kzd2-K- A2 “3.4 ...” https://youtu.be/gaQfoGZ4kS0?si=ps_wg2DfHgK3qIAE B2 “R” https://youtu.be/EN4aK6DhtmQ?si=KYK18FabBl1-IuMN #BruceCGilbert #GrahamLewis #3R4 #4AD #SuperiorViaduct #Reissue #FirstAlbum #Wire #Dome #Collaboration #Experimental #Industrial #Folklore #工業神秘主義的音楽 #Repetition #Guests #DavydBoyd #RussellMills #JohnFryer
Experimental / Industrial 4AD (Superior Viaduct) 不明Dr K2
-
Batchas “Live In Nevers”
このユニット名、知ってる方、いますかぁ? まあ、私も、仏のNoise Museumがリリースしてるからと思って、良く分からないまま購入したので、Batchasについて調べてみました。Batchasと言うユニット名はどうも1980年代中期より活動している仏人アーティストRobert Masséのソロのことみたいです。彼は1985年に自身のレーベルScrotum Productionを運営しています。それで、彼は、13歳の誕生日に母親からプレゼントされたKraftwerkのシングルで電子音楽に目覚め、英国で17歳の時にパンクの洗礼を受け、1981年に仏に帰国した時にEinstrutzende Neubautenなどのインダストリアル・ミュージックにも大きく影響されて、「立派な宅録少年(青年?)」になった訳です。1983年にBatchas (仏語で「ごちゃごちゃ」の意味)を名乗り、活動を本格化します。それで、Batchasとして彼は、イジったレコード盤とタンテやテープによるループ、短波ラジオ、シンセ、EH Memory Man等で電子音響ノイズからインダストリアルまでの作品の自身のレーベルからカセット作品で出していきます。1988年頃は、彼はRoland TR-606やTR-808とKorg MSシリーズとエフェクターをFreq63と言う名前で使っていました。その後、1991年にスイスのチューリッヒに引っ越し、1993年に、Batchasとしての初CD“Tahafut-Ul-Tahafut”をリリースします。その後、ライブにも興味が湧き、1995年に仏のNeversで行われたMusiques Ultimes Festivalに出演します。その時にチューリッヒの友人達と一緒にライブを行っており、そのライブ音源が本作品と言う訳です。それから、彼は寡作ながら、他のレーベルからも作品を出すようになっています。1996年には、奏者と観客の関係性を考えるようになり、その1つのツールとしてインターネットを利用して活動しています。ただ、1998年に一旦音楽活動を停止し、更に2008年には両耳に障害が出てしまいます。そう言うこともあって、現在は、Buchla, Serge, BugBrand等のモデュラーシンセで宅録をしているようです。 それで、本作品なんですが、先述のように、仏Neversでのフェスのライブ音源なんですが、メンバーは、Batchas (Sampling, Speakers, Scream, Ex)で、Ro-G (Synth, Turntable, Oscilloscope Visual), Roland (Gongs, Perc), Berdo (Vln, Bells, Ex), Etienne (Cello, Ex)となっています。それで内容としては、結構、初期に近い構成だとは思いますが、A面は、スモッグのようなドローンから始まって、段々とシンセの音が明瞭になってくる展開で、何かが蠢く気配があります。T.G.の”The Senind Annual Report”みたいと言えば、言い過ぎかな? それで、B面は、それの続きだと思いますが、やはり不明瞭な電子音にチェロ等の音やループ音が絡んできます。その内、チベタン・ホーンのような音が聴こえてきたと思ったら、ヒップポップ調のドラム音が入り込んできて、急にリズミックな展開になります。ここら辺は意外で、面白かったですね。その内に、リズムは無くなり、混沌とした音塊となって、それぞれの音が闇鍋のようになって、漸くフィニッシュします。最後に観客の声援が聞こえ、大受けしています。とまあ、ライブ版Batchasの演奏がそのままパックされた盤で、当時の記録としては興味深く聴くことができました。この頃って、考えたら、Japanoiseが認知されてきた時期だと思うんですが、それとは違う「欧州のノイズ・シーン」を考えてみてはどうですか? “Live in Nevers (Part 1” https://youtu.be/g80ZpqW8OjU “Live in Nevers (Part 3) https://youtu.be/KNGuQldOb5A #Batchas #LiveInNevers #NoiseMuseum #LimitedEdition #ClearVinyl #RobertMassé #MusiquesUltimesFestival #FrenchMusician #ElectroAcoustic #Industrial #LiveAlbum #Zurich #ScrotumProduction #Sampler #Speaker #Scream #Synthesizers #TurnTable #Cello #Violin #Gongs
Experimental / Industrial Noise Museum 不明Dr K2
-
Dome “Dome 2”
「ロックじゃなければ何でも良い」と発言したパンクバンドWireの2人(Bruce C. GilbertとGraham Lewis)が1980年に結成した実験的音楽を実践するユニットがDomeです。本作品はセカンドアルバムで、ギターやベース或いはシンセと言う楽器と音が出るもの(=非楽器)などを用いて、畳みかけるように作成したらしい。アンビエント風の曲から始まりますが、その硬質て繊細な音の感触が非常にカッコいい、クールなアルバムです。私は元々、Wireの大ファンだったので、日本盤で,近くのレコード店で購入。聴いた瞬間、ぶっ飛びましたね、モノクロのジャケもグーです。 A1 “The Red Tent I” A2 “The Red Tent II” A3 “Long Lost Life” A4 “Breathsteps” A5 “Reading Prof. B” B1 “Ritual View” B2 “Twist Up” B3 “Keep It” A3 “Long Lost Life” https://youtu.be/G5EDf3_hfYI [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLIMNk9tpcZ-QCECd0kmHBk2mFGC5U1ivt&si=_VS4uTTCeUt2owxr #Dome #Dome2 #Wire #BruceCGilbert #GrahamLewis #Experimental #Industrial #DomeRecords #RoughTrade #2ndAlbum #日本盤
Experimental / Industrial Dome Records / Rough Trade 2500円位Dr K2