Y Creat “The Blue Tape” I

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これは視聴して気に入ったので、購入したアルバムです。このバンドや作品の詳細は全然知らなかったので、少し調べてみました。このY CreateはオランダのHessel Veldmanのカルト的ソロ・プロジェクトなんですが、1980年代から活動している人で、このY createでは、彼以外は、毎回、違うメンバーで構成されているようです(或いは、Herman te Looとのデュオとも言われてます)。HesselとNick Nicoleが1982年に開始したレーベル/スタジオ(と言っても、Hesselのアパートのリビングのことらしい)/アーカイブの総称のExartに関わっていたミュージシャン達から選んでいたそうです。そうして、彼等は即興的或いは楽譜による作曲に基づいて、毎週木曜日にHesselのアパートのホーム・スタジオで演奏を行い、それらを全部録音していたとのことで、その一部がこのレーベルからリリースされてきています。Hesselは結構「反復パータン」が好みで、それをギター、ベース或いはシンセで演奏しており、特に、KORG MS-20とRoland Junoでそのようなパターンを演奏していました。ここでは、その反復パターンに彼のSoprano Sax、時にVoiceなども含めて録音されています。そしてリズムマシンとして、Roland TR-606が使われています。その演奏などは全部録音されており、Hesselは1週間かけて、吟味し、Y Createの相棒でもあったHerman te Looと、次の「木曜セッション」の前に、ミックスについてディスカッションしています。その中で充分に練られた結果が、コンパイルされて、Exartから3本のカセット作品としてリリースされています。因みに、Y CreateのYは二人の故郷でもあるYmuidenの頭文字だそうです。今回の作品は、この内の”Blue”の初のVinylでの再発ですが、それ以外には”Green”と”Grey”があり、更に催眠的だそうです。このカセット3部作はHesselとHermanが1984年に始めたバンド、Gorgonzola Legsの下地になっているとのこと(私は未聴)。大体の活動で、分かっていることは以上になります。
それで、本作品ですが、単調でダルなリズムマシンとシンセやベースなどの反復音は確かに「催眠的」ではありますが、そこにSaxが即興的に絡んでくるのは独特な音世界を作り出しています。デュオでの演奏は、時にTuxedomoonやWireのようにも聴こえたかもしれませんが、Hesselはそのようなバンドを模倣している訳ではなく、独自の演奏にしているだけであるとしています。何となく、1980年代にあった、靄の掛かったような音質が、ちょっとしたユーモアと共に、ヴィンテージな電子楽器にて表現されているようです。まあ、曲名は付いていませんが、一曲一曲が短いので、然程、退屈しません。そんなDIYな匂いがプンプンする音楽を欲している方は是非、聴いてみて下さい。それにしても、オランダはDe Fabriekなど、独自の進化を遂げたバンドや活動が多いですね。私も活動時期が被っていますが、このY CreateやExartは全然知りませんでした。

https://youtu.be/bDhZy_NPiQQ

https://youtu.be/4BTK79EAxhw

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