Artificial Memory Trace “Vol. 13: Erozion”

0

またもや、難物を発掘。皆さんはArtificial Memory Trace (ATMと記載。ここでお金をおろしたり、acid mother templeと間違わないように!)を紹介しましょう。とは言ったものの、これが情報が余りありません。AMTはベルギーのSlavek Kwiのソロプロジェクトです。どうも、最近はアイルランドに居を構えているようです。Slavekが何某かの文化的な活動をする時には、AMTと言う隠れ蓑にを用いる訳ですが、彼がやっていることには、須く彼の強く固い意志が宿っている訳で、彼の作り出す有機的な音の領域とか彼が見つけたグラフィックとか記述にもそうあるべきだと考えて良いでしよう。彼の音世界と言うのは、正確に構築され、完璧にバランスの取れた、「ミュージック・コンクレート」における素材の組み立てのことです。彼の師事するFrederick Rzewski(Musica Elettronica Vivaの創設メンバーの1人)はSlavekが大きな影響を持つようになる5年程前に他界していますが、John Cageもまた同様に他界しています。AMTは1990年代を中心に活動を展開してきてはいますが、その後、この手の「音響系ノイズ」のアーティストがどうなったかは未だに不明でもあり、だからこそ、ちゃんと評価しなければならないのではないでしょうか。1990年代末でしようか、MSBRの故田野幸治さんが欧州ツアーで、彼の家(まだベルギーに居た)に遊びに行ったところ、「アコースティック・シンセサイザー」なる自作楽器を見せてもらい、それが凄く面白かったと言ってましたね。大き目の木箱に大きなスプリングの付いた楽器で、そのスプリングを叩いたらするとシンセみたいな音がするらしいです。そんな柔軟な発想こそが彼の音楽に対する想いではないでしようか?
それで、本作品ですが、Vol.13なので、何かのシリーズだとは思いますが、ちょっと良くわからなかったです。この前後にだけナンバリングしてありますが、何のシリーズかは不明。それで、不思議な鳴りの単調な音が比較的やや大き目に録音されており、曲間になるに従って、ロックト・グループになっていたり、なっていなかったりで、ついついそのまま聴いてしまい、エンドレスになったり、なかったりで落ち着かないです。ん〜こう言う音楽は言葉にしづらいですね。そう言うと身も蓋も無いのですが、一部では、他のグループ(Zoviet Franceなど)の音源をサンプリングしてループにしたりしているようですが、無許可なのか許諾済みののかも分からないです。使用楽器は、鳴りのないRölmöのシンバル、石で出来た音響彫刻及び裏で出回っているソフトウェアの発振音らしいです。聴いただけでは全然分かんないです。なので、レコードとしてはギミックに満ちており、危険物件ですね。どうですか?この危険物件を聴いてみますか(溝フェチさん向けです)?

YouTubeには無かったので、AMTの他の作品をはつておきます。
https://youtu.be/Cf-2CFV2sMM

#ArtificialMemoryTrace #Vol13.Erozion #ERS #Electro-AcousticMusic #SlavekKwi #Belgium #Ireland #LockedGroove #SoundSculpture

Default