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Snowy Red “s/t"
もう、Snowy Redを知ってる人なんて、殆どいないだろうなぁ。と言う訳で、ベルギーのもう一つのテクノ・ポップ系と言うかエレ・ポップなワンマン・ユニットSnowy Redを紹介します。このユニットは、元ChainsawのベースだったMicky Mike (本名Marcel Thiel)のソロでのステージネームです。元々、Micky Mike, Jerry WX, Dan DeeとBob SeytorからなるベルギーのBrusellで初めてのフランス語で歌うパンクバンドにベーシストとして在籍していましたが、バンドを作っては壊し、作っては壊していましたが、1980年にソロ活動を開始し、それがSnowy Redになる訳です。なんでも、たった一人で宅録して、10曲位作って、1000枚くらいプレスしたとか。それが彼のエレポップなアルバムである本作品になるのですよ。第一回ベルギー・リズムボックス・コンテストで、Snowy Redは賞金をPseudoCode, Etat Brut, Nausea、そして別の新バンドPolyphonic Sizeで分け合いました。彼はライブの時に、ステージ映えするように、スライドを投影したりしてますし、一方ではポラロイド写真を使ったりしてます。Sylviane V, Stéphaneはレコードのジャケ用の写真を撮ってくれたりして、視覚的なことを任せるようになります。 1981年に5月18日から同年6月30日に、MickyはBrusselsのクラブCool Gateに出てましたが、かなり演劇色が強かったみたいで、Serge Nicolas作、監督のサントラとして書かれた曲“Inquest into the death of Marilyn Monroe (マリリン・モンローの死因解明)”(実際の演奏ではYolanda Sonigaさんが実際に演奏したました)。これのミソは、1981年に、マリリン・モンローはまだ存命中の55才で、NYCのボロボロのアパートで隠遁生活をひっそりと送っていると言う設定であった点です。そしてファーストアルバムである本作品を1981年にリリースします。そして、その後、すぐは、彼は素人の同名の女の子とCarolを結成し、シングル”Breakdown / So Low”をリリースしますが、2枚目のシングルを出す前に別々の道に進むことになります。1981年10月には、MickyはSnowy Red一周年記念として、セカンドアルバム”Right To Die”を作ります。ファーストと同様のミニマルな曲調ですが、ギターやベースと言ったオーソドックスな楽器やしっかりしたヴォーカルも入っています。このアルバムは数年後に、予想外の評価を得ることになり、ベルギーの音楽雑誌だけでなく、メロディ・メイカーやヴィニールと言った英語雑誌にも賞賛されることになります。1983年にMickyはSnowy Redをバンドにしようと考え、Paul, Stephan BarberyとAlain Lefèvreらとで、バンド化します。3枚目のアルバム”Vision”はMickyにとってマイルストーンになります。それは、彼のアイデアをユニークなアプローチで具体化できるようになつたからです。
その後、MickyはAntlerと契約し、セルフ・コンピ”Snowy Red, The Compilation 1980-1984”をリリースし、その後に4枚目にしてラストのアルバム”The Beat Is Over”をリリース、再び1人での作業になっています。1990年代になると、彼は再びバンドセットを組むことになりますが、2009年5月26日にベルギーの仏語放送番組RTBFが突如、ベルギー・ニューウェーブの伝説Micky Mikeが52歳と言う若さで、Brusselsの病院で亡くなったと放送します。こんな感じで、Snowy Redは終わりますが、それがザックリとしたバイオグラフィーです。
それで、彼のファーストアルバムである本作品は、所謂、今で言うシンセ・ウェーブであり、宅録でもあります。恐らくはドラムマシンはRoland TR-606を使っており、ミニマルなベースラインのリフにやや妖艶なヴォーカルやシンセによるメロディらしき音が被さる形態です。単純ですが、インパクトは大です。しかしながら、メロディがやや感傷的になっている点で、表情豊かな曲に仕上がっていますし、如何にも欧州産と言ったメランコリックな旋律が特徴的ですね。ちょっとだけSuicideの2枚目のアルバムに近いところもありますね。そこら辺は意識していのか、Mickyに訊いてみたかったですね。この時代には一人で宅録ができるようになってきており、その先駆けであったと思います。そんなプリミティブながらドリーミーなSnowy Redを聴いてみて下さい!
[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mt4c-YDEx7IBdxzmo2C-3-dvH5l161Zqg
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