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Jan Bruyndoncjx “Rails and Other Tracks”
このアーティストは全然知りませんでした!そのアーティストとは、ベルギーのJan Bruyndoncjx(何と読むのかも解りません。誰か教えて❗️)のことです。視聴して気に入ったので、即、購入しました!もう謎だらけの人で、1926年生まれの1999年死亡のベルギー人としか記載がありません。このレコードが無ければ、完全に時代の闇に埋もれていた位の「謎」です。なので、バイオグラフィーは省略しようと思いましたが、裏ジャケに経緯などが載ってましたので、そこから和訳・要約して書くことにします。それで本作品ですが、同国のMetaphonがこのアーティストを掘り起こしたもので、彼の曲をコンパイルしたアルバムとなっています。そしてその内容はと言うと、Janが色んな所でフィールドレコーディングした音源や会話やモノローグのような音源から成るオープンリール音源を1958-1965年に継ぎ接ぎして録音したコラージュ7曲を収録しています。どれも、今ならPCで簡単に出来ることを黙々とテープを弄って作り上げただけでも凄いと思いますが、何よりも、テープ加工の技術やコラージュの感覚が抜群に秀でていて、今でも充分通用すると言っても過言ではないです。特にA-1”Rails”の完成度は高いんですが、何故か、Chris WatsonとDD.RecordsのT.Kamadaさんとダブります。1950年代と言うのは色々な技術が発展した時代で、例えばPierre Schaefferがミュージック・コンクレートをやり始めており、またブリュッセルで行われたExpo58では音楽の技術的側面の発展も行われていました。そのExpo58では、蘭の企業Philipsが自社のパビリオンで流す音楽をIannis XenakisのLe Corbusierに頼んだりしていました。それは ”Gesammtkunstwerk”と呼ばれていました。一方、この時期の音楽的新技術として、安価なテープ・レコーダーとテープ(多分、オープンリールのこと)の開発・普及が行われたと言うことです。それによって人々は色んな音、ラジオやテレビの音や音楽等を簡単に録音出来るようになった訳です。それによって、テープの加工(コラージュ、ループ、逆回転、速度の調節など)が考え出され、テープ音楽がより身近なものになってきたと言うことです。そして、Janは自分のことを音楽家だとか作曲家だとは言っておらず、寧ろ、ベルギーの工場で化学を学んでたらしいです。そして、彼も磁気テープを用いて「サウンド・ハンター」として、周りにある色んな音や音楽を録音しまくり、彼自身のサウンド・ライブラリーを作り上げ、自宅スタジオを持ったと言う経緯です。A-1”Rails”は、この題名通り、彼が興味を持った鉄道や列車或いは駅での音を用いて、様々なテープ加工を行って作り上げた最初の曲で、この作品をもって、彼は国内外で数々の賞を受賞します。また、1950年終わり頃には、G58と言うヴィジュアル/ワード・アーティストの集まりやNationale Filmgroep 58と言った映画関係の集まりがベルギーのAntwerp周辺で結成され、Janはそれらの団体でレクチャーもしてます。特に映画関係の仲間であるRik KuypersやJos Pustjens、Louis Van Maelderには楽曲の提供をしていますし、またベルギーの詩人で音響詩もやっているPaul De Vreeとも共作をしています。そう言うこともあって、彼が楽曲提供した映画も数々の受賞をしています。そして1969年にJanは自宅スタジオをより本格的なものにして、テープ加工のHi-Fi化を試みています。とまあ、ザッと彼のバイオグラフィーはこんな感じですね。多分、彼の様なアマチュアでコアなミュージシャンって沢山いるのだと思いますが、それをできるだけ救ってあげるのも、レーベルの仕事の一つですね(Metaphon、いい仕事してます!)。と言う訳で、初期のテープ音楽に興味のある方は是非とも聴いてみて下さい!内容は押して知るべし❗️
YouTubeには無かったのでBandcampで!
https://metaphon2.bandcamp.com/album/rails-and-other-tracks
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