Fripp and Eno “(No Pussyfooting)”

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今回は、馬鹿テクでキング・クリムゾンの中枢Robert Frippと、「非音楽家」を名乗り、新音楽の開拓を常に行うBrian Enoのコラボ・アルバム”(No Pussyfooting)”をご紹介します。この2人に関しては、もう有名過ぎる程,有名ですので、ここでは敢えて詳しく記述はしませんが、Robert Frippについては少しだけ。元は、1967年にGiles兄弟と結成したGiles, Giles & Frippでデビューしましたが、1枚のアルバムを出して、このバンドは1968年に解散。その直後に、RobertはIan McDonaldとMichael Gilesを核として、大学の同級生だったGreg Lakeと作詞家Peter Sinfieldを誘い、King Crimsonを結成し、1969年にファーストアルバム”In the Court of the Crimson King”をリリース、大ヒットとなり、プログレの一つの源流となりました。その後、メンバー・チェンジなどのゴタゴタもありましたが、常に新しい音楽を求めていたFrippはサイドプロジェクトも行いながら、King Crimsonを続けていきます。彼はバンドの方向性やメンバーの構成において独断的とも称されますが、本人は否定しています。最近では妻のToyah Willcoxと一緒にYou Tubeで” Toyah and Robert's Sunday Lunch”を毎週発信している「お茶目」なところもあります。Brian Enoについては、前回を参照してください。
それで、本作品についてですが,Robert FrippとBrian Enoによる一種のドローン或いはアンビエント作品としてリリースされた最初のアルバムです(その後のスタジオアルバムは3枚、ライブアルバムを1枚出しています)。ここでのFrippはギターとペダルボードを,EnoはEMS VSC3やシーケンサーなどを弾いているのですが,特にFrippは2台のRevox A77 reel-to-reelを使ったFrippertronicsと言う装置を多用しています。これは一種のテープエコーみたいな原理ですが、この時期に,こんなことするロック・ミュージシャンはいませんでした。そして録音した音にEnoがポスト・プロダクションを加えて、片面1曲づつの長尺の曲が収められています。A面はギターの持続音が永遠に続くような曲”The Heavenly Music Corporation”を、B面には伸びやかな持続ギター音にアクセント的電子音も加わった表情豊かな曲”Swastika Girls”が収められています。正しく、タイプの異なる2人の「天才」が作り上げた、ロック的解釈をしたアンビエント・アルバムとなっています。とにかく、気持ちが良いです。流していても、気にならないし、聴き込んでもちゃんと聴けると言う,本来のアンビエントがここにはあります。そんな珠玉の音楽を試してみませんか? 因みには私の持っているレコードは再発物なので1979年になっていますが、オリジナルは1973年にIsland Recordsから出ています。

[full albumが無かったのでTrailerを]
https://youtu.be/unwh5L_IQZg

[live]
https://youtu.be/6_Rd0AUCmuE

#RobertFripp #BrianEno #NoPyssyfooting #Ambient #Drone #Flippertronics #EMSshynth

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