This Heat “Deceit”

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いよいよ登場です、This Heatのセカンドアルバム”Deceit”の登場です❗️ここで、少しバイオのおさらいをしておきます。メンバーは、Charles Bullen (G, clarinet, viola, Vo, tapes)とCharles Hayward (Dr, Kbd, Vo, tapes)及びGareth Williams (Kbd, G, B, Vo, tapes)の3人組で、1976年に英国ロンドンで結成されました。元々、HaywardとBullenは、Roxy MusicのギタリストPhil Manzaneraのプログレ・バンドQuiet Sunのメンバーでした。Quiet Sunは短命に終わりましたが,HaywardとBullenは音楽の指向が似ていたこともあっで、解散後も Dolphin LogicとかFriendly Riflesと名乗って、一緒にやっていました。そこに音楽経験の無いヴィジュアル・アーティストのGareth Williamsが加わり、トリオとして1976年からThis Heatとして活動を開始します。初めは、Haywardの両親の家の屋根裏ででもテープ作りをやっていましたが、使われなくなった冷凍庫室を自分達のスタジオとして使うことになり、そこをCold Storageと名づけ、ジャムセッションやテープ操作などをしていました。また、ガーナ人パーカッショニストMario Boyer Diekuurohとともセッションも続けており、その結果は、フランスのTago Mago誌が1982年にリリースしたAlbert Marcoeurとのスプリットカセット作品となっていますす。 それで、This Heatの方は、1976年2月から1987年1978年にスタジオやライブで録り溜めた音源も使い、1979年8月にセルフタイトルのファーストアルバムをリリースします。ここでは、徹底したテープ操作とループ音の活用が行われており、このようなポスト・プロダクションが可能であった彼等のスタジオCold Storageの存在が大きかったと推測されます。その後、12㌅EP ”Health and Efficiency”をリリース。そして、本作であるセカンドアルバム/ファイナルアルバムが、Rough Tradeと契約して1981年にリリースされます。今でこそ、このアルバムはポストパンクとも位置付けられますが、当時はアイス・エイジ等と呼ばれていました。1982年の欧州ツアーを終えた時に,HaywardはTrefor Goronwy (B, Vo)とIan Hill (Kbd)を巻き込んで,Stephen Rickard とTrefor Goronwyと一緒にCamberwell Nowを結成しており、また、BullenもソロユニットLifetonesを名乗って活動をするようになります。これらの理由でThis Heatは活動を停止します。その後、未発表音源なども含むボックスセットを出したりしています。2001年12月に、バンドは、再度、リハをしますが、Williamsが癌で亡くなったこともあって、This Heat名義でのリリースは最後になりました。ただし,HaywardとBullenは2016年に、This Is Not This Heatとして復活しています。
それで本作”Deceit”ですが、ショッキングなジャケ写と共に、内容は緻密でダイナミックで、素晴らしい作品になっています。トリオなのですが、テープ操作も駆使しており、そのコラージュ感覚や音に対する組み合わせなどには卓越した技術と完成度を持ち合わせています。恐らく、テーマは世界が暗くなり、どうしようもなくなっ酷くなっている危機感を孕んだコンセプトであると推測されます。流石に、Haywardの歌うようなドラミングやBullenの禁欲的なギターはすごいですね。このような手数の多いドラムにはWilliamsの寡黙なベースやキーボードが活きてくるのだと確信しました。また、ヴォーカルのメロディも独特で,東欧や中東の民族音楽のようにも思えます。個々の曲の感想は省略しますが、これは絶対、次世代に繋げたい音楽なので、未聴の方,若い方は是非とも❗️

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PLkyz3_m3zeWERmlH93qyb9c1CN4Ct74Fe

[live]
https://youtu.be/IVDErVzy-cw

#ThisHeat #Deceit #CharlesHayward #GarethJohns #CharlesWilliams #IcyAge #Avante-Garde #Alternative


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