Conrad Schnitzler “Con 3”

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独逸のユーモラスな頑固爺、Conrad Schnitzlerの登場です。彼の立ち位置は面白く、クラウトロックにしては、個人的な活動が中心で、現音的と言うかテクノ的な部分が強く,かと言って、彼のスタンスはNDW(Neue Deutsche Welle)とも時代的にも異なるように思います(ただ彼は後にPyrolatorとの共作もあります)。もう彼のバイオグラフィーは必要無い位、有名ですので、私が殊更に詳細に記載する必要はないかもしれませんが、簡単に。Düsseldorf生まれの独逸人アーティストで、1960年代中期にJoseph Beuysに師事していました。前回のKlusterのところでも少し書きましたが、彼は Dieter MoebiusとHans-Joachim Roedeliusと共に1969年にKlusterを結成し、3枚のアルバムの作製に寄与しました。その後、脱退しています。また、1960年代中期よりTangerine Dreamとメンバーとして活動し、1970年に彼等の傑作ファーストアルバム”Electronic Meditation”の作製に関わって、その後、脱退し、ソロ活動に注力していきます。彼は、媒体を選ばず、膨大な作品をリリースしてきました。その中には、1000本組みカセットへの取り組み(数百本分を作ったところで「飽きた」として中断したのかな?)なども含まれている位、エネルギッシュな創作活動をしています。そんな彼は2011年8月4日に胃がんより亡くなっていますが、その直前まで創作活動をしていました。
それで本作ですが,最も良く知られた初期の作品の一つではないでしょうか?そうです!このジャケに写っているのが、彼が雑踏の中などの音を録音するのに被っていたマイクロフォン付きヘルメット(正式な名称は忘れました。すまん!)です。彼は自分のソロとそれ以外にEruptionと言うバンド(?)も演っていましたが、特に,電子音楽とカセット録音の可能性を模索していたようです。本作にはそんな彼の電子音楽愛を感じます。割と短めな電子音から成る曲(4分前後)が収録されていますが、一聴してConradと分かる独特の節回しがあるので、安心です。特にA面後半からB面にかけて、レゲエっぽいリズムの電子音楽を聴くことができます。そこら辺に彼の先見性と一流のユーモア(B-1は”Coca Cora”)を感じます。本作には、彼のヴォーカルも入っており、ポップですらありますが、既存の音楽スタイルからはみ出てますので、ジャンルレスとも言えます。そんな彼のポップネスを体験してみて下さい。

https://youtu.be/wANEBUr-J0c

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