Die Tödliche Doris “Live SO36 Berlin 19.11.1982”

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またまた、来ました!Die Tödliche Dorisの初期のライブ盤です。Die Tödliche Dorisのバイオグラフィーについては既に書いてありますので、そちらをご参照下さい。元々は、バンドに無許可で録音したライブ音源をカセット作品として、(π+RQ-J6) Tape Productionが1982年に出していますが(要するにブートですね)、この作品に関しては、バンドが自身のレーベルから1986年にカセット作品として、正規でリリースしています。ライブは、西ベルリンの有名なクラブSO36で、1982年11月19日に行われたものであり、メンバー等の情報は何もありませんが、少なくとも、Wolfgang MüllerとNikolaus Utermöhlenは参加していると思われますが、残りの女性メンバーについては不明です(Käthe Kruseかな?)。と言う訳で、謎が多い音源ですが、まあ、正規のLPとして、独Vinyl On Demandが再発してくれていますので、彼等の貴重なライブ音源を聴いてみて、各曲についてご紹介していきます。あと、驚いたんですが、通常のアルバムとかに収められている曲をちゃんと曲として(つまり、全くのフリーな即興曲ではなく)演奏していると言う点が、即興的なノイズ・ミュージックではないのだなと感心してしまいました。

★A1 “Stümmel” (3:30)では、無定形な塊状のノイズが放射されていますが、どうもGとかを使っているようで、やがてハウリング音やディレイを掛けたB、更にはDrsらしき音も入ってきます。
★A2 “Der Tod Ist Ein Skandal (Kavaliere)” (6:35)は、A1に連続して、男性Voとそれらしきビート感を叩くDrsの演奏を中心に「曲」になっています。バックには、何かのノイズ(男性Voのテープ操作?)も鳴っており、段々エキサイトしていきます。最後にテープループも。そして拍手!
★A3 “Über-Mutti” (2:15)は、重いDrsとスライドGに素っ頓狂な男性Voの繰り返しで始まりますが、Voはやがて叫び声っぽくなります。そして拍手。
★B1 “Rhythmus Im Blut” (6:12)は、筒を吹いているような持続音(テープ操作?)とビート感のあるDrsに、語るような男性Voから成る曲で、段々とバックの音は乱れ、ディレイも掛けられたり、Gノイズらしき音も聴取されます。最後は拍手もあり、盛り上がっています。
★B2 “7 Tödliche Unfälle Im Haushalt” (4:23)は、男性の語りとキック音及び太いBから成る曲で、バックにシンセらしき音やモーター音(?)等が鳴らされています。最後はまた拍手で!

 エアーでのラジカセ録音なのか、音質はペラペラで全然低音が出ていない悪い音質ですが、Die Tödliche Dorisの生の音を聴くことが出来たのは、中々、貴重な体験でした。多分「観客を裏切るのがDorisで、それを期待して観に行ってしまう観客を更に裏切るのもDorisである」と言われていたことが、本作品を聴くと何と無く分かりますね。同じ曲(?)でも、そのパフォーマンスを含めた音が大きく変わって「演奏」されていたのでしょう。そう言う意味で、彼等は、単に即興演奏/ノイズ・グループでもカッチリ演奏するグループでもなく、演る度に、その「演奏仕方」を変えていた特異なグループだったのではないでしょうか?その事に気付けただけで、ここ一連のDie Tödliche Dorisの音源を聴いてきた意味があったと思います。本作品を真っ先に聴くことはお勧めしませんが、他のちゃんとした録音作品の後に聴けば、彼等の意図が分かると思いますよ❗️

https://youtu.be/AyLVrpvEpvk?si=S3z1yTcoOJ8rai_S

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