The Fear Merchants “Mental”

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これも謎物件。どうも、英国レーベルIt’s War BoysからAmos and Sara名義で、カセット作品を出していた、Amos (エイモス)ことJim WaltonとSara (サラ)ことSara Vaughanが、1983年に同レーベルより出した、The Fear Merchants名義のカセット作品”Mental”を、米国レーベルEmotional Responseが2019年になって、LPで再発したのが、本作品です。それ以上の情報は不明です。何故、名義を変えたのか?それまでとどう違うのか?全て謎のままです(カセット作品は私は未聴)。因みに、Amos & Saraと言うデュオは、超Lo-Fiサウンドで、一聴するとDaniel Johnstonのようにピュアネス全開のようでありながら、古めかしいJazzやJag Band風、Mondo Music~Exoticaにトライバルなビート、テープループの実験要素まで飛び出すと言う引き出しの多い2人であったとのことです。ある書評では、Amos & Saraの作品が、天然で生み出されたとすればまさに奇跡ですし、すべて計算ずくだったとしたらあまりにもパンクだとも言えるでしよう。何はともあれ、最高に変で、愛すべき目から鱗な音楽というべきもので、The Raincoats~Daniel Johnston~The Shaggsまで通じる無邪気さで、昔のJazzやExoticaをポストパンク風に料理した的な味わいの無気力サウンドと評されています。それらを踏まえると、本作品は、その延長線上にあり、1980年代の北ロンドンのDIYシーン、即ちDIY-スクワット・シーンの一端を、The Fear Merchantsと言う超短命のバンドを通して伺い知ることが出来るものであると言うことです。それと、このバンド或いはカセット・レーベルは、どうも、1983年時点のThe Homosexialsと何らかの関係があったようです。そんなカセット・カルチャーやDIY-スクワット・シーンに興味を持ったのが、米国のEmotional Responseであったと言う訳です。本作品では両面6曲ずつ収録されていますが、まぁ、とにかく、各曲を聴いていきましょう。
★A1 “Un Choix Du Mal Song”は、最初のホーンや子供の声或いは会話の音風景は”Act One”と言うMC曲でもあり、それに続いて、ワルツのリズムに乗ったアコーディオンとBの弾語りになって、時にGも入ります。
★A2 “U - Boat Captain”は、MCの後、モンドなGとDrsと自在なVoとSE的シンセ音の絡む曲です。
★A3 “The Uzbeck Connection 9”も、MCの後に、子供らしきVoが、引っ込んだDrsとVlnと簡素なBの上で自在かつ元気一杯に歌っています。時々入るSEシンセ音も良きかな。
★A4 “Industrialist's Dirge”では、MCの後に、ウッドBと深いディレイの掛かったVinと極めてスカスカなPerc、それにやる気無さげなVoから成る曲で、中身が無さそうな曲です。
★A5 “Reflection In Psychiatrist's Spectacles Theme”は、ウッドBとトランペットとVlnと物音系Percから成る小曲です。
★A6 “Fiasco”は、モンドな雰囲気のミニマルPercとBと弾きまくっているVlnに合わせて、さも仰々しいVoが乗っている曲です。
★B1 “Ya Habibi”は、MCの後、男女の掛け声のようなVoが、似非民族音楽の演奏に上に乗っている曲です。でも女声の方がメインかな?
★B2 “Aristocratic Hunchback Out-cast Song”は、MCの後、ヘロヘロの女性Voが、VlnとBとアコーディオンをバックに歌いまくっています。
★B3 “Absolute Misery Theme”は、Celloのような音から成る小曲です。
★B4 “Doctor's Orders”は、女性Voと会話調の男性Voが、ノリの良いジャジーな演奏に乗っている曲で、ダルと言うよりも怪しげです。
★B5 “When She Weighs Eighty-Six Stones”は、ジャジーなウッドBとDrsに女声合唱被り、更に男性の声やトランペットなんかも挿入されます。
★B6 “Mental Theme”は、マリンバとPercとトランペットから成る小曲です。

 と言う訳で、曲間が非常に分かり難く、切れ目が良く分からないので、ちゃんとリアルタイムで聴けたかどうかも心許ないですが、Bandcampと合わせて確認しました。全体の雰囲気は、Lo-Fiなラウンジみたいな環境ですね。誰がどの楽器を担当しているかなんてどーでも良いくらいはちゃめちゃです。この手のヘタウマは1980年代に流行っていたことを考えると、時代性をしっかり感じていたのではないでしようか?その意味では、同時代性があったと思いますし、また、今の若いリスナーさんには、逆に新鮮に聴こえるかも?どうでしょうか、一度聴いてみては?

https://youtu.be/OYSypqyHWsI?si=XM8zMZO6MYYSg6tK

[BandcampのURLも貼っておきます]
https://emotional-response-recs.bandcamp.com/album/mental

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