Chrome “Into The Eyes Of The Zombie King”

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久々に入手しました!Chromeの8枚目のスタジオ・アルバム” Into The Eyes Of The Zombie King”です。これは、Damon Edgeが、Helios Creedと袂を分かって、渡仏し、そこでChrome名義で制作したアルバムですので、レーベルも仏のMosquitoになっており、またHelios Creedの名前もクレジットされていません。Chrome或いはDamon Edgeのバイオグラフィーは以前に書いてありますので、そちらをご参考にして下さい。それで、本作品の参加メンバーは、Damon Edge (Lead-Vo, Synth, Echo-G, T.V., Treatments [Effects]), Remy Devilla (G), Renaud Thorez (B, Fretless-B), Patrick Imbert (Drs, E-Drs), Fabienne Shine (Back-Vo, Vo)から成っております。因みにFabienne ShineはDamon Edgeの奥さんで、正式に1980年に結婚しており、Damon Edgeは、1983年から、渡仏してParisに居を移し、そこでChromeを名乗って、1995年にEdgeが亡くなるまで、欧州を中心に活動しています。本作品は、そんな中でのアルバムのひとつと言うことになります。ただ、EdgeはCreedと喧嘩別れした訳ではなく、米国CAのアパートで亡くなる前から、「俺が死んだら、お前がChromeの名で続けてくれ」と言っていたそうで、その後は、Helios CreedによるChromeの活動は続けられています。因みに、1996年に、雑誌Alternative Pressが公表した「過去20年間でインスピレーションを受けたアングラ・バンド100選」にChromeも入っていたそうです。また、別れた奥さんのShineは、1997年に、アルバム”No Mad Nomad”をリリースし、2004年には、CreedのChromeで一緒に活動し始めています。
 
 それでは、本作品” Into The Eyes Of The Zombie King”の内容(両面4曲ずつ)について、各曲をご紹介していきますね。
★A1 “And Then The Red Sun (The Story Of A Cyclops)” (4:50)は、Chromeらしいリズム隊のビートと音色に、エフェクトVoと捩れるようなGが乗ってくる曲で、ミニマル気味に続いた後、フェイドアウトします。
★A2 “You Can't Do Anything” (3:50)は、強力なビートにGの単音弾き(ソロ?)と不明瞭なエフェクトVoが乗ってくる曲で、怪しさ満点/カッコ良さも満点です!
★A3 “Walking And Looking For You” (5:25)は、若干テンポダウンした重めの曲で、シンセのパルス音とGが曲を構成し、そこにエフェクトVoが乗っています。間奏のGソロ(?ノイズ?)がChromeらしいです。
★A4 “Into The Eyes Of The Zombie King” (4:15)は表題曲ですが、強烈なビートに、ノイズらしき反復音が絡み、更にGがスパイスとして挿入され、Voは不明瞭で殆ど聴こえず、インスト曲っぽい仕上がりです。
★B1 “Trip The Switch” (5:33)も、強靭なリズム隊を中心に、Gが思いっきり曲を牽引しており、強迫的なエフェクトVoが扇動しており、特にカッコ良い曲です。後半のShineのコーラスもバッチリです!
★B2 “It Wasn't Real” (4:52)は、捩じ切れるような電子音の中から、DrsとBとGが怪しげな雰囲気でフェイドインしてくる曲で、そこに呟くような不穏で聴き取り辛いエフェクトVoが絡んできます。
★B3 “Humans In The Rain” (4:07)も、強力なリズム隊に不気味なGと粘着質なエフェクトVoが絡む曲で、この手の曲は初期の頃から聴くことができますね。
★B4 “Don't Move Like That (Don't Dance Like That)” (3:30)は、性急なビートに単純化されたGとエフェクトVoが乗ると言うノリの良い曲で、本作品を締めています。

 総じて、Chromeと言うバンドは、Damon EdgeとHelios Creedの化学反応によって、最大限の魅力を発揮するのだなぁと思いました。別に、この作品がつまらない訳ではなく、Damon Edgeの個性だけでは、ちょっと予定調和的になってしまうと感じた次第です。個々の曲自体の雰囲気等は、確かに「Chrome的」ではあるのですが、個人的には、Helios Creedの個性とぶつかることで、より魅力的になるように思われ、最後の〆がちょっと緩いと感じました。ただ、アシッドな感覚は充分に感じられますので、Chromeマニアの方はこの1枚、持っていて損はないですよ!後、その「Chrome的」と言うのは、恐らくリズム隊、特にDrsによるのではないかと今回、確信しました。

[original album: 曲順が異なります]
https://youtu.be/BuHf0wzh44s?si=WEtVJdLv_-G2YPG5

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kh4PzAWeOkeGRrzHHZZ_yuqJBk41cRcBM&si=SvWriER8gp_9EyX9

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