V.A. “Cold Wave 2”

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Cold Waveって何?と思われる方もいらっしゃるとは思いますが、何となく、シンセとリズムマシンを使っていて、シリアスな音楽って感じですかね?と言う訳で、勉強も兼ねて、そのものズバリ”Cold Wave 2”と言うコンピ・アルバムを購入しました。発売元が英国のSoul Jazz Recordsと言うのが、ちと心配ですが、まあ、調べてつつ、とにかく聴いてみましょう。各曲について紹介して行きます。
A1 Lena Willikens “Howlin Lupus”は、元々、独DüsseldorfのSalon Des AmateureでフリーフォームなレジデントDJで、2012年にはシングル”Kingii”をリリースしているジャンルレスなミュージシャンで、テルミン, ループ, タンテ等を使ったオリジナル曲のやっています。現在はAmsterdam在住。四つ打ちではないキックの打ち込みに特徴のあるテクノで、ミニマルなシーケンスから成る曲です。
A2 Beta Evers “Hiding”は、本名Brigitte Enzlerで、1970年後半〜1980年初期にNew Waveと実験的電子音楽を聴いて育ち、10代で少女バンドを組み、1990年代には独Augsburgのクラブで電子音楽のアレンジをしていましたが、2000年には電子集団Kommando 6を組織、同時にソロでも活動を開始し、2002年からはサイドユニットBlack Spider ClanとFlying Bodiesもやっています。如何にもなベースのシーケンスとフィーメールVoで往年のシンセ・ウェーブを現代風に甦らしています。
A3 L.F.T. “Stay Away From The Light”とは本名Johannes Haasのことで、ユニット名は、Love, Fist, Tearsの略だそうです。彼は独Humbugで活動しており、バンドSchulverweisでG/Voを担当。A2よりも更にシンセ・ウェーブな曲で、ミニマルで疾走感もあり、結構、カッコ良いです。途中、ギターソロも。
B1 Job Siffre “At Least We Try”は、蘭Haarlem生まれで、20歳代初めにAmsterdamに移住。クラブDe SchoolのレジデントDJで、ジャンルを越えたパーティを仕切り、new wave, synth-wave, EBM, industrial, downtempo technoをやっています。ダウンテンポな曲で、初め聴いた時、回転数間違ったかと思いましたw ビートは重目ですが、時に入ってくるシンセのメロディがカッコ良いです。
B2 De Ambassade “Niet Van Mij”はAmsterdamて活動している蘭人の実験音楽/ニューウェーブ・トリオのことで、Pascal Pinker, Aniek de Rooij, Jippe van Nielがメンバーです。1980年代のシンセ・ウェーブを現代風にアップグレードして作り直したようなキッチュな曲をやっています。これは私の好物です。日本のBGM(バンドの方ね!)とかにも影響を受けたそうです。
C1 Tolouse Low Trax “Rushing Into Water”は、Detlef Weinrichのソロユニットで、同時にバンドKreidlerのメンバーであり、Victoria WehrmeisterとJan WagnerともToreschをやっています。また、DüsseldorfのSalon Des AmateursでレジデントDJもやっています。今回は、土俗的リズムに女性ヴォイスや通信などのサンプリングを加えたプリミティブな曲です。
C2 V.C.V.S. “Hum”は、ジョージアのIrakli ShoniaとSandro Kozmanishviliのデュオで、2016年から活動しており、オシレーターに興味を持っており、2017年に1stアルバムをリリースしています。バンドのリハのような音の後に、如何にもなアシッド・テクノなシーケンスとリズムが始まる曲で、ホワイト・ノイズで作ったスネア音が1980年代風です。
D1 Dave I.D. “Help Starts”は英国の南東LondonのHedges Davisで、今ではThe Lunacy of Flowersとしても知られています。元々はDark Relief名義でインダストリアルな曲を作製していました。2023年現在はエストニアのTallinnで活動中。今回は、機械の駆動音のようなリズムと特異なベースラインに、物憂げな女性Voとノイズが乗っており、結構、ダークな雰囲気です。
D2 Broken English Club “Vacant Cars”は、本名Oliver Hoで、英国西Londonの音楽家で、JG Ballardからの影響を受けています。1997年には自身のレーベルMetaを始め、トライバルなテクノを扱っています。重いキックに、軽目のシンセ(まるでRoland SH-101みたい)のシーケンスが同期し、そこに呟く男性Voが乗っています。
D3 Krikor Kouchian “Deserver Dub”は、アンビエントからテクノまでを扱う南仏のプロデューサーで、1990年末にはFrench Touchシーンで現し、2001年から、即興的要素も盛り込んだライブを開始しています。現在はパリ在住。ダブっぽい処理もされたリズムと重低音とサンプリング音が交差しています。
聴いてみて、思ったのは、皆、1980年代〜1990年初期のシンセウェーブやミニマル・ウェーブなんかの影響を受けながらも、現行のテクノなりダブなりを使って作っているのだなあと。だから、何故か懐かしい感じやノイズを上手く使うテクやシーケンスの妙があるのだなあと感心してしまいました。そう言う意味では、面白かったです。なので、

C1 Toulouse Low Trax “Rushing Into Water”
https://youtu.be/UOJFZ_szcDc

[full albums]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mepfgQ6w-jZQf_v8EfXH9-KELxM0bOII4

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