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近鉄モ201+モ203(後のモ251+モ253)
■モデルについて 旧大軌デボ201形のモデルです。真鍮製のメーカーズプレートが付いているので昭和40年代前半の製品だと思います。ダブルルーフや腰板の木目もよく表現されており、カウキャッチャーやターンバックルを付けた床下も丁寧に作られています。203に駆動装置が付いていますが、小高模型の京阪16号用台車と22.5㎜インサイドギアの組み合わせになっています。木造車時代の実車はダークグリーンで近鉄マルーン塗色は実在しなかったと思います。 ■実車について 大正14年に製造された大阪電軌デボ1形の増備車デボ201形です。デボ1形に比べ近代化されたスタイルになり正面3枚窓で乗務員扉がつき、またパンタグラフ、自連を装備していました。昭和17年にモ201形になり、さらに昭和25年にモ251形に改番されました。昭和32年に鋼体化されモ460形となりましたが昭和44年の奈良線昇圧時に廃車となりました。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1970年頃塩浜検車区
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近鉄サ6461
■モデルについて 旧伊勢電鉄クハ461の最晩年のモデルです。真鍮製メーカーズプレートがついた昭和40年代半ばの製品だと思います。ロコモデル初期製品で床下と台車が明灰色に塗装されています。ベンチレターは真鍮プレスのパーツです。近鉄マルーン色も別掲のモ215と同じ明るい色調になっています。6311、6331系などの電動車のみの中型車と編成する名古屋線急行には貴重なモデルです。 ■実車について 旧伊勢電鉄本線高速車として昭和4年に製造された制御車です。客窓2枚1組の上部に飾り欄間が付けられ優美なスタイルをしていました。伊勢電車輌には珍しく乗務員室扉付きで便所を備えていたこの車輌は戦後近鉄になっても名古屋線急行に重用され、同形制御車のなかった6311、6331系の相棒を永らく務めました。昭和49年に廃車になりました。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1970年頃塩浜検車区
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近鉄サ2601
■モデルについて 元貴賓車の一般車格下げ後のモデルです。昭和40年代半ばの製品だと思います。ロコモデル社長は3扉改造車は好きでなかったようで、この車輌も「私鉄ガイドブック」にはすでに3扉化された写真が掲載されていたので、原型に戻して模型化したと想像しています。モデルをみると乗務員扉がなくマルーン色2扉で実在しなかったに姿になってしまっています。特異な車歴、中間車、1輛のみの形式とあって、今となってはレアなモデルとなっています。ブラスモデルでは安達製作所から特急改装以降の2扉車モデルが発売されています。 ■実車について 「紀元2600年」とされた昭和15年に製造された貴賓車ですが、皇族使用は戦後1度のみだったようです。美しい深いダークグリーンのカラー写真も残っています。戦後になって、昭和28年大阪線特急車に転用され、その後も2227系と共に運用されましたが、昭和49年に廃車になりました。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1970年頃塩浜検車区
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近鉄ク6689
■モデルについて 南大阪線6600系のトレーラーです。昭和40年代半ばの製品だと思います。地元のとある模型店はプラモデルも扱う一般的なお店でしたが、ある日店頭にロコモデルの珍車が並べられていました。入店してみるとコレクターが手放した委託品で、既に売約済みの特急車18200系や1400系もありましたが、残っていたなかの1輛がこのモデルです。初期製品に見られるチョコレートに近い艶ありマルーンです。 ■実車について 旧大阪鉄道デニ501が原車でモ6601を電装解除した車輌です。元々の制御車のフイ601は連結面が切妻だったので外見上の区別がつきます。500形は大阪と吉野を結ぶロマンスカーでしたが早くも戦前にロングシート化されました。それでも昭和15年の橿原神宮で行われた紀元節記念行事では特急運転もされています。参宮急行2200系に比べて地味な存在でしたが、これと双璧をなす名車でした。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1970年頃塩浜検車区
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近鉄モ215
■モデルについて 大軌デボ1の最晩年の姿のモデルです。ロコモデル初期の製品だと思います。鉄道模型でも床裏面にメーカーの刻印、シール、プレートをつけていますが、ロコモデルでも初期製品には真鍮製メーカーズプレートが貼り付けてあり、このモデルにも貼り付けられています。図面や型紙が収録された「ロコモデル伝説」にも収録されている形式ですが、板目を表現した側板、ダブルルーフ、5枚窓の卵形フロントなど実に精巧にできています。マルーン色になった車輌は実在しなかったと思っていましたが、マルーンに塗り替えて田原本線を走るカラー写真を見つけて驚きました。 ■実車について 近鉄の前身となる大阪電軌鉄道が大正3年に奈良線に投入した、近鉄電車史の1ページを飾る高速電車デボ1です。登場時はポール集電でしたが昭和5年にパンタグラフに換装されました。昭和25年に改番されモ200になり橿原線で活躍、ビスタカーも登場していた昭和30年代半ばまで急行運用もされていました。最晩年は現田原本線や生駒線で余生を送りました。現在、五位堂研修車庫に212が原形復元保存されています。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1970年頃塩浜検車区
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近鉄モ5112
■モデルについて 養老線で活躍した旧伊勢電車輌のモデルで、昭和40年代中頃の製品だと思います。中古品を購入しましたが、屋根にはウエザリングが施され、パワトラが搭載されているなど手が加えられていました。浅草から日暮里に移転したロコモデルのお店は2階に完成車が多数展示販売されていました。居並ぶ各社の新鋭モデルのなかで,近鉄車輌は11400系、12200系特急車と一般車はなぜかこれと同じモデルが1輛だけが展示販売されていたのを覚えています。ロコモデル社長が近鉄の中でも好みのスタイルの車輌だったのでしょう。 ■実車について 昭和2年日本車輌製の伊勢電鉄モハニ112を昭和32に車体更新した車輌です。近鉄になってからも重複区間になる旧伊勢電江戸橋~新松阪間の伊勢線が存続していましたがこの盲腸線を細々と運行していました。昭和36年に伊勢線が廃線になってからは養老線に転出し「養老行き急行」として運用されたこともあります。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1970年頃塩浜検車区