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ロマが「ラヴユー東京」を歌う違和感 トニー・ガトリフ監督の音楽映画『ベンゴ』
ガトリフという映画監督は音楽を、ロマ(ジプシー)の俗謡などをモチーフにした作品作りには定評のある映像作家で、秀作は少なくありません。ただし、そちら方面にフォーカスし過ぎて、シーンごとの音楽表現の連なりから醸し出される詩情のほうに観客はひっぱられてゆく傾向があります。2000年の作品、この『ベンゴ』もフラメンコを描いて圧倒的画力を放つのですが、ストーリーとしてはいまひとつ…。そしてマリア・ラ・コネヤという女性がアカペラで突然歌いだすのが、ロス・プリモスの大ヒット「ラブユー東京」。このアサッテぶり、この面妖さ、痛烈なインパクトをもたらす究極の違和感。55秒の収録ながら、一体どうしたことかと思わずにはいられません。それにしてもどうしてロス・プリモスを‥‥。#映画音楽 #tonygatlif #黒沢明とロス・プリモス
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萩原健一 岸田今日子 『傷だらけの天使』で聴かれるあの曲。
例によって修と亨が怒鳴り込むと、辰巳は彼等をとがめるが綾部貴子は悠然といつもの曲をSPで聴いている。あの番組のファンならば何度も聴いたあの曲の入ったシーデーです。1935年のドイツ映画「マズルカ」の主題曲で、タイトルは「Ich spur in mir」。主演女優のポーラ・ネグリが歌っています。この選曲は岸田今日子本人の意向で実現したそうで、オリジナル脚本に指定されていたというデートリッヒを使うよりは遥かによかったのではないでしょうか。ダークで。#映画音楽 # ドイツ映画 #オリジナル・サウンド・トラック #岸田今日子 #萩原健一 #水谷豊 #岸田森 #ポーラ・ネグリ #マズルカ #傷だらけの天使
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ギル・メレ 「アンドロメダ・・・」サウンド・トラック盤
ロバート・ワイズ監督の米映画「アンドロメダ」。といってもアニメーションとも埴谷ユタカともジョン・デュ・カンのハード・サイケ・バンドとも無縁のギル・メレによる冷徹な実験音楽が収められたサウンド・トラック盤。これと「猿の惑星」のサントラは映画と無関係に単体の音楽作品としても監督楽しめる極めて優れたアヴァンギャルド・ミュージックといえるでしょう。限定1500枚の米国盤。
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