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大百怪 第五巻 No.9 死神
《物語》 さまざまな人が行き交う大通り。その一角に眼光を鋭く光らせる異形がいる。まるで骸骨のような顔をしたそれは、道行く人には見えないのだった。やがて異形は青い顔をした若者の前に立ち止まる。と、強引に手を若者の口の中に入れた。抜いた手にはぴくぴくと動く綿のようなもの。若者はそのまま絶命したようだった──。 #妖怪 #水木しげる #ゲゲゲの鬼太郎
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大百怪 第五巻 No.8 山鬼
《物語》 夜。猟師が山小屋で火を焚いていると、突然化け物がやってきて「運に任せるがよい」といった。ギョッとする猟師。実は今、運に任せるしかないと思っていたところだった。猟師は山鬼だと気づいて、ただ震えながら火に枯れ枝をくべ続けた。パチン──折った枝があらぬ方に飛んだ。山鬼は驚いた顔で猟師を見るのだった……。 #妖怪 #水木しげる #ゲゲゲの鬼太郎
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大百怪 第五巻 No.7 朱の盆
《物語》 日暮れ時の寂しい道を、世間話しながら歩く二人の侍。 どうやら途中で知り合った間柄の様子。「この辺りには化け物が出るという噂があるようですが」一人がそう尋ねる。と、その言葉を待っていたかのように、もう一人の侍は見る見る化け物に変じた。巨大で真っ赤なその顔を見て、侍は思わず気絶してしまうのだった──。 #妖怪 #水木しげる #ゲゲゲの鬼太郎
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大百怪 第五巻 No.6 大座頭
《物語》 雨降る晩。大粒の雨が風に飛ばされ、それが家々の屋根や軒に 当たってものすごい音をたてる。こんな晩に外を出歩く者などいない。しかし、どこからか木履の音が聞こえる。カラリコロリ、カラリコロリ……。それは汚い身なりをした大男の足音。どこにいくのか、雨具も使わず、ずぶ濡れになってただ歩いているのだった……。 #妖怪 #水木しげる #ゲゲゲの鬼太郎
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大百怪 第五巻 No.5 火車
《物語》 田舎の道。遠くから葬式の列がやってくる。経を唱える僧侶。 棺桶を担ぐ男たちと、それに続く老人や女。ヒュウ──。突然、あたりは黒雲に包まれ、 突風に葬列は倒された。短い悲鳴があがる。風は一瞬でおさまった。と、棺桶が転がって、 蓋が取れている。あわてて親族が駆け寄ったが、そこには空の棺桶があるだけだった。 #妖怪 #水木しげる #ゲゲゲの鬼太郎
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大百怪 第五巻 No.4 さざえ鬼
《物語》 ザザーッ、ドーン……。岩場に打ち寄せる激しい波の音。ここは房総半島の海岸にある天狗岩。内部の洞窟には、不気味な化け物が食卓についている。ポリン、ポリン……。なにか堅いものを噛む音が響く。それと同時に勝ち誇ったような笑い声。食卓の上には、ぺったんこになった鬼太郎の体がのっているのだった──。 #妖怪 #水木しげる #ゲゲゲの鬼太郎
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大百怪 第五巻 No.3 小豆洗い
《物語》 夜、川のほとり──。ザアザアという清流のせせらぎに 混じって、妙な音が聞こえる。ザク、ザク、ショキ、ショキ……。川辺に住む者は、 たびたびこの音を耳にする。何かを洗うような音だ。そして、そんな夜には、決まって幽かな歌声も響くのである。小豆とぎやしょか……人取って食いやしょか……、ショキ……ショキ……。 #妖怪 #水木しげる #ゲゲゲの鬼太郎
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大百怪 第五巻 No.2 セコ
《物語》 ホーイィ、ホーイィ……。人とも鳥ともつかない、そんな声が山に響く。それを聞く猟師の親子。「ありゃあ、なんだ」若い猟師が尋ねる。老いた猟師は 「今日はいたずらもんがいるようだな」というと、いきなり空に向かって鉄砲を撃った。 ズドン──晴れた空にこだまする。変な声はそれきり聞こえなかった。 #妖怪 #水木しげる #ゲゲゲの鬼太郎
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大百怪 第五巻 No.1 ガラッパ
《物語》 青々とした植物が茂る南島の山中。若者がふらふらしながら、同じ場所をぐるぐると回っている。「おい、あんた」と、農作業帰りの老人が声をかける。ハッとする若者。「ははは。同じところを何時間歩くつもりだい」そういう老人の声で、若者はようやくガラッパに騙されていたことに気がつくのだった……。 #妖怪 #水木しげる #ゲゲゲの鬼太郎
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大百怪 第五巻 No.10 一目連
《物語》 夏──。山の稜線に黒い雲がわく。旅人はひと雨くると思い、 宿場まで急いだ。「ちょうどよかった。一目連様がお出かけになるところだったよ」宿の主人がいう。外は猛烈な暴風雨となり、黒い雲が屋根すれすれのところを通っていった。それを見て絶句する旅人。一瞬で通り過ぎた黒雲には、大きな目がついていたのだった。 #妖怪 #水木しげる #ゲゲゲの鬼太郎
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