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スパイダーマン 東映TVシリーズ DVD-BOX
『スパイダーマン 東映TVシリーズ』は東映とマーベル・コミックが交わしたキャラクター使用契約に基づき、製作されたテレビシリーズで、昭和53年(1978年)から翌昭和54年(1979年)にかけて東京12チャンネル(現:テレビ東京)で放映されました。 スパイダーマンといえば言わずと知れたマーベル・コミックを代表するキャラクターで、ハリウッドで何度も映画化されたこともあって、日本でも人気が高いアメコミヒーローの一人。しかし、この東映版のスパイダーマンは本国とはだいぶ毛色が異なっていて、「復讐の為に宇宙から来た侵略者集団と戦う孤高のヒーロー」という設定を始め、日本独自の色合いが強く出たものとなっているのが特徴。中でも、当時の視聴者に大きなインパクトを与えたのが巨大ロボット、レオパルドンの存在。レオパルドンは、巨大化した敵のマシーンベムに対抗すべく、スパイダーマンが呼び出した宇宙戦艦、マーベラーが変形したロボットで、等身大のヒーローが巨大ロボットに搭乗して巨大な敵と戦うというスタイルは、その後、『バトルフィーバーJ』以降の戦隊シリーズに大きな影響を与えました。 このように東映特撮ヒーロー史上においてエポックメイキングな役割を果たした東映版スパイダーマンですが、一方で東映とマーベル・コミックとの契約が切れたあとは、映像は元より写真やイラストさえ使用出来ない状態が続きました。このまま視聴が困難な“封印作品”と化すのか...と思われましたが、平成17年(2005年)に東映ビデオより発売されたのがこの『スパイダーマン 東映TVシリーズ DVD-BOX』です。こちらも発売の告知から一転、一時は発売そのものが無期延期になるなどハラハラとさせられましたが、まさに宣伝帯の惹句にあるように「歴史の闇から、遂に復活!」「“最初で最後!”奇跡のDVD化!」を果たしました。 内容はテレビシリーズ全41話が収録された本編ディスク7枚の他、昭和53年夏の「東映まんがまつり」で公開された劇場版と原作者スタン・リー氏へのインタビューが入ったボーナスディスク1枚、そして封入特典として、EP版主題歌レコード復刻版CD(「駆けろ!スパイダーマン」「誓いのバラード」収録)に、148ページにも渡るブックレット「スパイダーマン大検証」が入っています。 本編及びボーナスディスクはもちろんですが、ブックレット「スパイダーマン大検証」の内容の濃さが良いですね。番組企画の成り立ちからテレビシリーズ全話と劇場版のあらすじ&解説、主要キャスト&スタッフのインタビュー、当時の雑誌記事や玩具の紹介など、東映版スパイダーマンに関する書籍としてはこれ以上のものは無いと思います。 #スパイダーマン #東映 #香山浩介 #八手三郎 #レオパルドン #マーベルコミック #スタンリー #DVD-BOX
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森村誠一シリーズ 人間の証明 DVD VOL.1~4
平成22年(2010年)に東映ビデオより発売された『森村誠一シリーズ 人間の証明』のDVD(VOL.1~4)です。 『森村誠一シリーズ 人間の証明』は『腐蝕の構造』『暗黒流砂』に続き、放映されたシリーズ第3弾のドラマで、昭和53年(1978年)1月~4月に毎日放送系にて全13回で放映されました。 『人間の証明』の映像化作品では前年(昭和52年)秋に公開された松田優作主演の角川映画版があまりにも有名ですが、このテレビ版も凄く良いんですよ。個人的には映画ゆえの大作主義に走ってしまった角川映画版よりも良く出来ているのではないか、と思っています。衆人環境の中、父親を進駐軍の米兵になぶり殺しにされた過去を持つ主人公・棟居弘一良をテレビ版では林隆三が演じていて、松田優作のような華やかさには欠けるものの、トラウマを抱える刑事役を好演しています。そして、もう一人の主人公ともいうべき八杉恭子を演じているのは高峰三枝子。角川映画第一作「犬神家の一族」に続いての○○役ですが(笑)、クライマックスでの両者の対決は本当に見応えがありました。 脚本は数多くのヒットドラマを手掛けた早坂暁。このドラマは全13回と話数が長いこともあって、原作にはないオリジナルキャストやエピソードが結構入っているのですが、それが単なる尺稼ぎではなく、ドラマに物凄く奥行きを与えたものになっているのが素晴らしい。特に、棟居が幼い頃に自身を捨てた母親と再会するエピソードは印象的でした。 角川映画版にもひけをとらない実力派の演技陣、そして、じっくりと丁寧に人物を掘り下げた秀逸な脚本。もっともっと多くの方に知って頂きたいドラマだと思います。 #人間の証明 #林隆三 #早坂暁 #森村誠一 #毎日放送 #東映 #DVD
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犬神の悪霊(たたり) DVD
昭和52年(1977年)に公開された東映映画『犬神の悪霊(たたり)』は、「日本初のオカルト映画」という触れ込みで製作された作品です。 この映画も1980年代初めにVHSのビデオソフトが発売されただけで、長い間、視聴が困難な作品でした。劇中、犬の首を刎ねるシーンで本物を使っているからとか(生き埋めにされているのは本物ですが、首を刎ねられているのはもちろん作り物)、犬神憑きの家系として忌み嫌われている家の描写が部落差別を思わせるから封印されている...などと実しやかに囁かれていましたが、平成19年(2007年)に突如、東映ビデオから発売されたのがこのDVDです。奇しくも『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』の海外正規版である『HORRORS OF MALFORMED MEN』とほぼ同時期の発売でしたが、こちらも永らく封印作品扱いされていただけにやはり好事家たちの間で大きな話題となりました。もちろん私もすぐに入手しました。 『エクソシスト』『オーメン』といったオカルト映画ブームの流れに便乗する形で製作され、タイトルも前年に大ヒットした『犬神家の一族』にあやかっているところなど、如何にも流行りものに敏感な東映らしい作品ですが、キワモノ土着オカルトなストーリーの中にもウラン鉱脈を巡る原発利権の闇といったものも描かれていて、そういった意味では社会派の顔も持つ伊藤俊也監督らしい作品、ともいえます。現在の目で見ると物凄くチープな面も目立つし、突っ込みどころも満載ですが、それでも異様なテンションで最後まで押し切ってしまう、まさに'70年代ならではの怪作です。 #伊藤俊也 #大和田伸也 #長谷川真砂美 #東映 #ホラー #オカルト #DVD
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