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白銀の墟 玄の月 三・四 / 小野不由美
新潮文庫(第三巻・2019年11月9日 第四巻・2019年11月9日) 2012年7月より新潮文庫から刊行。この新装版は、表紙および本文イラストはすべて山田章博による書き下ろしです。 好敵手は、どちらかが「影」になる。 一国に、王は一人しか要らない。 そして、新たな歴史が始まる── 「助けてやれず、済まない……」男は、幼い麒麟に思いを馳せながら黒い獣を捕らえた。地の底で手にした沙包(おてだま)の鈴が助けになるとは。天の加護がその命を繋いだ歳月、泰麒(たいき)は数奇な運命を生き、李斎(りさい)もまた、汚名を着せられ追われた。それでも驍宗(ぎょうそう)の無事を信じたのは、民に安寧が訪れるよう、あの豺虎(けだもの)を玉座から追い落とすため。──戴国の命運は、終焉か開幕か! 今世紀最大の物語、ついにクライマックス! 驍宗様が身罷られたなど信じない。 新王が立つなら、それは麒麟の過ちか。 ──角なき麒麟の決断は。 李斎(りさい)は、荒民(こうみん)らが怪我人を匿った里(まち)に辿り着く。だが、髪は白く眼は紅い男の命は、既に絶えていた。驍宗(ぎょうそう)の臣であることを誇りとして、自らを支えた矜持は潰えたのか。そして、李斎の許を離れた泰麒(たいき)は、妖魔によって病んだ傀儡(くぐつ)が徘徊する王宮で、王を追い遣った真意を阿選(あせん)に迫る。もはや慈悲深き生き物とは言い難い「麒麟」の深謀遠慮とは、如何に。
新潮文庫 ファンタジー 小野不由美 山田章博ace
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白銀の墟 玄の月 一・二 / 小野不由美
新潮文庫(第一巻・2019年10月12日 第二巻・2019年10月12日) 2012年7月から新潮文庫から刊行。この新装版は、表紙および本文イラストはすべて山田章博による書き下ろしです。 18年ぶりの書下ろし新作、ついに! 驍宗様(あなた)こそ泰麒(わたし)が玉座に据えた王。 だが――。戴国の怒濤を描く大巨編、開幕! 戴国(たいこく)に麒麟が還る。王は何処へ──。 乍(さく)驍宗(ぎょうそう)が登極から半年で消息を絶ち、泰麒(たいき)も姿を消した。王不在から六年の歳月、人々は極寒と貧しさを凌ぎ生きた。案じる将軍李斎(りさい)が慶国(けいこく)景王(けいおう)、雁国(えんこく)延王(えんおう)の助力を得て、泰麒を連れ戻すことが叶う。今、故国(くに)に戻った麒麟は無垢に願う、「王は、御無事」と。──白雉(はくち)は落ちていない。一縷の望みを携え、無窮の旅が始まる! 王だからこそ戴国(ここ)を守りたい。 民が幸福に暮らす国となるように。 民には、早く希望を見せてやりたい。 国の安寧を誰よりも願った驍宗(ぎょうそう)の行方を追う泰麒(たいき)は、つい に白圭宮(はっけいきゅう)へと至る。それは王の座を奪い取った阿選(あせん)に 会うためだった。しかし権力を恣(ほしいまま)にしたはずの仮王には政(まつりご と)を治める気配がない。一方、李斎(りさい)は、驍宗が襲われたはずの山を目指 すも、かつて玉泉として栄えた地は荒廃していた。人々が凍てつく前に、王を捜し、 国を救わなければ。──だが。
新潮文庫 ファンタジー 小野不由美 山田章博ace
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華胥の幽夢 / 小野不由美
講談社X文庫ホワイトハート(2001年9月5日) 十二国記シリーズ 珠玉の短編集登場!! 希(ねが)う幸福への、期待、葛藤、懊悩(おうのう)、失意、歓喜。 ようこそ、夢に誘われし五つの門(いりぐち)へ! 才州国の新王と麒麟を通して、一国の存亡を描いた『華胥』をはじめとして、シリーズ人気キャラが登場する愉しいエピソードを含む短編集ならではの醍醐味の5編! 「夢を見せてあげよう」――しかし、荒廃と困窮を止められぬ国。采王砥尚(さいおうししょう)の言葉を信じ、華胥華朶(かしょかだ)の枝を抱く采麟(さいりん)の願いは叶うのか。 「暖かいところへ行ってみたくはないか?」――泰王驍宗(たいおうぎょうそう)の命で漣国(れんこく)へと赴いた泰麟(たいき)。雪に埋もれる戴国(たいこく)の麒麟がそこに見たものは。 峯王仲韃(ほうおうちゅうたつ)の大逆を煽動した月渓は、圧政に苦しむ民を平和に導いてくれるだろうか。 陽子が初めて心を通わせた楽俊(らくしゅん)は、いま。 希う幸福への道程を描く短編集、ここに!!
講談社X文庫 ホワイトハート ファンタジー 小野不由美 山田章博ace
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図南の翼 / 小野不由美
講談社X文庫ホワイトハート(1996年2月5日) 恭国は、先王が斃(たお)れてから27年。王を失くした国の治安は乱れ、災厄は続き、妖魔までが徘徊するほどに荒んでいた。 首都連檣(れんしょう)に住む珠晶は、豪商の父をもち、不自由のない生活と充分な教育を受けて育った。しかし、その暮らしぶりとは裏腹に、日ごとに混迷の様相を呈していく国を憂う少女(むすめ)は、王を選ぶ麒麟(きりん)に天意を諮(はか)るため、ついに蓬山(ほうざん)をめざす! 珠晶、12歳の決断「恭国(このくに)を統べるのは、あたししかいない!!」
講談社X文庫 ホワイトハート ファンタジー 小野不由美 山田章博ace
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東の海神 西の滄海 / 小野不由美
講談社X文庫ホワイトハート 1994年6月5日 延王誕生のストーリー。 麒麟の決断は真だったのか……!? 「国がほしいか」 「……ほしい」 「ならば……国を頼む」 「……任せろ」 神獣が天啓を受け、王を選ぶこの国で、これが雁州国延王・尚隆と、延麒・六太とが交わした誓約(ちかい)だった。先帝がたおれ、王不在のまま荒れすさんだ国の玉座に、漸く新王が就いたのだ。――それから20年の歳月をかけて、黒い土は緑の大地へと生まれかわりつつある。しかしいま、この国と民と王と麒麟とを怒濤の渦に巻きこむ新たな出来事が……!!
講談社X文庫 ホワイトハート ファンタジー 小野不由美 山田章博ace
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黄昏の岸 暁の天 / 小野不由美
講談社X文庫ホワイトハート(上・2001年5月15日 下・2001年5月15日) 一国を統べる。その覚悟にかかる責任、そして欺瞞... テーマも展開も重いのに、読後感は意外と爽やか。 反乱鎮圧に出かけたまま帰らぬ王、そして、消えた麒麟――。戴国の命運を案じ、将軍李斎は命を賭けて慶国を訪れる! 登極から半年、疾風(はやて)の勢いで戴国を整える泰王驍宗は、反乱鎮圧に赴き、未だ戻らず。そして、弑逆(しいぎゃく)の知らせに衝撃を受けた台輔泰麒(たいほたいき)は、忽然と姿を消した!虚海のなかに孤立し、冬には極寒の地となる戴はいま、王と麒麟を失くし、災厄と妖魔が蹂躙する処。人は身も心も凍てついていく。もはや、自らを救うことも叶わぬ国と民――。将軍李斎は景王陽子に会うため、天を翔る! 待望のシリーズ、満を持して登場!! 白雉(はくち)が落ちた――?王を失くした戴国を救うため、延麒六太をはじめとする麒麟たちが、いま堯天(ぎょうてん)に集う! 鳴蝕(めいしょく)。山が震え、大地が揺れ世界が歪み、泰麒は、10の歳までを過ごした蓮莱(ばしょ)にいた。帰りたい――。しかし、その術を知らない。泰麒が異界でひとり懊悩する頃、戴国には謀反によって偽王が立ち、日ごと荒れていた。その行く末を案じ、泰台輔(たいたいほ)と同じ胎果である誼(よしみ)の陽子を頼り、慶国を目指した李斎は思う。麒麟がいなければ、真の王はあり得ない、と。そしていま、雁国(えんこく)をはじめとする、諸国の王と麒麟が、戴国のために立ち上がる!
講談社X文庫 ホワイトハート ファンタジー 小野不由美 山田章博ace
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風の海 迷宮の岸 / 小野不由美
講談社X文庫 ホワイトハート(上・1993年3月20日 下・1993年4月20日) 泰麒の女怪、汕子の表紙が素晴らしい。 麒麟(きりん)は王を選び、王にお仕(つか)えする神獣。金の果実として蓬山(ほうざん)の木に実り、親はいない。かわりに、女怪(にょかい)はその実が孵(かえ)る日までの十月(とつき)を、かたときも離れず、守りつづけるはずだった。しかし、大地が鳴り、大気が歪(ゆが)む蝕(しょく)が起きたとき、金の実は流されてしまった! とてつもない妖(あやかし)と対峙(たいじ)した泰麒(たいき)は、、身動(みじろ)ぎもせず、その双眸(そうぼう)を睨み続けた。それから10年。探しあてた実は、蓬莱(ほうらい)で“人”として生まれ育っていた。戴国(たいこく)の王を選ぶため連れ戻されたが、麒麟に姿を変える術(すべ)さえ持たぬ泰麒(たいき)──幼ない少年の葛藤(かっとう)が始まる! 長い時間が過ぎ、やがて発した言葉は、「使令に下れ」。 異界(ここ)へ連れてこられても、転変(てんぺん)もできず、使令も持たなかった泰麒は、このとき、まさに己れが「麒麟(きりん)」であることを悟(さと)った! しかし、この方こそ私がお仕(つか)えする「ただひとり」の王と信じる驍宗(ぎょうそう)を前に、泰麒には未だ、天啓(てんけい)はないまま。 ついに、幼い神獣が王を選ぶ──故郷(くに)を動かす決断の瞬間(とき)が来た!
講談社X文庫 ホワイトハート ファンタジー 小野不由美 山田章博ace
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風の万里 黎明の空 / 小野不由美
講談社X文庫ホワイトハート(上・1994年8月5日 下・1994年9月5日) 陽子・祥瓊・鈴、彼女たちが己と向き合い非を正す姿を描く。 人は、自分の悲しみのために涙する。陽子は、慶国の玉座に就きながらも役割を果たせず、女王ゆえ信頼を得られぬ己に苦悩していた。祥瓊(しょうけい)は、芳国(ほうこく)国王である父が簒奪者(さんだつしゃ)に殺され、平穏な暮らしを失くし哭(な)いていた。そして鈴は、蓬莱(ほうらい)から辿り着いた才国(さいこく)で、苦行を強いられ泣いていた。それぞれの苦難(くるしみ)を負う少女たちは、葛藤と嫉妬と羨望を抱きながらも幸福(しあわせ)を信じて歩き出すのだが──。 王は人々の希望。だから会いに行く。景王陽子は街に下り、重税や苦役に喘ぐ民の暮らしを目の当たりにして、不甲斐なさに苦悶する。祥瓊は弑逆された父の非道を知って恥じ、自分と同じ年頃で王となった少女に会いに行く。鈴もまた、華軒(くるま)に轢き殺された友の仇討ちを誓う──王が苦難(くるしみ)から救ってくれると信じ、慶を目指すのだが、邂逅(であい)を果たす少女たちに安寧(やすらぎ)は訪れるのか。運命は如何に!
講談社X文庫 ホワイトハート ファンタジー 小野不由美 山田章博ace
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月の影 影の海 / 小野不由美
講談社X文庫 ホワイトハート(上・1992年6月20日 下・1992年7月20日) ホワイトハートは、講談社が1991年に創刊したライトノベル系文庫レーベルです。 ホワイトハート版のイラストは山田章博が担当、その挿絵はホワイトハート版のみ掲載されています。 作者の小野不由美は田中芳樹の「銀河英雄伝説」のファン。銀英伝9巻のあとがきで、「死なないラインハルト」がこの世界観に繋がっていると語っています。 「お捜し申し上げました」──女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。男とはぐれ一人彷徨(さまよ)う陽子は、出会う者に裏切られ、異形(いぎょう)の獣には襲われる。なぜ異邦(ここ)へ来たのか、戦わねばならないのか。怒濤(どとう)のごとく押し寄せる苦難を前に、故国へ帰還を誓う少女の「生」への執着が迸(ほとばし)る。シリーズ本編となる衝撃の第一作。 「わたしは、必ず、生きて帰る」──流れ着いた巧国(こうこく)で、容赦なく襲い来る妖魔を相手に、戦い続ける陽子。度重なる裏切りで傷ついた心を救ったのは、〈半獣〉楽俊(らくしゅん)との出会いだった。陽子が故国へ戻る手掛かりを求めて、雁国(えんこく)の王を訪ねた二人に、過酷な運命を担う真相が明かされる。全ては、途轍(とてつ)もない「決断」への幕開けに過ぎなかった!
講談社X文庫 ホワイトハート ファンタジー 小野不由美 山田章博ace