-
★ サクリフラット (HD-10FL3K)
マックス株式会社の10号ホッチキスでは 最大のとじ枚数を誇るのが現行型の『サクリフラット』です。 現在発売されている最新の『サクリフラット』は 2016年8月に登場した3代目モデル。最大とじ枚数は32枚。 『サクリフラット』という名が示す通り、綴じ裏の針が出っ張らずに平ら(フラット)になるフラットクリンチタイプのホッチキスです。 外 寸 / H66×W28×D83(㎜) 質 量 / 106g 針装てん数 / 100本 とじ 奥行 / 29㎜(最大) 使 用 針 / №10 通常のコピー用紙程度であれば最大32枚まで綴じることが可能。 『サクリフラット』は、綴じることを極めるべく、「綴じる」ということに着目して研究開発された「サクリシリーズ」のフラットクリンチバージョンとして2008年に登場した20枚綴じモデルが初代モデルとなります。 その後、最大とじ枚数を28枚にまで増やした改良モデル(2代目モデル)が2013年に登場しました。 ◆ フラットクリンチホッチキスのあゆみ ホッチキスで綴じた針の裏側に飛び出た針足が、丸く山形にならずに針が紙と平行に平らに折れ曲がる。それがフラットクリンチです。 フラットクリンチタイプのホッチキスが登場したのは1987年のこと。世界で初めてフラットクリンチホッチキスを作ったのがマックス株式会社でした。 この時のホッチキスの最大とじ枚数は15枚でしたが、やがて多くの10号針ホッチキスと同じように20枚まで綴じられるフラットホッチキスが登場してゆきます。 2002年に最大26枚もの用紙を綴じることができる『パワーフラット』が登場したことによって、10号針を使うフラットクリンチホッチキスの最大とじ枚数競争が始まりました。 「10号ホッチキスの最大とじ枚数は20枚」という概念が取り去らわれ、28枚とじ、30枚とじと最大とじ枚数の多いフラットクリンチホッチキスが各社から登場して行きました。 そして、現在10号タイプのフラットクリンチホッチキスでは最大とじ枚数32枚モデルまで進化しています。 ◆小さなところまで手を加えて進化を深めたモデル 他社から登場した30枚・32枚綴じモデルに対して、マックスから提示したのは、新規11号針を用いた最大40枚綴じモデルのホッチキス『バイモシリーズ』でした。しかし、バイモシリーズによって40枚まで綴じられるというアドバンテージを得ることができた半面、このホッチキスを使うにあたり、本体はもちろんのことながら、11号針という新たな針まで準備をしなければならないというネックも生じることになりました。 既存の針をそのまま用いながら、32枚まで綴じられることができる。というのはユーザーからしてみればやはりありがたいことです。そんな市場の声を聞いて登場したのが3代目となる『サクリフラット』です。 「サクリシリーズ」には、この『サクリフラット』の歴代モデルの他に、シリーズの元祖ともいえるノーマルクリンチモデルの『サクリ』があります。 これらのモデルに共通するの機能が「軽とじ機構」と「予備針ストック」というストックの針を収納して置けるスペースをハンドル部分に設けていることです。 「予備針ストック」はハンドル部分に設けられたカバーを開け、内部に合計100本分の針をストックして置けるものです。マガジン内部に装てんできる100本を含めると最大で200本の針を収めることができます。 作業中に針切れを起こして、予備針を探すものの、針が入った箱が引き出しの奥深くに埋まってしまってなかなか出てこなくてイライラを募らせてしまった。という経験をお持ちの方は少なくないのではないでしょうか。 この「サクリシリーズ」であれば、事前にキチンと予備針ストックに予備針をセットしておくことで、いざ作業中に針切れを起こしても、すぐに予備針を取り出して再装てんすることができるのです。 最近登場するホッチキスには搭載されることが多くなってきた「軽とじ機構」。 20枚綴じるよりも32枚綴じるときの方が強い力が必要となります。しかし、力任せに綴じるだけでは針が折曲がれ失敗してしまいます。確実に32枚を綴じるための機構が必要です。綴じるのに必要な「てこ」を2つにし、綴じる力を半分にする。これが「軽とじ機構」と呼ばれる倍力機構です。新しいサクリフラットでも引き続き搭載されています。 他社の同タイプ・綴じ枚数が強化されたものの多くは、カラーリングの手直しはされているものの、デザインはほとんど変化していません。これに対してサクリフラットは本体デザインはもとより、クリンチ台などの細部でも設計を見直し改良が施されたところは、さすがはトップメーカーの成せるところではないでしょうか。 本体の大きさは旧型モデルとほぼ変わりませんが、高さは少し大きくなりました。従来よりもスッキリとしたデザインでシンプルながらスタイリッシュなものになりました。 11号針のバイモシリーズで培われた技術も反映されており、2枚など少ない枚数を綴じる際と、32枚など厚い枚数を綴じるときではホッチキスの針が進入して行く角度が変わります。この針を受け止め、折り曲げるにも最適になるように2種類の角度を設けた針受け台2段クリンチャ機構によって、2枚でも32枚でも針をキチンと折り曲げて綴じられるようにしています。 ●実用性も十分に進化したサクリフラット 新型『サクリフラット』にて半年でおよそ5000本の針を使用してみました。 使用中に何度かテーブルから落としてしまったこともありましたが、本体に致命的なダメージを受けることも使用し続けるにあたって違和感を覚えることもありませんでした。一見弱そうに見える予備針ストックのカバーも外れることもありませんでした。本体の堅牢性の高さを示すもののひとつといえるでしょう。 ただし、本体後部にあるリムーバ部分に関しては、強い衝撃によって折れ曲がってしまうことがありました。 リムーバ部分に関しては、おまけ的な付随機能で頻繁に使う機能ではないものの無ければ非常に不便です。とはいえ、他のホッチキスでもリムーバ部分は強い衝撃で折れ曲がることは珍しくはありません。落下によるリムーバの折曲がりはサクリフラットだけの特有の弱点というわけではありませんが、使用している中で気になった点のひとつではあります。 「軽とじ機構」を搭載しているお陰で、厚い書類も軽く綴じられますが、サクリフラットはただ軽いだけはなく、綴じたときに感じられる質感があります。これが他社のホッチキスに比べるとやや重く、音が大きく感じられます。マックスの歴代のフラットクリンチホッチキスを続けてきた人にはさして違和感はないのではないかと思うのですが、他社のフラットクリンチホッチキスを使っている人にとっては強く違和感を覚えるかもしれません。これの点は好みが大きく分かれるところといえるでしょう。 「サクリ」シリーズは、マガジンと予備針ストックスペースに予め針を装てんされた状態で梱包・販売されています。パッケージを開ければ直ぐ使えるというのは地味ながら有り難い点です。 #文房具 #ホッチキス #マックス
フラットクリンチ ホッチキス サクリフラット マックス株式会社栗下 智
-
Vaimo11 STYLE (初期モデル)
30枚以上の紙の束を、片手でも楽に綴じられるようにと作られたホッチキス『Vaimo11 FLAT』が誕生したのは2008年のことでした。 これまでの30枚以上綴じられるホッチキスの多くは卓上型のもので、本体の重さは1Kg弱とそこそこの重量があるもの。大きさもそれなりにあるので、机の引き出しに気軽に入れて置ける大きさではありません。 オフィスや学校の事務室の片隅に置かれた大き目のホッチキス。とじ作業を行うにも広めのスペースを確保するために場所を確保せねばなりません。その上、30枚の紙の束を綴じるのは容易なものではありません。1度や2度の綴じ作業であればいざ知れず、会議資料などで何部も資料を綴じなければならないとなればなかなかの重労働です。準備にも手間がかかりますから、気軽に綴じるというわけにはいかなかったことでしょう。 しかし、引き出しの中にしまっておけるほどの大きさとなった『Vaimo11 FLAT』の誕生によって、いつものデスクで片手で綴じ作業ができるようになりました。これまで手軽に小冊子を綴じる作業できなかったものが、より手軽に作業できるようになったのです。 とはいえ、2枚~40枚でも綴じられるという『Vaimo11 FLAT』にも問題点が全くなかったわけではありませんでした。 それは実用重視のデザイン。そして何よりも一般的な小型ホッチキスの1.5倍近い165gという重量でした。 通常のホッチキスよりも大きくなってしまった本体。手の小さな女性には少々扱いにくいものだったようです。そのため、マックスはこの問題を解決すべく『Vaimo11 FLAT』の機能をそのままに、女性の手にもなじみやすいように丸みをのあるデザインで、これまでにないカラーバリエーション、そして横幅をスリムにした『Vaimo11 STYLE』を2010年に登場させました。 外 寸 / H68×W26×D106(㎜) 質 量 / 161g 針装てん数 / 100本 とじ 奥行 / 28㎜(最大) 使 用 針 / №11 通常のコピー用紙程度であれば最大40枚まで綴じることができます。 ■ ウサギの姿をした狼?? 女性が使うことを考えた『Vaimo11 STYLE』は丸みを帯びた優しい見た目のデザインになりました。それは実用重視で作られた『Vaimo11 FLAT』を磨き、必要な部分だけを削り出したかのようなシルエットです。本体側面にプリントされた「Vaimo11」の文字もスリムになったデザインに一花添えているかのようです。 Vaimo11STYLEの初期モデルの特色といえば、5色という少し多いカラーバリエーションと共に、その珍しい彩色も特徴のひとつでしょう。 ・チェリーレッド (写真モデル) ・カフェオレ ・プラム ・ミントブルー ・グリーンティー 先にも書いたように、基本機能は『Vaimo11 FLAT』と一緒です。大雑把に言ってしまえばカバー部分以外の本体は『Vaimo11 FLAT』も『Vaimo11 STYLE』も変わりありません。カバーのデザインを変えることで、本体の幅は4㎜小さくなり、重量は4g減少しました。 たった4㎜の幅の違いですが、本体を握った感覚は、手の中により収まりやすくなり収まりが良くなった分、本体も軽く感じられます。 ……もっとも、友人に『Vaimo11 STYLE』と『Vaimo11 FLAT』を持ち比べてもらったところ、重さの違いは 「よく分からない」 とのことでしたけど(苦笑)。 中身はそのままに、外側のデザインだけ変えた姉妹品。これは例えるならば「マークⅡ/チェイサー/クレスタ」の兄弟車のようなもの。見た目は違うようでも、肝となる中身の部分はどちらも同じもの。多少の使い勝手は異なるものの、本質的なところでは変わりはないのです。 『Vaimo11』に興味あるけれども、『Vaimo11 STYLE』と『Vaimo11 FLAT』どちらを選ぶべきか。 機能的には『Vaimo11 STYLE』も『Vaimo11 FLAT』も変わりありませんから、デザインと好みのカラーがあるかどうかで選ぶ。そんな選択でも何ら問題ないと思います。 この『Vaimo11 STYLE』ですが、2017年12月にカラーリングの変更が行われてしまい、5色の多色構成から3種類のカラーリングとなってしまいました。 (新しいカラーリングになったものは、また改めて紹介したいと思います) まだ初期モデルの『Vaimo11 STYLE』が売られているところもあるかもしれません。興味のある方は是非ご購入を(笑)。 #マックス #ホッチキス #文房具
フラットクリンチ ホッチキス バイモ11スタイル マックス株式会社栗下 智