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★ サクリフラット (HD-10FL3K)
マックス株式会社の10号ホッチキスでは 最大のとじ枚数を誇るのが現行型の『サクリフラット』です。 現在発売されている最新の『サクリフラット』は 2016年8月に登場した3代目モデル。最大とじ枚数は32枚。 『サクリフラット』という名が示す通り、綴じ裏の針が出っ張らずに平ら(フラット)になるフラットクリンチタイプのホッチキスです。 外 寸 / H66×W28×D83(㎜) 質 量 / 106g 針装てん数 / 100本 とじ 奥行 / 29㎜(最大) 使 用 針 / №10 通常のコピー用紙程度であれば最大32枚まで綴じることが可能。 『サクリフラット』は、綴じることを極めるべく、「綴じる」ということに着目して研究開発された「サクリシリーズ」のフラットクリンチバージョンとして2008年に登場した20枚綴じモデルが初代モデルとなります。 その後、最大とじ枚数を28枚にまで増やした改良モデル(2代目モデル)が2013年に登場しました。 ◆ フラットクリンチホッチキスのあゆみ ホッチキスで綴じた針の裏側に飛び出た針足が、丸く山形にならずに針が紙と平行に平らに折れ曲がる。それがフラットクリンチです。 フラットクリンチタイプのホッチキスが登場したのは1987年のこと。世界で初めてフラットクリンチホッチキスを作ったのがマックス株式会社でした。 この時のホッチキスの最大とじ枚数は15枚でしたが、やがて多くの10号針ホッチキスと同じように20枚まで綴じられるフラットホッチキスが登場してゆきます。 2002年に最大26枚もの用紙を綴じることができる『パワーフラット』が登場したことによって、10号針を使うフラットクリンチホッチキスの最大とじ枚数競争が始まりました。 「10号ホッチキスの最大とじ枚数は20枚」という概念が取り去らわれ、28枚とじ、30枚とじと最大とじ枚数の多いフラットクリンチホッチキスが各社から登場して行きました。 そして、現在10号タイプのフラットクリンチホッチキスでは最大とじ枚数32枚モデルまで進化しています。 ◆小さなところまで手を加えて進化を深めたモデル 他社から登場した30枚・32枚綴じモデルに対して、マックスから提示したのは、新規11号針を用いた最大40枚綴じモデルのホッチキス『バイモシリーズ』でした。しかし、バイモシリーズによって40枚まで綴じられるというアドバンテージを得ることができた半面、このホッチキスを使うにあたり、本体はもちろんのことながら、11号針という新たな針まで準備をしなければならないというネックも生じることになりました。 既存の針をそのまま用いながら、32枚まで綴じられることができる。というのはユーザーからしてみればやはりありがたいことです。そんな市場の声を聞いて登場したのが3代目となる『サクリフラット』です。 「サクリシリーズ」には、この『サクリフラット』の歴代モデルの他に、シリーズの元祖ともいえるノーマルクリンチモデルの『サクリ』があります。 これらのモデルに共通するの機能が「軽とじ機構」と「予備針ストック」というストックの針を収納して置けるスペースをハンドル部分に設けていることです。 「予備針ストック」はハンドル部分に設けられたカバーを開け、内部に合計100本分の針をストックして置けるものです。マガジン内部に装てんできる100本を含めると最大で200本の針を収めることができます。 作業中に針切れを起こして、予備針を探すものの、針が入った箱が引き出しの奥深くに埋まってしまってなかなか出てこなくてイライラを募らせてしまった。という経験をお持ちの方は少なくないのではないでしょうか。 この「サクリシリーズ」であれば、事前にキチンと予備針ストックに予備針をセットしておくことで、いざ作業中に針切れを起こしても、すぐに予備針を取り出して再装てんすることができるのです。 最近登場するホッチキスには搭載されることが多くなってきた「軽とじ機構」。 20枚綴じるよりも32枚綴じるときの方が強い力が必要となります。しかし、力任せに綴じるだけでは針が折曲がれ失敗してしまいます。確実に32枚を綴じるための機構が必要です。綴じるのに必要な「てこ」を2つにし、綴じる力を半分にする。これが「軽とじ機構」と呼ばれる倍力機構です。新しいサクリフラットでも引き続き搭載されています。 他社の同タイプ・綴じ枚数が強化されたものの多くは、カラーリングの手直しはされているものの、デザインはほとんど変化していません。これに対してサクリフラットは本体デザインはもとより、クリンチ台などの細部でも設計を見直し改良が施されたところは、さすがはトップメーカーの成せるところではないでしょうか。 本体の大きさは旧型モデルとほぼ変わりませんが、高さは少し大きくなりました。従来よりもスッキリとしたデザインでシンプルながらスタイリッシュなものになりました。 11号針のバイモシリーズで培われた技術も反映されており、2枚など少ない枚数を綴じる際と、32枚など厚い枚数を綴じるときではホッチキスの針が進入して行く角度が変わります。この針を受け止め、折り曲げるにも最適になるように2種類の角度を設けた針受け台2段クリンチャ機構によって、2枚でも32枚でも針をキチンと折り曲げて綴じられるようにしています。 ●実用性も十分に進化したサクリフラット 新型『サクリフラット』にて半年でおよそ5000本の針を使用してみました。 使用中に何度かテーブルから落としてしまったこともありましたが、本体に致命的なダメージを受けることも使用し続けるにあたって違和感を覚えることもありませんでした。一見弱そうに見える予備針ストックのカバーも外れることもありませんでした。本体の堅牢性の高さを示すもののひとつといえるでしょう。 ただし、本体後部にあるリムーバ部分に関しては、強い衝撃によって折れ曲がってしまうことがありました。 リムーバ部分に関しては、おまけ的な付随機能で頻繁に使う機能ではないものの無ければ非常に不便です。とはいえ、他のホッチキスでもリムーバ部分は強い衝撃で折れ曲がることは珍しくはありません。落下によるリムーバの折曲がりはサクリフラットだけの特有の弱点というわけではありませんが、使用している中で気になった点のひとつではあります。 「軽とじ機構」を搭載しているお陰で、厚い書類も軽く綴じられますが、サクリフラットはただ軽いだけはなく、綴じたときに感じられる質感があります。これが他社のホッチキスに比べるとやや重く、音が大きく感じられます。マックスの歴代のフラットクリンチホッチキスを続けてきた人にはさして違和感はないのではないかと思うのですが、他社のフラットクリンチホッチキスを使っている人にとっては強く違和感を覚えるかもしれません。これの点は好みが大きく分かれるところといえるでしょう。 「サクリ」シリーズは、マガジンと予備針ストックスペースに予め針を装てんされた状態で梱包・販売されています。パッケージを開ければ直ぐ使えるというのは地味ながら有り難い点です。 #文房具 #ホッチキス #マックス
フラットクリンチ ホッチキス サクリフラット マックス株式会社栗下 智
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★ かるホッチPOWER
10号針を使う小型ホッチキスは、軽くとじられる機構や、フラットクリンチ機構を搭載することで、これまで最大20枚までしか綴じられなかった10号ホッチキスは、現在最大32枚まで綴じられるようになりました。 しかし、10号ホッチキスとともに長い歴史がある3号針を使うホッチキスは、フラットクリンチ機構を搭載するものも登場してきたものの、綴じ能力に関しては大きく変わることはありませんでした。 特に、手に持って使うこともできる3号針を使う中型ホッチキスは、最大とじ能力30枚というのは長らく変わりありませんでした。 2015年2月、軽とじ機構とフラットクリンチ機構を搭載して、最大45枚まで綴じることができる3号針を使うハンディタイプホッチキス『かるホッチPOWER』がライオン事務器から登場しました。 外 寸 / H80×W34×D120(㎜) 質 量 / 222g 針装てん数 / 100本 とじ 奥行 / 35㎜(最大) 使 用 針 / №3 通常のコピー用紙程度の用紙を最大45枚まで綴じることが可能。 国内メーカーの3号針を使うホッチキスは、卓上タイプのホッチキス、または、卓上とハンディ兼用タイプのホッチキスのいずれかの方式を採用しています。しかし、『かるホッチPOWER』はハンディタイプの3号ホッチキスです。 10号サイズの軽とじホッチキスを2回りほど大きくしたような見た目で、マックスのVaimo11FLAT(外寸:H68×W30×D107(㎜)、質量:165g)と比べてもひと回り大きなサイズです。 卓上とハンディ兼用タイプのホッチキスの中には、質量がもっと重いものもあるので格段重いホッチキスではありません。しかし、手の小さな女性が扱うには少々大きなホッチキスともいえなくもありません。 とはいえ『かるホッチPOWER』は、少し大き目で場所を取ることが多い3号ホッチキスの中にあっては、質量も決して重くなく、携帯性も悪い方ではありません。31枚以上を綴じることができる3号ホッチキスの中では圧倒的に省スペースでの作業が可能で、作業中に本体を立てて置くことができる点も非常にメリットがあります。 3号針といえば針が太いため、針が紙を貫く際の抵抗が大きいという点がありますが、10号針の軽とじホッチキスと比べるとさすがに抵抗を感じる具合は大きいものの、軽とじ機構を搭載していますから、通常の3号ホッチキスと比べれば軽やかに作業をすることができます。 また、太い3号針だからこそのメリットもあります。それは10号針や11号針が貫通しにくい厚紙や、ラミネートなど表面を加工されている用紙などが表紙として用いた冊子を綴じようとした際、10号針や11号針では針の断面積が狭い分、紙表面に対して十分なグリップを得ることができず、針が滑ってしまい、針の貫通力が落ちてしまうことがあります。しかし、3号針では針の断面積が広い分、光沢があり針が滑りやすくなっているような用紙でも針は高いグリップ力維持したまま用紙を貫くことができます。 ハンディタイプの3号ホッチキスとしては、31枚以上を綴じることができる唯一のホッチキスです。省スペースで、厚い書類を綴じることができるホッチキスとして、3号ホッチキスの新しい歴史を築いたホッチキスです。 #文房具 #ホッチキス #ライオン事務器
フラットクリンチ ホッチキス かるホッチPOWER 株式会社ライオン事務器栗下 智
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Vaimo11 STYLE (初期モデル)
30枚以上の紙の束を、片手でも楽に綴じられるようにと作られたホッチキス『Vaimo11 FLAT』が誕生したのは2008年のことでした。 これまでの30枚以上綴じられるホッチキスの多くは卓上型のもので、本体の重さは1Kg弱とそこそこの重量があるもの。大きさもそれなりにあるので、机の引き出しに気軽に入れて置ける大きさではありません。 オフィスや学校の事務室の片隅に置かれた大き目のホッチキス。とじ作業を行うにも広めのスペースを確保するために場所を確保せねばなりません。その上、30枚の紙の束を綴じるのは容易なものではありません。1度や2度の綴じ作業であればいざ知れず、会議資料などで何部も資料を綴じなければならないとなればなかなかの重労働です。準備にも手間がかかりますから、気軽に綴じるというわけにはいかなかったことでしょう。 しかし、引き出しの中にしまっておけるほどの大きさとなった『Vaimo11 FLAT』の誕生によって、いつものデスクで片手で綴じ作業ができるようになりました。これまで手軽に小冊子を綴じる作業できなかったものが、より手軽に作業できるようになったのです。 とはいえ、2枚~40枚でも綴じられるという『Vaimo11 FLAT』にも問題点が全くなかったわけではありませんでした。 それは実用重視のデザイン。そして何よりも一般的な小型ホッチキスの1.5倍近い165gという重量でした。 通常のホッチキスよりも大きくなってしまった本体。手の小さな女性には少々扱いにくいものだったようです。そのため、マックスはこの問題を解決すべく『Vaimo11 FLAT』の機能をそのままに、女性の手にもなじみやすいように丸みをのあるデザインで、これまでにないカラーバリエーション、そして横幅をスリムにした『Vaimo11 STYLE』を2010年に登場させました。 外 寸 / H68×W26×D106(㎜) 質 量 / 161g 針装てん数 / 100本 とじ 奥行 / 28㎜(最大) 使 用 針 / №11 通常のコピー用紙程度であれば最大40枚まで綴じることができます。 ■ ウサギの姿をした狼?? 女性が使うことを考えた『Vaimo11 STYLE』は丸みを帯びた優しい見た目のデザインになりました。それは実用重視で作られた『Vaimo11 FLAT』を磨き、必要な部分だけを削り出したかのようなシルエットです。本体側面にプリントされた「Vaimo11」の文字もスリムになったデザインに一花添えているかのようです。 Vaimo11STYLEの初期モデルの特色といえば、5色という少し多いカラーバリエーションと共に、その珍しい彩色も特徴のひとつでしょう。 ・チェリーレッド (写真モデル) ・カフェオレ ・プラム ・ミントブルー ・グリーンティー 先にも書いたように、基本機能は『Vaimo11 FLAT』と一緒です。大雑把に言ってしまえばカバー部分以外の本体は『Vaimo11 FLAT』も『Vaimo11 STYLE』も変わりありません。カバーのデザインを変えることで、本体の幅は4㎜小さくなり、重量は4g減少しました。 たった4㎜の幅の違いですが、本体を握った感覚は、手の中により収まりやすくなり収まりが良くなった分、本体も軽く感じられます。 ……もっとも、友人に『Vaimo11 STYLE』と『Vaimo11 FLAT』を持ち比べてもらったところ、重さの違いは 「よく分からない」 とのことでしたけど(苦笑)。 中身はそのままに、外側のデザインだけ変えた姉妹品。これは例えるならば「マークⅡ/チェイサー/クレスタ」の兄弟車のようなもの。見た目は違うようでも、肝となる中身の部分はどちらも同じもの。多少の使い勝手は異なるものの、本質的なところでは変わりはないのです。 『Vaimo11』に興味あるけれども、『Vaimo11 STYLE』と『Vaimo11 FLAT』どちらを選ぶべきか。 機能的には『Vaimo11 STYLE』も『Vaimo11 FLAT』も変わりありませんから、デザインと好みのカラーがあるかどうかで選ぶ。そんな選択でも何ら問題ないと思います。 この『Vaimo11 STYLE』ですが、2017年12月にカラーリングの変更が行われてしまい、5色の多色構成から3種類のカラーリングとなってしまいました。 (新しいカラーリングになったものは、また改めて紹介したいと思います) まだ初期モデルの『Vaimo11 STYLE』が売られているところもあるかもしれません。興味のある方は是非ご購入を(笑)。 #マックス #ホッチキス #文房具
フラットクリンチ ホッチキス バイモ11スタイル マックス株式会社栗下 智
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★ Vaimo11 FLAT
出張移動中のマックス社員が遭遇したことがきっかけでした。 新幹線の中でスーツ姿の女性が卓上ホッチキスを使い、肩で息をしながら何冊も冊子を作成する場面。 これまでの標準的な小型ホッチキスが綴じられる枚数は20枚まで。それ以上の枚数を綴じるときには大きなホッチキスが必要となります。30枚程度までであれば手でも握れるタイプのホッチキスもあるのですが、それ以上ということになれば大きな卓上ホッチキスしかありませんでした。 コンパクトでありながら、今まで以上に厚い書類を綴じられるホッチキスを実現するために、既存の針と既存のホッチキスの改良……ではなく、ホッチキス本体のみならず針から作り変えることで、40枚までの書類を片手で綴じられるホッチキスが誕生しました。それがマックスの『Vaimo11 FLAT(バイモ イレブン フラット)』です。 外 寸 / H68×W30×D107(㎜) 質 量 / 165g 針装てん数 / 100本 とじ 奥行 / 28㎜(最大) 使 用 針 / №11 通常のコピー用紙程度であれば最大40枚まで綴じることができます。 今までのホッチキスでは20枚まで。それ以上では、3号針を使うホッチキスを使って30枚まで。さらにそれ以上では、3号Uという針を使えるホッチキスを使います。 因みに、3号Uに対応しているホッチキスでは、3号針も使うことができますが、25枚未満の書類を綴じるときは3号U針ではなく3号針を使う必要があります。綴じる枚数に応じて3号針と3号U針を使い分ける必要があります。 ■ 全てを1から作り直したホッチキス 2枚でも40枚でも。コピー用紙40枚までの厚みであれば、枚数を気にせず使えるように新たに作られた11号針という新規格の針。ハンディタイプのホッチキスで40枚まで綴じられるように『Vaimo11 FLAT』は、本体のみならず針から作り変えました。 11号針は、今まで使っていた10号針と針の太さは変わらないものの、幅は2㎜広く、針足の長さは1㎜長くなりました。 10号針より一回り大きくなった11号針を収めるために大きくなったホッチキスマガジン。そして、この針を紙の厚みに負けないように確実に打ち出すためにマガジン周りにも工夫が凝らされています。 ・針を確実に送り出すプッシャ 針を送り出すプッシャには金属のプレートで補強 針の残量にかかわらず正確に押し出すための2重のばねを備えたプッシャ 強く押し出すプッシャに負けないように針をそろえるガイドレール ・正確に針を押し出す 40枚の紙に打ち負けない倍力機構 針をしっかり押し出すために、針の両肩をしっかり保持するオニバドライバ 最後まで紙にしっかり打ち込む針を垂直に保持するステープルホルダ ・正確に折り曲げる2段クリンチャ機構 打ち込まれる針は書類の厚みによって変わります。 2枚の書類はほぼ真上から、40枚の書類では斜め方向から針が打ち込まれます。そんな違う角度から打ち込まれた針を正確に折り曲げるため、針を受け止めるクリンチャの溝は2段階の受け面で確実に折り曲げます 3号針のように太い針の方が紙の抵抗に負けずに打ち込めるように思えますが、10号針と同じ太さを採用した11号針は、打ち込む際に紙から受ける抵抗を軽減させる効果もあります。 2枚も40枚でも迷うことなく、軽い力で倍も(バイモ)綴じられる。 2008年、全てを1から作り直した『Vaimo11 FLAT』はVaimo11シリーズの第1弾として誕生いたしました。 一般的な10号ホッチキスと比べるとやや大きくなり、そのぶん重さもあるホッチキスですが40枚もの厚さの書類を場所を選ばずに片手でも綴じることができるのは、大きなメリットです。 加えて、コピー用紙40枚までの厚みであれば2枚でも40枚でも針を変える手間が必要ありません。 机の引き出しに入れて置けば、どこでも、厚さのある書類でも手軽に綴じることができます。作業性がとても高く非常にありがたい1台です。 #マックス #ホッチキス #文房具
フラットクリンチ ホッチキス バイモ11フラット マックス株式会社栗下 智
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★ パワーラッチキス(SL-MF55-02)
今ではよく見かけるようになってきた「フラットクリンチ」タイプのホッチキスですが、10号針と呼ばれる普段一番よく使われる針を用いて最大何枚の紙を綴じられることができるかご存知でしょうか? 日本で一般的なホッチキス針である10号針を用いて、一般的なコピー用紙(64g/㎡)を綴じようとするとき、最大で綴じられることができる枚数は32枚です。 一昔前は10号針のホッチキスといえば最大20枚の用紙を綴じられるもの。でしたが、フラットクリンチができるようになってから10号針を用いたホッチキスが綴じられる枚数の限度が徐々に増えてきました。現在の10号針ホッチキスの最大とじ枚数である32枚綴じを初めて実現したのが、今回紹介のコクヨのフラットクリンチホッチキス『パワーラッチキス(SL-MF55-02)』です。 外 寸 / H64×W29×D80(㎜) 質 量 / 93g 針装てん数 / 100本 とじ 奥行 / 25㎜(最大) 使 用 針 / №10 通常のコピー用紙程度であれば最大32枚まで綴じることができます。 本体を上から眺めると、直線的なデザインが多く幅広で大きく見えるホッチキスですが、同種とのホッチキスと比べると、実は大きさにはそれほど違いはありません。 直線的なデザインは、作業中に立てて置くことができ、作業を邪魔せずコンパクトに置いておくことができる特徴もあります。 ■ ともかく「軽い」 業界で初めて32枚綴じを実現した『パワーラッチキス』ですが、初めは28枚綴じとして登場し、改良を短期間で加えた後、業界初の32枚綴じとして再登場しました。 2013年2月 最大28枚綴じ パワーラッチキス(フラットタイプ)が発売。 2013年11月 最大32枚綴じ パワーラッチキス(SL-MF55-02)が発売。 『パワーラッチキス』は業界初の最大32枚綴じホッチキスであるということ以外にも、とても「軽い」ホッチキスであるという特徴があります。 『パワーラッチキス』でも採用されている「フラットクリンチ機構」と、32枚もの用紙を綴じるために採用されている「軽とじ機構」は、それぞれの機構を実現するために部品点数が多くなり、総じて質量が重くなってしまいます。同様の機構を持つ他社のモデルは100g以上となってしまいましたが、『パワーラッチキス』は100gを下回り、針を装てんしていない本体のみの重量は90gしかありません。加えて重心バランスも低くなっており、持ちくらべてみると実際の数字以上に軽く感じられることでしょう。 また、紙を綴じた際の感覚も非常に軽やかです。今までのフラットクリンチホッチキスが「うるさい」とか、「固い・重い」とか感じられている方がいらしたら、ぜひ一度このパワーラッチキスで綴じ比べてみていただきたい。 とても「静か」に「すっ」と針が入っていく様に驚かれることかと思います。 持っても「軽い」綴じても「軽い」 今までの「重い」ホッチキスは何だったのだろうかと思うことでしょう。 ……と、書き並べてみましたが、人の感覚は難しいもので、これまでホッチキスに深く慣れ親しんでおられた方からは「軽く」針が入る様は一概に喜びにはならないよう。「静かすぎて綴じた感覚に乏しい」という使い慣れた人には物足りない感覚というものも生み出してしまうことも。 さらに加えて申せば、このホッチキス「軽さ」との代償に「強い衝撃には弱い」という弱点もあります。 作業中に度々机の上からホッチキスを落とす小生にとっては、強い衝撃を与えることはよくあること。このホッチキスを4、5度落としてしまったときでしょうか、書類を突き抜けた左右の針が均等に入っていないという状況に気付きました。 他社のホッチキスでは上部のカバーの内側に金属製のハンドルという大き目な部品が入っているのですが、このパワーラッチキスにはそれがありません。 厚目のプラスチック製ハンドルカバーと、金属製の大きい稼働アームとそれをつなぐ補強材がハンドルの役目を果たしています。 この稼働アーム、補強材が入っているため縦方向の力には強いものの、横方向の力には脆弱な構造となっています。 落下という強い衝撃が与えられた際、ハンドルが開き、横方向の力がより加わりやすくなってしまったのでしょう。 1度目の落下では気付かぬほどの歪みだったものが、2度3度の衝撃が加わり、歪みに気づかぬまま使い続けることでフレーム自体が捻じれてしまった。フレームが捻じれたのものを使った結果、針を押し出す力に偏りが生じ、綴じたときの足の状態に変化が生じてしまったものと思われます。 他のホッチキスと比べて強い衝撃に弱いのは、他のホッチキスとは異なる構造に一因があるのではないかと思います。しかし、これによって得られた「軽さ」という武器。他にはない「軽さ」と「堅牢性」を天秤にかけるとき、より重視するべきはどちらか。これは使い手であるユーザーさんに委ねたいと思います。 ・今まで使っているフラットクリンチの「音」と「固い打ち心地」、そして「本体の重さ」にご不満のある方 ・30枚以上の用紙を綴じたい方 そんな方にオススメの一台です。 ちなみにツートンカラーモデルも追加されておりますので、可愛らしいカラーに興味のある方は是非ツートンカラーモデルもお探ししてみてください。 ただし、強い衝撃には要注意。机の上から落とさないようにくれぐれもご注意を。 (1度机の上から落とした程度で直ぐに壊れることは無いと思いますが) #コクヨ #ホッチキス #文房具
フラットクリンチ ホッチキス パワーラッチキス コクヨ栗下 智
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★ 【ダイソー】 軽くとじられるホッチキス(大)
ダイソーで見かけたちょっと大きめのホッチキス『軽くとじられるホッチキス(大)』 普段使われている「№10」と呼ばれるホッチキス針を用いて 通常のコピー用紙程度の用紙を最大20枚まで綴じることが可能。 外 寸 / H70×W29×D103(㎜) 質 量 / 165g 針装てん数 / 100本 とじ 奥行 / 47㎜(最大) 使 用 針 / №10 売り場で見かけたとき、目を引かれるほどの大きさにも驚いたのですが、何よりも驚いたのが『フラットクリンチ』であることと、10号針を用いるホッチキスであったということ。実は、このホッチキスに出会う前日に「何でもそろう100円ショップとなってきたことだから、フラットクリンチのホッチキスが登場するのも時間の問題かもしれない」などと思っていた矢先での遭遇だったからだ。 何気なく立ち寄ってみたダイソーで、ひときわ大きなホッチキスが目に飛び込んできた。 「なぜここにマックスのバイモ11が置いてある??」 ……バイモ11のようなメーカー品が置いてあるわけがない。 バイモ11フラットは外寸:H68×W30×D107(㎜)、質量:165gとほぼほぼ同じ大きさ。デザインもどことなく似通っている。 そんなバイモ11もどきのホッチキスがあったら素通りなんかできるわけがない。 フラットクリンチにも驚いたものの、これに関しては本体下側の『クリンチャテーブル』と呼ばれる個所が、フラットクリンチならではの形状をしているので手に取るまでもなく直ぐに気が付いた。むしろ、手に取るまで気付けず驚いたのが10号針を使うということだった。本体の大きさからして、てっきり3号針を使うものだと思っていたら見た目に騙されてしまった形だ。 針を装てんする際は、上部のハンドルを開けばマガジン内にあるプッシャを金属製のプッシャアームがハンドルの動きに合わせて引き上げてくれる。ハンドル部分もしっかり固定されるので楽々針の装てんができます。 装てんされた針の残量はマガジン側面にある窓から確認することができる。 ハンドルを開いて本体をよくよく見ると、内部は金属パーツがいくつも組み合わさっていて、値段から想像する以上にしっかりした作りとなっている。しかも、力が加わる上部のハンドルフレームは堅牢そうな厚いフレームが備わっており、さらにはハンドルカバー内部のフレームに至っては焼き入れまで施されている。ここだけでも、値段を再確認したくなるほどだ。 本体の後部には綴じた針を外すことができる「リムーバ―」も備わっており、至れり尽せり。文句を言うとするならば、「重い」ということだろうか。しかし、大きさもあり、内部にしっかりしたフレームが入っているので、これで軽くしろという方が無理な話。 しかし、これだけしっかりした作りで「最大20枚とじ」というのが解せない。 ひょっとしたら、30枚くらいは綴じられるのではないだろうか? ……万が一壊れてしまっても400円+税だ。 ということでやってみた。 結果、32枚まで綴じることができた。 もっとも、20枚を超えた時点でハンドルを押す力は多少必要とするのですが、両手を使って力の限り……なんてことはありません。片手で打つことができます。 ただ、残念ながらというべきか。 調子に乗って32枚とじの試し打ちを1500回ほど続けたところ、それまで平らに折れ曲がっていたはずの綴じ裏の針が、キチンと折り曲げられず針の先端が紙から浮くようになってきてしまいました。 最大20枚綴じという限度を超えることなく、正しく使っていたならば5000回以上は使えるかもしれません。現に、32枚綴じを1500回繰り返したホッチキスも、15枚程度までであれば、普通のフラットクリンチホッチキスとして遜色なく使えるのです。 また、フラットクリンチホッチキスとしては「とじ奥行」が深いことも特徴のひとつ。 他社のフラットクリンチホッチキスでは、フラットクリンチ機構を働かせるための部品が比較的浅いところに備わっていることが多い。因みに、バイモ11フラットのとじ奥行は最大28㎜。 書類ならば奥まで入れて針を打つことは無いかもしれませんが、何か工作などしている際に奥にホッチキス止めしたい。なんていう際には、とじ奥行が深い方が有利になります。 メーカー品の32枚綴じフラットクリンチホッチキスは、定価でも850円ほどで入手することはできますが、32枚綴じとフル性能をどこまで使うのか。また、多くの一般家庭においては1台のホッチキスを2000回、3000回と使うことがあるのだろうか。そんなことを考えると、このダイソーの『軽くとじられるホッチキス(大)』は400円+税という価格で、高パフォーマンスを発揮してくれるお値段以上の品物なのであります。 バイモ11シリーズを使うことができた方ならば問題はないかと思いますが、大きさ・重さに抵抗がない方であればオススメ致します。 できれば、綴じ枚数は20枚くらいにしておいてあげてください。それが長持ちの秘訣です。 #文房具 #ホッチキス #ダイソー
フラットクリンチ ホッチキス 軽くとじられるホッチキス(大) HAUSER栗下 智
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FLAT CLINCH (初代HD-10F)
針の綴じ裏が平らになる「フラットクリンチ」。今やフラットクリンチのホッチキスは珍しいものではなくなってきましたが、このフラットクリンチを世界で初めて実現したホッチキスがマックス株式会社の『FLAT CLINCH』こと初代HD-10Fです。 世界初の「フラットクリンチ」機構を搭載したHD-10Fが 1987年に登場。 通常のコピー用紙程度であれば最大15枚まで綴じることができます。 外 寸 / H48×W24×D103(㎜) 質 量 / 121g 針装てん数 / 50本 とじ 奥行 / 45㎜(最大) 使 用 針 / №10 世界で初めて搭載された「フラットクリンチ」 フラットクリンチとは「フラット=平ら」+「クリンチ=打ち曲げる」、つまり「平らに打ち曲げる」ということ。 “ホッチキスで綴じた書類を保存する際に、ホッチキスの裏側の針を金づちで潰してからファイルしている”というお客さんの声を聞いたマックスが開発した「フラットクリンチ機構」です。 針を装てんする際は、本体後部にあるスライドボタンをスライドさせます。 針を入れるマガジンボックスが本体前方から出てくる「フロントローディング」方式になっています。出てきたマガジンボックスを引き出し、針を入れたマガジンボックスをカチッと音がするまで奥に押し込めれば針の装てんが完了です。 装てんされた針はマガジンボックスの側面にある小さな窓から残量を見ることができます。 世界初の機能を搭載したこのホッチキスですが 綴じ裏をイチイチ金づちで潰していたユーザーさんからは大変喜ばれました。 しかしながら、そこまで使い込んでいなかった方からは、この機構の便利さがイマイチご賛同いただけなかったのか、それとも小型ホッチキスとしては高価とおもえる価格だったこともあったのか。フラットクリンチが広く受け入れられるようになるまでには少し時間がかかったように思えます。 本体価格が1,000円という値段という以外にも ・針装てん数が50本 ・フロントローディングという珍しい針の装てん方法 ・綴じる際、ハンドルの一部だけを動かすという特殊な形状 ・最大とじ枚数が15枚とやや少な目 ・本体に強い衝撃を与えると部品が外れてしまいフラットクリンチ機構が働かなくなってしまう ・針を除去するリムーバーが備わっていない 世界初の機構を備えていたからこその少なくない問題点だったかと思いますが、問題点の数々を解決していった結果、今やフラットクリンチ機構を搭載したホッチキスが次々と登場しています。 ホッチキスの歴史に新しいページを記した パイオニアモデルといっていいでしょう。 #文房具 #ホッチキス #マックス
フラットクリンチ ホッチキス HD-10F マックス株式会社栗下 智
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フラットかるヒット (ST-010V)
プラス株式会社製の『フラットかるヒット』の名称で販売されていた小型ホッチキス『ST-010V』。 ・綴じ裏の針がフラットに折曲がり、書類や資料がかさばらずスマートに保存できる ・50%の力で軽々綴じられる ・100本の針をコンパクトに楽々装てん などの特徴を持ち、2006年にはグッドデザイン賞を受賞しているホッチキスです。 『フラットかるヒット』は現在も販売されているホッチキスですが、今回紹介するモデルは旧モデルのフラットかるヒットとなります。 とはいえ現行モデルと旧型モデルは見た目はほぼ変わりがなく、正直なところパッと見では区別がつかないほどです。 大きな相違点は、綴じられる最大枚数が32枚となっている現行モデルに対して、こちらの旧モデルでは最大20枚までとなっているところ。 このシリーズの特徴となるおしゃれでかわいらしいツートンカラーは新旧モデルでこのカラーにちょっぴり違いがある程度。底面に刻まれている刻印で確認する方法が一番間違いない確認方法かもしれません。こちらのモデルには「ST-010V」の刻印が施されています。 通常のコピー用紙程度であれば最大20枚まで綴じることができます。 外 寸 / H60×W30×D81(㎜) 質 量 / 106g 針装てん数 / 100本 とじ 奥行 / 30㎜(最大) 使 用 針 / №10 綴じた紙の裏側に出た針は平らに折れ曲がる「フラットクリンチ」と呼ばれる形状になります。 フラットクリンチで綴じられた書類は針による出っ張りが少なく、そのまま積み重ねてもあまりかさ張らず雪崩を起こすことも少なくなります。また、バインダーなどに収納する際にも場所を取らずに保管できます。 針を装てんする際は、上部を開けばマガジン内にある「プッシャ」と呼ばれる白い部品が長いばねが自動的に引いてくれますので、針を楽々装てんさせることができます。 マガジンの先端側側面にある窓から残量を確認することができます。 本体の後部には綴じた針を外すことができる「リムーバ―」が備わっています。 このホッチキスの特徴のひとつである“軽々綴じられる”「軽とじ機構」と呼ばれる2段てこが備わっています。 ホッチキスは、てこの原理によって細い針金を紙の束に打ち込むことができます。このホッチキスでは、てこを2つ重ねることで針を打ち込む力を約2倍にすることが可能となっています。 このホッチキスを使って約4年間で1万本の針を打ってきましたが、非常に軽い力で針を打ち込め、針を打つ音も静かだったところが深く印象に残っております。 使い始めは、あまりに軽く、静かなことになかなか慣れないところもありましたが、大きなトラブルを起こすことも無くストレスも少なく使用できた点も好印象。 ちなみに、1万本の針を打ったこのホッチキスは、今は前線を退いて「保管中」状態ですが、今も問題なく使用できます。 良かった点 ・一万本の針を打っても大きな問題なく使える耐久性 ・綴じる力が半減されている「軽とじ機構」 ・テーブルの片隅に置いておいても邪魔になりにくいコンパクトな本体 ・静かな場所で使っても、大きな音を立てずに綴じられる ・かわいらしいツートンカラー 気になった点 ・ペンケースに入れて持ち歩いていたら、ペンケースの中が針だらけになってしまった ・針を装てんしようとした際、ハンドルのストッパーが容易に外れてしまうのでハンドルとマガジンの間によく指を挟まれた 非常に軽い力で針を打てるためか、ペンケースなどの中に入れて持ち歩くときに振動を与えてしまうと勝手に針を打ち込んでしまうようです。 ペンケースの中が針だらけになってしまうのも困ってしまいますが、ホッチキス本体の下側にある「針を打ち込み・折り曲げる機構」がある場所は、穴の開いているようになっている状態になっており、そこに針が挟まってしまうとなかなか針を除去することができず苦労しました。 ハンドルの内側に設けられた長いばねによって、マガジン内の針が正しく送り出され、針を装てんする際には容易に針を置くことができます。しかし、このような“長いばね”で、お約束のように指を挟まれるタイプの私にとっては、少々恐怖を感じる代物であります。ハンドルを開いた際にはたらくストッパーは容易に外れてしまうので、針を装てんする際には両手で行う方が良いでしょう。 もっとも、挟まれたところで大きなケガとなることは少ないかと思いますが、地味に痛いのですよ(苦笑)。 #文房具 #ホッチキス #プラス
フラットクリンチ ホッチキス フラットかるヒット プラス株式会社栗下 智