-
Contarex Sonnar 85mm F2
Sonnarは1929年にベルテレ博士によって発明されたレンズ構成で,コーティングが発明される前の時代に,空気とガラスの境界面を可能な限り減らして収差を補正し,大口径を実現するものでした。貼り合わせレンズにより,わずかに3群に抑えていることが特徴です。3枚貼り合わせレンズが2群と1枚の前玉の組み合わせという3群7枚構成の85mmのSonnarはSonnarタイプの設計思想が存分に活かされたレンズと言えると思います。 モノコーティングが実用化されると,レンズ群の数を少なくして空気とガラスの境界面を減ずることの意味は次第に薄れてきますが,Zeiss Ikonの超高級カメラであるContarexには,85mmと135mmのSonnarがラインナップされました。特に,85mm F2は,コントラスト,階調,ボケ,発色,大口径が高度にバランスした,絶妙の設計で究極のSonnarとの呼び声も高いようです。Zeiss Ikonはこのレンズの設計に力を入れたのだろうと思われます。1958年の最初のContarexとともに登場し,Zeiss Ikonがカメラ事業から撤退する1973年まで製造が続けられました。その間の15年間に7585本が出荷されたようです(Wikipediaによる)。単純計算で月産50本にも満たず,工業製品として成立するとはちょっと思えないような数字です(もちろん,まとめて生産しておいて在庫を少しづつ出荷していたのでしょうけれど)。 とてもよく写るレンズだと思います。もちろん,よいレンズだというプラセボ効果も多分にあるのでしょうけれど,ボケも自然で滑らかなので積極的に開放を使いたくなります。手元の個体は,前期型の銀鏡筒のもので,比較的コンディションのよい個体でしたが,某マエストロにメンテナンスをしていただいたものです。ある特定のマウントアダプタを使うと確実に絞り羽が動かなくなる,ということがわかりました。正常に動作するアダプタとそうでないアダプタの違いはほとんどわからないのですが,レンズの絞り連動用のパーツを確実に壊すというものでした。まさかそんなワナにハマるとは思ってもいませんでした。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/Sonnar%201%3A2%20f%3D85mm に置いています。 #レンズ #MF #Sonnar #Contarex #Carl_Zeiss #85mm #F2 #望遠 #単焦点
MFレンズ Contarex Carl ZeissMOR
-
Contarex Distagon 35mm F4
1959年に西ドイツのZeiss Ikonから発売されたContarex用の交換レンズのひとつです。ContarexはZeiss Ikonが威信をかけて開発した究極の一眼レフカメラ,といってよいと思います。商業的には小さくて軽くて壊れないNikon Fをはじめとする日本製カメラに完敗してしまいます。結果として,Zeiss Ikonは1971 (1973?)年にカメラ事業から撤退します。 よく言われるようにContarexのrexはラテン語の王を意味していて,Contaxの王様,という意気込みで名付けられたものです。レンジファインダーのContaxは戦後はLeizがM型Leicaを出したことで大きく水をあけられZeiss Ikonは一眼レフに活路を見出そうとしたのだと思われます。しかし,凝った機構のために,兎に角,大きく重く高価でした。 現代の感覚では暗いレンズであってもContarexの現役時代はたいへん高価であったようです。さすがに現代では比較的安価に(といってもコンディションがよいものはそれなりのお値段で)入手することができます。 35mm F4に限ったことではないのですが,後年のContax/YashicaマウントのCarl Zeissのレンズはどちらかというと派手な発色でコントラストがはっきりした印象がありますが,レンジファインダーのContax Cマウントや一眼レフのContarexマウントのレンズはモノクロ時代のレンズということもあって,どちらかというと階調を重視したバランスであるように思います。それでも解像感は十分で階調と解像感をうまくバランスさせているのがContax/Yashicaマウントより前のZeissのレンズのよいところであると勝手に考えています。 手元の個体はシルバー鏡筒の前期型で,最短撮影距離は19cmで35mmレンズとしてはとても寄れます。これはいざというときには本当に便利です。ボケ味とかそういう概念がない時代のレンズなのですが,絞り羽根は8枚あります。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/Distagon%201%3A4%20f%3D35mm に置いています。 #レンズ #MF #Distagon #Contarex #Carl_Zeiss #35mm #F4 #広角 #単焦点
MFレンズ Contarex Carl ZeissMOR
-
SKOPAREX 1:3.4/35
Voigtlanderのベッサマチック用SKOPAREXです。ざっくり言えばBessamatic用の3群4枚の典型的なTessar型であるColor Skopar 50mm F2.8をベースに焦点距離を35mmにしたもの,と言えます。ただし,Bessamaticは一眼レフでミラーがあるため,レンズはバックフォーカスを長くとらねばなりません。そのために,Tessar構成のレンズ前端に2群2枚のレンズを追加して5群6枚構成のレトロフォーカスタイプで設計されています。 Skoparexの祖先はTessar型のColor Skoparですが,これをレトロフォーカスタイプにしたProminent用のSkoparon 35mm F3.5が直接の先祖だと考えられます。マウント形状はDKLと同じであるものの後のBessamaticとは互換性がないVitessa-T用のSkoparet 35mm F3.4となり,いわゆるDKLマウントのBessamatic用のSkoparex 35mm F3.4へと繋がっていきます。 Bessamatic用のSkoparex 35mm F3.4は大きく分けて前期型と後期型があり,前期型はVoigtlanderが出すつもりだったレンジファインダー式カメラとの互換性を考慮して距離計に連動するためのカムが装備されており,最短撮影距離も1mでした。当時は35mmレンズは十分に広角レンズだったと思われますが,広角レンズなのに1mまでしか寄れない,というのはなんのための一眼レフ用レンズなんだ,という中途半端な仕様でした。 その後,レンジファインダー式カメラは実現しないまま,一眼レフカメラが全盛となり,Skoparexも距離計連動のためのカムを捨て,最短撮影距離を40cmとした後期型になります。最短撮影距離がどうしても長くなってしまうビハインドシャッター方式のBessamatic機のなかでは最短撮影距離の短さで1,2を争うレベルであったと言えます。 Skoparexは1960年から1969年まの9年間で6万本強が生産されたということです。1969年にはVoigtlanderはZeiss Ikonに吸収合併されて消滅しますが,ブラウンシュヴァイクの工場は操業を続けます。SkoparexはZeissのICAREXやSL706用レンズとしてマウントをICAREXやM42に変更されます。レンズ構成はBessamatic時代の5群6枚のレトロフォーカス型であることに変わりはなかったようですが,光学設計は微妙に変更されているようです。したがって,同じレンズ銘でもVoigtlander時代とZeiss時代では異なる描写となっているようです。その後,1972年にはZeis Ikonのカメラ事業とVoigtlanderがRolleiに移譲され,RolleiからColor Skoparex銘のレンズがリリースされます。 1981年にはそのRolleiも倒産し,Voigtlanderの商標は別の会社に移譲され,現在は日本のコシナが商標を使っています。コシナからはColor Skopar銘のレンズはでていますが,Skoparex銘のものはないようです。だからどうってこともないのですが,コシナがSkoparex銘を使わない理由は少し気になります。 この個体は最短撮影距離が40cmの後期型でシリアル番号が700万番台なので,Voigtlanderとして最後期の1965から1970年の間に製造された個体であると考えられます。この頃のVoigtlanderのシリアル番号は1年におおよそ20万づつ増えていることを考えると,この個体は1967年ころの製造ではないかと推察されます。 #レンズ #MF #SKOPAREX #DKL #Voigtlander #35mm #F3.4 #広角 #単焦点
MFレンズ DKL VoigtlanderMOR
-
Carl Zeiss Jena BIOTAR 5.8cm F2 T
Carl Zeiss JenaのBiotarです。4群6枚構成の典型的なダブルガウス型のレンズで,グルグルボケで有名です。戦前の初期型は球面形状の絞り羽でしたが,戦後に登場した前期型では通常の平面形状の絞り羽となっています。また,前期型以降はモノコーティングが施されており,レンズ銘板には赤字でTの刻印がはいっています(中期型の途中からTの刻印は省かれます)。 旧ソ連製のHelios-44がグルブルボケで一部のインスタな人たちにウケているようですが,Biotarはそのコピー元となったレンズです。第二次世界大戦の終戦時にソ連はドイツから技術者も含めてレンズに関するあらゆるものを接収してコピーを作り始めています。その後,ソ連製レンズは単なるコピーから独自の発展をしていきます。 Biotarは前期型の一部を除いて全てシルバー鏡筒でした。この個体はブラックの前期型でシリアル番号が327万番代ですので,1949年頃に製造されたと思われます。また,外観からおそらく前期型のなかでも少し改良が加えられた第二世代のモデルだと考えています。前期型は最短撮影距離が90cmでその後のモデルに比べてかなり長いので実用性を考えれば中期型以降のほうが便利です。しかし,中期型以降と前期型以前では少し画作りが違うように感じられ,かつ,前期型のほうが個人的な好みにあっているように感じています。 #レンズ #MF #Biotar #M42 #Carl_Zeiss #Jena #58mm #F2 #標準 #単焦点
MFレンズ M42 Carl Zeiss JenaMOR
-
ALPA ALFITAR 90mm F2.5
シネレンズで有名な,フランスのAngenieuxがAlpaカメラ向けに供給したレンズの一つです。AlfitarはAlpaカメラ用のレンズとしては生産数は多いほうだと思いますが,そもそもAlpaカメラの絶対数が少ないのでいつでもどこでも見かける,という性質のレンズではありません。 このレンズは4群4枚のエルノスター型構成でエグザクタマウント等の他マウントにラインナップされていたType Y12と同じ光学系だと思われます。絞りは鏡筒にあるダイアルを回転させる独特の仕様です。Alpa用のAlfitarはクローム鏡筒の前期型と黒鏡筒になった後期型に大きくわけることができます。この個体は写真のとおり前期型です。クローム鏡筒の仕上げはたいへん上質で,Alpaカメラ用に作られたレンズ,という趣きを持っています。 #レンズ #MF #P.Angenieux #Alpa #90mm #F2.5 #望遠 #単焦点
MFレンズ Alpa P.AngenieuxMOR
-
MD-LM
eBayでなんだかよくわからないけれどもいろいろな出品者が販売しているノーブランドのマウントアダプタです。ミノルタのMF一眼レフカメラのマウントのレンズをライカMマウントに変換します。といっても,M型ライカカメラに使ったことはなくて,これまたノーブランドのライカMレンズをSony Eに変換するヘリコイド付きアダプタを介してSony α7s (ILCE-7s)で撮影しています。似たようなノーブランド品は日本でもAmazonで扱っていたりしますが,eBayでは2000円足らず程度で送料無料,というものが多くついつい安いところから調達してしまいます。日本のAmazonだと3000円くらいでしょうか。私が調達したときは(2019年8月),20 USDでした。 eBayで注文すると中国大陸から送られてくるので到着までにかなり時間がかかります。しかし,オールドレンズ遊びをするのに急いたところでどうなるものでもないので気長に待つことにしています。たいていは忘れた頃に届きます。 一つしか使っていないので個体差の大小はわかりませんが,ノーブランドのLM-NEXマウントアダプタに取り付けるとちゃんとガタはあります。とてもしっかりしたものを期待しているとがっくりきますが,価格相応だと思います。とりあえず,レンズが壊れるようなことはないので特に気にせず使っています。中国製品にありがちな見た目のてんこ盛り度を競うようなところがあって,無意味に6bitコード用に色を塗るところが用意されています。もちろんあってもよいのですが,私は使わないのでそういえばそういうのがあったな,という感じです。可もなく不可もない。そんだけです。 #マウントアダプタ #ノーブランド #LM #MD #SR #Minolta #Leica
マウントアダプタ SR to Leica M ノーブランドMOR
-
7Artisans LM-E Close Focus
ミラーレス一眼カメラ用をはじめとして種々のマウントのMFレンズが日本にも輸入されている7Artisans (七工匠)のマウントアダプタです。以前からレンズは輸入されていたので7Artisansというブランドは知っていましたがマウントアダプタを作っていると云うのは知りませんでした。これまで使っていた無限遠ロック付きヘリコイドがついたノーブランドのLM-NEXマウントアダプタの精度が心配になったことがあって(実際にはレンズ側の問題でした),他の選択肢ということで名前を聞いたことがあるメーカーのマウントアダプタを調達しました。 ヘリコイドにロック機構をつけることで大幅に製造コストがあがる気もしないのですが,ロック付きに比べると10 USDほどお安い価格設定でした。ロック機構がないためなのかヘリコイドは重めです。オーダーしてからかなり時間がかかっていつものように(?)中国大陸から届きました。ノーブランド品のように白箱に入って届くのかと思っていたのですが,上の写真のように,やたら立派なロゴまでついて,磁石でフタがくっつくような中国的ゴージャス感満載な箱に入っていました。肝心のアダプタの作りも悪くありません。 そもそもの購入動機であるマウントアダプタの精度については,ロック付きのマウントアダプタの問題ではなくレンズ側に問題があることがわかったので,アダプタの精度を比較検証するという必然性が失われてしまいました。そんなわけでこのアダプタは買ったもののいまだに実戦投入の機会がないまま惰眠を貪っているかわいそうなヤツです。そのうち使ってやらなくてはなりません。 #マウントアダプタ #7Artisans #七工匠 #LM #SonyE #Sony #Leica #NEX
マウントアダプタ Leica M to Sony E 7ArtisansMOR
-
LM-NEX Macro Adapter Helicoid Infinity w/ Lock
ライカMマウントのレンズをSony Eマウントカメラに装着するためのアダプターです。ヘリコイドがついていて5mmほどレンズを繰り出すことができるのでレンズの最短撮影距離よりも被写体に近づいて撮影できます。さらに,無限遠でロックできます。ヘリコイドつきのアダプタはたくさんありますが,無限遠でロックできるものは限られています。勝手にヘリコイドが回っていて無限遠にピントが来なくて焦るということが原理的に発生しないので(ロックを忘れなければ,ですが),ちょっと安心感があります。 ノーブランドのアダプタでどこにも何の刻印も入っていません。白箱に入って送られてきました。なので,これが何のアダプタだったか忘れてしまうと使い途がわからなくなってしまうという恐ろしい仕様(?)です。購入履歴を調べたら,eBayで2018年10月に買っていました。当時の購入価格は80 USDでしたが,現在(2021年10月)も同じものがeBayに出品されていて69 USDになっています。 モノの作りは悪くはないですがよくもありません。ガタがないかと問われれば多少はあります。でも,実用上の問題はありません。手持ちのたいていのレンズはいったんライカMマウントに変換してからこのアダプタに装着してSony α7sで撮影をしているので,常にこのアダプタを使っています。購入してから3年経っていますが特に不具合がでるわけでもなく普通に使えています。ヘリコイドで少しでも被写体に近づけるのはたいへん便利です。望遠系のレンズでは少しくらいヘリコイドを繰り出しても最短撮影距離にほとんど変化はありませんが,広角系のレンズではその効果は絶大です。 使用頻度も高く,ヘリコイドつきアダプタとしてはお値段もそこそこ安く,私にとってはコストパフォーマンスがかなり高いアダプタのひとつです。 #マウントアダプタ #ノーブランド #LM #SonyE #Sony #Leica #NEX
マウントアダプタ Leica M to Sony E ノーブランドMOR
-
K&F Concept L39 - L(M) (50 - 75)
K&F ConceptのL-Mリングです。作りはよくも悪くもなく,普通です。L39とライカMのフランジバックの差はきっちり1mmなのでかなり精度が高い工作が必要だと思いますが,お値段はお安くて2000円前後で入手できます。eBayで探せば1500円くらいで出品しているところもあります。そんなに安くて大丈夫なのか,と逆に心配になってしまいます。そのような意識があるためか,このリングをレンズにつけてライカMマウントのカメラに装着したところ,レンズだけはずれてカメラからこのリングがはずれなくなったというような恐ろしい話を聞いたような気がしています(確証はないので気のせいかもしれません)。 さすがに手元のカメラに装着して試してみる度胸はないので,このリングはあくまでもL39レンズをLeica Mのレンズ側マウントを持つマウントアダプタに取り付ける時にのみ使っています。それで特に問題ないのでカメラに取り付けても問題ないのだろうと思いますが,やっぱり怖いので試していません。 正直に告白すると,「(50 - 75)」の意味がよくわかっていなくて,レンジファインダーに現れるブライトフレームの画角が50mmと75mmである,ということを表しているというのを知ったのはそれほど昔ではありません。ライカのM型カメラというのは何もかも機械式で連動するようになっているというのを改めて認識しました。 #マウントアダプタ #K&F_Concept #LM #L39 #Leica
マウントアダプタ L39 to Leica M K&F ConceptMOR
-
FOTGA KONICA-NEX
FOTGAは中国製のマウントアダプタのブランドとしてはどちらかというとマイナーなブランドという印象があります。それはたんに国内であまり流通していないからだけかもしれません。eBayではそれなりに見かけます。 Konica ARマウント用のマウントアダプタは既に2個も持っていたのにこれを調達した理由は,レンズ側のマウント面が正しくコニカのカメラのそれと同じ形をしているように見えたからです。レンズ側マウント面のフランジの幅が狭いのがコニカのカメラで,手持ちのNEWYIやK&F Conceptはいずれもフランジ幅が広くてKonica FマウントをARマウントに変換する小西六純正のKonica Lens Adapterを装着することはできません。フランジの幅が何mmかという情報は当然のことながらどこにもないので買って試してみるしかありません。 試した結果,小西六純正アダプタを装着することができました。惜しむらくはFOTGAはAR to Leica Mのマウントアダプタをリリースしていないことです。それさえあれば私の中では完璧なのに,とても残念。Leica M用には別のアダプタを探さねばならないのですが,当然ながらそんなに都合のよいものが見つかるわけもなく,またもや泥沼にはまっていく予感です...。 #マウントアダプタ #FOTGA #AR #SonyE #Konica #Sony #NEX
マウントアダプタ AR to Sony E FOTGAMOR
-
K&F Concept K/AR-NEX
国内でもよく見かけるK&F Conceptのマウントアダプタです。KonicaのARマウントレンズをSony Eマウントカメラに装着できるようにするアダプタです。NEWYIのAR-LMアダプタをずっと使っていたのですが,無限遠がでないレンズがあって,ひょっとするとアダプタの精度の問題ではないかと疑って異なるメーカーでかつ安いモノということでK&F Conceptのアダプタを調達しました。 これもeBayでは国内の流通価格より少し安くて2000円前後で送料無料で入手できます。中国本土から送られてくるので手元に届くまでに2, 3週間かかります。結局,問題のあるレンズをこのアダプタに装着しても無限遠がでなかったため,問題はアダプタではなく,レンズ側にあったことが判明しました。で,このアダプタはそのまま片付けてほとんど使っていません。 このアダプタでSony Eマウント機にレンズを装着すると当然ですが最短撮影距離はレンズのスペックどおりになります。レンズをライカMマウントに変換してから,さらにライカMをSony Eに変換するヘリコイドアダプタを使うと,いざというときに近接撮絵ができて便利なので,このアダプタのようにレンズをカメラに直接装着するアダプタは使わなくなってしまうのです。 また,このマウントアダプタもレンズマウント面のフランジの幅が広いため,Konica FマウントをARマウントに変換する小西六純正のKonica Lens Adapterを装着することはできません。そんなわけでほとんど出番がないちょっとかわいそうなアダプタです。 #マウントアダプタ #K&F_Concept #AR #SonyE #Konica #Sony #NEX
マウントアダプタ AR to Sony E K&F ConceptMOR
-
NEWYI AR-LM
コニカの一眼レフのARマウントレンズをライカMマウントボディに装着するためのマウントアダプタです。eBayではよくみかける中国製のアダプタです。だいたい2500円くらいで送料無料で中国本土から送られてきます。オーダーしてから届くまでに2, 3週間かかりますが,特に急ぐようなこともないのであまり気にしていません。ガタがあるかと言われればまったくないわけではないですが,通常の使用で不都合がでたことはありませんので,コストパフォーマンスは十分だと思います。 ボディ側のマウント面にはライカの6bitコードを塗るためのスペースが用意されていますが,レンズ1本につき1個のアダプタを使うなら6bitコードも便利かもしれませんがそういう使い方をしないので私にはあまり意味がありません。 レンズ側のマウント部分の内周(レンズがハマる穴の外周)のフランジの幅はコニカのカメラのそれよりも少し幅が広く,Konica FマウントをARマウントに変換する小西六純正のKonica Lens Adapterを装着することはできません。この点ではハマりにハマりました。 #マウントアダプタ #NEWYI #AR #LM #Konica #Leica
マウントアダプタ AR to Leica M NEWYIMOR
-
HEXANON AR 85mm F1.8
小西六の一眼レフカメラ用85mmレンズは1960年に登場した最初の一眼レフカメラKonica Fおよび他の3本のレンズとともに登場します。ネット上の噂(?)によると,Konica Fは1500台ほど生産され,初代の85mm F1.8レンズは500台ほどの生産数だったようです。1965年に登場したAutoReflexからマウントがARマウントに変わりますが,85mm F1.8もマウントを変えてコニカの一眼レフの最後までラインナップされます。ARマウントの85mm F1.8は,フィルタ径が58mmのEE版ではじまりますが,その後,フィルタ径はコニカの標準である55mmに変更されます。さらに,鏡筒の意匠がクロームのリングがあるものから全体が黒色のものになり,意匠はオールブラックのまま,最後のAE版が登場しています。 レンズ構成は5群6枚の拡張ダブルガウス型で,この時代の大口径中望遠レンズによく見られる構成です。85mm F1.8はコニカの一眼レフの望遠レンズのなかでは最も大口径でポートレートで用いることを意識したレンズでした。もうひとつの大口径望遠レンズであった135mm F2.5は今でも簡単に見つけることができますが,85mm F1.8はあまり見かけません。 手元の個体はこのレンズのなかでは最後期にあたるAE版です。85mm F1.8は探してみるとなかなか見つからなくてARマウントレンズのわりには高価だったりしますが,たまたまeBayでフランスから出品されているのを見つけて入手しました。外観は非常にきれいなのですが,距離環が非常に重く,ピント合わせがたいへんです。ただ固着しているというわけでもないのでどうにかなるかな,という感じです。 #レンズ #MF #Hexanon #AR #Konica #85mm #F1.8 #望遠 #単焦点 #大口径
MFレンズ AR KonicaMOR
-
Carl Zeiss Sonnar 50mm F2
Sonnarといえばベルテレと脊髄反応してしまうくらい有名な設計者による有名なレンズです。1931年にベルテレが写真機用(Contax)用Sonnarとしてはじめて設計したレンズは5cm F2でした。Sonnarの特許そのものは1929年にとっており,その後すぐに,映画撮影機用のSonnarが設計されています。ベルテレは1900年生まれだそうですので30歳前後で後世まで残る発明を世に送り出したことになります。もちろん時代背景が異なるので,現在の我々と同列で比較することが難しいことは言うまでもありませんが,それにしてもたいへんな仕事をした人物だったことは想像に難くありません。 収差の補正には多くのレンズを用いた方が有利ですが,レンズのコーティングが十分ではなかった時代には出来る限り空気とガラスの境界面を少なくすることが求められました。そのような要請に巧みに応えたのがSonnarだったといえます。最初に設計された開放値F2のレンズは3群6枚,その後に設計された開放F1.5,いわゆる「イチゴのゾナー」は3群7枚です。3枚貼り合わせのレンズがSonnarの特徴だと認識していますが(とても短絡的です),後世のレンズでSonnar銘のものはあまりそのような構成に拘らずに名前がつけられているものもあるようです。 手元にあるSonnar 50mm F2のレンズはシリアルナンバーが149万番台ですので,1953年から1959年の間の比較的早い時期にCarl Zeiss, Oberkochen, West Germanyにおいて生産された個体であると想像されます。ベルテレがSonnarを設計したときにはまだカラーフィルムは開発途上だったはずですし,この個体が世に出た時はカラーフィルムは存在していたけれどもまだ一般的ではなく,黒白フィルムを使うのが普通だった時代です。ネット上ではこってりした色のりのレンズだというようなコメントも見られますが,どうせならモノクロ時代のレンズはモノクロで撮ってみたい,と思います。 また,この個体はフィルター枠に当たりがあってフィルターがねじ込めないので,被せ式のコダックの(かなり無骨な)フードにシリーズ6のフィルタを挟んでいます。アメリカ風味のごついフードとちょっと繊細なイメージのSonnarは完全にミスマッチです。見た目的には全然ダメですが,古いレンズをフードなしで使うのはやや無理がありますから,実をとったということで自分的には納得しています。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/Sonnar%2050mm%20F2 に置いています。 #レンズ #MF #Sonnar #Contax_C #Carl_Zeiss #50mm #F2 #標準 #単焦点
MFレンズ Contax C Carl ZeissMOR