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KONISHIROKU HEXANON 1:3.5 f=135mm
コニカはなぜか135mmレンズに力を入れていて,コニカFマウントでF2.8とF3.5,ARマウントでF2.5, F3.2, F3.5をリリースしていました。すべてのレンズが同時に販売されていたわけではありませんが,それにしても力が入っていたと推察されます。フィルムの一眼レフ時代,特にその黎明期には,セットレンズとして標準レンズがついてきて,交換レンズが欲しい,となると多くの人は望遠レンズとして135mmを求めたように思われます。200mmほど大仰ではなく,85mmや100mmでは望遠レンズとしてちょっと物足りないと言うか,損をしたようなそんな気分があって135mmが求められたのではないかと想像します。そのため小西六が135mmに力を入れた,というのはもっともな話です。 コニカFマウントの135mm F3.5は1962年頃に登場します。ネット上にはFSとともに登場したと書かれているサイトがありますが,FSは1960年の終わり頃の登場なのでちょっと辻褄があっていません。F3.5は最初に最小絞りがF16の自動絞りのものが登場し,その後,FPの登場とともに最小絞りがF22のプリセット絞りのものが登場したようです。ARマウントに移行したのちも,プリセット版とEE版として継続し,その後,Autoreflex T2の頃に135mm F3.2に置き換えられます。 コニカFマウントの135mm F3.5は52mm F1.8ほどではないにしても,よく見かけます。多くのユーザーが標準レンズの次のレンズとして135mmを選んだのでしょう。コニカFマウントの廉価版レンズは52mm F1.8, 135mm F3.5, 35mm F2.8の3本だけだといっても大筋では間違いがないと思っていますが,前二者は多く見られるのに35mm F2.8はかなり少ないということからも3本目のレンズを求める人は多くはなかったものと想像されます。 手元の個体は最小絞りがF22のプリセット絞りバージョンです。コニカは自動絞りのレンズの場合,絞り羽根は6枚ですが,プリセット絞りの場合は倍の12枚羽根でほぼ完全な円形を維持しながら絞り羽根が閉じていきます。望遠レンズとしてボケが大きいことを考えると,これはこれでよいですし,ミラーレス時代にあっては自動絞り機構がレンズについているかどうかはどうでもよいのでむしろプリセット絞りのほうが良かったりします。何がよいのか,というのは,その時の最善のものが将来にわたって最善とは限らない,というなんとも皮肉なことで,色々と考えさせられます。 #レンズ #MF #Hexanon #KonicaF #Konishiroku #135mm #F3.5 #望遠 #単焦点
MFレンズ Konica F KonishirokuMOR
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KONISHIROKU HEXANON 1:2 f=50mm
1960年の終わり頃(12月?)に廉価版として登場したKonica FS用のセットレンズとして50mm F2は登場します。ちょっとはっきりしないのですが,このレンズの登場は1962年のようで,FSの登場時期と一致していません。Konica Fのセットレンズは52mm F1.4でしたから当初FSも52mm F1.4をセットレンズとしていたものの価格を下げるために後から50mm F2が投入されたのかもしれません。しかしながら,1962年の秋にはKonica FPが登場し,そのセットレンズは52mm F1.8に変更され,50mm F2はディスコンになります。このようなことから50mm F2がFSにセットされて販売された期間がどのくらいだったのか,今ひとつ判然としないのですが販売期間が極めて短かったこと,単体では販売されていな可能性が高いこと,は容易に想像されます。結果として,このレンズはコニカFマウントレンズのなかでもかなりレアなレンズです。とは言え,コニカFマウントのレンズ自体の数がそれほど多くはないので,52mm F1.8以外はいずれのレンズもそれなりにレアであると言えるかもしれません。 もうひとつ,この50mm F2について特筆すべき点は,コニカの一眼レフ用のレンズとして,ARマウントレンズも含めて50mm F2というスペックのレンズは後にも先にも存在していない,ということです。50mm F2なんていかにも廉価版レンズの王道をいくスペックでいくらでもありそうなのですが,コニカの一眼レフに関して言えば,1962年頃にそれほど多くない数が販売されたこのレンズが50mm F2というスペックの唯一のレンズなのです。 ネット上の情報によるとこのレンズのバリエーションは距離環がfeet表示のものとmeter表示の二種類だけのようです。販売期間が短かったことを考えるとそれ以上のバリエーションがあったとはちょっと考えにくいので,実際,仕向地ごとのバリエーションしか存在しなかったものと思われます。やたらと細かい違いのバリエーションが多いコニカ(小西六)にしては珍しいパターンです。 この個体はヤフオクでたまたま見つけたので入手しました。やや高い値付けでしたが,次にいつ見つけられるかわからない,ということもあって入札しました。レアなレンズであることは間違いありませんが,古い時代の廉価版レンズだし,そもそも使い道があるのかないのかわからないコニカFマウントだし,でなんとも微妙な値付けでした。 #レンズ #MF #Hexanon #KonicaF #Konishiroku #50mm #F2 #標準 #単焦点
MFレンズ Konica F KonishirokuMOR
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MD ROKKOR 50mm F1.7
MD ROKKORレンズは1977年に発売されたミノルタXDの両優先AEに対応すべく登場したレンズシリーズです。 MD ROKKOR 50mm F1.7には大きく分けて前後期の2タイプがあるようで後期型はフィルター径が49mm,質量も160gと小型軽量化されています。この個体は小型化する前のモデルでフィルター径が55mmです。後期型の登場が1979年の始めごろのようなので,前期型の販売期間はそれほど長くなかったかもしれません。おそらくMC ROKKOR-PF 50mm F1.7をシャッタースピード優先AEに対応させただけでリリースされたものと思われます。ただMC ROKKOR時代よりもMD ROKKOR時代になると緑のロッコールたるアクロマティックコーティング(AC)を施した面が減ってたったの1面だけになっているという話もありますし,最短撮影距離が少し短くなっています。そのために光学系も再設計されているものと思われます。外観はMC時代と比較して明らかにチープになっています。 この世代以降のrokkorレンズはレンズ群がプラスチックのモールドで固定されているため分解が難しくカビが生えるとメンテナンスをするのが非常に難しいレンズです。こんなところにもコストダウンの影響がでているというのはある意味,おもしろいですがなんとも世知辛い話です。しかしその一方で,入門用のセットレンズとして色々な部分でコストをギリギリまで削ってはいるものの,性能は精一杯よいものを目指していたはずです。カメラのセットレンズとして多くの人が手にするレンズであり,ユーザーにとって最初のレンズがダメなら誰も他のレンズを買ってくれません。ですからコストダウンしつつも性能を維持すべく力が入っていたと想像します。レンズの生い立ちや立ち位置を考えれば耐久性やメンテナンス性は兎も角として,基本性能が悪かろうはずがありません。 実際,写してみるとよく写るレンズであることがわかります。 この個体は新宿でやっていたクラシックカメラ博のジャンクかごから救出してきた5本のレンズのなかの1本です。レンズに大カビがあってこりゃだめか,という感じでしたが,意外にもカビは前玉と後玉の外側に生えているものがほとんどだったので,分解しないで外側を掃除したらそれなりに綺麗になりました。そもそも分解してもメンテは難しいレンズなのでレンズ内部の汚れは気にせずそのまま実戦投入です。 このレンズによる作例は, https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/MD%20ROKKOR%2050mm%20F1.7 に置いています。 #レンズ #MF #MD_ROKKOR #SR #Minolta #50mm #F1.7 #標準 #単焦点
MFレンズ SR MinoltaMOR
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MC ROKKOR-PF 58mm F1.4
MC ROKKOR-PF 58mm F1.4には距離環のローレットがフラットな意匠の前期型と,アーチ型になっている後期型がありますが,この個体は後期型です。発売は1968年頃のようです。前期型からは2年でモデルチェンジしています。アクロマチックコーティング(AC)によるコーティングのやわらかい感じは最初期のAUTO ROKKORがいちばん顕著で,その次にMCの前期型,そしてMCの後期型という順番に解像度重視にシフトしていくようです。それでも,この後期型でも十分にやわらかいと思いますし,解像度とのバランスもとれているのだと思います。 新宿クラシックカメラ博のジャンク箱から救出してきた個体です。明るいけれども焦点距離が長く,寄れないのはいかにも昔風味の設計です。ACは剥がれやすいということですが,緑のロッコールと呼ばれるACによる緑色のコーティングはまだ残っています。距離環や絞り環は普通に使えるので(多少のトルクむらはしょうがないものとして),実用上の問題はありません。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/MC%20ROKKOR-PF%2058mm%20F1.4 に置いています。 #レンズ #MF #MC_ROKKOR #SR #Minolta #58mm #F1.4 #標準 #単焦点 #大口径
MFレンズ SR MinoltaMOR
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KONICA HEXANON 1:1.8 f=52mm
この個体はコニカARマウントレンズとしては初期のもので,おそらくコニカFマウントレンズ時代の光学系を引き継いでARマウント化したものだと思われます。コニカのレンズにありがちな絞り環がガチャガチャした感触で,いまひとつ落ち着きのない使用感ですが,1960年代前半のレンズとしては十分に高性能だったと思われます。Sony α7Sと組み合わせた最初のオールドレンズで,オールドレンズ にはまるきっかけとなるレンズでもありました。 このレンズによる作例はhttps://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/HEXANON%2052mm%20F1.8 においています。 #レンズ #MF #Hexanon #AR #Konica #Konishiroku #52mm #F1.8 #標準 #単焦点
MFレンズ AR KonicaMOR