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EROTIC FANTASY TAROT
Lo Scarabeo社の2020年新作セクシュアルタロット。イラストはイタリアのイラストレーター/コミックアーティストで学校も開いている Joseph "eon" Viglioglia 氏。 Eroticと銘打つほどにはエロくない。「戦車」「星」のように仲睦まじいカップルはいるし「運命の輪」は同種タロットのお約束のように69に夢中だったりはするのだけど、全体的に直接描写もほとんど無く、ポルノグラフィックな絵柄ではない。 どちらかというと母性を中心に、女性の強さ(しなやかさ・したたかさ)を描いている印象。「恋人たち」には男性も天使もおらず、世代の異なる3人の女性(「月」のカードにも登場)と、いかにもあからさまに三ツ首の(蛇に似た)ドラゴン。「悪魔」の二人は普通に鎖を壊しちゃってるし、とにかく男性キャラの存在感が薄い世界。解説ちゃんと読んでみるかな……。
Lo Scarabeo 2020 伊Hirot
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TAROT Z
ウルグアイ生まれ・イギリス在住のアーティスト Alejandro Colucci 氏お得意のホラーイラストが堪能できるゾンビタロット。これは3000部限定のスペシャルパッケージ版で箱は豪華だけど、大判ガイドブックが付くわけでもないので通常版で充分かも。 あまり相性が良くないのかゾンビモチーフのタロットというのはほとんど見かけなくて、この他には Quirk Books 社の「Zombie Tarot」くらいではないか。あちらは妙にコミカルな絵柄の割になんだか生々しくてちょっと気持ち悪いんだけれど、このデックのゾンビは死体というよりもモンスター感が強くてゆっくり眺めていられる。意外なことに解釈もけっこうRWS準拠なので慣れると実用可能かな。
Lo Scarabeo 2019 伊Hirot
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NICOLETTA CECCOLI TAROT
サンマリノのアーティスト・Nicoletta Ceccoli 氏のフルデック。解説は Lunaea Weatherstone 氏だが、彼女のサイトには自身の制作デックとしてラインナップされてはいない。どうやらタロットカードとしてのイラスト発注ではなく既存のアートワークを割り当てている模様。……にしてはしっくりする絵柄もちょこちょこあって面白い。 系統としては幻想的……というか、シュールで極めて悪夢的なイラストが多く、他人を対象にリーディングするのはちょっと力(経験?)が必要かと。
Lo Scarabeo 2014 伊Hirot
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GAY TAROT
タロット作家としてもレビュアとしても著名な Lee Bursten 氏による男性同性愛者のためのデック。イラストはイタリアの漫画家・Antonella Platano 氏。 珍しくケース前面・背面に惹句がある。それぞれ「多様性を恐れない人のための気づきと内省のツール」「固定観念を打ち破りタロットシンボルとゲイの生活・アイデンティティを組み合わせた、独自の勇気あるデック」という感じか。 セクシュアルな要素はあまり無くて、いい感じのおじさん達の生活(職業)を生き生きと描いている。同一人物が複数カードに登場しているので(だいたい小アルカナの同じ数字は繋がっている模様)、組み合わせてみるとその生活や人生をより深く想像できる。
Lo Scarabeo 2004 伊Hirot
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UFO TAROT
イタリアの漫画家・映像作家・Bepi Vigna 氏とイラストレータの Arturo Picca 氏がエイリアンコンタクトを描いたデック。 タロットカードとしては決して読みやすくはないが、ストーリー感の高いイラストは極めて美しい。小アルカナはいかにも四元素に対応した属性の異星人(とそれらとの接触)を個別に描いており、まずはそれぞれの物語を楽しもう。
Lo Scarabeo 2007 伊Hirot
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TAROCCHI MARVEL
Marvel Comics のヒーロー達を描いた大アルカナ22枚デッキ。イラストはイタリアのコミックアーティスト・Claudio Villa氏。 カードデザインはシンプルで大きめ。タロットらしさは低めだがイラスト流用というわけでもないようで、[力]でフレームを壊してるハルクとか[吊るされた男]で尻尾でぶら下がってるナイトクロウラーとか、楽しい絵が多い。
Lo Scarabeo 1995 伊Hirot
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FOREST CREATURES TAROT
Tarocco Studio はイタリアの小規模メーカーで、ネット検索しても公式サイト以外の情報がほとんど出てこない。のだけど私はここの絵とカード品質が好みで、何度か購入させてもらっている。日本へも送料無料というのがありがたい。(その分お高いという気はする) "creature"の語感に反して(一般に訳語は「生き物」とか「獣」とか「被造物」。日本では「モンスター」の類語であることが多いか)、描かれているのは森に棲む妖精・精霊といった感じ。それもエルフとかピクシーみたいな、日本でいう妖精のイメージの。つまりはありがちなファンタジーCGタロットなんだが、なんというか生気や生活感があって「話しかけられている」ような気になるのが好きで、そういう意味ではたいへんにタロットカード向き。
Tarocco Studio 2017 伊Hirot
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LUDY LESCOT TAROT
"LUDY LESCOT"はどうも絵師の名前らしいが詳細不明。いわゆるヴァンパイア系のゴシックホラーイラストデッキ。 女性イラストが多いが、男性も非常にセクシーで退廃的。パッケージにはシンプルにアンクが描かれているもののエジプト系要素は薄く、異教・背教の要素が強い。箱裏の「死」(に似た文字)も意味はよくわからないが象徴的で面白い。
Lo Scarabeo 2011 伊Hirot
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TAROCCO SOPRAFINO
1835年にミラノで出版されたデックの複製品。2000部限定シリアルナンバー付き。 マルセイユ版に連なるものだが、19世紀らしい美麗で落ち着いた色遣いに魅かれる。カードサイズは小さめで角も丸められておらず、当時に想いを馳せるには最適な品。黄ばみや染みまで復元してくれていて非常に楽しい。ただ毎度のことだが、こういうのは骨董品のレプリカであって「復刻版」とは呼ばないのではなかろうか。
IL Meneghello 1992 伊Hirot
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CARTOMANZIA 184
オリジナルは1912年にイタリアで発行された「Il Destino Svelato Dal Tarocco」。イラストは Bruno Sigon 氏。その後1975年に「CARTOMANZIA 184」として再発行され、さらに1981年にU.S.Gamesから英語版の「CagliostroTarot」が出版された……らしいのだけど細かい改版や変遷が色々と謎。 ジャンルとしては所謂エジプシャンタロットになるんだろうが、1912年といえばRWS出版のわずか3年後。現在のように様々なモチーフをタロット化する時代でもないので、18世期に Antoine Court de Gébelin 氏が唱えたタロットのエジプト起源説に沿ったデックと考えるべきか。エジプト系タロットといえば19世期にフランスを席巻したエッティラタロットの影響もあるのかもだけどイタリアでどうだったのかとかは勉強不足。ただエッティラ版と違い構成は普通のマルセイユ系っぽい。
MODIANO 1975 伊Hirot
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Shining Angels Tarot
我々を取り巻く天使の加護、と天使の輪をイメージしたという円形タロット。イラストは Federico Penco 氏。 水彩調の優しげな絵柄で、フレームの青空もあいまってソフトな印象。様々な天使が登場するが割と人間味のある笑顔だったりして、眺めていると楽しくなるデック。[JUSTICE]の Michael(ミカエル)・[THE DEVIL]の Lucifero(ルシファー/ルシフェル)など、天使の分担もなるほどという感じで面白い。 ただし、魔術界での天使は聖書などとはちょっと違う役割が与えられてたりもする。[DEATH]の Cassiel(カシエル/カフジエル)はなんでだろう(土星の天使だからセーラーサターン的な?←ない)とか思ってたら、どうやらこの方、魔術界では「王の死を司る」なんて仕事もしてるそうで。 後は……[THE TOWER]に登場する赤い豹ことChamael(カマエル/チャミュエル)さんが、イメージ通りにガチで怖い。ほぼ怪獣だよ、これ。
Lo Scarabeo 2009 伊Hirot
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CIRCLE of LIFE TAROT
生命の循環性を示す円形タロット。イラストはニューヨークのアーティスト・Maria Distefano 氏。小アルカナは4大元素に対応しそれぞれに住まう精霊や妖精を描く。 いつでも買えると思っていたらいつの間にか改版していたので、慌てて旧版をeBayで購入する破目に。DELUXE EDITION が新品未開封で入手できたのはラッキーだった(DELUXEと云っても、サテンのポーチが付いてるだけなんだが)。開封したら通常版のケースがそのまま入っていたのが少し面白かった。 ※新版は、カードの縁取りが紺というか紫というか濃い色に変わっていて、だいぶイメージが異なる。旧版の6ヶ国語表記もなくなってすっきりしたとも云えるが、ごくわずかにイラストが欠ける部分があったのが旧版を求めた最大の理由。新版の裏面はカラフルで美しいので、なにかのついでがあればそちらも買うかも。
Lo Scarabeo 2007 伊Hirot
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IL TAROCCO MITOLOGICO
イタリアのタロットアーティスト・Amerigo Folchi 氏によるギリシア・ローマ神話モチーフのデック。3000部限定。 背景のコラージュがイラストを鮮やかにしているが、人物は同氏にしては淡い色彩で描いている。題材が題材なのでカラフルな着衣にもできないんだろうけど。が、おかげで血の赤さが際立つ。「神話ってこういうもんだろ?」とばかりに、大半のカードが流血沙汰。当然小アルカナの剣なんて常に血に染まってるし。 #Amerigo_Folchi
ITALCARDS 1988 伊Hirot
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Tarocco storico del PALIO DI PISTOIA
Pistoiaはイタリア・トスカーナ州の北部にある都市で、Palioはトスカーナ州の伝統祭事。これは Amerigo Folchi 氏がその辺りの歴史を描いたデック。2000部限定。 同氏らしい繊細な描き込みと大胆な色使いが、マットな仕上げでちょっと中和され非常に美しいカードに仕上がっている。数札は少々退屈だが、各スートが市内の4地区に対応しているそうで、その辺を理解できていれば違うのかも。 なお写真8枚目のようなカードもあるので念のためにこのフロアで展示。 #Amerigo_Folchi
SOLLEONE 1985 伊Hirot
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TAROCCO DELLA FELICITÀ
数多くのアートタロットをリリースしているイタリアの画家・Amerigo Folchi 氏の、どうやら最初の作品らしい。 「1984年に1500部の限定で発行された」「U.S.Games社版も存在する」という情報もあるが、どうにもデック自体の情報が少なくてよくわからない。(添付の解説書もイタリア語なので殆ど読めない) カラフルを通り越してドギツいとも思えるFolchi氏らしいイラストだが、同氏にしてはあまりエロくないしグロくない。大アルカナはRWS的なのにpipは数札。とはいえしっかりと書き込まれており(同じ背景に見えてもちゃんと全部違うし)、割と楽しいデック。 タイトルカードも入っているが、どうやらパッケージにも同じものが「貼り付けられて」いるというのがちょっと面白かった。 #Amerigo_Folchi
SOLLEONE 1985 伊Hirot