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TAROT DE MAESEILLE: JEAN DODAL
1701年の税制改悪のせいでリヨンで新しく掘られた版木による「ドダル版」の、JEAN-CLAUDE FLORNOY 氏による復刻。現存するオリジナルはフランスの国立図書館にもイギリスの大英博物館にも所蔵されている。タイプ Iマルセイユに分類されるグループの代表作の1つ。 たいへんに美しい復刻で紙質なども申し分ないのだけれど、どうもドダル版の人物は表情に親近感が持てなくて苦手。 #Jean-Claude_Flornoy
Le Tarot 2009 仏Hirot
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LE TAROT MADDONNI
アルゼンチンの現代芸術家 Sylvia Maddonni 氏によるマルセイユ系タロット。 白い背景にパステルカラー調の色合いで一見フェミニンな印象を与える。国内販売最大手のニチユーも自社サイトや楽天/Amazon等で「白地に、細かな模様とふんわりとしたデザインが可愛らしいタロットカード」などと紹介しているが、とんでもない。騙されてはいけない。 この白さは明るさではなく冷たさの白。たっぷりの毒を塗ってきらきらと輝く短剣で心臓を抉ってくるようなデック。可愛い系のタロットなら、[太陽]の舞台を砂漠にしたりしない。 ただそれだけにイマジネーションの広がりは物凄く、これで恋愛占いでもすれば魔女感倍増。
France Cartes 1981 仏Hirot
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TAROT DRUUNA
割と真面目にR18。Druunaは Paolo Eleuteri Serpieri 氏が1985年からMétalhurlant誌やHeavy Metal誌に掲載したエロティックファンタジーコミックのキャラクターで、これはそのイラストを使ったフレンチタロット(ゲーム用カードセット)。同じメーカーから同モチーフのトランプセットも出ていた筈。 比較的「見せやすい」カードを写真4枚目にあげておくが、全体的には日本語で云うと「何の遠慮もボカしも無くエロ漫画のカットを使ったトランプ」であり、人によっては嫌悪感を抱くだろう。(そういう人は6枚目の写真を見ないように。これでもおとなしいカードを選んでいるが) ※en.wikipedia.orgの"Druuna"の項には「In most cases, Druuna's role is that of a willing sexual object, submitting to sexual advances of all kinds with little or no complaint, other than the occasional sad pout, though she has been raped on more than one occasion in the series. Serpieri claims that the character's approach to sexual pleasures is a challenge to Judeo-Christian mores on sexuality.」との解説あり。
France Cartes 1998 仏Hirot
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TAROT DE JACQUES VIEVILLE
JACQUES VIEVILLE 版は1643〜1664年頃にパリで作成されたもので、貴重なことにフルセットがフランス国立図書館に所蔵されている。 このデックの最大の特徴はなんといっても「[吊るされた男]が吊るされていない」点にあるが、それ以外にも[悪魔][塔][星][月]の絵柄が特徴的だったり、[正義][戦車][力][隠者]の番号が通常のマルセイユ系と合っていなかったりなど、いろいろと興味深いセットではある。 描線の荒さや色の載せ方の豪快さなども含めて単につくりがいい加減なんじゃないの?という気もするが、他のマルセイユ系とは一線を画すこの荒々しさが結構好きだったりもする。
SIVILIXI 2015 仏Hirot
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jean noblet tarot
現存最古のマルセイユタロットと云われる「ノブレ版」の復刻。オリジナルはフランスの国立図書館に所蔵。 小さめなサイズが特徴的。あまりツルツルしてないところとか角を丸く落としてないところとか少し厚めなところとか、手触り的には復刻感があって好きだが、色がきっちり乗っていることに少々違和感がある。発色については褪せてしまっているオリジナルに合わせず「本来の色」を再現したとのことだが、そこで「オリジナルが目指した姿」にまで進んでしまっているために、つまり復刻らしい「色ズレ」がなくなっているのが個人的には不満ということ。 #Jean-Claude_Flornoy
Le Tarot 2007 仏Hirot
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TAROT DE MAESEILLE (HÉRON)
王室御用達のカードメイカー・ Nicolas Conver が1761年に出版したデック(いわゆる「ニコラ・コンヴェル版」)の復刻。どういうわけだか、発行年の情報がどこにも見当たらない。フランスのサイトを漁ってもさっぱりわからない。[Aeclectic Tarot]のフォーラムで、どうやら1975年らしいという話を発見したくらい。 ただ、初期は解説書が英語と仏語の2冊付いていたそうなので、英仏が1冊にまとまっている手元のセットは少なくともパッケージ変更後のものと推測される。
HÉRON 1975〜? 仏Hirot