DVD「危険な道」

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 本展示アイテム収録作の存在を最初に知ったのは、今や伝説の名店となってしまったサントラ盤専門店「すみや」でのレコードの陳列でそのジャケットを見た時でした。オットー・プレミンジャー監督は本作の前後の作品、例えば『黄金の腕』『聖女ジャンヌ・ダーク』『悲しみよこんにちは』『或る殺人』『栄光への脱出』『野望の系列』『枢機卿』『バニー・レークは行方不明』『ローズバッド』『ヒューマン・ファクター』のタイトル・デザインや宣伝ポスターに新進気鋭のデザイナーだったソウル・バスを起用したのですが、『危険な道』のサントラ盤レコードのジャケットにもその個性的なデザインが採用されており、その絵面とともに映画のタイトルを覚えた、というわけです。ただ、その時期はまだ高校生で、おいそれとレコード、それもLPを買う金銭的余裕などあるはずもなく、何とか中古盤で入手できたのはそれから10年以上後のことでした。そして、それから程なくして、サントラ盤CDも入手したのですが、その辺の経緯は、それらのレコード及びCDを展示する段で申し上げるとして、つまりは映画本編を見るずっと以前にその音楽を散々予習することはできました。
 ということで、映画本編ですが、本展示アイテムを入手するまでは全く見る機会はありませんでした。というか、それ以前に雑誌や書籍など活字媒体での映画『危険な道』に関する記事などを見る機会はほとんどなく、また明らかに世間的な知名度も高くはありませんでした。オットー・プレミンジャー監督、ソウル・バスのデザイン、音楽はジェリー・ゴールドスミス、そして出演がジョン・ウェイン、カーク・ダグラス、ヘンリー・フォンダ、パトリシア・ニール、バージェス・メレディスなどのビッグネームの揃った、いわゆる太平洋戦争を舞台とした大作映画、ついでに168分の長尺なのですから、もう少し有名でもいいはずなのですが。
 ですが、観て納得しました。端的に言って、面白くない。いろいろとツッコミどころが満載なのですが、最終的に煎じ詰めれば、プレミンジャー監督の演出が冗長だったことに尽きるでしょうね。救いは、ジェリー・ゴールドスミスの音楽で、この凡作がこれ以上酷くならないように支えていたように感じました。ちなみに、ゴールドスミス本人が冒頭のパーティーシーンで、ピアノ演奏家として出演しているそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=jiA6YA1rYog
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