DVD「硫黄島の砂」

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 冒頭から余談になりますが、原題は「Sands of Iwo Jima」、つまり「硫黄島」の呼称が「いおうとう」ではなく「いおうじま」になっているわけです。もちろん、米軍側はこの孤島を戦時中から「Iwo Jima」と呼び、2007年に日本ではその呼称が「いおうとう」に統一されて以後も、米側の一部では相変わらず「Iwo Jima」と呼ばれていることを承知した上でも、この呼び方は正直不愉快です。というのも、いわゆる「硫黄島の戦い」のあった1945年2~3月の時点では紛れもなく日本の領土であり、その時点での日本での一般的な呼称は「いおうじま」ではなく「いおうとう」だったからです。ですので、2006年製作の『硫黄島からの手紙』が「いおうじまからのてがみ」と呼ばれるのも、同様にいい気分ではないですね。もっとも、本展示アイテム収録作や『硫黄島からの手紙』が製作された、1949年と2006年の段階では日本でも「いおうじま」と呼んでいたわけですから、仕方がないのかな。
 さて、あらすじですが、
「1943年、ニュージーランドのパエカカリキ基地で戦争訓練を指導している米海兵隊のジョン・ストライカー軍曹(ジョン・ウェイン)は、その過酷さの故に鬼分隊長として部下の反感を買っていた。やがて、ストライカーの隊も前線への移動が決まり、タラワの戦い、次いで硫黄島作戦に参加することとなる。ついで分隊は硫黄島作戦に参加、摺鉢山山頂への偵察を行った時、一息ついたストライカーは日本兵に狙撃されてしまい、仲間が駆け寄ったときには既に息が無かった。彼のポケットに残されていたのは、故国のいとし子に送るやさしい手紙であった。悲しみに暮れる仲間たちの後ろでは今まさに星条旗が掲げられようとしていた。」
というものですが、よく言えば普遍的な戦争・人間ドラマという作品ですかね。すなわち、必ずしもそのドラマの舞台が大東亜戦争、さらには硫黄島の戦いではなくとも成立する話で、殊更に「硫黄島」ということを押し出す必然性のない筋立ての作品と言えます。まあ、1949年の段階では「Iwo Jima」というのは米側にとってはホットワードの一つだったでしょうから、作品の興行面での成功に寄与する要素であった、ということだったのでしょう。
 と、なんとなく本作に関してやや否定的な記述をしてきましたが、ジョン・ウェインの演技についてはそこそこ好感が持てますし、「硫黄島」の要素を切り離して単なる戦争・人間ドラマの作品と捉えれば、それなりに楽しめる作品ではありました。
https://www.youtube.com/watch?v=pSAhMDp0zw4
#DVD #硫黄島の砂 #アラン・ドワン #ヴィクター・ヤング #ジョン・ウェイン #アーサー・フランツ #アデル・マーラ #フォレスト・タッカー #ジョン・エイガー 

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    オマハルゲ

    2020/06/04 - 編集済み

    有名な「硫黄島の星条旗」の写真はカメラマンによる「ヤラセ」だったみたいなのを何かで読みましたが、誤解だったようですね。ただその前に別の部隊が星条旗を掲げており、2度目だったそう。それでもインパクトのある写真です。
    本作以降デュークが劇中で死んでしまう作品が「アラモ」、「11人のカウボーイ」、遺作の「ラスト・シューティスト」と、数年おきに節目節目で作られてるのが面白いと思います。

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      woodstein

      2020/06/06

       omaharuge102さん、コメント有難うございます。「硫黄島の戦い」のことは、もちろんそのような歴史的事実があったことは知っていたものの、その具体的な内容をある程度知ったのは、御多分に漏れず、例のクリント・イーストウッドによる2部作がきっかけでした。その程度の知識でしたので、今回omaharuge102さんが掲げてくれたエピソードは初耳で、少し驚きと義憤に駆られました。
       ジョン・ウェインが出演作においてどのような結末を迎えるかについては、逆に意外と少なかったな、という印象です。「アラモの戦い」は実質的にはほぼ全滅でしたので致し方ないにしても、他には本作と『11人のカウボーイ』『ラスト・シューティスト』くらいですか。それだけ、彼はスクリーン内ではタフ・ガイで在り続けた、ということなのでしょう。

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    woodstein

    2020/06/17

     ヴィクター・ヤングによるメインタイトルと海兵隊マーチ。
    https://www.youtube.com/watch?v=NcGf3WX9ta0

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    リリアソー

    2023/08/07 - 編集済み

    『いおうじま』『いおうとう』…🏝️

    実はこの記事で初めて『いおうとう』の名称を知りました
    「硫黄島からの手紙」の影響もあって、本来の名称が社会全体に普及するには、まだ少し時間がかかるかも知れませんね🤔

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      woodstein

      2023/08/13

       リリアソーさん、コメント有難うございます。「いおうじま(硫黄島)」というのは、鹿児島県にあります。種子島や屋久島の西方沖に位置しています。漢字で表記すると全く同じなのでややこしいですが、それと区別するためにも、「いおうとう」という呼び名を知らしめたいですね。

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  • 硫黄島での激戦はその後の対日戦略を見直させるほど米軍側にも犠牲が出ましたから特別な戦いなのでしょう。
    実際硫黄島から戦闘機が出せるようになるまではB-29は護衛無しで爆撃しており、教科書では教えてませんが実は迎撃機と高射砲で1/4近くを失い2000人以上の死者が出てました。
    米軍も日本の特攻隊なみの犠牲を出してたわけで、もう本当に戦争が嫌になります。

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  • Bzfddjq

    うえだかずや

    2023/08/17

    この映画は勝利なき闘いですねー✨米海兵隊は二万人の死傷者出して占領して日本全国津々浦々絨毯爆撃しましたね,日本のゼロ戦闘機もかなりB-29を200機以上撃墜してるみたいですねー✨

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