四十二番街

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 まだ私が映画を本格的に見始めてからしばらくしか経っていない頃、『ウエストサイド物語』について映画鑑賞の先輩と語り合っていた際に、「映画冒頭でジェット団が集団で空に向かって掌を開きながら両手を突き上げる瞬間を真上から撮影したショットがあっただろう、あれを「バークレー・ショット」というのだ」という旨を言われました。その時はその種の知識がなかったのでその話を鵜呑みにし、その数年後別の映画鑑賞の先輩と『ウエストサイド物語』について語ることになったときにこの話をしたら、「それは少し違うのではないか。『四十二番街』という映画に本物の「バークレー・ショット」が登場するので、機会があれば観てみるといい」という旨の教えを頂きました。ただ、そう言われてもまだレンタルビデオもそれほど普及しておらず、もしかしたらNHK-BSやWOWOWなどの衛星放送で放映されたのかもしれませんが、それも見逃し、結局初見は、本展示アイテムを入手した際、ということになり、この映画のクライマックスである「バークレー・ショット」を確認することができました。
 「バークレー・ショット」の「バークレー」とはハリウッド・ミュージカルに革命を巻き起こした伝説的な演出家兼振付師バスビー・バークレーのことで、大人数のダンサーを幾何学模様に配置して真上から見下ろし万華鏡的な映像を作る「バークレー・ショット」を生み出し、それは舞台の観客席からは見られない、映画ミュージカルならではの魅力となりました。
 一応、本展示アイテム収録作はストーリーがあります。ミュージカル「プリティレディー」の5週間の舞台稽古に参加することになったダンサー、演出家、出資者たちが織り成す群像劇を、華麗な振り付けと共に描いた作品で、スポンサーの成金オヤジがお目当ての主演女優に袖にされ、その女優が足首を骨折、苦肉の策で代役になった若手女優の見事なパフォーマンスが200人を超す出演者の窮地を救うというのが大筋なのですが、このドラマ部は正直言って付け足しのようなもので、この作品の見せ場というか本質は、バスビー・バークレー振付・演出のレヴューにおける群舞の場面に尽きるといえます。そして、その中に本紹介分の冒頭で言及した「バークレー・ショット」が登場しますが、そのワンショット画像を3番目に添付しておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=f2OaJv0NBB8
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