明日に向って撃て!―特別編―

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 本アイテム収録作については、他の作品にも増して語りたいことが山ほどありますが、何よりもこの作品のことを本当に好きなので、その思い入れについても申し上げたい。ただ、その思いのありったけをこの場で吐露するのは、それこそ場違いでしょうから、これは「Museum Library モノ日記」で、この作品との出会い、という個人的な話を認めていき、この場では本アイテム収録の、映画本編以外のことについて述べることとします。
 収録されている特典映像は、
1.40分以上のメイキング
2.ジョージ・ロイ・ヒル監督とコンラッド・ホール撮影監督などの音声解説
3.レッドフォード、ポール・ニューマン、キャサリン・ロス、ウィリアム・ゴールドマン、バート・バカラックなどのインタビュー集
4.プロダクション・ノート
5.もうひとつのエンド・クレジット
6.オリジナル予告編集
 本作品のファンとしてはどれも興味深いものでしたが、個人的に嬉しかったのはウィリアム・ゴールドマンとバート・バカラックの姿を映像で見られたことでした。あと、インタビュー自体が製作から25年以上経過してのものでしたから、記憶違いも個々人間のインタビュー内容に散見されたのですが、その差異の部分をピックアップして提示するパートがあったのは面白かったですね。
 そして吹替ですが、Wikipediaによると全部で4種類存在するそうで、
1.LD版
 ポール・ニューマン:羽佐間道夫
 ロバート・レッドフォード:広川太一郎
2.フジテレビ版(1977年ゴールデン洋画劇場)
 ポール・ニューマン:近藤洋介
 ロバート・レッドフォード:久富惟晴
3.オンデマンド版
 ポール・ニューマン:石川禅
 ロバート・レッドフォード:東地宏樹
4.機内上映版
 ポール・ニューマン:川合伸旺
 ロバート・レッドフォード:野沢那智
 (機内版の日本語吹替が最も初めに制作された。フジテレビ版でも引き続き川合伸旺がポール・ニューマンを担当する予定だったが、局の担当者に今の川合の年齢では若い頃のニューマンは出来ないと判断され降板となった。)
 本展示アイテムに収録の吹替は「2.フジテレビ版」で、地上波での放映の際は放送局を問わずこの版が用いられています。「3.オンデマンド版」は論外として、ぜひ何らかの形で再び世に出してほしいのが「1.LD版」ですね。私は部分的にしか観た(というか聴いた)ことがないのであまり断定的なことは言えませんが、広川氏の吹替はやはり良かったですね。「4.機内上映版」は聴くすべもないので何とも言えませんが、キャスティングした側としてはフィックスに担当させた、という意図は窺えます。個人的には「ニューマン:川合伸旺、レッドフォード:広川太一郎」がベストだと思っているので、この組み合わせで実現してほしかったですね。
 あと触れておきたいのが、機内上映版の括弧書きの中身について。川合氏が年齢を理由に担当から降ろされた件ですが、川合氏は1932年生まれなので吹替収録時は44~45歳、他方本作は1969年作品なので撮影は67~68年でしょうから、ニューマンは1926年生まれですので撮影時は41~42歳くらいということになります。つまり、3年くらいしか違いがないのに、フジテレビ版吹替収録当時の年齢を理由に川合氏を起用しなかったのは、正直言って理不尽ですね。まあ、近藤洋介氏の吹替が悪いとは言いませんが、やはりウィリアム・ホールデンがしゃべっているようにも聞こえますし、さらにいうと久富惟晴氏によるレッドフォードの吹替も何か冴えない感じで、この名作を貶めているような気がしてなりません。もちろん、自分勝手な私見ですが…。
https://www.youtube.com/watch?v=vqwFSiq8E-U
#DVD #ロバート・レッドフォード #明日に向って撃て! #ジョージ・ロイ・ヒル #コンラッド・ホール #ウィリアム・ゴールドマン #バート・バカラック #ポール・ニューマン #キャサリン・ロス #近藤洋介 #久富惟晴 #二宮さよ子 #吹替 

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    woodstein

    2020/05/12

     レッドフォードのインタビュー、字幕付きです。
    https://www.youtube.com/watch?v=C2N_n8GjSng

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    sat-2019

    2020/05/15

    LD版でポール・ニューマンの吹き替えを担当している羽佐間道夫さんは、シルベスター・スタローンのイメージもありますね。
    高校時代、ビデオに録って繰り返し観ていた「ロッキー」のイメージが、私にとって、特に強く感じています。

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      woodstein

      2020/05/15

       sat-2019さん、コメント有難うございます。他フロアに展示した、とりみき氏の『吹替映画大辞典』にも記載してあるとおり、羽佐間道夫氏の芸風は、「2枚目から3枚目、ナイス・ミドルから粗野な肉体派まで、それこそなんでもござれ」で、ご案内の『ロッキー』の吹替も印象的でした。スタローンの吹替というと、ささきいさお氏がフィックスというのが一般認識となっているようですが、こと「ロッキー・シリーズ」ということになると、やはり羽佐間氏、ということになりますね。かなり前になりますが、羽佐間氏がとあるラジオ番組にゲスト出演された際も「エイドリア~ン!」と叫んでおられました。

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      sat-2019

      2020/05/15

      woodsteinさん、ご返事ありがとうございます。
      羽佐間さんが、ラジオ番組で「エイドリア〜ン!」と叫ばれていたところ、久しぶりにぜひ聴いてみたかったです🙇🏻‍♂️

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