原智恵子 伝説のピアニスト 石川康子著

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 時系列でいうと、本書のあとがきには「2001年の晩秋に」とあり、同年12月1日初版第一刷発行、そして原智恵子御本人の亡くなられたのが同年同月9日ですので、御本人は本書は手にされることができたのかな。そうであって欲しい、と思えるほどの力作です。原智恵子がどんな人生を送ったかは一言では語れないのでここでは詳らかにはしませんが、時代も考えると波乱万丈の人生と言えるでしょうね。個人的には、夫君のカサドのことはもちろん、カザルスや吉田貴壽といったチェリストとの交流エピソードなどは興味深かったですが、それよりもなによりも原智恵子自身がいかに優秀でしかも気骨のあるピアニストであったかが十分に伝えられているのが本書の魅力で、あまり精読の習慣のない私も何回か読み返しました。原智恵子自身の演奏はそれほど録音が残されていないようで、私は2組のCDしか聴けていません。特にカサドと共演したものは全く聴けていないのであまり断定的なことは言えませんが、とにかく凄腕だ、というのが率直な感想でした。
#クラシック音楽 #原智恵子

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    qqtys

    2020/01/04

    夫カサドとの録音は日本コロムビアから『デュオ・カサド~愛のことば』として発売されていますね。
    1963年ソ連での録音ですがモノラルであり、西側との技術格差を少し感じる部分です。
    モノラルですが音質は素晴らしく、二人の演奏している姿が浮かんでくるようです。

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      woodstein

      2020/01/05

       qqtysさん、コメント、そしてディスク情報を有難うございます。早速、商品についてネット検索したところ、ご紹介の盤の収録曲目がamazon musicで聴けることが分かり、昨晩と今朝にそれらの曲を聴きました。まず、録音状態ですがおそらく今回のCD化に際して何らかの加工はしているのでしょうが、それでもご指摘のとおり音質は素晴らしく、特にカサドのチェロの響きは生々しかったです。あと演奏そのものですが、恥ずかしながら私自身これまでガスパール・カサドの演奏を聴いたことは殆どなく、オーケストラの伴奏のないものは初めて聴いたのですが、これもご指摘のとおり原智恵子とのアンサンブルが絶妙で、その裏にカサドによる厳しいアドバイスが存在していたのを窺わせるものでした。

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