映画ひとすじに 川喜多かしこ著

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 1973年11月4日発行。構成としては、川喜多氏の様々な雑誌等への寄稿を集め、それを一冊の本にまとめた、というもので、帯にもあるとおり「随筆集」の風情となっています。良質な洋画を日本の観客に提供し続けた、ということに代表される彼女の業績については今更何も言うことはありませんし、そのことを背景としての本書の内容にはとても重みがあり、今回改めて本書を読み直してみても興味深いことには変わりはありません。大半は体験談とそれに基づく映画の話で、それはそのまま日本への洋画配給史となるわけですが、それはともかく、要は「彼女は永遠の映画少女であった」ということに帰着することを認識できる著書でした。
#川喜多かしこ 

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