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「MR. FANTASY」 Traffic
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「Back In The High Life」 Steve Winwood
スティーヴ・ウィンウッドが1986年に発表した、ソロ名義では4作目のスタジオ・アルバム。 “本気出した、売れ線ポップなアルバム。 これまでの多重録音から一転し、共同プロデュースにラス・タイトルマンを立て、バックにはスタジオ・ミュージシャンをずらり。 弦のアレンジはアリフ・マーディンを起用した。さらにチャカ・カーンやジェイムズ・テイラーをコーラスに招き、話題性も忘れない。” しかし、このアルバムを聴いた昔からのファンは戸惑いとある種のショックを隠せなかった。 かつてスティーヴは、コマーシャルな音楽を嫌い、人気を否定する男といわれて、スペンサー・デイヴィスのもとを去った。 そのスティーヴが「Higher Love」でチャカ・カーンと歌って踊るとは…。実際見たくなかった。(これは次作の「Roll With It」で全くのとりこし苦労であった…。) 全英アルバムチャートでは8位に達して自身2度目のトップ10入りを果たし、42週チャート圏内に入るロング・ヒットとなった。 アメリカでは1986年9月6日付のBillboard 200で3位を記録し、1986年9月にはRIAAによりゴールドディスクに認定されて、1988年1月には3×プラチナに認定されている。 本作からは1.「Higher Love」(全英13位・全米1位)、3.「Freedom Overspill」(全英69位・全米20位)、4.「Back in the High Life Again」(全英53位・全米13位)、 5.「The Finer Things」(全米8位)がシングル・ヒットした。 また、グラミー賞では、「Higher Love」が最優秀レコード賞と最優秀男性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞。 スティーヴは2011年のインタビューにおいて、本作について「僕自身は方向性に明らかな変化があったと思っていたけど、 実際のところは、僕がいつもやってきたようにジャズ、ロック、フォーク、民族音楽の要素を融合する試みを続けていた」と語っている。
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The Essential PAUL YOUNG
“The Essential”シリーズからのポールの、いまさら説明不要のベストアルバム。 素晴らしい選曲で、彼のキャリアを網羅した内容となっています。 殊に、映画「フライド・グリーン・トマト」(1991)で取り上げられた、08.「What Becomes of The Broken Hearted」の収録が嬉しい。 ジミー・ラフィンの名曲をカバーしたポールのヴァージョンも素晴らしい出来で、まさに“曲良し、アレンジ良し、演奏良し、歌良し”。 (全米ビルボード誌チャート最高位22位)
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『Straight Up』
イギリスのバンド、バッドフィンガーがバンド名を"アイヴィーズ"から変更して3作目にして、最高傑作と呼ばれるアルバム。 1971年1月よりジェフ・エメリックのプロデュースによりレコーディングを開始し、同年5月にはジョージ・ハリスンがプロジェクトに参加するが、最終的にエメリックは外され、トッド・ラングレンがプロデュースを引き継いだ。9.「Day After Day」ではジョージ・ハリスンがスライドギター、レオン・ラッセルがピアノを演奏しており、また、ジョーイ・モーランドによればハリスンは5.「I'd Die Babe」でもギターを弾いているという。ビートルズ譲りのメロディから、現在にまで繋がる胸キュン系パワー・ポップ・ナンバーが堪能できる。 本作は全英アルバムチャート入りを果たせなかったが、アメリカではBillboard 200で31位に達し、シングルカットされた、「Day After Day」はBillboard Hot 100で4位、「Baby Blue」も14位にチャート・イン。
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『TRAFFIC』
このアルバムは、制作に先立って、スティーヴ・ウィンウッド、ジム・キャパルディ、クリス・ウッドの3人はデイヴ・メイソンを説得し、再び4人でのレコーディングを実現させ、再び彼が脱退するまでのわずか9カ月のあいだに完成している。デイヴがトラフィックと再会したのは、ちょうど渡米していた1968年4~5月頃と思われ、互いにそれぞれ5曲前後の持ち歌があった。トラフィックに復帰したデイヴは、主にニューヨークのレコード・プラント・スタジオで録音することになった。デイヴとその他のメンバーとの音楽的な相違が如実に現れている点も、このアルバムの特徴といえる。スティーヴ、ジム、クリスの3人のペンによる曲と、まったく趣向の異なるデイヴの曲が交互に並ぶ本作を聴くと、それを明確に感じることができる。スティーヴが関わった曲は、R&Bをベースにした曲調にソウルフルなヴォーカルが絡むどちらかというと渋めの方向性、一方デイヴのほうはスワンプやフォーク寄りの曲調に、持ち前のキャッチーなメロディが際立っている。そんな両者が生み出したタイプの異なる作品が、絶妙なバランスをもって1枚のアルバムに共存し得たことが、成功の要因であったといえる。(全米17位、全英9位) ポップセンスに溢れるデイヴの曲「You Can All Join In」で幕を開ける。アコースティックギターをデイヴが弾き、リードギターとベースはスティーヴが担当、ジムのドラムズにクリスのテナーサックスも活躍する。雰囲気はガラリと変わってウィンウッド=キャパルディ作の「Pearly Queen」が続く。幻想的で黒っぽい雰囲気のメロディにシュールな歌詞も素晴らしく、トラフィック・ソングのなかでも突出した完成度を誇る名曲。4月にレコード・プラントにて録音されており、スティーヴはオルガン、ギター、ベースとマルチに演奏。エンディングのハーモニカはデイヴ。「Don’t Be Sad」はデイヴの作品で、泣き節のヴォーカルが曲調にふさわしい。デイヴはギターとハーモニカをプレイ、スティーヴはオルガンとソロで歌うパートもあり、デイヴのヴォーカルとのコントラストが面白い。スティーヴの黒っぽいハイトーンヴォーカルが冴える「Who Knows What Tomorrow May Bring」は、ジムのドラムズとパーカッションにスティーヴのオルガンがリード。クリスとデイヴは録音に携わっておらず、シンプルな曲構成に抜群のセンスを感じさせる。シングルヒットしたA面ラストの「Feelin’ Alright?」は、トラフィックのキャッチーな面を代表するデイヴ作フォーク・ポップの名曲。リードヴォーカルとアコースティックギターはデイヴ、ピアノとコーラスをスティーヴがバックアップする。 「Vagabond Virgin」はデイヴとジムの共作曲でリードヴォーカルもこの二人が歌う。リードとアコースティックギターはデイヴ、ピアノはスティーヴ、クリスはフルートを吹いている。「Forty Thousand Headmen」はデイヴが脱退していた1月にロンドンのオリンピック・スタジオで録音した曲で、ファーストアルバムの雰囲気と後期トラフィックのスタイルを合わせ持つような作品。クリスのフルートが幻想的な雰囲気を創りだし、スティーヴの物憂げなヴォーカルと解け合う。スレイベルとコーク缶の効果音もクリスによる。「Cryin’ To Be Heard」はドラマティックに盛り上がるデイヴの力作で、多彩な表情を見せるヴォーカルが素晴らしい。またスティーヴによる絶妙なバックヴォーカル、ハープシコード、オルガン、クリスのサックスなどが効果的な彩りを加えていく。儚いメロディのクラシカルな「No Time To Live」は、静寂に包まれた夜に奏でられる悲歌のような曲で、むせび泣くサックスと哀愁を帯びたスティーヴのヴォーカルとピアノが美しい。デイヴはオルガンで参加、オリンピック・スタジオで5月に録音された。最後の「Means To An End」はノリの良いカントリー風のナンバーで、ジムのドラムズとパーカッション以外の楽器とヴォーカルはスティーヴによる。ブラインド・フェイスのステージ・レパートリーにも加えられた。プロデューサーは前作『Mr. Fantasy』と同じジミー・ミラー。エンジニアはエディ・クレイマーに加え、グリン・ジョンズ、ブライアン・ハンフリーズ、テリー・ブラウンの名がクレジットされている。アルバムのデザインコンセプトはジム・キャパルディが担当している。
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John Barleycorn Must Die Traffic
1970年7月にリリースされた、スティーヴ・ウィンウッド、ジム・キャパルディ、クリス・ウッドの3名によるトラフィック復活第一弾アルバム。 彼らの代表作といわれる出来ばえで、多種多様な音楽要素の融合を試みるという、結成当初からの基本理念は揺らぐことなく、牧歌的でナチュラルな雰囲気と格調高さを保ちながら、フォーク、ジャズ、スワンプのエッセンスを濃厚に振りまいた独特のサウンドを展開している。トラフィックの作品群のなかでは最も統一感があり、英国的な香りに満ちた傑作。 タイトルにもなった「John Barleycorn」は、英国のトラディッショナル・ソングをアレンジしたフォーク・ロックで、クリスがメンバーに紹介した。この伝承歌には100以上ものヴァージョンが存在するといわれており、最も古いものだと17世紀のジェイムズ一世の時代にまでさかのぼるという。トラフィックは英国のフォークグループ、ザ・ウォータースンズが歌ったヴァージョンをベースにアレンジしている。ジョン・バーリーコーンとは酒の原料となる大麦の粒を擬人化した言葉で、これを大地に蒔き、刈り取り、そして酒となるまでの物語がここで歌われている。歌詞には前述の通りいくつもの解釈があるが、豊作の祈願のための生け贄にまつわる風習、あるいはキリストの復活にまつわる古代伝承と関連があるという。ドラムレスでスティーヴのアコースティックギターとピアノ、クリスのフルートをバックに、スティーヴとジムのデュオで歌われるこの曲は、アルバム全体の白眉であると同時にトラフィックを代表するナンバーでもある。 ジャケットに使われた古風なイラストは英国フォーク&ダンス・ソサエティ所蔵のもので、デザインはフリーなどを手掛けているマイク・シダ。(全英チャート5位、全米チャート11位)
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SURF & SNOW VOLUME・ONE
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『LAST EXIT』
セカンドアルバム「Traffic」発表後にデイヴ・メイソンが脱退、メンバー3人(スティーヴ・ウインウッド、ジム・キャパルディ、クリス・ウッド)は数曲のレコーディングを試みたがアルバム完成までには至らず、1968年の暮れにはトラフィックは活動停止状態に。アイランド・レコードは、メンバーの制作意思を伴わずにサードアルバムを企画。収録曲のストックに乏しかったので、アルバムのAサイドがシングルと未発表曲によるスタジオ録音、Bサイドがフィルモア・ウェストでのライヴ録音という変則的な構成で、69年5月に本作をリリース。そのため前2作のような完成度は望めないが、スタジオ録音曲は各メンバーの多種多様な音楽性が示されたクオリティの高い内容で、ライヴの2曲はこの時期のトラフィックの貴重なステージの記録となっている。※旧邦題「フェアウェル・トラフィック」 (Billboard 200 最高位19位) スタジオサイド1曲目「Just For You」はクリスのフルートが入ったポップ・フォーク調の曲。1968年2月にデイヴの初ソロシングルとしてリリースされ、カップリングの「Little Woman」と共にファミリーのメンバーが録音に携わっていると思われる。 「Something's Got a Hold of My Toe」は、スティーヴ、デイヴ、プロデューサーのジミー・ミラー共作という珍しい組み合わせのインストナンバーで、ギターはデイヴが弾いていると思われる。このアルバムにしか収録されてなく、録音時期等の詳細は不明。これ以外の3曲はデイヴが脱退していた時期に録音されたもの。「Withering Tree」は元々映画「The Touchables」のサントラ用に書かれた曲で、68年9月リリースの5枚目のデイヴ作シングル「Feelin' Alright?」のB面に収められ、フルートとピアノが荒涼とした寂しげな雰囲気を演出した佳曲。ファンキーでノリのよい「Medicated Goo」はスティーヴとミラーの共作曲。録音はセカンドアルバム発表後の68年11月にオリンピック・スタジオで行われ、12月にシングルリリースされた。そのB面曲「Shanghai Noodle Factory」は東洋風の雰囲気を持つ風変わりな曲で、ジムの独創的な詩の世界が展開されている。作曲クレジットに名前のあるラリー・ファロンは、アイランド・レコードなどでプロデュースやアレンジをしていた人物。68年11月に珍しくモーガン・スタジオにて録音されている。 ライヴ音源の2曲はファーストアルバム「Mr.Fantasy」発表後に収録されたもの。トラフィックのアメリカにおけるデビューギグはフィルモア・ウェストだったので、時期的にこの音源は、68年3月のフィルモア・ライヴを記録したものと思われる。デイヴの最初の脱退時期なのでトリオによる演奏だ。「Feelin' Good」 は英国の名ソングライティング・コンビとして知られるブリカッス=ニューリーの作品で、64年発表のミュージカル「ドーランの叫び/群衆の匂い」の挿入歌として書かれた曲。「Blind Man」はボビー・ブランドの持ち歌で、トラフィックは68年2月にこの曲をBBCスタジオで録音しているが未発表。この2曲のライヴでは即興性を活かした長い演奏を展開しており、非常に聴き応えがある。スティーヴによるリードオルガンは曲の長さを感じさせないほどにスリリングで、クリスのブルージーでジャズっぽいサックスも、ライヴにおけるトラフィックのスタイルを特徴づけている。トリオによるライヴ・パフォーマンスは公式録音としてはこの2曲しか発表されていない。
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『CROSBY, STILLS & NASH』
クロスビー、スティルス&ナッシュが1969年5月に発表したデビュー・アルバム。演奏主体でブルース色の濃い曲の多かった当時のロック界に、アコースティック・サウンドと絶妙なコーラス・ワークで新風を送り込んだ。(Billboard 200 最高位6位) 1968年7月、ロサンゼルス郊外のローレル・キャニオンにあるジョニ・ミッチェルの家でパーティーが開かれた。スティーヴン・スティルスとデヴィッド・クロスビーはミッチェルの家で2パートのハーモニーの曲に取り組んでいた。二人はグラハム・ナッシュにその曲を聞かせる。ナッシュはもう一度歌ってくれないかと頼み、スティルスとクロスビーは再び歌った。そして3回目、ナッシュは即興で一番上のハーモニーを付ける。歌い終わったとき3人は自分たちの歌が何にもましてユニークで、特別な響きがあることを確信する。この曲がグループ結成のきっかけとなった4.「泣くことはないよ(You Don't Have to Cry)」であった。
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Mariya Takeuchi いのちの歌
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FOR YOU TATSURO YAMASHITA
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JAPANESE GIRL / Akiko Yano
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Good Times!
前作『JUSTUS』以来20年ぶり、ザ・モンキーズ結成50周年記念の新スタジオ・アルバム。 モンキーズをこよなく愛するリヴァース・クオモ(Weezer)、ベン・ギバード(Death Cab for Cutie)、アンディ・パートリッジ(XTC)、アダム・シュレシンジャー(Fountains Of Wayne)、ノエル・ギャラガー&ポール・ウェラー等が曲を提供して、アダムはプロデュースも担当している話題作。 1.“Good Times”はハリー・ニルソンによって書かれた楽曲で1968年にレコーディング・セッションを行うものの未完成に終わった楽曲で、今回はニルソンとミッキー・ドレンツによるヴァーチャル・デュエットで収められています。メンバーのピーター・トーク(9.“Little Girl”)とマイク・ネスミス(12.“I Know What I Know ”)もソングライティングにも参加していて、往年の楽曲提供者、ニール・ダイアモンド作の8.“Love to Love”(2012年に亡くなったデイヴィー・ジョーンズのヴォーカルがフィーチャーされている)やトミー・ボイス&ボビー・ハート作7.“Whatever's Right”なども収録。あと、2.“You Bring The Summer” 3.“She Makes Me Laugh”6.“Me & Magdalena”は秀逸でシングルカットされれば、ヒット間違いなしです。 尚、ジェリー・ゴフィン&キャロル・キング作の11.“Wasn't Born To Follow”には「The Wrecking Crew」と呼ばれた、ロサンゼルスのトップ・スタジオ・ミュージシャンのアル・ケーシー(g)、アール・パーマー(dr)が参加している。 ひとことで言うと、『GOOD TIMES!』は佳曲揃いの良いアルバムです。
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Beck-Ola (Cosa Nostra)
収録曲は前作『トゥルース』と変わってオリジナルが大半を占め、カヴァーはプレスリー・ナンバーの1.“All Shook Up” 4.“Jailhouse Rock” の2曲のみで、ロッド・スチュワートのボーカルは全編にわたって魂から振り絞るような名唱で、シャウトも筆舌に尽くし難い素晴らしさです。またジェフ・ベックもロッドのヴォーカルに負けじと各種エフェクターを駆使し、強烈に恰好良いギター・プレイを展開している。 ロン・ウッドのリードベースが強烈な2.“Spanish Boots”、ハードロックナンバー5.“Plynth (Water Down the Drain)”、「ベックス・ボレロ」と対をなすインスト7.“Rice Pudding”は秀逸。 本作を最後に、ロッドとロンは脱退しフェイセズに加入する。 ちなみに、ジャケットに使用された絵は超現実主義の巨匠ルネ・マグリットの「La Chambre d'écoute」という1952年の作品。
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私花集〈アンソロジイ〉
さだまさしの最高傑作と呼び声高い「私花集〈アンソロジイ〉」に収録の佳曲。『魔法使いの弟子』作詞/作曲 さだまさし 父親が子供を寝かしつけながら話をして聞かせる微笑ましいメルヘンの歌です ♪毎晩自分が、主役の夢ばかり せっせと届けた いつの間にか娘は 若者にしらずしらず恋をした それで魔法使いの仲人で めでたくかけおちしちゃった つまりその娘がママだよ だからパパは今でも箒くらい 飛ばすのは簡単さ それにしても、このストーリーのオチにはユーモアとウイットのセンスを感じます。 エンディングに男の子の笑い声と「お前、もう寝なさい」と言うさだのやさしい声が入っている。最高! さだは「自分の子供はこの話を信じるくらい馬鹿な子に育てたい」と当時ライナーノーツに書いていました。
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