【1988/11/11】奥の細道シリーズ第8集郵便切手

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奥の細道シリーズ第8集として昭和63年11月11日(金)に60円郵便切手(2種連刷)2組が発行されます。

「わせの香や分入右は有磯海」
芭蕉は坂田をたてから、残暑の酷しい北陸道を西南に歩き、やがて季節は秋に入った。越中(富山県)の国はもう早稲が実っていた。北陸道は新湊あたりから海岸を離れ、高岡を経て倶利伽羅峠にかかる。越中と加賀(石川県)との国境である。峠からは右手に越中の歌枕有磯海の海岸がよく見える。早稲田が実っている間を分け入るように歩みを進め、はるかに有磯海を望み見たときの心の弾みがこの句のどこかにあります。

「あかあかと日は難面も秋の風」
『おくの細道』には金沢のあとに「途中唫」と題してこの句が掲げてあります。長い夏の旅を歩き続けてきて、今赤々と照りつける残暑の日ざしは、秋などそ知らぬ顔だが、さすがに風はもう秋だけに秋風らしいさわやかさが感じられるという句意です。

画「わせの春」は。日本画家大野俶嵩氏が句から受けた印象を独自のイメージで描いたものです。。
画「赤映」は、日本画家中路融人氏が句から受けた印象を独自のイメージで描いたものです。同氏は日展の会員です。
書は、書家、上條信山氏と杉岡華邨氏の筆によるものです。上條信山氏は日展参事です。杉岡華邨氏は日展常任理事で、日本書芸院理事長、大阪教育大学名誉教授でもあります。

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